移動サーカスではない、拠点を構えたサーカス「シルコ・プリセ」が3月21日、マドリードに復活します。演目は『チャリバリ』 Charivari 。大騒ぎを意味するフランス語からとったタイトルで、サーカスの歴史を二時間以上にわたって繰り広げる作品。演出はフランス人ジョセフ・ブーグリオヌ。
場所はロンダ・デ・アトーチャ通り。元の本部は現在文化省があるレイ広場にありましたが1970年に取り壊されました。劇場のキャパは二千人。百年以上の歴史があるサーカスです。
アルゼンチン生まれのチリ人劇作家、ホルヘ・ディアスが食道癌で他界しました。享年77。
不条理劇の大家。代表作に『歯ブラシ』 El cepillo de dientes 、『ある裸の男の地勢図』 Topografía de un desnudo 、『パブロ・ネルーダが飛んでくる』 Pablo Neruda viene volando 、『瓶の帆船』 El velero de la botella など。90を越える作品のほとんどは、1959年から自身が関わってきた劇団イクトゥス Ictus によって上演されました。ラジオやテレビの台本も数多く手がけました。
生まれは1930年、アルゼンチンのロサリオ。チリとスペインで過ごし、スペインでは1964年から三十年間過ごしました。以後はチリに定住。
建築家だったのが劇作家・舞台美術家・演出家として名を馳せ、1993年にチリの国民芸術通信視聴覚賞を受賞。他にもメキシコのアントニオ・ブエロ・バリェーホ賞(1992年)やスペインの貯蓄銀行百年演劇賞(1989年)、スペインのパレンシア・デ・テアトロ賞(1980)などを受賞。
死の床にありながら執筆欲は衰えず、「分類不可能」だと本人が認めるテクストを集めた本に取り組んでいました。92ページからなる〈口の頽廃〉シリーズとでも呼べるもので、「編集者と作者の対話」に始まり「みだらな告白」「手短に、というのは偽り」「お話になったかも知れないこと」「新しい哄笑」「口の頽廃」「生後正誤表」の全七章。今月末リル・エディトーレス社から出版予定。
今年はパブロ・クローグ演出による〈記憶の難破者〉三部作の上演が進行中。第一作『嵐の鳥』 Pájaros en la tormenta が一月のテアトロ・ア・ミル演劇祭で上演され、今年は第二作『無邪気な手』 La mano inocente が、来年は第三作『出口 Exit』 Exit が上演される予定。
イザベル・コイシェ監督が新作『エレジー』 Elegy で本格的にハリウッドデビューします。原作はフィリップ・ロスの小説『ダイング・アニマル』。ハリウッドデビューといっても製作は『ミリオンダラー・ベイビー』のレイクショアだからインディペンデントっぽい作品になりそう。コイシェは2003年にスピルバーグのドリームワークスから『SAYURI』の監督をしないかというオファーがあったのを断った経緯があります。
主演はベン・キングスレーとペネロペ・クルス、パトリシア・クラークソン。四月最終週にバンクーバーでクランクイン。撮影期間は十週間。
1970年代半ば、スペイン民主主義移行期に大人気を博した二人組のコメディアン、ティプ・イ・コル Tip y Coll のコルがマドリードのラ・パス病院で亡くなりました。享年75。相棒のティプことルイス・サンチェス・ポラックは1999年に物故。
結成は1969年。トレードマークは墓掘り人の服装に山高帽。背の高い方がティプ、小柄なのがコル。大晦日のスペイン版「行く年来る年」には1969年と1970年、75年、76年、81年、82年、86年に出演。
一世を風靡したのは「コップに水を入れる方法」というコント。見たことがなかったのですが、ユーチューブを見たらありました。
この二人、見かけが星セント・ルイスにとてもよく似ています。特に小柄なコルはしゃがれ声がルイスにそっくり。