2005年12月29日(木)
26日の続報。
スペイン国内の映画館観客動員数は三年連続減少。2004年が1億4393万2142人だったのに対し今年は1億1613万8489人。約2700万人減。特に外国映画の減少が目立ち、1億2464万9175人から9669万5820人に。
逆にスペイン映画は数字の上では「増」ですが、これはリドリー・スコットの『キングダム・オブ・ヘブン』をスペイン映画とみなしているから。名目上はスペイン=ドイツ合作ですが、実際は20世紀フォックスとスコット・フリー・プロダクションと、主にハリウッド映画を手がけているカンサマン(スペイン資本のようです)で、実質的にハリウッド映画。
2005年12月26日(月)
『エピソードIII/シスの復讐』、スペイン国内興収トップ «La venganza de los Sith», la película más taquillera en España
http://www.abc.es/abc/pg051225/actualidad/espectaculos/cine/200512/25/venganza_sith.asp
スペイン文化省が12月11日までの統計を調べたところ、今年公開された映画の国内興収トップは予想通りというか『スター・ウォーズ エピソードIII/シスの復讐』で1860万ユーロ(約25億6685万円)。二位はサンティアゴ・セグーラ主演の人気シリーズ第三弾『トレンテ3』で1750万ユーロ(約24億1465万円)とかなりの健闘。三位はスピルバーグの『宇宙戦争』で1640万ユーロ。四位以下は―――
4位 『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』 1370万ユーロ(約18億9千万円)
5位 『彼の両親』 1350万ユーロ(約18億6200万円)
6位 『マダガスカル』 1340万ユーロ(約18億4900万円)
7位 『ファンタスティック・フォー』 1260万ユーロ(約17億3850万円)
8位 『Mr. & Mrs.スミス』 1250万ユーロ(約17億2340万円)
9位 『ミリオンダラー・ベイビー』 1240万ユーロ(約17億960万円)
10位 『キングダム・オブ・ヘブン』 1180万ユーロ(約16億2690万円)
と、こんな感じです。為替レートは1ユーロ=137.87円(12月26日)で計算しました。
リドリー・スコットの『キングダム・オブ・ヘブン』はスペイン=ドイツ合作なので、上位10本にスペイン映画が二本入ったことになります。10位以下のスペイン映画は―――
『プリンセス』 Princesas 5500万ユーロ
『世界最長のペナルティー』 El penalti más largo del mundo 500万ユーロ
『七人の処女』 Siete vírgenes 410万ユーロ
『サハラ』 Sahara 370万ユーロ
『タパス』 Tapas
『ハバナブルース』 Habana Blues
『こわれもの』 Frágiles
『カマロン』 Camarón
2005年に公開されたスペイン映画は330本で去年より26本減少。外国映画は1261本(前年比178本減)。アメリカ映画が圧倒的に強く観客動員は7020万人、興収3億5000万ユーロ。次がスペイン映画で1940万人を動員、興収は9730万ユーロ。
売り上げの多かった劇場はマドリードとバレンシアのキネポリス、バルセローナのワーナー・ラ・マタニスタ、サラゴサのパラフォックス。
2005年12月20日(火)
今年製作されたメキシコ映画は53本。メキシコ映画協会のアルフレード・ジョスコヴィッツ会長が記者会見で発表しました。去年は36本、2003年は20本、2002年は14本。過去十年間で最高。ただし製作と配給のアンバランスはメキシコもヨーロッパと事情は変わらず、『ハリー・ポッター』などの世界的な話題作は一作で600本のコピーが作られ、一作で全国のスクリーンの三分の一を占めることもあるそうです。
ちなみに写真は『31km』の撮影風景。
2005年12月10日(土)
第14回ニューヨークスペイン映画祭がリンカーン・センターできょう開幕。オープニングはアカデミー賞最優秀外国語映画賞ノミネート作品、モンチョ・アルメンダリスの『オババ』 Obaba 。
アルメンダリスやベントゥラ・ポンスなどベテラン勢に混じって若手からはメルセデス・アルバレス『空は回る』 El cielo gira やファリーダ・ベンリャシッド『グロンホルム・メソッド』 Método Grönholm 、マヌエル・マルティン・クエンカ『不遇』 Malas temporadas が参加。
ニューヨークの批評家のあいだでは、スペイン映画の質は去年より落ちたと言われてるそうです。私もそんな気がします。
ドキュメンタリー映画ではベニート・ペレス・サンブラーノの監督第二作『ハバナ・ブルース』 Habana Blues と前述の『空は回る』。
ドン・キホーテ出版四百周年の記念イベントももちろんあります。オーソン・ウェルズの未完の『ドン・キホーテ』を1992年にジェス・フランコが完成させた版のほか、1923年のサイレント映画、1933年のフランス=イギリス合作映画、1992年にフェルナンド・レイが主演したマヌエル・グティエレス・アラゴン版など。
短編映画セレクションもあり。去年はオスカー候補だったナチョ・ビガロンドの『午前7時35分』 7.25 de la mañana が話題を呼びました。
2005年12月9日(金)
ガルシア・マルケスがハバナに創設した新ラテンアメリカ映画基金(FNCL)の二十周年記念式典がハバナの本部で行われました。出席者はキューバのバレリーナ、アリシア・アロンソや映画監督バベル・ヒロウド。スペインからも映画監督アレハンドロ・アメナーバルとマヌエル・グティエレス・アラゴンが参加。12月6日から開催中の新ラテンアメリカ映画祭のディレクター、アルフレド・ゲバラももちろん出席。
2005年12月8日(木)
映画監督ホセ・ルイス・ガルシが解説者を務めるテレビ番組「映画は偉大だ」。12月26日が最終回、十年の歴史に幕を下ろします。最後の映画はベルイマンの『野いちご』。
放送開始は1995年1月。古今東西の名作に続けて評論家が映画談義するというフォーマットでした。