第7回舞台芸術マックス賞発表。最優秀『自転車~』が最多の四冠。
記事のタイトルには Fernán Gómez とありますが、ハイフン(-)が抜けています。正しくは Fernán-Gómez。
以下は記事の順番ではなく、公式サイトの発表順。
- 最優秀作品賞(演劇) 『アレハンドロとアナ』 Alejandro y Ana (アニマラリオ)
- 最優秀作品賞(ミュージカル) 『愛人』 Amants (Vania Produccions S.L.)
- 最優秀作品賞(舞踊) 『片腕の女、またはバルビ・スーパースター』 La dona manca o Barbi-Superestar (ソル・ピコ舞踊団)
- 最優秀カスティーリャ語劇作家賞 フェルナンド・フェルナン=ゴメス(『自転車は夏のために』)
- 最優秀カタルーニャ語・バレンシア語劇作家賞 ジュゼップ・ベネット・イ・ジョルネット(『子ども部屋』)
- 最優秀ガリシア語劇作家賞 スソ・デ・トロ(『サークル』)
- 最優秀バスク語劇作家賞 パチョ・テリェリーア("Euskera Sencilloaren Manifiestoa")
- 最優秀脚色賞 ロベルト・サルダー(『ピエル・パオロ・バゾリーニの生と死』)
- 最優秀作曲賞 ホセ・ニエト(『セビーリャの色事師』)
- 最優秀振付賞 ソル・ピコー(『片腕の女、またはバルビ・スーパースター』)
- 最優秀演出家賞 ルイス・オルモス(『自転車は夏のために』)
- 最優秀音楽監督賞 トマティート(『ロミオ x ジュリエット』)
- 最優秀美術賞 オスカル・トゥスケッツ(『ある階段の物語』)
- 最優秀衣裳賞 マリーア・ルイサ・エンヘル(『自転車は夏のために』)
- 最優秀制作賞 アニマラリオ
- 最優秀照明賞 キコ・グティエレス(『自転車は夏のために』)
- 最優秀主演女優賞 メルセデス・サンピエトロ("Dissabte, diumenge i dilluns")
- 最優秀主演男優賞 ミゲル・アンヘル・ソラー(『アダムとイヴの日記』)
- 最優秀助演女優賞 ブランカ・ポルティーリョ(『最高の家族みたいに』
- 最優秀助演男優賞 アグスティン・ゴンサレス(『サラメアの村長』)
- 最優秀女性舞踊家賞 クリスティーナ・オヨス(『イェルマ』)
- 最優秀男性舞踊家賞 ラファエル・アルマグロ(『恋は魔術師』)
- 最優秀児童演劇賞 劇団UROC(『人生ってなに?』)
- 最優秀舞台芸術制作 アニマラリオ(『アレハンドロとアナ』)
- 新人舞台賞 劇団夢遊病者 Teatro del Noctámbulo (『バイソン』)
- 功労賞 フランシスコ・ニエバ
- マックス中南米賞 グアナフアト・セルバンテス・フェスティバル(メキシコ)
- 最優秀新世代マックス賞 演劇集団凡人 Teatro del Común
キューバの演劇祭、「演劇の五月」 Mayo Teatral。5月7日から16日まで。メキシコ、コロンビア、ブラジル、アルゼンチンから15作品が参加。計35回公演。ウルグアイのアタウアルパ・シオッポ追悼記念。
オープニングはブラジルのアントゥネス・フィリオ作・演出『プレタポルテ』 Pret-a-porter。アルゼンチンのエドゥアルド・パブロフスキー(『権力』 Potestad)は観客とのトークあり。同じくアルゼンチンのダニエル・ベロネーセは『女は馬の夢をみた』 Mujeres Soñaron Caballos。敢えて舞台を中途半端に仕込む異色作だそうです。
カリフォルニア在住のコスタリカ人エリア・アルセは『月面最初の女』 Primera Mujer en la Luna の演出・主演。ひとり芝居のようです。
メキシコのヘスーサ・ロドリゲスとアルゼンチン人ミュージシャンのリリアーナ・フェリーペの『典型的な女たち』 Las Arquetipas。
地元キューバは『座っている男への愛の毒舌』 Diatriba de amor contra un hombre sentado。ガルシーア・マルケス作、パストール・ベガ演出、デイジー・グラナードス主演。
5月12日開幕のカンヌ映画祭コンペティション部門。日本は『イノセンス』『誰も知らない』『2046』が話題ですが、中南米からも二本参加。
チェ・ゲバラの中南米放浪の旅を描く『オートバイ日記』 Diarios de motocicleta。ウォルター・サレス監督、ガエル・ガルシーア・ベルナル主演。プロデュサーはロバート・レッドフォード。
アルゼンチンのルクレシア・マルテル監督作『聖なる少女』 La niña santa。リタ・スタンティックとペドロ・アルモドバルの共同製作。
ボブ・ディラン、スティング、レニー・クラヴィッツ、フィル・コリンズ、ノラ・ジョーンズ、ビクトル・マヌエル、ホアキン・サビーナ、ジュアン・マヌエル・セラット、アナ・ベレン、パプロ・ミラネース、シルビオ・ロドリゲスなど、参加ミュージシャンも錚々たる顔ぶれ。
主な舞台・パフォーマンスの日時、演目、劇場を紹介しますと―――
- 5月9日~17日 ティム・バウリー、カシルダ・レゲイロ『はなしをつむぐ』 Hilando cuentos Teatro (Zona de Acceso)
- 5月9日~20日 カミュ『カリギュラ』 演出ラモン・シモ Teatre Nacional de Catalunya
- 5月20日~23日 ロバート・ウィルソン演出『イ・ラ・ガリゴ』 I La Galigo Teatre Lliure
- 6月1日~10日 イヨネスコ『瀕死の王』 演出ホセ・ルイス・ゴメス Teatre Lliure
- 6月15日~19日 ピーター・セラーズ版『ヘラクレスの子どもたち』 Teatre Lliure
- 6月17日~20日 『メタモルフォーゼズ』(影絵)
- 6月19日~22日 『リベルタス・リベルタティス』 Libertas Libertatis 85年に女性服役囚が結成した演劇集団。
- 6月28日~7月1日 フォルクスビューネ、フランク・カストルフ、テネシー・ウィリアムズ『フォーエバー・ヤング』 Teatre Naconal de Catalunya
- 9月8日~26日 『ラ・セレスティーナ』 演出ロベール・ルパージュ 主演ヌリア・エスペル Mercat de les Flores
カエタノ・ヴェローゾがカーネギーホールに出演。今日から18日まで。デヴィッド・バーンと共演するそうです。
最新アルバム "A foreign sound" では「ラブ・ミー・テンダー」や「煙が目にしみる」、アステア&ロジャースの『空中レビュー時代』の「カリオカ」も歌っているとか。ニューヨーク・タイムズのインタビューで、「カリオカ」にはブラジル音楽への無知が窺える、今回はバイーアのアーティストたちの協力を得てこの歌を「本国に帰還させる」とのこと。
で、下のフランシスコ・ニエバでずか、舞台芸術マックス賞の功労賞に決定。式典は4月26日。過去の受賞者はブエロ・バリェーホ、アドルフォ・マルシリャック、アントニオ・ガラ、ホセ・タマーヨ、アルフォンソ・サストレ。
アルバレス・キンテーロ兄弟の軽演劇、『恋わずらい』(1905)と『悪運』(1906)をフランシスコ・ニエバが演出。14日初日。サルスエラ劇場。
ニエバ曰く、「軽演劇 género chico と聖体神秘劇 auto sacramental は、日本の演劇と比較しうる仕草のコードをもつジャンル」。ただ、彼も認めているように商業演劇の世界では「死に絶えて」います。そこで、復刻上演ではなく、あくまでも「現代的、コスモポリタン的」な読み直しをするとか。
アルモドバルに関する下の記事では団体名が明記されていませんでしたが、ル・モンド紙のこの記事によると聖ピオ十世会( Fraternité Saint-Pie-X)だそうです。
フランスの配給会社ゴーモンがカトリック団体の抗議を受けてアルモドバルの新作 La mala educación の予告編上映を中止。ただし中止するのはメル・ギブソンの『パッション』上映前だけ。
「見るに堪えない代物だが、これを見たいという人の権利は否定しない」という寛容さとは無縁のようです。しかもこんな中途半端な「中止」で満足するのもよくわかりません。