今年のスペイン国家劇文学賞にアルフレード・サンソルの『呼吸』La respiración が選ばれました。この賞は教育文化スポーツ省が授与し、対象となる作品は2016年にスペインで出版され、スペインの公用語――カスティーリャ語、カタルーニャ語、バレンシア語、バスク語、アラン語――で書かれた戯曲です。賞金20,000ユーロ(約268万円)。
来年2月に授賞式が行われるゴヤ賞の名誉ゴヤ賞にマリサ・パレーデスが選ばれました。異議なし!
スペイン語の書籍売上世界一のプラネタグループは、プッチダモン首相がカタルーニャの独立を一方的に宣言した場合、本社を州外に移転する予定です。すでに2012年の段階で創業者のホセ・マヌエル・ララ・ボッシュが「サラゴサかマドリード、またはクエンカに移転せざるを得ないだろう」と言明していました。ララ・ボッシュは一昨年他界しましたが、後継者の長男ホセ・ララ・ガルシアは父親の遺志を全面的に尊重するそうです。
マドリード・カナル劇場の芸術監督アレックス・リゴラが辞表を提出しました。
今月1日カタルーニャで実施された住民投票を阻止しようとした警官隊による暴力への抗議。辞表の文面によると当人は「独立派でもなく住民投票に賛成の立場でもない」ものの、「このたびの暴力はマドリード自治州を統治するのと同じ政党によって命じられたもの」なので辞任を決めたとのこと。マドリード自治州の文化観光スポーツ大臣は「個人的な思想に基づくものであり全面的に尊重」して受理しました。
今シーズンのプログラムは2018年7月まで決定済みで2019年シーズンも作品ラインナップの大まかなプランが立てられており、リゴラは混乱が生じないよう善後策を文化観光スポーツ省に一任。マドリード・カナル劇場はリゴラとナタリア・アルバレス・シモの二人による共同監督体制をとっており、しばらくはアルバレス・シモがひとりで監督し、いずれはリゴラの後任を決めて二人体制を維持するようです。
第65回サン・セバスティアン映画祭が最終日を迎え、作品賞に相当する金貝賞にジェームズ・フランコ監督主演作『ザ・ディザスター・アーティスト』The Disaster Artist が選ばれました。全受賞者は下記のとおりです。
部門 | 受賞者 | 監督 | 国籍・製作国 |
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金貝賞(作品賞) | ザ・ディザスター・アーティストThe Disaster Artist | ジェームズ・フランコ | アメリカ |
審査員特別賞 | Ni juge, ni soumise | イヴ・イノン、ジャン・リボン | フランス、ベルギー |
監督賞 | アナイー・ベルネリ (『アラニス』Alanis) | アルゼンチン | |
女優賞 | ソフィア・ガラ (『アラニス』) | アナイー・ベルネリ | アルゼンチン |
男優賞 | ボグダン・ドゥミトラケ(『ポロロカ』Pororoca) | コンスタンティン・ポペスク | ルーマニア |
脚本賞 | ディエゴ・レルマン、マリア・メイラ (『家族の一種』Una especie de familia) | ディエゴ・レルマン | アルゼンチン |
撮影賞 | フロリアン・バルハウス (『ザ・キャプテン』The Captain) | ロベルト・シュヴェンケ | ドイツ |
新人監督賞 | Marine Francen (Le semeur) | フランス | |
ラテンの地平賞 | 『犬』Los perros | マルセラ・サイ | チリ、フランス |
サバルテギ/タバカレラ賞 | Braguino | Clément Cogitore | フランス |
観客賞 | 『ミズーリ州エビング郊外の三つの広告』Three Billboards Outside Ebbing, Missouri | マーティン・マクドナー | イギリス、アメリカ |
青春賞 | 『ヘスス殺し』Matar a Jesús | ラウラ・モラ・オルテガ | コロンビア |
国際映画批評家連盟賞 | 『いのちだけ』La vida y nada más | アントニオ・メンデス・エスパルサ | スペイン、アメリカ |
もう一つの視線賞 | 『分担保護』Custodia compartida | グザヴィエ・ルグラン | フランス |