12月22日の土曜日、満月輝くブエノスアイレスの夜。フリオ・ボッカがダンサーとして最後のステージに立ちました。
オープニングはマキシミリアーノ・ゲラとエレオノーラ・カサーノとの『海賊』のパ・ド・ドゥ。歌手のサンドラ・ミアノビッチが歌う The Man I Love の最中にボッカが登場したときがいちばん感動的だったと記者は書いています。メルセデス・ソーサ、セシリア・フィガレード、モナ・ヒメネスがそれぞれ歌いボッカが踊る。タマラ・ロホと『ドン・キホーテ』のパ・ド・ドゥを披露。アメリカン・バレエ・シアターのホセ・カレーニョとニーナ・アナニアシヴィリ。パリ・オペラ座のマニュエル・リグリは『アルルの女』のソロ。ブエノスアイレスへのオマージュとしてタンゴも数曲。ラストはディエゴ・トーレスが歌う「マイ・ウェイ」に合わせて踊りました。
ハイ、またまたバルデムのニュースです。
コーエン兄弟の新作『ノーカントリー』 No Country for Old Men の演技で助演男優賞にノミネートされました。ライバルは『チャーリー・ウィルソンズ・ウォー』のフィリップ・シーモア・ホフマン、『ヘアスプレー』のジョン・トラボルタ、『ジェシー・ジェームズの暗殺』の軽視ー・アフレック、『マイケル・クレイトン』のトム・ウィルキンソン。
もう一人スペイン人がリストに載ってます。作曲家アルベルト・イグレシアがオリジナル作曲賞にノミネート。キーナ・ナイトレイ主演の『つぐない』 Atonement です。最多七部門でノミネート。
予想ですが、バルデム、いけるんじゃないかな。そんな気がしますよ。
大活躍のハビエル・バルデムのニュースをもう一つ。
『コレラの時代の愛』でフロレンティーノ・アリーサを演じたハビエル・バルデム。ハバナ映画祭に特別ゲストとして参加中。原作者ガルシア・マルケスにアドバイスを受けたエピソードを披露しました。
「ラッキーなことにガボ(=ガルシア・マルケスの愛称)とは電話で二回話せたよ。僕はこう言ったんだ。人物をどう組み立てたかは訊ねません、作品にしっかり書かれていますから、でもドラマとして演じるヒント、人物に骨と肉を与えるヒントがあれば教えてほしい、と」。
「ガボは二つのことを教えてくれた。とても役立ったよ。まず、私は常に彼(フロレンティーノ)を叫ばない人、決して声を荒げない人としてとらえてきた。それから、棒で殴られた犬のような人、さんざん殴られて脇をこそこそ歩いている犬、温もりを求めているけど恐怖に怯えてもいる、ただ抱き締めてほしい犬のような人だ。それがフロレンティーノ・アリーサっていうわけさ。すぐ取りかかったよ」。
バルデムはプロデューサーとしても活躍。ハバナの映画館「ヤラ」で、『インビシブレス』を上映。監督はヴィム・ヴェンダース、マリアーノ・バラーソ、イザベル・クシェット、ハビエル・コルクエラ、フェルナンド・レオン・デ・アラノアのオムニバス作品。
バルデムの快進撃は続きます。