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牛になる

パソコンの普及率はかなり高いらしい。最近は不況らしく、値段が安くても物が売れないという。それでもパソコンだけは売上好調が続き、ようやくその動きもおさまってきたと聞く。つまりそれだけ一般家庭に普及したということだ。

私もパソコンは手放せない。いつの間にか我家には3台もある。友人や家族、職場の同僚との連絡はもっぱらメールだし、何か知りたいことがあればヤフーや Google で検索する。手紙を書くときもパソコンのワープロソフトで下書きを書く。毎日日記も書いている。家計簿もつけている。ホームページも運営しているし、この「夕空の法則」だって当然パソコンがなければ存在しない。要するに私は朝から晩までパソコンをいじっているのだった。

「パソコン天国」

だが私はパソコンに過度な期待をかけてはいけないと思っている。なにしろ相手は機械だ。故障することだってある。私は単なる道具のひとつとして使っている。

インターネットを手放しに礼讃する人がいる。「これからはITだよ」「ネット時代だからさ」。鼻息が荒い。だが私は「違う」と思う。インターネットの面白さは、なんの役にも立たない情報あってこそのものだ。確かに便利である。だがインターネットの世界に蓄積されている情報は、ほとんどが取るに足らないものだ。ゴミである。だがゴミが大切なのだ。

近頃は本が売れないらしい。書店が次々に倒産していく。よく考えてみれば、毎日出版される本の数はおびただしい。年間何万冊もの本が生まれる。だがそのほとんどは「ゴミ」である。そしてそれらの「ゴミ」が売れることで、出版業界は潤っているのだ。ゴミの山があってこそ、名作と呼ばれる作品が登場するのである。

などと偉そうなことをパソコンで書いていたら、突然画面にこんな表示が出た。


思わず椅子から転げ落ちそうになった。パソコンが疲れている。休ませてほしいと訴えている。思えば私は毎日朝から晩までパソコンにかじりついている。パソコンだって時には休みたいだろう。だがそれにしてもパソコンは機械だ。機械は人間のために存在している。少し使ったくらいで音を上げられてはこっちも困る。「もっとちゃんと働いてくれよ」。私は無視して「夕空の法則」の続きを書いた。するとまた表示が現れた。


落ち込んでいる。パソコンがいじけている。私は困った。こういう時にはどう処理すればいいのだろう。冷静になって考えた。こんなメッセージを出すパソコンは本当にダメだ。ダメにもほどがある。ちょっとやそっとのことでくじけるようでは、パソコンとして失格だ。私は腹が立ってきた。「その通り」をクリックした。

次の画面はこれだ。


あわてて私は電源を切った。

(2001.10.20)

夕空の法則