9月27日に開幕する第61回サン・セバスティアン国際映画祭。今年のドノスティア賞はヒュー・ジャックマンとカルメン・マウラに決定。
第66回ロカルノ国際映画祭の最高賞〈金豹賞〉にカタルーニャ出身のアルベルト・セラ監督作品『ストーリー・オブ・マイ・デイズ』 Historia de la meva mort (Historia de mi muerte)(原題:我が死の物語)が選ばれました。スペイン人の監督作品が同賞を獲得するのは初めての快挙。南を旅した末にドラキュラ伯爵と出会う十八世紀の猟色家カサノヴァ最期の日々を描く作品だそうです。
さらに〈現代の映画監督〉部門ではスペインのロイス・パティーニョ監督が長編デビュー作のドキュメンタリー『死の海岸』 Costa da Morteで最優秀監督賞を受賞。〈死の海岸〉はガリシア州ア・コルーニャ県の海岸の名前です。
第61回サン・セバスティアン国際映画祭が9月20日に開幕します。オープニング作品はアルゼンチン=スペイン合作の3DのCGアニメ『テーブル・サッカー』 Futbolín。アニメが開幕を飾るのは映画祭史上初。先月アルゼンチンで公開され―――現地では futbolín という言葉に馴染みがないため Metegol(シュート)というタイトルに変更されました―――、観客動員数百万人を突破したそうです。監督のフアン・ホセ・カンパネージャは『瞳の奥の秘密』で2010年アカデミー賞最優秀外国語映画賞を受賞した人。
記事の中程にストーリーが要約されており、それによると、主人公は鄙びた村に住むアマデオという男。勤め先のバルではテーブル・サッカーの名人として有名で、心密かにラウラという女に片想い。ある日、村の出身者で世界ナンバーワンのサッカー選手になったグロッソが里帰りし、アマデオの平穏な生活はかき乱されます。グロッソが村に戻った理由は生涯でたった一度だけ敗北を喫した試合のリベンジをするため。心がずたずたになったアマデオは魔法を発見。なんと大好きなテーブル・サッカーの人形たちが人間の言葉を話す、しかもやたらに喋りまくる。そして彼らはついに本物のチームを結成―――。スペインでは12月20日に公開予定。
ペネロペ・クルスが監督デビューを果たしました。ただし映画ではなく六分弱のコマーシャル・フィルムです。イギリスのランジェリーメーカー、エージェント・プロヴォケーターの L'Agent というブランド。主演はイリーナ・シェイク、ミゲル・アンヘル・シルベストレ、そしてペネロペの妹モニカ・クルス。夫のハビエル・バルデムもチョイ役で出演。編集のテンポがちょっとかったるい気がします。
7月23日からグラナダのアルハンブラ宮殿内ヘネラリーフェ庭園で開催中の夏の風物詩的イベント、〈ロルカとグラナダ〉。今年のタイトルは『ドゥエンデ』 Duende。1922年にロルカがマヌエル・デ・ファリャと組んで開催したカンテ・ホンドのコンクールへのオマージュです。ファリャとエンリケ・モレンテの音楽を採り上げ、ロルカの詩「ギター」を歌手のミゲル・リオスが朗唱します。
演出はマックス舞台芸術賞受賞者であるエミリオ・ゴヤネス。主演は舞踊家マヌエル・リニャンと女優フエンサンタ・〈ラ・モネータ〉。四重奏団 Ars Nova も出演。ローラ・グレコとハビエル・ラトーレがゲスト出演します。