舞台通信

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2018年12月29日(土)

リュイス・パスクアルに芸術功労勲章
Lluís Pasqual, Medalla de Oro al Mérito en las Bellas Artes

2018年度の芸術功労勲章受章者が発表されました。リュイス・パスクアル(演出家)、ペネロペ・クルス(俳優)、ルベン・ブラデス(歌手)、ジルベルト・ジル(歌手)、カルロス・ペレス・シキエル(写真家)、アンヘル・レオン(料理人)、ヘラルド・ベラ(演出家・俳優)、ファティマ・ミランダ(歌手)、ペペ・アビチュエラ(ギタリスト)、アラセリ・ペレダ(イスパニア・ノストラ会長)、ロサンヘレス・バイス(振付家・舞踊家)、マヌエラ・カラスコ(舞踊家)、ロセル・ブル(画家)、マルガリータ・ロサーノ(俳優)、エツィオ・フリジェリオ(舞台美術家)、フランカ・スカルツィアピーノ(衣裳デザイナー)、フェリス・イバロンド(作曲家)、パコ・マルティン(ラ・マル・デ・ムシカス・ディレクター)、トルテイ・ポルトロナ(サーカス芸人)、ほか三団体。

2018年12月17日(月)

舞台芸術の失われた十年
Una década perdida de artes escénicas

スペイン作家編集者協会(SGAE: Sociedad General de Autores y Editores)が発行した2018年度の年鑑によると、2007年から2017年までの十年間でコンサートの演奏回数が三分の一減り、映画の上映回数も四分の一減少しました。クラシック音楽のコンサートは17%減り、舞踊公演は57%減少。ここ数年はやや持ち直しつつあるものの、「失われた十年」と言うべき事態だと記者は述べます。

上演・上映の会場数の減少率は舞台芸術29%、映画館のスクリーン13%、クラシック音楽のコンサート会場43%、映画館15%。上演・上映回数の減少率は舞踊57%、演劇31%、大衆音楽31%、歌劇27%、映画26%、クラシック音楽17%。観客数の減少率は舞踊47%、オペラ43%、演劇24%、大衆音楽12%、クラシック音楽11%、映画7%。

この十年でもたらされた環境の変化はスマートフォンやタブレットなどの携帯端末と、SpotifyやNetflixなどのネット配信サービス。ネット配信による映画やドラマの視聴者数は増加の一途を辿ります。

2018年12月15日(土)

アナ・トレント「女優にとって皺は壊滅的な束縛」
Ana Torrent: «Las arrugas, para las actrices, son una esclavitud demoledora»

近年は舞台活動に主軸を置くアナ・トレントのロング・インタビューです。目下アルベルト・コネヘロ作、ルイス・ルケ演出による芝居『ある日のすべての夜』(Todas las noches de un día)でカルメロ・ゴメスと共演中。今でも『ミツバチのささやき』と『カラスの飼育』の少女として人々が記憶し続けていることが不愉快ではありませんかとの質問に「いいえ、不愉快だなんてとんでもない。『ミツバチのささやき』に匹敵する作品は他にありません。映画としても、それが意味したすべてのことでも。素晴らしい作品で大きな影響を与えました。大勢の人にとってどれほど深い意味があったか、わたしは自覚しています。あの作品でわたしを思い出してくれるのは迷惑でもなんでもありません」。演劇に力を入れていることについては「映画やドラマではわたしくらいの年齢の女性にとって面白い役が少なくて、わたしたちの世界をついでにしか見せてくれないの。演劇はもっと役が多いから、演劇のほうへ気持ちが傾くのよ」。

カルメン・マウラ「映画で一番いいのは賞や批評ではなく儲かること」
Carmen Maura: “Lo mejor de una película, más que los premios y las críticas, es que dé pasta”

本日セビーリャで開催されるヨーロッパ映画アカデミー授章式(ヴィム・ヴェンダース選考委員長)で功労賞を受賞するカルメン・マウラのインタビュー記事です。マウラが同アカデミーの賞を受けるのは三度目。最初はアルモドバル監督の『神経衰弱ぎりぎりの女たち』で、次は二年後のカルロス・サウラ監督作『歌姫カルメーラ』。二度目の受賞は本人にとって寝耳に水でした。「賞をもらって一番いいのは友人や隣人、守衛さん、家族、家族といっても少ないけど、それにファンの人たちが喜ぶ姿を見られること。わたしは賞が好きだけど、夢中になるほどではないの」。撮影中にテークの撮り直しを要求したことは一度もなく、自分の演技を監督のカメラで見直したこともないそうです。「家に帰ると全部忘れちゃうのよ」。マウラにとって映画作りで気になるのは興行成績。「ビジネスが好きなの。映画で一番いいのは賞や批評ではなく儲かること」。目下ギレム・クルア作、ジュゼップ・マリーア・メストラス演出によるの舞台『かもめ』(La golondrina)に出演中で来年一月初旬にマドリード公演が始まります。

2018年12月2日(日)

スペイン語、世界制覇へ
El español, a la conquista del mundo

11月28日付ABCが報じたインスティトゥト・セルバンテスの報告によると全世界のスペイン語話者人口は5億7700万人。母語話者人口は4億8千万人で中国語に次いで世界二位。中国におけるスペイン語の存在感は日増しに大きくなり、今年一月には中等教育でスペイン語が採用されました。ひとえに中南米との貿易が盛んであるからです。