蚤く眠よりさめたり。就寢前に服する抗鬱劑レメロン二錠を火曜日の晚より一錠に減らしてより朝の目覺め稍心地よくなりぬ。かねてより午前中の倦怠感甚しかりしは、思ふに藥效の强きが故なり。藥を減らして氣分少しく快くなるとは、これ卽余が宿痾の平癒しつゝある證據に外ならず。わが喜び限りなし。陰天。けふも風冷なり。今年の六月ほど寒き年は罕なり。碧空を仰がざること旬日なり。今朝五時十五分に錄畫せしNHK總合演藝圖鑑に古今亭文菊の替り目を聽く。昨年眞打に昇進し菊六改め文菊を襲名して以來、話術ます／＼佳し。六時に錄畫し置きたる中京テレビ皇室日記に今月半の皇太子浩宮殿下西班牙訪問の取材を見る。王立劇塲にて催されし紀念音樂會終幕後の舞臺裏にて今井翼挨拶し、その影に小島章司氏の姿を認む。セビーリャのフラメンコ博物館にてはクリスティーナ・オヨス氏と舞踊を鑑賞せられたり。銀座最古の百貨店松坂屋本日閉業の由。夕刻BSプレミアムにて錄畫したる野村芳太郎の活動寫眞コント55號と水前寺清子のワン・ツー・パンチ 三百六十五步のマーチを看る。物語を水前寺亭清奴といふ噺家が語る落語に仕立てたる結構に工夫あり、編輯のテムポもよく、一時間半飽きさせず。脚本に大西信行の名あり、落語にまつはる插話は彼の發案によるものなるべし。落語指導は桂文樂によれり。
陰後に晴。連日涼しきこと秋の如し。昨夜十時BSプレミアムにて錄畫せしコントの劇場六月號を看る。吉高寿男作圖書館の人々人をして爆笑せしむ。吉井三奈子作張り込み、接待、たてこもり佳作。紅一點富田靖子の演技潑剌たり。他の出演者梶原善、安田顕、小倉久寛。慈君夕刊の中日新聞切拔を持參して來室せらる。辻秀一といふ體育醫師の連載記事なり。過去に囚はれては不機嫌になる、今に生きれば朗らかになるとの說なり。一讀して我が家のセキセイ鸚哥アサリ君の事を思ひたり。アサリ君は年中頗るご機嫌なり。夜買物せむとて藥店に徃く。加油站鄰の空店舖にみんなのゼミナールといふ學習塾七月三日開業の看板かゝげたり。
蚤起。曇りて肌寒し。健康診斷の日なるを以て朝飯は食はず。母上と福祉センターに徃く。十時開始。背丈一七七・五センチ、體重六十五・七キロ、腹圍七十九センチ。昨年より更に瘦せたり。インターバル速步の效果覿面なり。最後に肺と胃のレントゲン撮影を終へて時計を見るに十時四十五分なり。例年は一時間半かゝるを常となせしが、職員年々要領良くなり、今年は去年の半分ほどの時間にて終了せり。あぐりん村に立寄り豐田產の西瓜野菜など買ふ。母上鄰接したる凜といふ名のレストランにて晝餐を馳走せらる。余は藥膳ハヤシライス、母上は藥膳カレーライスを食す。客多し。軒下に燕の巢三つばかり、幼き雛に親鳥頻に餌を運びゐたり。一時前家にかへる。深夜一時BS1にて錄畫したる蹴球コンフェデレーションズカップ準決勝伯剌西爾對烏拉圭戰を見る。肉彈戰といふ外なし。二對一にて伯剌西爾勝利す。夕刻七時溫泉。受付にて賽子二個振るに今週もまた四のゾロ目出てスタンプ二個を得たり。午前三時BS1にて錄畫し置きたる蹴球西班牙對伊太利亞戰を見る。前半西班牙精彩なく、縱パス放てず、アンドレス・イニエスタの個人技に負ふ所多し。守門員イケル・カシーリャス美技連發。伊太利亞優位なれど得點なし。後半西班牙漸く盛り返せしが會塲たるフォルタレザは高溫多濕にて選手の疲勞甚しく、フェルナンド・トーレス疲勞困憊し途中交代せらる。延長戰三十分戰ひても得點なく、罰球合戰となる。五人づゝ蹴りて全員成功、伊太利亞七人目失敗し、西班牙辛勝す。山本昌邦氏の解說傾聽に値す。
惡夢を見る。生きた心地せず。曇天。肌寒し。咖啡所コメダに朝飯を喫す。午前授業。目的格人稱代名詞の練習を行ひて後 gustar の解說をなす。¿Qué deporte te gusta? といふ質問に Me gustan todos los deportes. と荅へたる學生數名あり。流石に中京大學スポーツ科學部の學生なりと予は大に感服せり。午下講義を終へて外に出づるや暴に暑し。然れどわが町に向ふにつれて凉しくなりぬ。超級市塲入口の燕の巢を見るに雛は旣に巢立ちたりとみえ、近くの電線に二三羽とまりをれり。
朝來陰雨沛然たり。寒冷秋のごとし。超級市塲の店先に早くも七夕の笹竹立てられたり。願の短册を一瞥するに、いますぐおかねもちになれますようにとあり。平假名のみのたど／＼しき筆跡より察するに幼稚園兒或は小學一年生らしく見ゆ。また端的に金くれと大書したるもあり。幼き兒童の願望が金錢とは悲しむべき事なり。當節アベノミクスとやらいふミニバブルに浮れ騷ぐ拜金主義者多し。彼ら投資家の背中を見て育つ子もまた拜金主義者となるは道理といふべし。この日あたかも電力會社九社の株主總會一齊に開かれ、朝日新聞の記事によれば北海道電力の川合克彦社長經營安定のために一日も早く泊原發を再稼働せしめずんばあらずと述べたる由なり。福島第一原發事故による死者千四百人に達し、國土の一分を半永久的に失ひたるにもかゝはらず、自社の經營安定を最優先となす。殆理解すること能はず。昨夜深更東海テレビにて錄畫せしマイケル・ジャクソンの記錄映畫 This Is It を看る。四年前活動小屋にて鑑賞したる時と同じく此度もまた號泣しぬ。何故に神は斯くの如き稀有なる才能を人類より奪ひ給ふにや。演奏會中上映を豫定せられし映像にリタ・ヘイワース主演映畫ギルダ竝びにハンフリー・ボガート、ローレン・バコール主演映畫三つ數へろ用ゐられたり。
薄く曇りて今日も風涼し。書齋に靜坐すれば肌寒きほどなり。ベランダの涼み臺に煙草を一服するに、美しき蛾一匹飛來りて涼み臺の脚もとにとまれり。茶褐色の濃淡あたかもペルシャ絨毯の如し。昨日發賣されし小著超釋日本文學の言葉に採用されざりし予が原稿五篇あり。坪内逍遙小說神髓、泉鏡花草迷宮、永井荷風斷腸亭日乘、武者小路實篤友情、有吉佐和子紀ノ川の五作なり。このまゝお藏入りにするは勿體なき限りなれば番外篇と題して公開す。午後主治醫を訪ひ診察を乞ふ。朝の倦怠感甚しきを以て、就寢前に服するレメロン十五ミリ二錠を一錠に減らしてしばらく樣子をみることゝなす。燈ともし頃溫泉。晚涼水の如し。BS11柳家喬太郎のようこそ藝賓館に立川談修のつる、立川談笑の山號寺號を聽く。談修は談志門下生の中談志自らが眞打昇進を認めたる最後の直弟子なり。談修前座の頃談志の付人としてイヽノホールの樂屋に入り、當時二ツ目の喬太郎が談志のもとに來り恐懼して挨拶せし時の想ひ出を語れり。談修の話に、談志喬太郎に評判いゝぢやねえかと言ひて襃めたりといふ。喬太郎は緊張のあまり何を言はれたるにや全く記憶せず。喬太郎挨拶を濟ませて高座に上がり一席語る中、舞臺袖にて聽きゐたりし談志突然袖より高座に向ひて長いぞ！と怒聲を發したる由。喬太郎すかさず當意卽妙に登塲人物の口を借りてすみません！と謝り、後に談志が談修に語りしところによれば、あの受答へでよいのだと改めて襃めたりとぞ。何故に怒聲を發したか、その理由を談修が尋ねしに、俺は喬太郎に歷史を作つてやつたのだと荅へし由。誰かこの插話を聞きて感激せざらむや。今宵談笑の山號寺號隨所に工夫あり。四更NHK-FMラヂオ深夜便落語百選に立川志遊の轉失氣、柳家喬太郎の粗忽長屋を聽く。
惡夢を見る。寤むれば正午を過ぎたり。空またもや曇りて風爽なり。疲勞倦怠眠氣甚しく机に凭りがたし。二時ごろ再び橫臥。目覺めれば五時過なり。ネルソン・マンデラ氏危篤の報に接す。四六六六四は獄中に在りしマンデラ氏の囚人番號なり。
くもりて涼し。午下河畔を步す。拂曉錄畫せしNHK總合演藝圖鑑に桂米助が猫と金魚を聽く。Ｅテレ日本の話藝に桂米丸のわたしは誰を聽く。陋屋裏手の超級市塲軒先に大きく育ちし燕の子六七羽、親の餌を持ち來るを心待ちに首を伸ばして待つ。國際足協洲際國家盃伯剌西爾對伊太利亞戰を見る。伯剌西爾强し。つゞけて日本對墨西哥戰を見る。後半終了直前に岡崎慎司一點奪ひ返したれど一對二にて敗北す。今宵はスーパームーンといふ滿月の夜なれど空雲に蔽はれて見えず。
積雨始めて霽る。雨後の空に鰯雲の棚引くさま秋の如し。午下香流川の綠陰步道をあゆむ。二週間振りなり。風凉し。午後七時BSジャパン土曜キネマにて木下惠介監督の活動寫眞二十四の瞳デジタルリマスター版を看る。遠景ショットに兒童十二人が驅け徃く姿に淚を禁じ得ず。
霖雨霏〻たり。寒冷暮秋のごとし。午下買出しに出かける。農協に三河安城產の冷麦を求め、あぐりん村に赴き豐田產の西瓜を買ふ。ヤマト運輸集配所よりＳ子に西瓜食料品など一凾發送し、カーマホームセンターに徃きセキセイ鸚哥の混合餌を購ひ、鄰接したるアオキスーパーにて上白糖を買ふ。カーラヂオのNHK-FM歌謠スクランブルといふ番組より海援隊の贈る言葉といふ唄の流れるを聞く。予が中學生の頃大に流行せし唄なれど、當時も今も予の心には何の感慨も催せしめざりき。然れど二番の歌詞の中、優しさは臆病者の言譯なりといふ一節のみ予は深く同意するものなり。夜初更溫泉。家にかへりて三重テレビ淺草お茶の間寄席に柳亭樂輔の幾代餠をきく。
淫雨歇まず。風遽に寒し。出勤前にYahoo!ニュースにてFIFAコンフェデレーションズ杯男子蹴球日本對イタリア戰の途中經過を見るに、前半終了して二對一にて日本優位に立ちたるを知る。いつもの咖啡所コメダに朝飯を喫す。九時過豐田學舍到着。講師控室の職員見知らぬ女性に代はり、全自動咖啡機も小さなる機械と取替へられたり。授業は先週にひきつゞき映畫パンズ・ラビリンスの後半を鑑賞す。學生諸氏大に感銘を受けたるやうなり。終映後作品の背景を簡單に解說して感想を書かしむ。作品について語る先生が素敵でしたと書きたる女子學生あり、また別の女子學生は映畫の内容以上に先生の話が面白く、もう一度先生の解說付で鑑賞したいと書きたり。一時半歸家。學硏敎育出版より拙著超釋 日本文學の言葉: 名言名句辭典の獻本屆きたり。正式發賣は來週なる由、編輯人の談なり。夕餉の後中京テレビにて女子蹴球日本對新西蘭戰を見る。宮間退塲處分を受けしかど一對一の引分にて敗北は免れたり。
朝來陰雨冥〻たり。春以來中斷しゐたりし飜譯を再開す。溽蒸忍ぶべからず、今夏始て書齋の除濕をなす。慈君赤紫蘇ジュースを作らる。
雨もよひの空晴れず。寐つ起きつして日を暮らす。DVDにてハワード・ホークス監督の三つ數へろ The Big Sleep を看る。予が初めてこの映畫を馬德里の活動小屋にて鑑賞したりしは二十年前の事なり。以來ビデオを繰返し看ること幾囘なるを知らず、然れどテイラー殺しの犯人誰なるや推理すること能はざるなり。燈刻溫泉。BS11ようこそ藝賓館に現九代桂文樂の試し酒を聽く。BSフジ落語小僧第七囘放送を見る。中學二年生江戶川亭ろくっこ眞田小僧。よき聲の持主なり。中學三年生無敵亭大我寄合酒。早口にて時折語尾のきゝにくき所はあれど、この噺は自家藥籠中の物にせしと見え手練の早業といふべし。今宵の師範格桃月庵白酒松曳きを語る。深更監修者より三箇月ぶりに電子郵件あり。一讀啞然として言ふ所を知らず。
晴れたる空に白雲多し。氣溫は攝氏三十二度に昇りしが風爽なり。午前用事ありて大學に赴く。駐車塲橫の木立に鶯語をきく。市塲に赤紫蘇出囘り始む。午後書齋睡房の塵を掃ふ。夕餉に縣内產の西瓜を食す。甘し。
晴後に陰。暑し。半日困臥。
倦怠感甚しく睡より寤むれば午後一時過なり。三時頃より霧雨降り始め、見る／＼中に雨勢盆を覆すが如し。
曇天。雨來らむとして來らず。倦怠感甚し。困臥半日。門前欅の根元に咲誇る黃色の花の名を母上に問ふに金絲梅なりといふ。雨の少きにもかゝはらず可憐なる花を咲かせて枯れず。植物の生命力驚くの外なし。燈刻理髮舖に徃く。歸路溫泉に立寄る。
乍陰乍晴。溽暑八月のごとし。咖啡所コメダに朝食を喫す。九時二十分豐田學舍到着。鶯の啼くを聽く。一限二限ともに通常授業を休み六月好例の活動寫眞鑑賞會を催し、ギジェルモ・デル・トロ監督の西班牙映畫パンズ・ラビリンス El Laberinto del Fauno 前半を看る。學生諸氏食入るがごとく畫面を見つめたり。この日初めて二一一二敎室を利用す。二百二十人收容の大敎室にて、前方片隅に大きなるスクリーンあるは他の敎室と同じなれど、後方に坐る者のために液晶ディスプレイ二臺左右天井より吊下がり、室内の何處に坐りても畫像を堪能できる設計なり。擴聲器は BOSE なり。鑑賞の後感想を書かしむ。續きを早く見たしといふ者多し。歸途北の空に入道雲を見る。聲優内海賢二歿。享年七十五。
晏起昨の如し。朝飯食ひ終はれば日は亭午なり。曇りて暴に暑し。兩三日前より臺風三號東海地方に接近せしが、進路東に逸れ勢力も弱まりしと見え雨は來らむとして來らず。昨夜馬德里の王立劇塲にて日西交流四百周年紀念事業開幕音樂會催され、今朝朝日新聞デジタルに終演後の寫眞揭載せらる。小島章司、ミゲル・ポベーダ、チクエロの各氏皇太子浩宮殿下と俱に寫りたり。昨日午前BSプレミアムにて錄畫せしNHK特輯びんぼう一代五代目古今亭志ん生を見る。昭和五十六年放送の番組なり。NHKのスタジオに人形町末廣を再現し、まづ立川談志高座に上がりて作品派と爆笑派の系譜を振返り、落語とは人間の業の肯定なりといふ持論を志ん生に卽して語る。次いで高座に上がりしは小沢昭一。生きてきてよかつたのは志ん生を聽けたこと及びトルコに行けたことなりと豪語す。志ん生の半生をドラマ仕立に再現し、妻りん役を孫娘池波志乃演じたり。長男金原亭馬生取材に荅へて、亡父といへばみな貧乏／＼と口にせしが貧乏たりしは父のまはりの者のみにて本人は豐かな人生を送りたりといふ。また次男古今亭志ん朝曰く、先考は萬事につけぞろつぺえなりしが、藝事に關しては鬼氣迫る姿を家族に見せてゐたとぞ。
晏起午に近し。鉛色したる空墨を流せしが如し。書齋ベランダ鉢植のゴールドクレストに揚羽蝶來りてとまる。午後主治醫を訪ひ藥を求む。歸途役所に赴き自立支援醫療受給者證の更新手續をなす。今夏はじめて枇杷を食す。燈ともし頃溫泉。疎雨に値ふ。この日馬德里王立劇塲にて日本西班牙交流四百周年事業開幕紀念音樂會催さる。小島章司氏ピアニストの川上ミネ氏と共演、招待歌手ミゲル・ポベーダ、ギターはチクエロとフラビオ・ロドリゲス、歌はダビ・ラゴス、エル・ロンドロ、フアン・ホセ・フェルナンデス・〈エル・チャレコ〉の諸氏なり。皇太子浩宮殿下御觀覽の豫定なり。BS11ようこそ藝賓館に柳家喬太郎の花筏を聽く。
隂。雨氣を帶びたる風冷なり。半袖にては肌寒きばかりなれば長袖のトレーニングウェアに着替へる。日課のインターバル速步を行ひたしとは思へど倦怠感去らず體重苦しきを以て空しく家にとゞまりぬ。日中氣分怏々として徒に時間を空費するのみ、日沒して後漸く人心地つくなり。これまさに鬱病の典型的症狀なり。日々服用中の藥を茲に記し置き備忘となす。
| 藥名 | 區分 | 服藥 |
|---|---|---|
| アナフラニール25mg | 抗鬱劑 | 每食後 |
| ソラナックス0.4mg | 抗不安劑 | 每食後 |
| ドグマチール細粒50％（75mg） | 抗鬱劑 | 每食後 |
| ウインタミン細粒10％（3mg） | 安定劑 | 每食後 |
| ツムラ十全大補湯エキス顆粒 | 漢方藥 | 每食前 |
| レメロン15mg×2 | 抗鬱劑 | 就寢前 |
舊五月朔。どんよりと曇りし空雨ともならで暮れたり。倦怠感甚し。拂曉五時十五分に錄畫したるNHK總合演藝圖鑑に宮川大助・花子の漫才を聽く。演題女は辛い、高見孔二の作なり。二人の話藝すでに名人の域に達す。二時サンデー・ソングブックにアラン・オデイ追悼特輯第二囘を聽く。同時刻に錄畫し置きたるＥテレ日本の話藝に三遊亭圓歌が中沢家の人々を聽く。予が初めてこの話を聞きて抱腹絕倒したりしは中學生の頃と記憶するなり。三十年後の今日ふたゝびこれを聞きて呵々大笑せり。漫談の傑作と言ふべし。去月來安倍晉三首相原子力發電所の輸出促進に東奔西走する由。アラブ首長國連邦及び土耳古と原子力協定を結び、印度との協定締結も畫策し、さらに佛蘭西とも協働して新興國への原發輸出を促進するといふ。福島第一原發の事故以來國内における原發建設まゝならず、自民黨は東芝日立など大企業の利益を最優先に考へるなり。然るに福島第一原發は依然として制御すること能はず。避難民は十五萬人に及べり。昨今政治家の口にすること金の話のみ。敎育再生實行會議とやらいふ組織はグローバル人材なるものゝ育成が急務と說く。グローバル人材とはこれ乃ち英語に堪能なる低賃金勞働者のことなり。雇主にとりて賃金は安ければ安きほどよし。政治家も實業家も學者も金のほか眼中になし。拜金主義者ほど敎育に有害なる人間はなし。皇太子夫妻成婚二十周年。なだいなだ歿。享年八十三。
蚤起。晴れて涼風颯々たり。空氣甚だ乾燥して洗濯物も瞬く中に乾くなり。午前三時BS-TBS落語硏究會にて錄畫し置きたる古今亭菊丸濱野矩隨、春風亭昇太人生が二度あれば、柳亭市馬厩火事を聽く。放送されし時は幸にして錄畫機正常に動作したり。午下シャープエンジニアリング社〻員Ｓ氏來宅。AQUOSブルーレイディスクレコーダーの電源を入れるに硬盤より異音發して起動せず。案の定硬盤の故障なり。Ｓ氏その塲にて硬盤を交換す。筐體より取出だしたる硬盤のラベルを窺ひ見るに製造元は Western Digital なり。作業三十分ばかりにして終了す。技術料九千二百四十圓、部品代一萬一千二十五圓、出張費二千三百十圓、合計貳萬貳千五百七拾五圓なり。晡時速步。暑し。氣溫攝氏三十度ぐらゐならむ。夏椿の花ひらく。
曇天。書窓暗淡たり。倦怠感甚しく机に憑りがたし。AQUOSブルーレイディスクレコーダー（型番BD-HDW75）の硬盤再び故障したればシャープ社相談窓口に電話かけて修理を依賴す。晡時一睡。豪雨の音に睡より覺む。日暮Ｔ氏雨を冐して來訪、釣果の鯖惣太鰹など饋らる。六時半セキセイ鸚哥のアサリ君シヾミ君の籠に風呂敷タオルをかけて就眠せしむ。雨いつか霽る。初更溫泉。家にかへるや鳧の雨をよろこぶ聲町内に響き渡るを聞く。
曇天。凉し。咖啡所コメダに朝餉を喫す。午前授業。敎科書第一課より第四課までの小試驗を行ふ。受講者總勢百四十人近くに及ぶが故採點はせずその塲にて全員と答合せをなす。二限の女子學生二名の私語やかましく聲高に雜談に耽る。忠告を與ふること再三に及べど馬耳東風なり。靜に勉强にいそしむ他學生には何らの配慮もなく笑語し恬然として愧ぢず。已むを得ず退室せしむ。二人去れるや敎室内忽水を打ちたるが如く靜になりぬ。授業終了後ありがたう御座いましたと禮を述ぶる學生少からず。來週は待望の映畫鑑賞會なり。晡時河畔を步す。川中の石に輕鴨の子五羽、傍に母鳥付添ひたり。
惡夢を見る。晏起。晡時速步。ガルシーア・ロルカ生誕百十五年の日なり。
天氣連日限りなく佳し。晡時河畔をあゆむ。空よく晴れ渡りて吹き通ふ風の爽かさ梅雨の時節とも思はれず。燈ともし頃溫泉。夜風水の如し。家にかへりてBS1チャンネルにて埼玉スタジアムの蹴球世界杯亞細亞最終豫選日本對濠太剌利戰の後半を見る。三十七分頃濠州MFオー選手のセンタリングがゴールに吸込まれ一點を奪はれぬ。終了直前の四十五分本田圭佑のクロスがハンドを誘ひ、本田ペナルティキックを決め同點に追ひつき試合終了。念願の勝點を得て來年の世界杯伯剌西爾大會進出を決めぬ。長友佑都の走力驚くの外なし。去月半月板を損傷し今季の活動は絕望と噂されし人とは到底思はれざるなり。初更錄畫し置きたるBS11ようこそ藝賓館に鈴々舍馬風が男の井戶端會議を聽く。聞き慣れぬ演題なれど内容は十八番の樂屋外傳なり。三更錄畫せしBSフジ落語小僧第六囘を見る。中學二年生國特亭ひだか親子酒、小學六年生紅巢亭小まど金明竹、柳家花綠野ざらしを聽く。
陰後に晴。氣溫相變らず低く、窓を開け放ちて靜坐すれば肌寒く感じらるゝほどなり。午後齒科醫Ａ氏を訪ひ定期檢診を受く。異常なし。齒垢及び齒石を除去す。歸途平和橋と石田橋を早足に步みて三度往復す。櫻樹の木漏れ日に吹き通ふ涼風の心地よさ言はむ方なし。輕鴨飛來りてはまた去る。民家の庭に紫陽花の靑白き花咲き初む。時事通信の報道を讀むに社會保障制度改革國民會議とやらいふ組織國民年金の支給年齡を議論して現行の六十五歲より六十七八歲或はそれ以上に遲らせるべきとの意見大半を占めたりといふ。予が七十歲を迎へる頃は支給年齡七十五歲または八十歲になりても怪しむに及ばず。これ國家的詐欺と言はずして何と稱すべきや。
薄く曇りて涼し。曉明錄畫せしNHK演藝圖鑑に堺すすむの漫談、柳家喜多八の粗忽長屋を聽く。二時サンデー・ソングブックにアラン・オデイ追悼特輯を聞く。去五月十一日永眠せり。享年七十二。この日の樂曲を茲に記し置く。
番組を聽きて後川緣をあゆむ。けふも川風冷にして秋の如し。川鵜の放尿しながら水上を飛ぶを見る。網站の修正二更に及ぶ。煙草を購はむとて便利店に赴くに、帳塲前の陳列臺に早くも花火竝びたり。
陰曆四月廿三日。曇天。風の冷なること秋のごとし。午後川端を步す。小樽あまとうのサブレマロンコロンウォナッツ、六花亭マルセイバターサンドを食す。網站の手直しに半日を消す。