舞台通信

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2018年10月12日(金)

リュイス・パスクアル「カタルーニャの政治家は煽動者になってしまった」
Lluis Pasqual: “Los políticos catalanes se han vuelto agitadores”

先月バルセロナのテアトラ・リウラ芸術監督を電撃辞任したリュイス・パスクアルがヌリア・エスペルの一人芝居『ジプシー歌集』Romancero gitano を演出します。10月17日から11月11日まで。会場はマドリードのテアトロ・デ・ラ・アバディーア。

公演開始に先立ってエスペルはパスクアル電撃辞任の顛末について語りました。騒動の発端は2015年1月にバルセロナで初演されたパスクアル演出、エスペル主演の『リア王』の稽古場でした。アンドレア・ロスという若い女優が稽古場でパスクアルから屈辱的な扱いを受けたとSNSで告発して大騒ぎになりました。しかしエスペルによると、自分は出番のあるなしに関わらずすべての稽古に立ち会ったが、パスクアルが俳優を虐待したことなど一度もなかったと証言。「フェンシングの稽古にさえ立ち会ったが、例の女優が告発した内容はまったくの虚偽。パスクアルはどの俳優に対しても声を荒げることはなかった。ある日、パスクアルが例の女優に演技の指示を与えたとき、彼女は『いいよ』と返事をし、パスクアルが『口ではいいよと言うけど、やらないじゃないか』と応じたことがあった。パスクアルが口にしたのはこれだけ。わたしはすぐ横にいて一部始終を聞いていたの」。

というわけで、若い女優の告発は当人の思い過ごしだったようです。パスクアルが辞任したもうひとつの理由としてカタルーニャ独立派との対立を指摘する人がいますが、パスクアル自身は「関係があるのかどうかわからない」と述べます。「私は独立派の思想と相容れないが、命をかけて独立派の思想を擁護するつもりだよ。劇場はセクト主義であってはならない」。

2018年10月9日(火)

【訃報】モンセラー・カバリェー 二十世紀最高の声
Muere Montserrat Caballé, la mejor voz del siglo XX

モンセラー・カバリェーが今朝バルセロナのサン・パウ病院で亡くなりました。享年八十五。2012年にリセウ大劇場でのデビュー五十周年を記念して同劇場のステージに立ちファンを驚かせましたが、その後は病を得て度重なる外科手術を受け、先月中旬から同病院に入院中でした。