アカデミー賞作品賞にギジェルモ・デル・トロ監督の『シェイプ・オブ・ウォーター』が選ばれました。デル・トロは監督賞も受賞。同作はプロダクション・デザイン賞とオリジナル作曲賞も受賞し、あわせて四冠。さらにメキシコの死者の日をモチーフにしたディズニーとピクサーのCGアニメ『リメンバー・ミー』 Coco がオリジナル歌曲賞に選ばれました。
アカデミー賞外国語映画賞にチリのセバスティアン・レリオ監督の『素晴らしい女』 Una mujer fantásticaが選ばれました。性転換した女が主人公の本作にいてはアルモドバルの影響が喧伝されますが、レリオが常に参照したのはブニュエルの『昼顔』、そして『死刑台のエレベーター』のジャンヌ・モローだそうです。
昨日ペネロペ・クルスが第43回セザール賞授賞式で名誉賞を受けました。スペイン人受賞者は1999年のペドロ・アルモドバル以来二人目。
スピーチでは「今夜は人生にありがとうと言いたい気分です。フランスの映画アカデミーのセザール名誉賞を、ここ、パリで受けるなんて、夢にも思ったことはありません。この賞が時分にふさわしいかどうかについて穿鑿するつもりはありません。ただ心の底から喜んで、かけがえのない人たちを思い起こすだけにします」と述べたあと、フランスへの敬意を表明しました。
皆さんはいつも私をあたたかく受け入れてくれました。皆さんに愛されていると感じてわたしは幸せです。文化を愛する人たちにとってフランスは特別な国です。フランスが私たちにもたらしてくれた作品とアーティストは歴史とわたしたちの人生において特権的な位置を占めています。フランス人を元気づける文化と自由への愛はわたしたちのインスピレーションの源です。