3月1日にマドリードのスペイン国立図書館でマリア・モリネール著『スペイン語用法辞典』発刊五十周年記念行事が催されます。
かつてモリネールが辞典執筆の経緯を取材で尋ねられて応えたところによると「家にひとりぼっちでいたある日の午後、鉛筆と紙をとって、ごく短い、六ヶ月くらいの作業のつもりで辞書の下書きを始めたのが十五年の仕事になってしまったの」。
1952年に執筆を開始し、1966年に第一巻、67年に第二巻を刊行。今年は第二巻刊行五十周年にあたるのを記念してグレードス社が第四版を出版しました。新たに5,500項目が加わり、項目数は合計92,700に達しました。「マリア・モリネールはほとんど前例を見ない偉業を達成した。たったひとりで、自宅で、自分の手を使って、カスティーリャ語のもっとも充実した、もっとも便利な、もっとも気が利いて楽しい辞書を、王立言語アカデミー版より二倍分厚く、しかも――わたしの考えでは――二倍以上すぐれた辞書を執筆したのだ」とはガルシアマルケスの弁。
今週8日にカフェ・ヒホンで今年のゲル・ミウラ賞が発表されました。受賞者はベアトリス・アルグエリョ。過去二年の出演作品が高く評価され、とりわけペレス・デ・ラ・フエンテ演出によるセルバンテス作『ヌマンシア』(エスパニョール劇場)、デ・ラ・フエンテとウゴ・ペレス・デ・ラ・ピカ共同演出のイサドラ・ダンカンを描いた一人芝居『イサドラの季節』(同劇場)、そしてブランカ・ポルティーリョ演出によるスペイン国立古典劇団の『テノーリオ』におけるブリヒダ役が好評を得ました。
第31回ゴヤ賞が発表されました。最優秀作品賞は新人獲得賞と同時受賞したラウル・アレバロ監督の『憤怒には遅く』。エンマ・スアレスは主演女優賞と助演女優賞をダブル受賞の快挙達成。
部門 | 受賞者/作品 |
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作品賞 | 『憤怒には遅く』 Tarde para la ira |
監督賞 | フアン・アントニオ・バヨナ『怪物が逢いに来る』 Un monstruo viene a verme |
主演女優賞 | エンマ・スアレス(『ジュリエッタ』 Julieta) |
主演男優賞 | ロベルト・アラモ(『神よ我らを赦したまえ』 Que Dios nos perdone) |
助演女優賞 | エンマ・スアレス(『次の肌』 La próxima piel) |
助演男優賞 | マノロ・ソロ(『憤怒には遅く』) |
イベロアメリカ映画賞 | 『著名な市民』 El ciudadano ilustre(ガストン・ドゥプラ&マリアーノ・コーン監督/アルゼンチン) |
新人監督賞 | ラウル・アレバロ(『憤怒には遅く』) |
オリジナル脚本賞 | ダビ・プリード&ラウル・アレバロ(『憤怒には遅く』) |
脚色賞 | アルベルト・ロドリゲス&ラファエル・コボス(『千の顔をもつ男』 El hombre de las mil caras) |
オリジナル作曲賞 | フェルナンド・ベラスケス(『怪物が逢いに来る』) |
オリジナル歌曲賞 | シルビア・ペレス・クルス「アイ、アイ、アイ Ai, ai, ai」(『君の家のそばで』 Cerca de tu casa) |
新人女優賞 | アンナ・カスティーリョ(『オリーブの木』 El olivo) |
新人男優賞 | カルロス・サントス(『千の顔をもつ男』) |
編集賞 | ベルナット・ビラプラーナ&ジャウマ・マルティ(『怪物が逢いに来る』) |
プロダクション・マネージャー賞 | サンドラ・エルミーダ・ムニス(『怪物が逢いに来る』) |
撮影賞 | オスカル・ファウラ(『怪物が逢いに来る』) |
美術賞 | エウヘニオ・カバリェーロ(『怪物が逢いに来る』) |
衣裳賞 | パオラ・トーレス(『1898 フィリピン最後の男たち』 1898. Los últimos de Filipinas) |
メイクアップ&ヘアスタイル賞 | ダビ・マルティ&マレセ・ランガン(『怪物が逢いに来る』) |
音響賞 | オリオル・タラゴ&ピーター・グロソップ(『怪物が逢いに来る』) |
特殊効果賞 | フェリクス・ベルヘス&パウ・コスタ(『怪物が逢いに来る』) |
長篇アニメーション賞 | 『サイコノーツ: 忘れられた子どもたち』 Psiconautas, los niños olvidados(アルベルト・バスケス監督) |
長篇ドキュメンタリー賞 | 『危ういバランス』 Frágil equilibrio |
ヨーロッパ映画賞 | ポール・ヴァーホーヴェン『エル』 Elle |
短篇賞 | 『タイムコード』 Timecode |
短篇ドキュメンタリー賞 | 『おしゃべりな頭』 Cabezas habladoras |
短篇アニメーション賞 | 『舞台装置』 Decorado(アルベルト・バスケス監督) |
名誉ゴヤ賞 | アナ・ベレン |
マドリードのカフェ・ヒホンがエスパニョール劇場の協賛を得て十年ぶりにミゲル・ミウラ賞を復活させます。1978年にスペイン作家編集者協会(SGAE: Sociedad General de Autores y Editores)とミゲル・ミウラの遺族の協力を得て舞台女優を顕彰するために設けられた賞で、近年はブランカ・ポルティーリョ(2005年)、クリスティーナ・プラサス(2005年)、ライア・マルイ(2006年)、スサーナ・エルナンデス(2007年)が受賞しました。今年は2月6日にカフェ・ヒホンで選考会を兼ねた晩餐会が催されます。審査員はハビエル・ビリャン、ルイス・マリア・アンソン、カルメ・ポルタセリ、アントニオ・ガリゲス、フアン・イグナシオ・ガルシア・ガルソン、ハビエル・バリェホ、ラウル・ロサネス、ボルハ・オルティス・デ・ゴンドラ。候補者は21人で、マリア・アダネス、ベアトリス・アルグエリョ、アリシア・ボラチェロ、邱惠祺、モンツェ・ディエス、イレーネ・エスコラル、ヌリア・ガリャルド、マリア・エルバス、バルバラ・レニー、ヌリア・メンシーア、サラ・モラレダ、マヌエラ・パソ、マリア・パストール、マルタ・ポベーダ、ルシア・キンタナ、ビクトリア・サルバドール、クララ・サンチス、イサベル・ストフェル、マリア・ロメーロ、エバ・ルフォ、アナ・ワヘネル。