theatrum mundi

「甘いマスク」

大相撲夏場所で優勝した関脇霧馬山がきのう大関に昇進し、しこ名を「霧島」に改めました。いい名前だなあ。日刊スポーツの記事が先代の霧島について短く触れているのを読んで驚きました。

現役時代に同親方は筋骨隆々の肉体を武器にし「角界のヘラクレス」と呼ばれ、甘いマスクから「角界のアラン・ドロン」とも称される人気力士だった。

甘いマスク。このフレーズを目にするのは何十年ぶりだろう。令和のナウなヤングははたして意味がわかるのかしら。

2023年6月1日


人工知能がこしらえた漫才台本

マイクロソフトの検索エンジンBingが人工知能によるチャット機能を導入して話題になっております。ブラウザのMicrosoft Edgeにも同じ仕組みが搭載されました。お題を与えると作文してくれる機能があるので、「警官と泥棒が主人公の漫才台本を書いて下さい」とお願いしてみましたところ、あっという間にこんな台本をこしらえてくれました。

警官:おい、そこの君!何をしているんだ?
泥棒:え?僕?何もしてないよ。
警官:嘘つくな!その手に持っているのは何だ?
泥棒:これ?これは…えっと…ペットボトルだよ。
警官:ペットボトル?それはどこから持ってきたんだ?
泥棒:どこからって…えっと…コンビニで買ったんだよ。
警官:コンビニで買った?じゃあレシートはあるのか?
泥棒:レシート?あ、あるよ。もちろんあるよ。ほら、これだよ。
警官:これか。ちょっと見せてくれ。…なんだこれは!?
泥棒:どうしたの?
警官:このレシート、昨日の日付じゃないか!
泥棒:え?そうなの?まさか…
警官:まさかじゃない!君は昨日、このコンビニでペットボトルを盗んだんだろう!
泥棒:ち、違うよ!それは違うよ!
警官:違わない!証拠があるんだから!
泥棒:証拠?どんな証拠?
警官:ここにある防犯カメラの映像だよ。ほら、見てみろ。
泥棒:え?防犯カメラ?そんなのあったの?
警官:もちろんあるさ。今時のコンビニに防犯カメラがないわけがないだろう。
泥棒:じゃあ、その映像を見せてくれよ。
警官:見せてやるよ。ほら、この画面を見てごらん。…おやおや、どうした君?
泥棒:(顔色が青ざめて)…
警官:(笑顔で)君、そのペットボトル以外にも色々盗んでるじゃないか!
泥棒:(慌てて)ちょっと待ってくれよ!それは誤解だよ!説明するから聞いてくれよ!
警官:説明する必要はないさ。君は逮捕されるべき犯罪者だからね。
泥棒:そう言わないでくれよ!僕は悪くないんだよ!
警官:悪くない?じゃあ何故こんなに盗品が出てきたんだ?
泥棒:
(涙目で)それは…それは…
(ドンッ)
(舞台上に大量の盗品が落ちてくる)
(観客爆笑)

なかなかよく書けているではありませんか。しかし言葉の数が多すぎる。言葉が多いにもかかわらず話に展開が乏しい。そして最後に大量の盗品が舞台に落下する演出は漫才ではなくコントであります。という具合に、いくらでもケチをつけられますが、文字を使うフィクションの分野にも人工知能がこれから進出するのはまちがいありますまい。

2023年3月23日


「拍車がかかる」

大好きなテレビ朝日の「タモリ倶楽部」が三月末をもって放送終了するというニュースに、さびしさと、四十年間楽しませてもらった感謝の気持ちがないまぜになりつつ、東京スポーツの記事を読み、仕事が減ってのんびり過ごす時間が増えるであろうタモリの暮らしをぶりを推測する最後の一文に目が釘づけになりました。

隔週収録のタモリ倶楽部がなくなり、穏やかな生活に拍車がかかりそうだ。

「拍車がかかる」生活は、果たして穏やかなのでしょうか。巧まずして笑わせてくれる東京スポーツの記者に拍手を送ります。

2023年2月23日


謹賀新年

むうむうあけましておめでとうございます。当サイトはうっかり二十三回目の正月を迎えてしまいました。今年もとことんうっかりする所存です。

2023年1月1日


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