2月23日に開幕した第22回フェスティバル・デ・ヘレスにスペインを含めた十二ヶ国――メキシコ、チリ、アルゼンチン、ブラジル、ロシア、中国、台湾、日本、オランダ、フランス、カナダ、スペイン――の舞踊家が結集した舞踊団フラメンコナウタス(Flamenconautas)が27日に出演して『バモ・アリャ』 Vamo' Allá を上演します。演出・振付はハビエル・ラトーレ、台本はフランシスコ・ロペス、音楽監督はフラビオ・ロドリゲス。日本代表は小島章司と今枝友加。
8月29日から9月8日まで開催される第75回ヴェネツィア映画祭の審査員長をギジェルモ・デル・トロがつとめます。デル・トロは『シェイプ・オブ・ウォーター』で昨年の同映画祭で金獅子賞を受賞したばかり。来月のアカデミー賞も主要部門を総なめにするのは間違いありますまい。
ガルシア・ロルカが遺した未完の戯曲『題名のないコメディア』Comedia sin título に欠けていた二つの幕をアルベルト・コネヘーロが「完成」させ、昨日『人生の夢』El sueño de la vida と題してカテドラ社から出版しました。完成とはいえどもロルカ本人が書いたわけではないのであくまでも括弧つきの「完成」です。コネヘーロいわく、「ロルカの潜在的な力に終止符を打ったりテクストを完結させたりするのが狙いではない。この本は果てしない虚空に書かれた新たなテクストであり、かつてあったことと、あり得なかったこととのあいだの対話だ」。水村美苗の『続 明暗』を思わせます。
昨日第32回ゴヤ賞が発表されました。作品賞はイザベル・クシェットの『書店』です。
部門 | 受賞者/作品 |
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作品賞 | 『書店』 La librería |
監督賞 | イザベル・クシェット『書店』 |
主演男優賞 | ハビエル・グティエレス(『作家』 El autor) |
主演女優賞 | ナタリー・ポサ(『さよならは言えない』 No sé decir adiós) |
助演男優賞 | ダビ・ベルダゲル(『1993年夏』 Verano 1993) |
助演女優賞 | アデルファ・カルボ(『作家』) |
新人男優賞 | エネコ・サガルドイ(『ハンディア』 Handia) |
新人女優賞 | ブルーナ・クシー(『1993年夏』) |
新人監督賞 | カルラ・シモン(『1993年夏』) |
オリジナル脚本賞 | アイトル・アレギ、アントニ・デ・カニョス、ホン・ガラニョ、ホセ・マリ・ゴエナガ(『ハンディア』) |
脚色賞 | イザベル・クシェット(『書店』) |
オリジナル歌曲賞 | レイバ「ラ・リャマーダ」(『ラ・リャマーダ』 La llamada) |
オリジナル作曲賞 | パスカル・ガイニェ(『ハンディア』) |
衣裳賞 | サイオア・ララ(『ハンディア』) |
編集賞 | Laurent Dufreche、ラウル・ロペス(『ハンディア』) |
短篇アニメーション賞 | 『ウッディとウッディ』 Woody and Woody(ジャウマ・カリオ監督) |
短篇ドキュメンタリー賞 | 『恵まれない人たち』 Los desheredados(ラウラ・フェレス監督) |
短篇賞 | 『母』 Madre(ロドリゴ・ソロゴイェン監督) |
音響賞 | アイトル・ベレンゲル、ガブリエル・グティエレス、ニコラス・デ・ポウルピケット(『ベロニカ』 Verónica) |
プロダクション・マネージャー賞 | アンデル・システィアガ(『ハンディア』) |
撮影賞 | ハビエル・アギーレ・エラウソ(『ハンディア』) |
美術賞 | ミケル・セラーノ(『ハンディア』) |
メイクアップ&ヘアスタイル賞 | アイノア・エスキサベル、オルガ・クルス、ゴルカ・アギーレ(『ハンディア』) |
特殊効果賞 | ホン・セラーノ、ダビ・エラス(『ハンディア』) |
イベロアメリカ映画賞 | 『すばらしい女』 Una mujer fantástica(セバスティアン・レリオ監督/チリ) |
ヨーロッパ映画賞 | 『ザ・スクエア』 The Square(リューベン・オストルンド監督/スウェーデン) |
長篇アニメーション賞 | 『タデオ・ジョーンズ2/ミダス王秘密』 Tadeo Jones 2. El secreto del rey Midas(エンリケ・ガト、ダビ・アレンソ共同監督) |
長篇ドキュメンタリー賞 | 『大勢の子ども、一匹の猿、一つの城』 Muchos hijos, un mono y un castillo |
名誉ゴヤ賞 | マリサ・パレーデス |
スペイン映画の特殊効果専門家レイェス・アバデスが亡くなりました。享年68。映画界デビューは1990年のカルロス・サウラ監督『歌姫カルメーラ』。以後アレハンドロ・アメナーバル監督の『オープン・ユア・アイズ』、アグスティン・ディアス・ヤネス監督の『アラトリステ』、ペドロ・アルモドバル監督の『抱擁のかけら』などで腕を振るいました。ゴヤ賞はギジェルモ・デル・トロ監督の『パンズ・ラビリンス』、アレックス・デ・ラ・イグレシア監督の『トランペットの悲しいバラード』『ビースト 獣の日』などで9回受賞。