第61回サン・セバスティアン国際映画祭が閉幕、スペイン語圏の作品が主要部門を独占。最優秀作品賞にあたる金貝賞(コンチャ・デ・オロ)はベネズエラのマリアナ・ロンドン監督作 『癖毛』 Pelo malo に決まりました。
部門 | 受賞者・作品 | 監督 | 製作国 |
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金貝賞最優秀作品賞 | 癖毛 Pelo malo | マリアナ・ロンドーン | ベネズエラ |
審査員特別賞 | 傷 La herida | フェルナンド・フランコ | スペイン |
最優秀監督賞 | サンドイッチ・クラブ Club Sándwich | フェルナンド・エインビッケ | メキシコ |
銀貝賞最優秀女優賞 | マリアン・アルバレス(『傷』) | フェルナンド・フランコ | スペイン |
銀貝賞最優秀男優賞 | ジム・ブロードベント(Le week-end) | ロジャー・ミッシェル | イギリス |
最優秀脚本賞 | ベルトラン・タヴェルニエ、アントナン・ボードリ、クリストファー・ブレイン(『フランス外務省』) | ベルトラン・タヴェルニエ | フランス |
最優秀撮影賞 | パウ・エステベ・ビルバ(Caníbal) | マヌエル・マルティン・クエンカ | スペイン |
ラテンの地平賞 | 戸口の狼 O lobo atrás da porta | フェルナンド・コインブラ | ブラジル |
クチャ新人監督賞 | 馬と人間 Of horses and men | ベネディクト・エルリングソン | アイスランド=ドイツ |
国際映画批評家連盟賞 | フランス外務省 Quai d'Orsay' | ベルトラン・タヴェルニエ | フランス |
今年のスペイン国家映画賞は『インポッシブル』のフアン・アントニオ・バヨーナ監督に決定。サン・セバスティアンのサン・テルモ博物館で授賞式が催されました。バヨーナは1975年生まれ。最年少の受賞者です。
受賞スピーチでは「文化と教育を我々の社会を築く土台として考えないとどうしようもない」と語り、文化と教育行政が劣化する一方で付加価値税も増税になった現況を批判。同席したホセ・イグナシオ・ウェルト教育文化スポーツ大臣は耳が痛かったことでしょう。
マドリードの旧市街、プリンシペ通りとサンタ・アナ広場が接続するところにあるエスパニョール劇場(Teatro Español)が今週土曜に創立430周年を迎えます。創立当時の劇場名は通りの名称にちなんだコラル・デル・プリンシペ(Corral del Príncipe)。1583年9月21日にバスケスとフアン・デ・アビラが芝居を上演したのが杮落し。当時の入場料は70レアル。座席の設備がなかったので観客は立ち見でした。以後改修を重ねて1849年に現在の名称であるエスパニョール劇場として生まれ変わりました。
2016年に任期が切れるマドリード王立劇場のジェラール・モルティエ芸術監督の後任人事をめぐって政治家たちの思惑が交錯し上を下への大騒ぎでしたが、結局劇場の理事会はジュアン・マタボスクを後任に指名、モルティエは即日解雇になりました。先日モルティエは「私が候補としてリストアップした六人を政府が考慮せずに後任を決めた場合は2016年の任期切れを待たずして辞任する」とエル・パイス紙へのインタビューで応えており、さらにドイツで癌の治療中であることも勘案して理事会は決定を下したようです。
スペイン国立古典劇団(CNTC: La Compañía Nacional de Teatro Clásico)の2013年~2014年シーズンの演目が発表されました。
メリダ国際古演劇祭のケレス賞(Premios Ceres)授賞式でヌリア・エスペルが生涯功労賞にあたるエメリタ・アウグスタ賞を受賞。エスペルがメリダの古代ローマ劇場の舞台を初めて踏んだのは1959年、24歳のときでした。