マイケル・ラドフォード監督の『イル・ポスティーノ』 Il postino (1994年)がオペラ化されます。バルセロナのラ・バングアルディア紙の記事。有料記事なので、無料で読めるのは残念ながら一部分だけ。(蛇足ながら見出しの serä は será の誤り)。
配役に関しては続きの記事で読めます。
台本はメキシコ人のダニエル・カタン Daniel Catán が執筆、台詞はスペイン語で英語字幕付き。映画でフィリップ・ノワレが演じたパブロ・ネルーダ役はプラシド・ドミンゴ。映画撮影終了の十二時間後に心臓病で他界したマッシモ・トロイージ演じる漁師=郵便配達夫マリオにはチャールズ・カストロノーヴォが扮します。マリオが思いを寄せる娘ベアトリーチェ役はアマンダ・スキティエリ。その他チリ人のクリスティーナ・ガジャルド・ドマース、スペイン人メゾソプラノのナンシー・ファビオラ・エレーラが共演――と、無料で読めるのはここまで。
記事の冒頭をみると「映画『イル・ポスティーノ』が[ハリウッドのある]ロサンゼルスに戻る」とあるので、ロサンゼルス・オペラのようです。しかし肝腎の日時がわからない。そこでロサンゼルス・オペラの公式サイトを見ると……載ってました。9月23日から10月16日。キャストも載ってます。
キャスト | |
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マリオ・ルオッポロ: | チャールズ・カストロノーヴォ |
パブロ・ネルーダ: | プラシド・ドミンゴ |
ベアトリーチェ・ルッソ: | アマンダ・スキティエリ |
マティルデ・ネルーダ: | クリスティーナ・ガジャルド・ドマス |
ジョルジョ: | ウラジミール・チェルノフ |
ドンナ・ローサ: | ナンシー・ファビオラ・エレーラ |
ディ・コジモ/アントニオの声: | ホセ・アダン・ペレス |
司祭: | クリストファー・ジレット |
『ラ・セレスティーナ』の作者フェルナンド・デ・ローハスはトレド西方の町ラ・プエブラ・デ・モンタルバンの生まれとされます。この町の洞窟を舞台に、今年も『ラ・セレスティーナ』劇の上演が金曜に始まりました。主催は町役場と劇団レクア・テアトロ La Recua Teatro。〈フェスティバル・セレスティーナ〉と銘打つイベントの一環で、約六十人の俳優が七つの洞窟で『ラ・セレスティーナ』の名場面を演じます。
これとは別に、今日と明日は、『セレステーナス』 Celestinas という公演もあります。見ての通り主人公の名前が複数形。四人の女優がセレスティーナに扮します。そのうちのひとりがテレレ・パベス。ペネロペ・クルスがメリベアに扮した映画『情熱の処女(おとめ)』でセレスティーナを演じた女優です。プラサ・マヨールに舞台をいくつか設営し、総勢百五十人が参加。メリベアが身投げするラストシーンはトーレ・デ・サン・ミゲルで行います。
バレンシア近郊の町ブニョル恒例のトマト祭 "Tomatina"。準備の様子が europapress の映像で見られます。
ウディ・アレンが彼の銅像が立つオビエドに滞在中。新作 You Will Meet a Tall Dark Stranger のお披露目です。スペインでは今週金曜に公開。スペイン語タイトルは Conocerás al hombre de tus sueños(君は夢の男に会うだろう)。出演はアントニオ・バンデラス、ナオミ・ワッツ、アンソニー・ホプキンス。
スペインの俳優について、「とてもいいよ。ハビエル・バルデム、ペネロペ・クルス、アントニオ・バンデラスと仕事をして、彼らはこの数年で知名度が上がった。世界最高の役者だ。かつて国際的な俳優といえばイタリア人だった。ソフィア・ローレンとかマルチェロ・マストロヤンニとか。その後はフランス人、スウェーデン人、そして今はスペイン人だよ」。
今後の予定については、「ヨーロッパで仕事をしたい。家族も気に入ってるし。とりあえず[先週土曜撮影が終了した]『ミッドナイト・イン・パリ』 Midnight in Paris の編集をしてから次回作を考えるよ。ストーリー次第だけどニューヨークかサンフランシスコかヨーロッパだろうね。スペイン? 撮って絵になるのはマドリード、サン・セバスティアン、パンプローナ、サンタンデール。僕のキャリアはアメリカ映画とヨーロッパ映画の二つに分けられると思う。ヨーロッパで撮影する場合は理に適ったロケをする必要がある。アメリカなら好きなようにできる」。
多作ぶりについて、「年に一本撮るのはきつくないよ。問題は金だけど僕はラッキー。予算さえあれば楽なんだ。ベルイマンやブニュエルは年に二本以上撮ったもんだよ」。
第13回カスティーリャ・イ・レオン演劇フェアが本日開幕。チケットは完売、開催地のサラマンカ県シウダー・ロドリーゴ市内のホテルは予約で満室。「各公演の一時間前にはキャンセルチケットが何枚か出ます。路上演劇など無料の公演もたくさんあるのでチケットがなくても楽しめますよ」と、演劇祭ディレクターのロサ・ガルシーア・カノ氏。
参加劇団は三十三。エストレマドゥーラ州から五劇団、ポルトガルから四劇団が参加し、イベリア半島西部の存在感が増しました。とはいえ、参加数がもっとも多いのは当然のことながらカスティリャ・イ・レオン地方で十劇団。内訳はテアトロ・コルサリオ、カラマール・テアトロ、エンボスカーダス・プロドゥクシオネス(以上バリャドリード)、コンテンポラリー・バレエ団とカル・イ・カント(以上ブルゴス)、テアトロ・ムティス(セゴビア)、イントゥルシオン・テアトロ、プロドゥクシオネス・トレス、ライス・デ・クアトロ・テアトロ、テアトロ・ラ・サカ(以上サラマンカ)。
今回の主賓は劇作家ホセ・ルイス・アロンソ・デ・サントス。ヌエボ劇場で開会宣言をした後、新作『野蛮人の到着』 La llega de los Bárbaros が初演されます。
アルモドバルの監督第18作目となる新作『私がまとう皮膚』 La piel que habito。今月23日にサンティアゴ・デ・コンポステーラでクランクインします。
『キカ』以来二十年ぶりにアントニオ・バンデラスが主演するのが話題になっていますが、わたくしは撮影監督にホセ・ルイス・アルカイネが復帰したことを喜びたい。編集はホセ・サルセード、音楽はアルベルト・イグレシアスでこちらも定連。
今回はオリジナル脚本ではなく、去年他界したフランスの小説家ティエリ・ジョンケの『蜘蛛の微笑』(ハヤカワ・ミステリ文庫)を翻案。十二年前に交通事故で大火傷を負い絶命した妻を想う外科医リシャールが細胞治療の先端技術を使って皮膚の培養に成功、さらに一歩を進めて人間に対する遺伝子組み換えに突き進んでゆく――というストーリーだそうです。
出演はエレーナ・アナーヤ、マリサ・パレーデス、ジャン・コルネット Jan Cornet、ロベルト・アラモ、ブランカ・スアレス、エドゥアルド・フェルナンデス、ホセ・ルイス・ゴメス、バルバラ・レイニー、スシ・サンチェス、フェルナンド・カヨ、テレサ・マンレーサ。
撮影期間は八週間。ガリシア州政府文化観光省とカスティーリャ・ラ・マンチャ州政府の協賛を得ており、ロケ地はガリシアのサンティアゴ・デ・コンポステーラとパソ・デ・オカ、ア・エストラーダのほか、マドリードとトレドでも行うとのこと。
蛇足ですが、タイトルの La piel que habito が訳しづらい。habito は「~に住む・居住する・生息する」を表す他動詞 habitar の一人称単数現在形。直訳すると〈私がそのなかに住む皮膚〉ということ。
ジョニー・デップとペネロペ・クルスが共演する『パイレーツ・オブ・カリビアン4』、九月末にプエルトリコで撮影だそうです。プエルトリコ映画協会によるとロケ地は島の東海岸に面するファハルド。
近年のプエルトリコは映画撮影の誘致に積極的で、首都サン・フアンでは一ヶ月前から『ワイルドスピード5』 The Fast and Furious 5 を撮影中。主演のヴィン・デーゼルやポール・ウォーカー、タイリース・ギブソン、ジョーダナ・ブリュースター、ドゥウェイン・ジョンソン(ザ・ロック)、そしてスペインからエルサ・パタキも。
毎年8月18日夜から19日未明にかけてグラナダ近郊の町アルファカルのガルシーア・ロルカ記念公園で催されるロルカ追悼式典。今年は激しい雨が予想されるため会場がアルファカル劇場に変更されます。式典の開始を告げる恒例の戦没者慰霊碑への献花は天候次第。
女優ブランカ・ポルテーリョと作家ルイス・ガルシーア・モンテーロがロルカの詩を朗誦、これをプレリュードとしてジャズとフラメンコのコンサートが行われます。式典を司るのはジャーナリストのマルタ・ゴンサレス・ノボ。ミゲル・エルナンデスの詩も朗読される予定。
我らがガビーノ・ディエゴ君、八年ぶりに故郷マドリードでワンマン・トーク・ライブ「ガビーノの夕べ」 Una noche con Gabino を開催します。小屋はマラビーリャス劇場、期間は八週間。スタートしたのは八年前、マラガ演劇祭でした。
話題の人物をネタにするこのショー、今回はサパテーロ首相にベネズエラのチャベス大統領、オバマ大統領が登場。アスナール前首相などかつての常連(?)も。惜しまれて他界した俳優・劇作家・映画監督のフェルナンド・フェルナン=ゴメスへのオマージュも。ガビーノは昨年父親を喪いました。
違法ダウンロードと海賊版のせいで大きな痛手を被っている音楽界と映画界を引き合いに出し、「演劇は海賊版をつくれない唯一のジャンル」と、ナマのの舞台にかける意気込みを語っています。
ラ・ウニオン(ムルシア)で毎年8月に開催されるカンテ・デ・ラス・ミーナス国際フェスティバル。フラメンコのコンクールとしては最も長い歴史を誇るもののひとつ。今年は五十周年。
記事のタイトルは〈ラ・ウニオンの奇跡〉。まさに奇跡と呼ぶべき伝説をたくさん残してきたからです。パコ・デ・ルシアとアントニオ・マイレーナが1970年代初頭にこのフェスティバルで共演。以後二人は一度も共演していません。
近年のスターであるイズラエル・ガルバンが昨夜出演しました。カンテのスターとしては何と言ってもミゲル・ポベーダ。1993年にカンテの全部門制覇を果たしました。今夜のステージで坑夫の歌を披露します。明日はパコ・デ・ルシアが登場。その後準決勝が開始。今年はバイレに期待が集まっています。
スペイン語圏(スペインと中南米)の文学者が読者と集うイベントがウルグアイの首都モンテビデオで開幕したいう、別に大したことはないニュースですが、この催し物のタイトルが覚えやすくていいなあと思うのです。その名も〈フェスティバル・エニェ・アメリカ〉 Festival Ñ América。特徴が際立つスペイン語のアルファベット〈エニェ〉 Ñ を冠したのがうまい。文学や映画や演劇のフェスティバルは世界中に星の数ほどあって、名前は〈国際なんとかフェスティバル〉とかどれもこれも似通ったものばかり。エニェは一度聞いたら忘れられません。
主催はスペインで文化事業を展開するラ・ファブリカ社。2009年マドリードで第一回を開催。今年のオープニングはウルグアイの映画作家 Álvaro Brechner(アルバロ・ブレヒネル?プレチネル?発音がわかりません…)とスペインの小説家ビセンテ・モリーナ・フォイシュによる映画と文学の関係についての対談。開催期間は8月7日まで。