2004年9月28日(火)
1974年9月28日にオープンして三十年。今年はダリ生誕百周年。アントニ・ピチョ館長によると、さ来年日本でダリ展をやるそうです。
2004年9月26日(日)
第52回サン・セバスティアン映画祭。最高賞「金の貝殻」を受賞したのはクルド系イラン人監督バーマン・ゴダビの『亀だって飛ぶ』。
舞台はイランとトルコの国境クルディスタン。演じるのは映画というものを見たことがない子どもたち。演技ではなく彼らが生きるそのままをカメラに収めたとのこと。米軍侵攻の場面は軍の許可を得ているそうです。「衛星放送では伝わらない人々の現実の暮らしを見せる」のが狙い。
ゴダビは35歳。来週イラクに行き本作を上映、その後イラクで新作の撮影を開始。イラク戦争後初の映画になる予定。
2003年9月21日(日)
12月11日のヨーロッパ映画祭はバルセローナで閉幕したフォーラム2004の跡地で行われます。当日はヨーロッパ・フィルム・アカデミー(EFA)がノルエーの女優・監督リブ・ウルマンとカルロス・サウラを表彰。サウラは新作『七日目』 El 7º día がノミネートされているので、授賞式に参加する可能性あり。
スペイン映画ではその他アルモドバル『バッド・エデュケーション』 La mala educación 、アメナーバル『沖へ』 Mar adentro、セスク・ガイ『街で』 En la ciudad、イシアール・ボリャイーン『私の目をあげる』 Te doy mis ojos、グラシア・ケレヘータ『エクトール』 Hectorの六本。
セルヒオ・カステリトの『動くな』 No te muevas でペネロペ・クルスが最優秀女優賞にノミネートされるかも。今のところ観客賞の候補。アルモドバル、ボリャイーン、ライラ・マルール、『カルメン』のパス・ベガ、フェレ・マルティネスも観客賞候補。
授賞式の演出はバルセローナ五輪の演出を務めたマヌエル・ウエルガで、スペイン国営放送 TVE が生中継。会場全体を縦に切れ目が入った円筒で覆い、巨大なゾーエトロープにするそうです。映画の起源と、イギリスの科学者でゾーエトロープの発明者ウィルアム・ジョージ・ホーナーを想起される装置。円筒が回転すると動画が見える仕組み。
式典のプロットはヴィム・ヴェンダースが執筆。
2004年9月18日(土)
デスティーノ書店がダリ全集第三巻を刊行。未公開の戯曲とバレエ台本、映画シナリオ、韻文、散文を収録。編集はアグスティン・サンチェス・ビダル。
シナリオは『衛生的なヤギ』と、フリッツ・ラングが監督するはずだった Moontide、『カタルーニャの血』、『肉の仮面』。1948年にはエロール・フリン主演で『エル・シッド』を構想。『ゴヤ』ではチャールズ・ロートンのゴヤ、ベティ・デイヴィスのアルバ公爵夫人というキャストを想定。ダリが自身を演ずる『秘められた生涯』も。マルクス兄弟と『超現実主義の女』という映画を製作する予定だったというのには驚きました。主役はグルーチョなのにハーポに熱を入れていたとか。MGMの製作者サルバーグの死で計画は中止。
アカデミー賞外国語映画賞のスペイン代表候補はアメナーバル『沖へ』 Mar adentro とアルモドバル『バッド・エデュケーション』 La mala educación、ホセ・ルイス・ガルシ『メリーゴーランド1950』。
サン・セバスティアン映画祭でウディ・アレン『メリンダ&メリンダ』を見たABC紙のロドリゲス・マルチャンテ記者によると、アレン映画の傑作であるのみならず、あらゆる映画の中でも傑作とのこと。
2003年9月17日(水)
ダニエラ・デシ・ファビオ・アルミリアト、ルッジェーロ・ライモンディ主演、ヌリア・エスペル演出の『トスカ』がDVDに。製作はメディアプロ(スペイン)とNHK。ハイビジョン撮影。BBCミュージック・マガジンは現在市場で購入できる『トスカ』のDVDとしては「最高」とし、五つ星の評価。今日午後10時半からスペインTVE-2で放送されます。
22日開幕の第8回リスボン・ゲイ・レスビアン映画祭でアントニア・サン・フアンが表彰されます。同時にラモン・サラサールの『石』、サン・フアン監督・主演の『V.O.』、第19回トゥリン・ゲイ・レスビアン映画祭で観客賞を受賞したカルロス・ドゥエニャス・イ・ビエルの『カラーズ』 Colours が上演されます。
サン・フアンはアルモドバル『オール・アバウト・マイ・マザー』のアグラード役。
2004年9月16日(木)
明日ニューヨークのリンカーン・センターで開幕するラテン・ビート映画祭。中南米の映画二十篇とアルゼンチンのマルセル・ピニェイロ監督へのオマージュ。29日まで。
オープニングは『モーターサイクル・ダイアリーズ』。一般公開はニューヨークとロサンゼルスで24日から。
ピニエイロのレサロスペクティヴでは『天国の灰』を上映。セシリア・ロス主演で、1997年のアカデミー賞外国語映画賞ノミネート作。
その他の上映作品はアナ・ポリアク『パラパロス』(アルゼンチン)、フェルナンド・サラニャーナ『愛は痛い』(メキシコ)、フアン・カルロス・タビーオ『どんなに遠く離れても』(キューバ=スペイン)、ビクトル・マヌエル・アレーギ『アウト』 Fuera de juego (エクアドル)、メルセデス・ガルシーア・ゲバラ『タンゴ』(アルゼンチン)、セリーナ・ムルガ『アナとその他の人たち』(アルゼンチン)、フランシスコ・ロンバルディ『見えない目』(ペルー)、エベラルド・ゴンサレス『プルケの歌』(メキシコ)、フアン・アレハンドロ・ラミレス『荷役人ひとり』 Sólo un cargador、マティーアス・ビセ『土曜日』(チリ)、ロドリーゴ・レイ・ロサ『セバスティアンの夢』(グアテマラ)、ギリェルモ・カサノバ『海への旅』(ウルグアイ)。
19日に開幕するキューバのカマグエイ演劇祭で、トマス・グティエレス・アレア監督『最後の晩餐』などで知られるベテラン俳優ホセ・アントニオ・ロドリゲスが『ヴァージニア・ウルフなんて恐くない』で舞台復帰。
1935年3月19日ハバナ生まれ。私立の演劇学校を卒業後ラジオでデビュー。1980年からは劇団ブスコンを設立・主宰。俳優、戯曲家、演出家として活躍中。2003年国民演劇賞を受賞。
2004年9月15日(水)
あさって17日、サン・セバスティアン映画祭オープニング式典でアルモドバルがウディ・アレンにドノスティア賞を授与。
アルモドバルは先週のニョーヨーク・タイムス日曜版の表紙を飾ったばかり。ニューヨーク・フィルム・フェスティバルで全作が上映される予定。
明日16日開幕予定だったカマグエイのキューバ国際演劇祭がハリケーン「イバン」のため延期。日程は来週決定。
2004年9月13日(月)
第61回ヴェネツィア映画祭、金獅子賞はマイク・リーの『ヴェラ・ドレイク』。銀獅子賞にあたる審査員特別大賞にアレハンドロ・アメナーバルの『沖へ』 Mar adentro。主演のハビエル・バルデムが主演男優賞。
映画祭ディレクター、ミケル・オラシレギのインタビュー記事。
- ――第52回サン・セバスティアン映画祭のラインナップの出来は?
- 映画界全体とフェスティバルの状況から初めは見通しが不透明だった。でも最終的に素晴らしいラインナップが揃い埋め合わせができた。
- ――今回中南米からの参加はどんなレベルに?
- メキシコ映画にとって特に良い年とは思わない。映画業界は逆風が吹くこともある。選考委員会が評価するのは個々の作品だ。技法や国籍のバランスは考慮しない。良い作品を探す、それだけだ。
- ――アルゼンチン映画は順風のようだが…
- アルゼンチンの状況は特殊。ひどい経済危機に見舞われている国だが、危機が顯著になってから映画界は新たな作家や作品が次々と生まれている。今回はアルゼンチンとアルゼンチンの合作映画の参加が多い。
- ――スペイン語圏の映画、つまりスペインと中南米でこのフェスティバルが担う役柄とは?
- 目的ははっきりしている。公式プログラムでもサバルテギ部門でも、さらに中南米部門もあることからわかるように、我々が目指すのはこれらの地域の映画に開かれた扉になることだ。世界最大の国際映画祭の一つであり、スペイン語圏の買い手がどこよりも多く集まる。中南米映画にとってダイナミックで良いことだ。
- ――大西洋の両岸からアーティストが集り、共に作品を披露する、中南米とスペインの共同市場ということ?
- そうなればいいと願っている。 合作は別として中南米各国の作品は国内市場向けだ。でも国内消費向けの作品が時として型を破って国際市場に飛び出ることがある。
- ――近年はスペイン国内外でも中南米映画を取り上げる映画祭がたくさんある。興行面、戦略面からどう立向かう?
- できるだけ協力している。ウェルバのように歴史があるフェスティバルもあるし、ほかにも多くの映画祭がある。われわれが心してきたのは足し算。引き算ではない。例えばマイアミの人は毎年サン・セバスティアンに足を運んでくれる。われわれがスペイン語圏の映画の基準になったからだ。彼らにとってだけでなくサンダンスなどにとってもそう。サンダンスからも人が来る。
- ――今回はアンソニー・マンの特集と、もうひとつの特集は「間違った」監督たちですが。
- マンの特集はずいぶん前からやりたかったこと。ハリウッドの大監督のひとりだが、もっと隠れた、人が知らないマンがいると思ってきた。初期のスリラーや西部劇は現代的であまり知られていない。「間違った」監督たちは刺激的で楽しいトロスペクティヴだ。マイケル・ムーアのような態度を撮ってきた作家たち、問題に首を突っ込む人たちを歴史から回復する試みだ。
- ――ウディ・アレンが参加して『メリンダとメリンダ』の世界初演を果たすためには、アレンの回顧特集を組んでドノスティア賞を授けなければならなかったのか?
- 授賞は最初から決めていた。これまでもアレン映画の初演は彼が出席しなくても行ってきた。『セプテンバー』はサン・セバスティアンが世界初演だった。アレンには賞賛を怠っていない。
- ――最後にスペイン映画の現状は?
- ヨーロッパや世界のレベルからみて優れた一連の作家がいる。ただし供給過多、製作過剰の時期があったのも確かだ。
2004年9月10日(金)
スペイン語圏ではアルゼンチンから五作。カルロス・ソリンの Bombón, el perro、マリーア・ビクトリア・メニスの Cielito、リサンドロ・アロンソの『死者』 Los muertos、パブロ・トラペーロの Familia Rodante、エンリーケ・ピニェイロの Whisky Romeo Zulú。
フアン・パブロ・ロベージャ『ウィスキー』 Whisky(ウルグアイ)、フェルナンド・エインベケ『アヒルの季節』 Temporada de patos(メキシコ)、ルシーア・ムラ『兄弟のように』 Caso dos hermanos(ブラジル)、パトリシオ・グスマン『サルバドール・アジェンデ』(チリ)、ホスエ・メンデス『サンティアゴの日々』(ペルー)、セバスティアン・コルデーロ『クロニクル』 Crónicas(エクアドル)が参加。
アルモドバル『バッド・エデュケーション』 La mala educacion、アメナーバル『沖へ』 Mar adentro も。
エル・ムンド紙ルイサ・カストィニェイラ記者によるインタビュー。
- ――初舞台はバリェ・インクランの『神の言葉』(1975)でした。以後は映画とテレビで活動していますが、選ぶとしたらどちらですか?
- どっちもいい面があるから難しいわね。テレビは有名になれるしお金もね。蔑むべきことじゃない。ラッキーなことにいつも気に入った役を愛をこめて演じてこられた。仕事に関しては父から精神的な見方を教わったの。何でもやればいいってもんじゃない、選ばなくちゃだめだって。その通りにしました。基準が合ってるか間違っているかはわからないけど。でも若い頃からこの仕事は自分にとって本当に良いものかどうか考えてきたの。舞台は人間として、女優としての自分を他のどんなメディアより知る機会を与えてくれる。その喜びは計り知れない。舞台で演じる喜びは他とは比べ物にならない。映画は知り合っては別れる恋人みたいなものかしら。名声とかいろいろ手に入るから…。三つともできる自分は恵まれていると思う。他の国は知らないけどスペインだとこの人は舞台、この人は映画、この人はテレビってたいてい決まっているのね。その意味では私は好きな仕事をして特定のジャンルには縛られていない。一度も。
- ――『老嬢ドニャ・ロシータ』はフェデリコ・ガルシーア・ロルカの作品ですが、いちばん演じてみたいのはどんな芝居ですか?
- その時によるわね。人生で選べるものってごく僅かなのよ。いろんなプロジェクトがちらつかされて、これはOK、これはダメって言うんだけど、実際は自分で思っている以上に選択の幅は狭いの。
- ――ではなぜ『老嬢ドニャ・ロシータ』を?
- ミゲル・ナロスと組んだ『夏の夜の夢』が素晴らしい経験だったから。また一緒にやろうっていう話が前からあって。それから『老嬢ドニャ・ロシータ』の話が浮かんで、とんとん拍子で進んで。話がスムーズに進むとどんな仕事も気持ちがいい。演じる私たちと同じくらい観客のみなさんにも楽しんでほしい。
- ――観客はコメディーの方が慣れているかも知れませんね。今回はかなりドラマチックな作品ですが、この作品に取り組もうとしたのは?
- 私だってコメディーばかりじゃなくてドラマチックな作品も転じてきたのよ、何年も前だけどラモン・イ・カハルとか、カルメン・マウラとやったクララとエレーナとか。マヌエル・イボーラ監督の。『歌姫カルメーラ』も単なるコメディーじゃない。つまり私は女優で、いい俳優は何でもできなきゃだめってこと。ペダンチックなのは嫌いだけど、オスカー・ワイルドがこう言ってるの。「死ぬのは簡単だ。難しいのは喜劇だ」って。勉強してできるものではないのよね、喜劇性って生まれもった才能だから。いい俳優で人間の内面をよく知っていればうまくいくわ。
- ――作品でいちばん気に入っている部分は?
- まずロルカの作品だということ。尊敬してるし好きで好きでたまらないの。世界に通用するスペイン的なもの、自分たちのものがやりたいっていうののもあるし。テキストを理解するのに言葉のゆたかな知識とか学歴は必要ではないの。大作家ってそうなのよね、だから好きなの。この作品ができるのはどんな俳優にもラッキーなこと。素晴らしいプレゼントね。
- ――捨てられた夫を待ち続ける役ですが、ドニャ・ロシータにはどんな批評性がありますか?
- 社会の告発がとても大きいわね。それから人間が自分自身を欺いて生き延びてゆく力。嘘を貫き通して人生の終わりにさしかかって、本当の気持ちを感じられずにきたなんて、とっても悲しいわ。
- ――舞台でいちばん面倒なことは?
- さあ何かしら…とても混乱することはあるわ、私には無理って思うことも時々あるし。でも翌日稽古すると面白い発見があったりするものなのよ。俳優って発作的なピンチによく陥るものなの、でもある役柄を舞台で創るのに「面倒」っていう言葉は私なら使わないわ。うまく行くか行かないか、結局はこれだけなの。
- ――いよいよ開幕ですが、いちばん不安なことは?
- どんな評価が下されるか、これは怖いわね。お客さんを怖がったりはしたくないの。正反対。俳優は舞台に出て楽しい時間を過ごして、感情を伝えなくちゃいけない、ロルカが書いたものを伝えなくちゃいけないから。怖がってちゃだめなの。麻痺しちゃうだけだから。
- ――『老嬢ドニャ・ロシータ』と撮影中のマヌエル・ゴメス・ペレイラ監督の『女王たち』は、どうやって両立できたんですか?
- 手際がいいのよ、私。映画のときは私はこの役をやってる女優なんだって、他のことは全部忘れちゃうの。ミゲルとの稽古のときはドニャ・ロシータのことしか頭にない。そのときそのときで切り替わるの。
ガルシーア・ロルカの『老嬢ドニャ・ロシータ』。マドリードのエスパニョール劇場で8日から10月10日まで。
2004年9月9日(木)
アルモドバル『トーク・トゥ・ハー』、アメナーバル『アザーズ』『沖へ』の撮影監督ハビエル・アギレサローベが2004年スペイン国民映画賞を受賞。
ほかに関わった監督はイマノル・ウラベ、モチョ、アルメンダーリス、ピラール・ミロ、ビクトル・エリセ、カルロス・サウラ、フェルナンド・トゥルエバなど。
デビュー作は1973年のホセ・ルイス・ボラウ監督『Bを殺れ』。77年から80年代半ばまでバスク映画に専心、以後は幅広く活動。
エリセ『マルメロの陽光』の自然光からフアンマ・バホ・ウリョア『死んだ母』の複雑な光まで何でもできる人。
2004年9月8日(水)
アテネ五輪テニスでチリのニコラス・マスが金メダルを獲ったのもつかの間、今度は映画がアテネを席捲。
パトリシオ・グスマン監督のドキュメンタリー『サルバドール・アジェンデ』 Salvador Allendeが月曜から市内数ヶ所の映画館で上映中。ギリシア語吹替え版です。グスマン監督とイサベル・アジェンデ議員、チリ大使マルシア・コバルビアスも駆けつけました。
配給はニュースター。上映は10月25日までで、翌日から大ヒットした『マチューカ』 Machuca が上映されます。チリでは43万人の観客動員を記録しました。さらにアントニッラ・リオス主演の『新人』 Los debutantes も上映される予定です。
キューバのカマグエイで7日に開幕する第10回キューバ演劇祭。国内の劇場の設備状況を検証します。
コンクールには27作品が参加、注目を集めているのはアスゴス・テアトロの『ピエル・パオロ・パゾリーニの生と死』、演劇スタジオ・ビバルタの『ヴェローナの恋人』、ハバナ小劇場の『死者と語る哺乳類』。審査委員長はビリャ・クララ県の劇団エスカンブライ主宰者のカルロス・ペレス・ペニャ。
中南米映画部門でメキシコのハイメ・アパリシオの処女作『魔法使い』 El mago が最優秀第一作監督作品賞を受賞。
ロベール・ルパージュ演出、エスペル主演の『セレスティーナ』が今日からバルセローナの自由劇場 Teatre Lluire で開幕。「モラルが混沌とした現代についての作品」とルパージュ。主役を演じるエスペルは「最高のタイミングで役をもらった。69歳で、ロベルトの厳しさにもセリフの暗記にも耐えられる」。恋を取持つ魔女っぽい女という通俗的なイメージに、官能性と賢さを備えた現代的なセレスティーナ像を創るのが狙い。
舞台装置は俳優とともに、有機的に動くのだそうです。ミシェル・ガルノーの台本はセリフは短く刈り込み、映画の台本のような仕上がり。
2004年9月4日(土)
ベネチア入りしたメキシコのアルフォンソ・キュアロンの記者会見。
今回メキシコから出品されたのはティム・パルサの短篇『少年』 Chamaco 一本だけ。カルロス・レイガーダスの長編『天国の闘い』(仮) Batalla en el paraíso は予算不足でベネチア映画祭に間に合いませんでした。未完成のフィルムを観たキュアロンは「メキシコでこうした文化的差別があり優れた映画監督への援助がないのは嘆かわしい」。
キュアロンはベネチア映画祭に新設されたオリゾンティ部門の審査委員長。
2004年9月2日(木)
12月11日にバルセローナで授与されるヨーロッパ映画賞。アルモドバルとイシーアル・ボリャイーンがそれぞれ『バッド・エデュケーション』と『目をあげる』でジェイムソンが最優秀監督賞にノミネート。他に『ドリーマー』のベルナルド・ベルトルッチとの『ヘッド・オン』のフェティ・アキンも。
フェレ・マルティネスも『バッド・エデュケーション』で最優秀男優賞にノミネート。ライバルはコリン・ファレル、ヒュー・グラント、ダニエル・ブリュール。
最優秀女優賞には "Non ti muovere" のペネロペ・クルスと『カルメン』のパス・ベガ。ファニー・アルダンやエマニュエル・ベアール、サマンサ・モートンと競います。
10月21日から30日まで開催される第19回カディス中南米演劇祭、四十周年を迎えるエルス・ジョグラルスとコロンビアの俳優エンリケ・ブエナベントゥーラにオマージュを捧げます。
2012年は1812年のスペイン憲法がに二百周年を迎えるのにあわせて野外劇の世界的な祭典にするとのこと。
7月19日に文化相カルメン・カルボが王立劇場の運営見直しを発表したのを受けて辞任。
2004年9月1日(水)
アレハンドロ・アメナーバルがゲイ雑誌 "Shangay" 9月号でカミングアウト。年長の親族に対する配慮から今までは明らさまに告白しなかったが、もう隠す必要もないし、だからといてわざわざ触れ回ることもなくなったとのこと。
1972年チリのサンティアゴ生まれ。クーデターで11日後にはスペインに移住。親戚は今もサンティアゴに多く住み、叔母のラウラ・アメナーバルはチリ料理の本で有名だそうです。ソプラノ歌手のマグダリーナ・アメナーバル、モデルのセシリア・アメナーバルも親戚。