アルゼンチンの女優でプロデューサーのマルティナ・グスマンがカンヌ国際映画祭の審査員に選ばれました。審査員長はロバート・デ・ニーロ。ほかの審査員はユマ・サーマン、ジュード・ロウ、ナンサン・シー(製作者/中国)、リン・ウルマン(批評家・作家/ノルウェー)、オリヴィエ・アサイヤス(監督/フランス)、マハマット=サレー・ハルーン(監督/チャド)、ジョニー・トー(監督/香港)。
マルティナ・グスマンは2002年にパブロ・トラペーロ監督とともに製作会社マタンサ・シネを設立。女優としてはトラペーロ監督作品『生まれ育って』 Nacido y Criado、『レオネーラ』 Leonera、『カランチョ』 Carancho に出演。
アントニオ・ガデス生誕65周年を記念して5月にマドリードの王立劇場(Teatro Real)でアントニオ・ガデス舞踊団の主要作品を上演。公演に先立ち来週から「アントニオ・ガデスとその作品をめぐる対話」と題するシンポジウムが同劇場で催されます。
第一回は26日(火)でテーマは「血の婚礼/フラメンコ組曲」。パネリストはニエベス・マテオ(女優・ジャーナリスト)、ホセ・アントニオ・ルイス(スペイン国立バレエ団振付家・芸術監督)、ロサリーア・ゴメス(舞踊評論家)の三人。
第二回は28日(木)でテーマは「カルメン」。パネリストはステラ・アラウソ(アントニオ・ガデス舞踊団芸術監督)とアナ・ゴンサレス(元スペイン国立バレエ団第一舞踊手・現フアン・カルロス国王大学アリシア・アロンソ舞踊研究所教授)の二人。
第三回は5月4日(水)で「フアンテオベフーナ」。パネリストはマヌエル・セゴビア(イベリカ舞踊団演出家・舞踊家・振付家)とエルビーラ・デ・アンドレス(舞踊家・振付家・元スペイン国立バレエ団芸術監督・『フエンテオベフーナ』演出補佐)の二人。
同時に生前のガデスの写真や映像をデジタル処理した展覧会「人民の風~アントニオ・ミローが見たアントニオ・ガデス~」 Vientos del Pueblo. Antonio Gades visto Por Antonio Miró も開催。
肝腎の本公演について記事は触れていませんが、レアル劇場公式サイトによると……日程がさっぱりわかりません! しかもフラッシュ重すぎ! で、こちらのサイトにポスターを発見。5月6日と13日が『カルメン』、5月8日が『フエンテオベフーナ』(二回公演)、5月9日と11日が『血の婚礼/フラメンコ組曲』。
ロルカの動く映像あるいはロルカ本人やその作品に関するフィルムを蒐集・公開する企画「月の海」 Mar de Lunas がスタート、特設サイトがオープンしました。(記事に記されたアドレス www.mardeluna.com は誤りで、正しくは www.mardelunas.com。luna は複数形です)。アクセスするとわかりますがトップページ以外は準備中。黒い布で顔を覆った人物はロルカ本人。彼が主宰した学生巡回劇団ラ・バラッカによるカルデロン・デ・ラ・バルカ作の聖体神秘劇『人生は夢』 La vida es sueño に「影」の役で出演したときの映像です。
自伝映画ではスペイン初のフアン・アントニオ・バルデム監督『ロルカ、ある詩人の死』 Lorca, muerte de un poeta (1987年)、英国BBCのピーター・ルーク「奥深い歌、黒い音」 Deep song, black sound (1968年)、イタリア放送協会 RAI の「フェデリコ・ガルシーア・ロルカの暗殺」(1976年)。
ロルカ作品をモチーフにしたフィルムではハイメ・チャバリ監督の『未知の神へ』 A un dios desconocido (1977年)で詩集『ニューヨークの詩人』所収の「ウォルト・ホイットマンに捧げるオード」が取り上げられ、ホセ・マヌエル・カバリェーロ・ボナルドとハイメ・カミーノによる『開かれたバルコニー』 El balcón abierto にも多くの作品が挿入。戯曲の映画化ではエドムンド・ギブールの『血の婚礼』、フランコ時代に撮影された唯一の作品であるアントニオ・アルテーロ監督の『老嬢ドニャ・ロシータ』(1965年)、ピラール・タボラ監督によるイレーネ・パパス主演の『イェルマ』(1998年)など。
現在二百篇以上のフィルムを集めたそうです。4月28日からフエンテ・バケーロスのロルカ研究センター(Centro de Estudios Lorquianos)で五作品を上映予定。
スティーヴン・キングの長編小説『ダーク・タワー』映像化プロジェクトの主演にハビエル・バルデムが決まる模様。ユニバーサルが全七巻の原作小説の映像化権を獲得、これをもとに映画三部作とテレビドラマ(NBCユニバーサル)のシリーズを二本、さらに噂ではテレビゲーム化も。「ハリウッド市場最大のマルチメディア・プロジェクト」だそうです。
映画とテレビドラマの第一シリーズの監督はロン・ハワードで2013年公開予定。テレビドラマのプロデューサーは映画の脚本を担当する『ビューティフル・マインド』でオスカーを獲得したアキヴァ・ゴールズマン(記事には Akira とありますが正しくは Akiva)。主役の候補にヴィゴ・モーテンセンがいたそうですがバルデムが蹴落としたらしい。ゴールズマンによると、原作者キングがイメージする主人公は「クリント・イーストウッドのようなタイプ」で、雰囲気は「黙示録後の世界とセルジオ・レオーネ的な世界」。
2004年にスペイン映画アカデミーを脱退した監督ペドロと製作者アグスティンのアルモドバル兄弟。明日行われる会長選挙の三日前、7日にアカデミー復帰を表明。七年前に脱退した理由はゴヤ賞の投票システムに対する抗議でした。当時は第一回投票で特定部門の四作品に投票し、第二回投票で全部門に投票するという変則的なシステム。批判を受けて第一回から全部門に全員が投票するやり方に変えたのは2006年6月の舞台通信でご報告したとおりです。その後も二人は復帰せず、ようやく一昨日復帰を決めました。現会長アレックス・デ・ラ・イグレシアは朗報にご満悦。この人はいつも「ご満悦」か「激怒」の両極端です。
〈バロックの情熱〉 Pasión barroca をキャッチフレーズに7月1日から24日まで開催される第34回アルマグロ国際古典演劇祭。予算は前年比14.4%減の160万5千ユーロ(約1億9500万円)、民間からの協賛金も50%減。でも公演数は104から111に増加。なぜ増やせたかというと制作費の安い劇団を集めたからという単純な理由。
会場と日程は次の通り。
日 | 作品 | 作者 | 劇団ほか |
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7/1 | 第11回コラル・デ・コメディアス賞授賞式 | 受賞者: ヌリア・エスペル | |
7/2-4 | (未定) | (未定) | カステーリャ=ラ・マンチャ評議会 |
7/5 | メンブリーリャの伊達男 | ロペ・デ・ベガ | 演出:エルネスト・フィラルディ |
7/8-10 | 復讐なき罰 | ロペ・デ・ベガ | 脚色・演出:フランシスコ・シビ |
7/11 | ドン・キホーテのルーツ | ペペ・オルテガ | 演出:ペペ・オルテガ |
7/12 | アンドレス・ペラエスへのオマージュ | ||
7/15-16 | モーツァルトを見つめて | ノーラ・レイ | ノーラ・レイ(英国) |
7/15-17 | ジュリエッタ | ペパ・プラーナ(『ロミオとジュリエット』翻案) | ペパ・プラーナ(カタルーニャ) |
7/22-23 | カンタベリー | 原作:チョーサー『カンタベリー物語』/台本ファラン・ファレー、ヌリア・カサード | 劇団ヌロスフェラ(カタルーニャ) |
7/22-24 | テンペスト | シェイクスピア | 劇団シャピト(ポルトガル) |
日 | 作品 | 作者 | 劇団ほか |
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7/1-2 | 行李の見えない王子 | アルバロ・クビーリョ・デ・アラゴン/台本:フアン・ドローレス・カバリェーロ | 演出:フアン・ドローレス・カバリェーロ/劇団テアトロ・デル・ベラドール(アンダルシア) |
7/2-3 | 愚かなお嬢様 | ロペ・デ・ベガ | レプリカ・テアトロ(マドリード) |
7/8-10 | 不服従の学校 | 原作:ミシェル・ミヨー/翻案:パコ・ベセーラ | テアトロ・ポルタティル(マドリード) |
7/9-10 | ニューオーリンズのシラノ | 原作:『シラノ・ド・ベルジュラック』 | ウロク・テアトロ(マドリード) |
7/15-16 | 緑の小鳥 | カルロ・ゴッツィ | サンドリーヌ・アングラード |
7/22-24 | ルークリースの陵辱 | シェイクスピア | ヌリア・エスペル |
日 | 作品 | 作者 | 劇団ほか |
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7/1-10 | 意地悪な女 | ロペ・デ・ベガ | スペイン国立古典劇団 |
7/15-24 | 阿呆は一人で百人力 | アントニオ・デ・ソリース・イ・リバデネイラ | スペイン国立古典劇団 |
日 | 作品 | 作者 | 劇団ほか |
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7/1-3 | シェイクスピアの女たち | 原作:ハロルド・ブルーム | 演出・出演:ラファエル・アルバレス・〈エル・ブルーホ〉 |
7/5 | アルマグロのラプソーダス(吟遊詩人) | バロック作品のテキストによるラップ | ストリート吟遊詩人(ラプソーダス・エン・エル・バリオ) |
7/6-10 | 恋はもつれる | ディエゴ・デ・フィゲロア・イ・コルドバ | 国立古典劇団青年部 |
7/12-13 | サンニ家の集まり | ダニエル・タピア、ミゲル・アンヘル・パプティスタ | 劇団レイマラ(カナリアス) |
7/15-16 | マクベス | シェイクスピア | Ur Teatro(マドリード) |
7/17 | 思惑の家 | ソル・フアナ・デ・ラ・クルス | アカデミア・デル・ベルソ・イ・エス・アルテ |
7/19-20 | ラ・セレスティーナ | フェルナンド・デ・ローハス | セクエンシア3 |
7/23-24 | ドン・キホーテ | セルバンテス | 演出:孟京輝、中国国家話劇院 |
日 | 作品 | 作者 | 劇団ほか |
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7/1-2 | 愉しい男とその他の楽しみ | ロペ・デ・ルエダ | ギリガイ・テアトロ(エストレマドゥーラ) |
7/7-12 | 十二夜 | シェイクスピア | フィルター・シアター・カンパニー+ロシヤル・シェイクスピア・カンパニー(英国) |
7/15-17 | 「メタモルフォセア」「シビラ・カサンドラの宗教劇」 | ホアキン・ロメーロ・デ・セペーダ、ジル・ヴィセンテ | ナウ・ダモーレス(カステーリャ・イ・レオン) |
7/22-23 | アルマグロOFF国際コンクール優勝者の作品上演 |
日 | 作品 | 作者 | 劇団ほか |
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7/8 | ゴンゴリートのビンゴ | ゴンゴラ『孤愁』より | 作・出演:アンヘレス・カルモーナ |
7/14 | アーサー、キャメロットのジプシー坊や | ホアキン・アパリシオ | ラ・タバーラ(アンダルシア) |
まだありますが、主なところはこんな感じです。
ストーリーも役柄も秘密ですがペネロペ・クルスの次回作はウディ・アレン監督作品だと本人が告白。彼女にアカデミー賞助演女優賞をもたらした『それでも恋するバルセロナ』 Vicky Cristina Barcelona に続いて二度目。アレンの新作『ミッドナイト・イン・パリ』 Midnight in Paris と、ペネロペとジョニー・デップの『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』は5月20日に全米公開。
米経済誌『フォーブス』の2011年版世界長者番付一位になったメキシコの富豪カルロス・スリムがソウマヤ美術館をオープン。1966年にソウマヤ・ドミト と結婚しハネムーンでヨーロッパを訪れて以来、メキシコの植民地時代の美術品を蒐集。メキシコに国際的な美術館がないことに気づき、以後はヨーロッパの絵画を集めたとのこと。
立地はポランコ地区で、写真を見ればわかるように太陽光が反射するファサードが特徴。娘婿にあたる建築家フェルナンド・ロメーロのデザインによる建物で、異なる幅の鉄柱二十八本に支えられた地上六階建て。最上階から自然光を採り入れ、残りの部分1万7千枚の六角形のパネルが覆う構造。総工費5億6300万ユーロ以上(約67億9千万円)。
もう一つの特徴は収蔵品の無秩序さ。ピカソ、ルーベンス、ロダン、エル・グレコ、ゴッホ、モネ、セザンヌ、ルノワール、マティス、ブリューゲル、ティツィアーノ、ダ・ヴィンチなどの絵が硬貨と第二次メキシコ帝国時代の勲章やディエゴ・リベラの壁画やアレキサンダー・マックイーンのドレスと同じスペースに展示されているそうです。館長のアルフェンソ・ミランダ氏によるとこれは意図的なもので、六万点に及ぶスリム氏の厖大なコレクションでメキシコ美術史と西欧美術史を架橋させるのが狙いとか。ロダンのコレクションは世界第二位。「成金」という言葉以外思い浮かびません。
ハリウッド名声の歩道「ウォーク・オブ・フェーム」にペネロペ・クルス(36歳)がスペイン人女優として初めて星を獲得。通し番号2436番。場所はエル・キャピタン・シアター前。写真の通りセレモニーには『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』で共演したジョニー・デップ、監督ロブ・マーシャル、夫ハビエル・バルデムが参列。ペネロペの右に跪いてプレートを支えているおじさんはハリウッド商工会議所の所長。
4月28日に開かれるマドリードの王立劇場(テアトロ・レアル)芸術顧問会議をバルガス・リョサが主宰。他のメンバーは哲学者のラファエル・アルグリョルとエウヘニオ・トリーアス、作家アントニオ・ムニョス・モリーナ、映画監督マヌエル・グティエレス・アラゴン、歌手テレサ・ベルガンサ、ジャーナリストのイニャキ・ガビロンド、外交官で舞踊に造詣が深いメルセデス・リコ、ファッション企業家ピエーレ・ベルヘ、キュレーターのカルメン・ヒメネス、アカデミー会員で歴史学者のカルメン・イグレシアス、カルロス三世大学副学長で文学者のモンセラー・イグレシアス。そして女優・演出家ヌリア・エスペルも名を連ねますが、現在レアル劇場で自身の演出作品『トスカ』が公演中で、理事職(二年間)に就く者はレアル劇場の制作に関わってはならないという規則があるため、『トスカ』公演が終わる七月に理事に就任予定。理事職は無給。年に三回の会合を予定。