舞台通信

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2009年7月4日(土)

マドリード秋の芸術祭、26年の歴史に幕  El Festival de Otoño se despide

マドリードで毎年秋に開催されてきた芸術祭「フェスティバル・デ・オトーニョ」 Festival de Otoño が今年で幕を閉じ、来年からは春に開催されることになりました。80年代から90年代にかけてスペイン演劇界の見本市的な存在でした。残念。

最後となる第26回は11月4日から29日まで。予算も期間も減少。季節が変更になった理由は、演劇シーズンが始まる9月以降にフェスティバルをやると民間の劇場のプログラムとバッティングしてしまい、制作会社が不満を募らせていたからだと、ロサーナ・トーレス記者。「しかし妙な話である」とトーレス記者は続けます。「演劇シーズンは9月に始まるのに、制作者たちは以前、春恒例のマドリード国際演劇祭にも苦言を呈し、中止に追い込んだ経緯がある。各国の最新の動向に飢えていた人々の不満を尻目に」。

最終回となる今年のオープニングは先日他界したばかりのピナ・バウシュの『コンタクトホーフ』 Kontakthof

合計35作品、うち6作品はスペイン国内のカンパニーで、残りは19カ国。常連のロベール・ルパージュも〈ドラゴン三部作〉の最終作『ザ・ブルー・ドラゴン』 The Blue Dragon で参加。これまた常連のミラノ・ピッコロ座も俳優トニ・セルビッロが演出するゴルドーニ作品で登場。音楽では坂本龍一が『out of noise』で登場。ダムタイプの高谷史郎とのコラボです。

2009年7月2日(木)

ピナ・バウシュの遺作、2010年にチリ公演  La última obra de Pina Bausch, inspirada en Chile, llegará al país en 2010

6月30日に急死したピナ・バウシュの遺作は南米チリがモチーフ。二週間前にドイツで初演を向かえたばかりでした。

そのチリで毎年開催される大規模な演劇祭 Festival Santiago a Mil (通称テアトロ・ア・ミル Teatro a Mil)。来年2010年、この遺作が上演されることが決定。チリ独立二百周年記念行事の一環でもあります。演劇祭のディレクター、カルメン・ロメーロ氏が発表しました。

ピナ・バウシュはミシェル・バチェレ大統領からパブロ・ネルーダ文化勲章を授章。1980年にチリを初訪問し、チリ人の詩人ロナルド・カイ Ronald Kay と出会い結婚、一人息子をもうけました。遺作はチリの舞踊や音楽を盛り込み、ビクトル・ハラ、ビオレタ・パラ、チコ・トゥルヒージョなどチリ人歌手の歌を使っているそうです。