舞台通信

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2014年8月14日(木)

ビクトル・エリセ「映画がテレビの指図を受けるのが残念でならない」
Erice lamenta que el cine ahora sea dictado por las televisiones

スイスで開催中のロカルノ国際映画祭できのう名誉豹賞を受賞したビクトル・エリセが、受賞前のインタビューに応じ、映画の現状を憂いました。

「私たちの世代の映画作家にとっての大きな損失は、偉大な大衆芸術としての映画が失われたことで、今ではテレビに指図を受ける大量消費財になってしまった」

「私のようなタイプの映画作家は周縁で仕事をするが、なにも周縁で仕事をするのが天分だからというわけではなく、システムが私たちをある種の周縁へと導いてゆくからだ」

「私たちが約百年前の起源からずっと見てきた映画というものは事実上絶滅に瀕している」

「私の世代の映画作家にとって、今まさに消滅しようとしているものについて話すことが重要だ」

「産業映画によって配給ルートが独占されているため、とても興味深い映画が観客のもとになかなか届けられないのは残念だ」

「アメリカ映画は400部のコピーで押し寄せてくる、つまり400の映画館を押さえるわけで……これは一種の侵略です。だから小学校から映画教育を始めるべきです、さもないと二十歳になってもどの映画を選べばよいか自分で判断できい市民が未来に誕生することになり、彼らはテレビが言うことにしか耳を傾けなくなります」