舞台通信

 help

2013年11月28日(木)

スペイン国家演劇賞にラモン・バレア
Ramón Barea, galardonado con el Premio Nacional de Teatro

今年のスペイン国家演劇賞がラモン・バレアに決まりました。俳優としてのみならず演出家、劇作家、制作者としても充実した仕事をしてきたトータルな演劇人として評価されました。折りしも来月3日に国立演劇センターによるバリェ=インクラン作『野蛮喜劇』 Las comedias bárbaras に主演します。

1949年ビルバオ生まれ。70年代にバスクの劇団コミコス・デ・ラ・レグアとカラーカの創立メンバーになり、後に戯曲執筆と演出を行うようになりました。代表的な出演作はチェーホフ作のひとり芝居『煙草の害について』、バリェ=インクラン作『ボヘミアの光』、シェイクスピア作『テンペスト』、フェルナン=ゴメス作・演出『正気に死に狂気に生きる』、フアン・マヨルガ作『最後尾の男の子』『スターリンへのラブレター』、ヘロニモ・ロペス・モソ作『プエルタ・デル・ソル』、サシャ・ギトリ作『ボーマルシェ』、カルデロン作『この世は全てがまことで全てが嘘』。

演出家としての代表作は神経学者オリバー・サックスのエッセイを舞台化した『妻を帽子とまちがえた男』、ルーク・ラインハルト作『ダイスマン』(いずれも上演台本執筆)、ケベード作『ぺてん師ドン・パブロスの生涯』、トマス・アファン作『エセンシア・パトリア』など。

2013年11月13日(水)

2013年度スペイン国家劇文学賞にフアン・マヨルガ
El dramaturgo Juan Mayorga, Premio Nacional de Literatura Dramática 2013

1965年生まれの戯曲家で作家、演出家のフアン・マヨルガが本年度のスペイン国家劇文学賞を受賞しました。受賞作は聖テレサの著作と生涯を描いた『千々に砕けた言葉』 La lengua en pedazos。同作品は今年の夏にセレス最優秀劇作家賞を受賞したばかり。

設立三十周年 パリ・オデオン座のヨーロッパ劇場
El Teatro de Europa del Odeón de París celebra sus 30 años

昨日12日、パリ・オデオン座のヨーロッパ劇場が設立三十周年を迎え記念式典が開かれました。ジョルジョ・ストレーレルの後を継いで1990年から1996年まで芸術監督をつとめたリュイス・パスクアルも出席しました。

2013年11月9日(土)

【訃報】女優アンパロ・リベリェス 享年八十九
Amparo Rivelles, referente del cine y el teatro español durante siete décadas

映画と舞台で活躍した女優のアンパロ・リベリェスが一昨日亡くなりました。享年八十九。

1925年2月11日生まれ。俳優のホセ・リベレスとアンパロ・ギリェンの孫にあたり、父親ラファエル・リベリェスと母親マリア・フェルナンダ・ラドロン・デ・ゲバラも同じく俳優という芸能一家に生まれ育った正真正銘のサラブレッド。スペイン映画界のアカデミー賞に相当するゴヤ賞を女優として初めて受賞した人でした。四十年代から五十年代にかけては主に映画で活躍。1954年にはオーソン・ウェルズ監督・脚本・製作による『秘められた過去』 Mr. Arkadin に出演。五十年代末からの二十年間はメキシコの英語とテレビで活動しました。

1979年スペインに帰国し、サンティアゴ・モンカダの喜劇『イルカを救う』 Salvar a los delfines で舞台に復帰。八十年代はテレビドラマに欠かせない顔になりました。1988年には舞台生活五十周年を記念してトレンテ・バリェステル脚本、アドルフォ・マルシリャック演出による『ラ・セレスティーナ』に主演。2001年から03年にかけては『ドライビング・ミス・デイジー』に主演し、スペイン全国ツアーを行いました。2003年から翌年にかけてはデイヴィッド・ヘアの戯曲『運命の息吹』 La brisa de la vida でヌリア・エスペルと共演しました。

2013年11月5日(火)

スペインのモンダドーリ、ブランド名を「ランダムハウス文学」に
Mondadori cambia de nombre por Literatura Random House

スペインで〈モンダドーリ〉のブランド名で出版を行ってきたランダムハウス・モンダドーリ社が、来年1月以降ブランド名を〈ランダムハウス文学〉 Literatura Random House に変更すると発表しました。2012年11月にドイツのベルテルスマン・グループがランダムハウス・モンダドーリ社を完全子会社化し、2013年7月1日にランダムハウスとペンギン・ブックスを合併させた流れを受けてのこと。

バレンシアに演劇・舞踊・音楽専門図書館オープン
Nueva biblioteca de teatro y música

昨日バレンシア市のビリアト広場に演劇舞踊音楽図書館がオープンしました。これまでジャンルごとに個別にあった図書館を一ヶ所に集約したもの。音楽関係の資料は専門書が五千冊、楽譜千点、定期刊行物二百四十タイトル、さまざまな媒体による録音が十万点。舞台芸術の分野では専門書が六千冊、上演台本が千二百冊。今後はすべての資料をインターネットで閲覧できるよう資料のデジタル化を進めるそうです。