わたくしがいちばん好きなシンガー・ソングライターのルイス・エドゥアルド・アウテが5日、マドリードの病院で亡くなりました。76歳。第二次世界大戦の真っ只中だった1943年にカタルーニャ人の父とフィリピン人の母の子としてマニラで生まれ、11歳でマドリードに移り住み、絵画と映画に心を奪われて16歳で画家として初めて展覧会を催し、画業に専念するものと誰もが思っていたのにたまたま父から贈られたギターで音楽の愉しみを知り、人前に出るのが大の苦手だったにもかかわらずシンガー・ソングライターとしてデビューしてしまい、歌詞はとびきり上等な詩で歌声はスペインの男性歌手のなかででいちばん美しく、歌う詩人になったのでした。
劇場を閉鎖されて活動の場を失った演劇人たちがネットで疑似演劇活動を始めました。ラ・アバディーア劇場は「幽閉劇場」(Teatro confinado)と称して俳優が自宅で演技を行い、観客20人がビデオ通話アプリZoomで同時に観賞します。世界演劇の日だった先週27日にスタートし、最初の作品はスリープウォーク・コレクティブ制作による『Actress 2020』と、ナチョ・アルデゲルが演じるイギリスの劇作家サイモン・スティーヴンスの一人芝居『防波堤』(Sea Wall)。本日は2005年にデヴィッド・フォスター・ウォレスがケニヨン大学の卒業生をに対して演説をイスラエル・エレハルデが再現する『これは水です』(Esto es agua)をバーチャル上演。