インターネットを使いこなすテクニックのひとつに検索がある。
ネットに流れる情報の数は天文学的だ。本当に欲しい情報を見つけるのは難しい。
「検索エンジン」
検索エンジンの出番だ。代表的なものはヤフーだろう。これはディレクトリ検索のサイトである。ディレクトリ検索とは、上位の項目から下位の項目を順番にクリックしてサイトを見つける方法だ。上位の項目はこうだ。
「芸術と人文」
「ビジネスと経済」
「コンピュータとインターネット」
「教育」
「エンターテイメント」
「政治」
「健康と医学」
「メディアとニュース」
「趣味とスポーツ」
「各種資料と情報源」
「地域情報」
「自然科学と技術」
「社会科学」
「生活と文化」
たとえば福岡市内のビジネスホテルを探したいとする。「ビジネスと経済」→「ショッピングとサービス」→「旅行、交通」→「宿泊施設」→「地域別」→「福岡県」とクリックしていくと、福岡市内のホテルの一覧が見つかる。
だが、これでは手間がかかる。だいたい、ホテルと聞いて誰もが即座に「ビジネスと経済」をクリックするとは限らないだろう。そこで別の検索エンジンが必要になる。
「ロボット検索」
これはカテゴリー検索ではなく、入力した言葉が掲載されているありとあらゆるページをすべて表示してくれる。そして近年もっとも信頼されているのが Google というサイトだ。
検索の命は速さである。Google はなにしろ速い。ためしに「マイクロソフト」で検索してみる。
「約451,000件 検索にかかった時間0.45秒」
恐れ入りました。
Google を使って気づいたことがある。
「インターネットの情報のほとんどはゴミ」
役に立たない情報のなんと多いことか。だがこれはインターネットに限った話ではない。たとえば本だ。日本では年間四万冊から五万冊の本が出版されている。その中で本当に世の中が必要としている本がいったいどれだけあるか。あるいは、後世まで読み継がれるものはどれだけあるか。ほんのごく一部に過ぎない。だが出版社にしてみれば、ゴミのような本でも出版しないと経営が成り立たない。すぐれた本を世に送り出すには大量のゴミを出版せざるを得ないのだ。
「貴重なものはゴミが支えている」
これが真実なのであった。
であれば、考えを改めるべきではないか。そもそもインターネットはゴミの山である。どうせゴミなら、ゴミをゴミとして遊んではどうか。そこで思いついた。
「Googleで三つのキーワードを入力して検索結果をひとつだけにする」
「マイクロソフト」という言葉で検索すると451
「マイクロソフト・おばあちゃん・クイックルワイパー」
クリックする。
「2件 検索にかかった時間0.15秒」
なんと2件ある。これではだめだ。「マイクロソフト」と「おばあちゃん」と「クイックルワイパー」という言葉を同時に使っている人が二人もいる。もっと支離滅裂でなくてはだめだ。
「マイクロソフト・ちくわ・腕立て伏せ」
クリックする。
「2件 検索にかかった時間0.15秒」
どうなっているんだ。
「マイクロソフト・こんにゃく・皇居」
これでどうだ。
「3件 検索にかかった時間0.17秒」
増えてしまった。
「マイクロソフト・社会主義・ジャングルジム」
頼むよ。
「1件 検索にかかった時間0.14秒」
やった。「街の灯」というページだ。だが「街の灯」を読むつもりはない。なぜなら、それはどうせゴミだからである。
(2002.2.22)