舞台通信

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2018年7月24日(火)

【訃報】イボンヌ・ブレイク 『スーパーマン』の衣装デザイナー
Muere Yvonne Blake: La española que diseñó el traje de Supermán y vistió a Audrey Hepburn, Ava Gardner o Elizabeth Taylor

フランクリン・J・シャフナー監督の『ニコライとアレクサンドラ』(1971年)でアカデミー衣裳デザイン賞を受賞したイボンヌ・ブレイクが今月17日マドリードで亡くなりました。享年七十八。

イギリスのマンチェスターで生まれ、アメリカ映画界で活動し、スペインで家庭を築きました。スペインに来たのは1960年代末、リチャード・クワイン監督の西部劇『西部野郎奮戦記』(1969年)の衣裳デザインを担当したときで、スタッフのうち唯一英語を話せるヒル・カレテーロと結婚し、2年後『ニコライとアレクサンドラ』でアカデミー衣裳デザイン賞を受賞しました。1980年代にスペイン国籍を取得。『スーパーマン』と『四銃士』の監督リチャード・レスターによると『スーパーマン』の製作者はあらゆる部門の予算カットを宣言したもののブレイクが指揮を執る衣裳デザイン部門だけは首を縦に振らなかったとのこと。『ニコライとアレクサンドラ』でアカデミー衣裳デザイン賞を獲得した際も、撮影での待遇の悪さに不満を募らせ、抗議するために授賞式をボイコットしようと思ったものの父親の説得を受けて渋々出向いたそうです。2012年に女優ではない女性として初めてスペイン国家映画賞を受賞。2016年から2年間スペイン映画アカデミーの会長を務めました。