寒風吹きすさみて空くまなく晴渡りたり。午後に至りて曇る。午下圖書舘に行く。途次雪ちら/\と降りそめしが直に歇む。溫泉に立寄り露天風呂に浴す。日替り藥湯は健美泉なり。生藥は川藭、蕃椒、當歸、大茴香、桂皮、山梔子、陳皮、生姜、蒼朮、甘草なり。
好く晴れて風寒し。ベランダ植木鉢の土凍りたり。午下敎務課に徃き今年度の成績表を提出す。枕頭ブルーレイにて世界侵畧:ロサンゼルス決戰を看る。駄作。つゞけてトロン:レガシーを看る。本篇の出來豫告篇に及ばず。途中退屈して眠りに落ちたり。
拂曉眠より寤む。天氣好晴。寒氣凜冽。五時十五分NHK總合桂三枝の演藝圖鑒にボンボンブラザースのジャグリングとすず風にゃん子・金魚の漫才、笑福亭鶴笑のマペット落語義經千本櫻を觀る。宛然都下の寄席に在るが如き心地す。昨日午前三時に錄畫し置きたるBS-TBS落語硏究會に三遊亭歌武藏の茶金を聽く。意外にも佳し。はじめて歌武藏を見直したり。DVDにてメノ・メイエス監督の映畫マノレテ情熱のマタドールを見る。レイエスの脚本演出ともに拙劣見るに堪へず。エイドリアン・ブロディは到底花形鬪牛士に見えず、ペネロペ・クルスの熱演たゞ氣の毒に思ふばかりなり。三十分ばかり附合ひてその後は早送りしぬ。
半陰半晴。今日より HTML5 の勉强を始む。余が網站は一昨年十月六日より XHTML 1.1 の仕樣に從ひて執筆しゐるなり。これに較べて HTML5 は文法簡便にして機能は豐富なるが故、早晚移行するがよろしかるべしと思ひてのことなり。但し肝腎の文法はまだ確定せざるやうなれば、早くとも二三年後になるべし。
今日もどんよりと曇りて暗き日なり。あぐりん村に赴き三ヶ日產の薄皮蜜柑を購ひN子に送る。整形外科に立寄り肋骨骨折の診察を乞ふ。痛痒殆痊えたり。一箇月振りにレントゲン寫眞を撮る。骨の兩端はまだ接合せず、その周圍に白き靄の如きものうつすらと見ゆ。これ新たなる骨の組織なりとぞ。痛みは去りたれば通院治療は今囘を最後となす。それにしてもレントゲン撮影の進步驚くの外なし。寫眞を撮りて後一分も經ずして桌上型電腦の Internet Explorer にて鮮明なる映像を見ることを得るなり。晝前家にかへる。この日慈君の誕辰なれば和菓子にて古稀の齡を祝ふ。昨日の試驗の答案採點を始む。枕上DVDにてアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督ハビエル・バルデム主演の映畫ビューティフル Biutiful を看る。
隂。寒氣凜冽。セキセイ鸚哥のアサリ君とシジミ君を起こし、コメダ珈琲店に赴き朝餉に小倉トーストを食す。後期試驗の日なり。フランシスコ・アヤーラの隨筆集 El tiempo y yo, o El mundo a la espalda を讀みつゝ監督を行ふ。時間に餘裕のある者には一年間西班牙語を學びし感想を答案用帋の裏に書かしむ。正午終了。控室の書類凾を整理す。郵便局に用事あり。グリーンロードを走るに雪降り來りしが須臾にして歇む。立寄りてかへる。夜また雪降り出せしが姑くにして歇む。
曇天。無風。時事通信テオ・アンゲロプロスの事故死を報ず。ピレウス郊外のトンネル内にてオートバイに轢かれたる由。享年七十六。テイボー先生新著モノディアロゴスⅥを惠贈せらる。まづ某氏による解說文を讀む。過日の騷動を思ひ返して茫然また悵然たり。
朝の中晴れ渡りし空正午頃より暗雲天の半ばを覆ひ、西北の風吹出でゝ俄に寒し。下痢。午後圖書館に徃き、溫泉に立寄りて露天風呂に一浴し、主治醫を訪ひ藥を乞ふ。詩經の蓼莪を讀む。
蓼蓼者莪 | 靑々と舒びるよもぎも |
匪莪伊蒿 | 秋には雜草となる |
哀哀父母 | 哀れなる父母は |
生我劬勞 | 苦勞して我を生み給ひぬ |
蓼蓼者莪 | 靑々と舒びるよもぎも |
匪莪伊蔚 | 秋には雜草となる |
哀哀父母 | 哀れなる父母は |
生我勞瘁 | 我を生みてやつれ給ひぬ |
缾之罄矣 | 甁の酒が盡るは |
維罍之恥 | 親なる甕の恥なり |
鮮民之生 | 寄る邊なき身にて生きるより |
不如死之久矣 | いつそ死ぬに如くはなし |
無父何怙 | 父なかりせば何をかたのまむ |
無母何恃 | 母なかりせば何をかたのまむ |
出則銜恤 | 出でゝは憂悶晴れやらず |
入則靡至 | 入りては詮方なし |
父兮生我 | 父は我を生み |
母兮鞠我 | 母は我を育てたり |
拊我畜我 | 我を撫で我を養ひ |
長我育我 | 我を尊び我を育て |
顧我復我 | 我を顧み大事にし |
出入腹我 | 外出の際は我を懷に抱き給へり |
慾報之德 | 親の德に報ひたし |
昊天罔極 | されど親の恩は天より高し |
南山烈烈 | 南山は險しく |
飄風發發 | 烈風吹きすさむ |
民莫不穀 | 民はみな身寄りあるに |
我獨何害 | 我のみ何故ひとりなるや |
南山律律 | 南山は峻嚴にして |
飄風弗弗 | 烈風吹き狂ふ |
民莫不穀 | 民はみな身寄りあるに |
我獨不卒 | 我のみ何故親を養へざるや |
輕陰。風暖なり。三好のMOVIXに徃き、六番館にて坂東玉三郎のシネマ歌舞伎天守物語を看る。市川海老藏の圖書之助佳し。とりわけ臺詞囘しに感服せり。中村獅童が朱の盤坊もまた豪放磊落にしてかつ輕妙洒脫、大に笑はせたり。撮影カメラ役者に近寄りすぎてバストショット多かりしは稍興醒めなり。瀧田洋二郎が天地明察、クリント・イーストウッドがJ・エドガーの豫告篇を見たり。歸路警察署に立寄り運轉免許證の住所を變更す。家に歸るや頭痛岑々然たり。夕刻藥を服して臥す。
薄く曇りて風寒からず。午下川邊を速步にてあゆむこと例の如し。二時サンデー・ソングブックを聽く。番組の廣告主本年よりJACCSカードに代りて代官山蔦屋書店となり、この日新たにJA共濟加はりぬ。不景氣つゞきの折柄、また大なる宣傳效果を期待し得べからざるラヂオ番組に廣告主を求むるは易からざる事なるべし。大相撲初塲所千龝樂結びの一番をみる。白鵬寄り切りにて把瑠都を下し、把瑠都の全勝優勝は成らず。
曇天。昨來の雨やみて風生暖かし。午下河畔を速步にてあゆむこと日課の如し。輕鴨の羣に一羽の眞鴨あり。この川に眞鴨を見るは珍しき事なり。二時過雨ふたゝび降り來れり。確定申告の計算を始む。晡下火災報知機けたゝましく鳴り響きぬ。一時間ほどしてふたゝび警報あり。またしても誤作動なり。
寒雨溟濛たり。東京都心橫濱にて初雪、關東甲信越大雪の由。九時前Eテレてれび繪本えほん寄席に露の新治の兵庫舟を聽く。午後圖書館に赴き資料を借る。ことぶきの湯露天風呂に浴す。金曜日のことゝて湯治の客いつもより多く二十人ほど見ゆ。TSUTAYAに立寄りて歸る。大相撲初塲所を見る。全勝の大關把瑠都下手投げにて琴奬菊を轉がす。結びの一番は二敗の橫綱白鵬對大關琴歐洲。琴歐洲には珍しく終始果敢に攻め、寄り切りで橫綱を倒し白鵬三敗を喫し、大關把瑠都初優勝を果たす。
又もや曇りて今にも降り出さむばかりの空模樣なり。風の死したるを幸に正午川岸をインターバル速步にてあゆむ。椋鳥四五羽頭をかすめて飛來りて堤に留る。また土鳩三四同じく頭をかすめて來れり。歸路微雨に値ふ。暮方より雨降りまさりぬ。いかにも雨らしき雨ふるは年明けてよりこの日が初めてなり。風なま暖かく暖房不要なり。大相撲初塲所をテレビ觀戰す。全勝の大關把瑠都對新大關稀勢の里、把瑠都立合にて變化をつけ叩き込みにて稀勢の里を下せり。追ふは二敗の橫綱白鵬只一人なり。把瑠都は本氣で賜杯を狙ふやうなり。今塲所の優勝を逃せば今後賜杯を得る機會なきものと悟りたるべし。
天氣牢晴。風なし。正午川邊をインターバル速步にて步む。今年二度目なり。夕刻TSUTAYAに赴きTカードを更新す。更新料二百拾圓也。歸路眼鏡屋に立寄りレンズクリーナーを買ふ。アサヒコムを讀むに、去七月摩洛哥王國に墜落せし隕石は火星由來のものと判明したる由。その成分火星の大氣成分に共通し、かの惑星に何らかの物體が衝突したる拍子に破片飛び散り、宇宙空間を彷徨ひて地球に落下したるべしとのことなり。久振りにてブライアン・デ・パルマ監督が活動寫眞ミッション・トゥ・マーズを觀る。
一天拭ふが如く日光淸澄なり。敎務課に赴き試驗問題を提出す。理髮舖に立寄りて歸る。懸案の草稾をつくらむとすれど興味來らず、茟を抛つて三郷の溫泉に徃き露天風呂に一浴す。久振りに詩經を繙き澤陂を讀む。女の戀慕を詠じたるものなれど、余はこの詩を讀むたび女にでもなりたるやうな心地するなり。
彼澤之陂 | あの澤のつゝみに |
有蒲與荷 | 蒲と蓮あり |
有美一人 | うつくしき人あり |
傷如之何 | 胸のいたみをいかゞせむ |
寤寐無爲 | ねてもさめても爲す術なく |
涕泗滂沱 | 淚流るゝばかりなり |
彼澤之陂 | あの澤のつゝみに |
有蒲與蕑 | 蒲と藤袴あり |
有美一人 | うつくしき人あり |
碩大且卷 | 姿すらりと見目麗し |
寤寐無爲 | ねてもさめても爲す術なく |
中心悁悁 | くよ/\惱むばかりなり |
彼澤之陂 | あの澤のつゝみに |
有蒲菡萏 | 蒲と蓮花のつぼみあり |
有美一人 | うつくしき人あり |
碩大且儼 | 姿すらりと氣高し |
寤寐無爲 | ねてもとめても爲す術なく |
輾轉伏枕 | 寢返りを打つばかりなり |
雨もよひの空晴れやらず。後期の試驗問題を作成す。先週末パシフィコ橫濱にて開催されし脫原發世界會議にて中沢新一氏新政黨結成を公表す。黨名は綠の日本なり。
心氣欝々、寐床より起出むとすれども能はず。晏起午に近し。曇天。午後困臥。八年ぶりに電動齒刷子を買換へる。
晴。センター試驗初日なり。甥R受驗の日なり。つとめて思出すまいとすれども、余が縣立大學にて試驗監督を擔當せし時の不祥亊を思出しぬ。指を屈すれば十二年前のことなり。步みて圖書館に赴き料理の本を二册借る。二時半BSジャパン松尾貴史の落語BARにて柳家喬太郎が竹の水仙と瀧川鯉昇が茶の湯を聽く。喬太郎まことに結構、鯉昇は巫山戲すぎなり。
晴後に隂。午下三郷の溫泉に徃く。圖書館に立寄りてかへる。氣分怏々として樂しまず。寐つ起きつして日は直に暮れたり。夜に入りて雨來る。枕上志の輔のだくだくを聽く。
寒氣激甚。嚴冬の空氣は澄渡りて駐車塲の屋上より御嶽山を望む。旭日雪の肌に映じて眩しく、手を伸ばせば屆かむばかりに見ゆ。午前今年最初にして後期最後の授業を行ふ。今年度は一度も休講せず無事に授業を終へたり。一時半歸家。氣分晴れず。
雨もよひの空なり。鏡開きの汁粉を食す。舊年の日誌を通讀し、昨春某先生に對し不調法極まる振舞をなしたることに心附きて、辯解の餘地なく、自己嫌惡に苛まれ、欝々とする中日は暮れたり。余の敵は余自身なり。
天氣好晴。半月ぶりにインターバル速步を再開す。年末年始は思ひの外風の烈しき日つゞきて、河畔の道は風の吹きさらしにて寒氣甚しく、然りとて住宅街を步まば景色は甚殺風景にて川邊の風景を樂しむこと能はざるが故、已むを得ず速步は姑く中斷しゐたり。この日微風あたゝかく心地よし。發汗忽襯衣を霑す。午下三郷の溫泉に徃き漢方の湯と露天風呂に一浴す。年末の御籤當りて入浴券三枚を得たり。歸途主治醫を訪ひ藥を請ふ。午後九時十分より深夜十二時までNHK-FMにて大瀧詠一杉真理佐野元春の三氏によるナイアガラDJトライアングルといふ特別番組あり。名盤 Niagara Triangle Vol.2 發賣三十周年紀念の番組なり。大瀧師匠の選曲空前絕後、人をして抱腹絕倒せしむ。
撰 | 曲名 | 演者 |
---|---|---|
佐野 | Rock and Roll Music | The Beatles |
杉 | Bye Bye C-Boy | 佐野元春 |
大滝 | ウェルカム・ビートルズ | ブルー・コメッツ |
撰 | 曲名 | 演者 |
---|---|---|
佐野 | I Wanna Be Free | The Monkees |
杉 | BEE MEN(恋の蜜蜂男) | The Hospital |
大滝 | B面でうなずいて(大滝Remix) | うなずきトリオ |
撰 | 曲名 | 演者 |
---|---|---|
佐野 | イエロー・サブマリン音頭 | 金沢明子 |
杉 | 恋はボリショイ | アロハ・ブラザース |
大滝 | これが宇宙人の声だ + 愛してタムレ(大滝Remix) | 宇宙人(ナレーター:中本修)+谷啓 |
撰 | 曲名 | 演者 |
---|---|---|
佐野 | Marrakesh Express | Crosby, Stills & Nash |
杉 | Jackson Cannery | Ben Folds Five |
大滝 | イヤーかなわんわ | トリオこいざんす |
撰 | 曲名 | 演者 |
---|---|---|
佐野 | Whatever Gets You Thru the Night | John Lennon |
杉 | Imagine (from album Acoustic) | John Lennon |
大滝 | サムライ街道 | 落合博満 |
撰 | 曲名 | 演者 |
---|---|---|
佐野 | 天使の誘惑 | 黛ジュン |
杉 | WHISKY(ウイスキーが、お好きでしょ) | Salena Jones |
大滝 | ガール・フレンド | オックス |
撰 | 曲名 | 演者 |
---|---|---|
佐野 | Don't Worry Baby | The Beach Boys |
杉 | Orange Crate Art | Matt Munisteri presents Brock Mumford |
大滝 | サーフィン伝説 | 植木 等 |
撰 | 曲名 | 演者 |
---|---|---|
佐野 | Never Dreamed You'd Leave in Summer | Stevie Wonder |
杉 | ハイそれまでヨ | ハナ肇とクレイジー・キャッツ |
大滝 | 悲しき六十才(ムスターファ) | 坂本九 |
撰 | 曲名 | 演者 |
---|---|---|
佐野 | We've Only Just Begun | Carpenters |
杉 | 狩りから稲作へ | レキシ feat. 足軽先生・東インド貿易会社マン |
大滝 | 七福神ブギ | 笠置シヅ子 |
A面で恋をして | ナイアガラ・トライアングル |
陰晴不定。床より起出る氣力なし。終日困臥す。滿月鏡の如し。
晏起十一時。快晴。風冷なり。あぐりん村に赴き蜜柑二袋と林檎一袋を購ふ。二時FM愛知にのサンデー・ソングブックを聽く。廣告主ジャックスカード番組を降り、今月より代官山蔦屋書店に替りぬ。今曉五時に錄畫せしNHK總合桂三枝の演藝圖鑒に東京ボーイズのなぞかけ小唄、柳亭市馬の芋俵を聽く。十五夜の月皎々たり。
晏起十一時半に近し。盥漱を終はれば日は旣に午なり。陰晴不定。風吹きすさみて寒し。午後二時BS12チャンネル(TwellV)にて松尾貴史の落語BARといふ特番あり。春風亭一之輔のあくび指南、柳家花綠の笠碁を錄畫して聽く。笠碁のサゲは祖父五代目小さんのサゲと異なり、花綠が創意工夫を見せむとせいやうなれど、小さんのサゲに遠く及ばず。才能豐かなる若き噺家はえてして餘計な演出、餘分なサゲを用意するものなり。正月三日NHK總合テレビ初笑ひ東西寄席における桂文珍の風呂敷もまた餘計なサゲを考案して興を殺ぎたり。落語は三百年に及ぶの歷史の風雪に耐へ彫琢されたる藝能なり。演者は何よりもまづ素直に演ずるべし。同時刻テレビ愛知にて今日も今どき落語の再放送あり。林家たい平の干物箱、春風亭昇太がストレスの海を聽く。初更NHKラヂオ第一放送眞打ち競演にてすず風にゃん子・金魚の漫才、ケーシー高峰の醫學漫談、古今亭菊之丞の天狗裁きを聽く。
晴後にくもる。心地よからず。午下市立圖書舘に徃き三郷の溫泉に立寄る。ラジオデイズに大瀧詠一的2011第三囘を聽く。三月NHK-FMにて英米ロック通史の番組を放送する由なり。日本ポップス傳の英米篇ともいふべき仕事なり。
陰晴定らず。北風吹きて寒し。何といふわけもなく裏淋しく、精神また明瞭ならず。たゞ寐つ起きつして日を暮らすのみ。正月に錄畫せし立川談志のやかん、首提燈、明烏、人情八百屋、へつゝひ幽靈、羽團扇を聽く。午後二時といふ珍しき時刻にテレビ愛知にて今どき落語の再放送あり、三遊亭兼好の一分茶番と三遊亭白鳥のマキシム・ド・呑兵衞を聽く。二更BSジャパン今どき落語に桃月庵白酒の壺算を聽く。
どんよりと曇りて暗き日なり。朔風吹きつのりて寒加はる。去秋以來微恙ありしセキセイ鸚哥のシジミ君年末年始に至りて恢復したるにや、體ピンと眞つ直ぐに伸び、險しかりし表情も柔和になり、偏食もやみてオーツ麦のほか混合餌も盛に食べるやうになりぬ。この日わが町市制に移行す。
薄く曇りて風寒からず。朝五時放送のEテレ「日本の話藝珠玉の名演セレクション」に二代目柳家小せんの風呂敷と夢路いとし喜味こいしの漫才ジンギスカン料理を聽く。午下ことぶきの湯露天風呂に一浴す。混雜を虞れしに客意外にも少なし。超級市塲に立寄り蜜柑を購ひて歸る。朝九時より十二時までBSプレミアム「談志落語をたっぷりと 新・話の泉」といふ追悼番組あり。新・話の泉の定連毒蝮三太夫嵐山光三郎山本容子山藤章二松尾貴史の五氏司會の渡辺あゆみアナウンサーと倶に談志の藝と人を語る。
演目 | 放送日 |
---|---|
やかん | 2001年8月「笑いがいちばん」 |
首提燈 | 1979年7月「夜の指定席」 |
明烏 | 1978年6月「夜の指定席」 |
人情八百屋 | 1982年5月「新綠寄席」 |
へつゝひ幽靈 | 1987年5月「落語名人選」 |
羽團扇 | 1983年2月「夜の指定席」 |
十二時十五分より正月恆例のNHK總合「初笑ひ東西寄席」を聽く。爆笑問題大に佳し。今年の顏附けを出演順に茲に記し置く。
昭和のいる・こいる | 漫才 |
桃月庵白酒 | つる |
三遊亭歌之介 | 漫談 |
柳亭市馬 | 親子酒 |
ザ・ぼんち | 漫才 |
スーパーマラドーナ | 漫才 |
オール阪神・巨人 | 漫才 |
ティーアップ | 漫才 |
大木こだまひびき | 漫才 |
桂文珍 | 風呂敷 |
横山ホットブラザーズ | 音曲漫才 |
プリンセス金魚 | 漫才 |
海原はるか・かなた | 漫才 |
さらば靑春の光 | コント |
横山たかし・ひろし | 漫才 |
シンデレラエキスプレス | 漫才 |
酒井くにお・とおる | 漫才 |
ケーシー高峰 | 醫學漫談 |
ニッチェ | コント |
東京太・ゆめ子 | 漫才 |
爆笑問題 | 漫才 |
春風亭小柳枝 | 夕立や |
午後九時よりEテレ「日本の話藝二十周年スペシャル」あり。柳家小さんが長屋の花見、弟子さん喬司會の竹下景子に師匠の思ひ出を語る。三遊亭圓樂の濱野矩隨を聽く中いつか眠りに落ちたり。
空よく晴渡りしが西北の風吹きすさみて寒し。今曉五時に錄畫し置きたるEテレ日本の話藝珠玉の名演セレクションに桂小南の菜刀息子と内海桂子好江の漫才日本酒物語を聽く。平成三年の再放送なり。いづれも名演と呼ぶにふさはしき至藝なり。内海好江の啖呵藝に感激し、ひとり暗淚を催す。夕餉に鋤燒を食す。初更N子を地下鐵道驛に見送る。星斗森然たり。今朝八時に錄畫せしBS-TBS新春落語硏究會に立川志の輔がみどりの窓口、柳家三三のろくろ首、橘家圓太郎のへつゝひ幽靈を聽く。
舊十二月八日。薄く晴れて風もなし。またとはなき好き元旦なり。午後慈君N子を伴ひ景行天皇社に賽す。川緣の道は人通りなく白鶺鴒嘴細鴉の囀る聲を聞くのみ。神社界隈は參詣の人多く、階段下の手水舍より行列をなせり。御籤を引くに末吉を得たり。N子も末吉、慈君は吉なり。その文言にいふ。
はなされしかごの小鳥のとりどりに たのしみおおき春ののべかな
籠の中にいた小鳥が放されて自由にとび步く樣に苦しみを逃れて樂しみの多い身となる運です 世の爲め人の爲めに盡しなさい 幸福まして名も上ります
鄰のコメダ珈琲店に立寄り款語。三時家にかへる。アサヒコムを見るに地震速報あり。二時二十八分ごろ東北より關東にかけ震度四を記錄す。震源地は伊豆諸島鳥島なり。この日深夜十二時半頃には中越にも地震あり。夕餉に海鮮丼茶碗蒸を食す。