薄く晴れて暴に暑し。午下坡上を步す。熱中症に陷らむとするほどの暑さなり。家にかへりて寒暖計を見るに攝氏三十二度を示す。今後は日沒後にあゆむべし。未明に錄畫せしBS-TBS落語硏究會に五街道雲助のお初德兵衞を聽く。余は雲助が語尾の聞取りにくきを嫌ひて久しきに、けふは噺の世界に覺えず引込まれたり。この高座の成果を評價されて昨年度の藝術選奬文部科學大臣賞を受賞したる由、長岡杏子アナウンサアの談なり。
薄晴。無風。氣鬱依然たり。午前堤上を步す。午後郵便局に赴き學會費を納めて後接骨醫T氏を訪ふ。午後一時BSプレミアムにて錄畫し置きたるトム・クルーズ主演の活動寫眞卒業白書を看る。グイド役はジョー・パントリアーノなり。
薄く晴れて暑し。咖啡所コメダに朝飯を喫す。咖啡九杯分の囘數券を購ふ。消費稅增稅のため三千圓なりしが三千百圓になりぬ。九時前學舍に着くや鶯語を聞く。授業。本年度初の小試驗を行ひし後、形容詞と所有詞の解說及び練習をなす。午後困臥薄暮に到る。昏黑川端を步す。夜風心地よし。橘ノ圓歿。享年七十八。
天氣好晴。風絕えたり。午下川緣を步す。氣分すぐれずいぶせし。昨夜錄畫し置きたるBS11藝賓館に三遊亭萬窓のたがや、三遊亭吉窓の近日息子を聽く。萬窓は同じ文句を五度も繰返して興冷めなり。
陰天。風濕氣を帶びて冷なり。正午川岸を步す。川向かうの水田に鳧一羽。河原鶸、燕、土鳩、雀。椋鳥の群に遭ふ。昨夜BSプレミアムにて放映されしヒッチコック監督の鳥を思はしむ。晡時主治醫を訪ひ藥を請ふ。鬱惡化したるを以てレメロン十五ミリグラムを一日一錠より二錠に增やして樣子を見ることゝなす。晡下一旦家にかへりて小憩の後 Right-on に赴きリーバイスのジーンズを買ふ。歸路ことぶきの湯に立寄り露天風呂に浴す。客存外多し。
暗雲空を覆ひて風强し。暴に寒くなりぬ。正午過より微雨降來る。晡時雨の小止みを幸に接骨醫T氏を訪ひ揉み療治を受く。歸途理髮舖に立寄る。風雨に遭ふ。夙く寢に就く。
空どんよりとくもりて風なく暑し。NHK總合演藝圖鑑に玉川奈々福の淸水次郞長傳石松金比羅代參を聽く。Eテレ日本の話藝に入船亭扇遊の崇德院を聽く。病臥半日。晚涼を待ちて川岸を步す。氣分頗わろし。書室と睡房の塵を掃ふ。
晏起。薄晴。無風。午下川岸を步す。午後困臥。腹候佳ならず。食を絕つ。
陰晴不定。倦怠感甚し。何亊をもなす能はず。初更ことぶきの湯に徃く。水田に蛙聲かまびすし。三重テレビ淺草お茶の間寄席に橘家文左衞門の目藥、柳家權太樓が町内の若い衆、眞打に昇進せし柳家東三樓の幇間腹を聽く。
半陰半晴。風强し。咖啡所コメダに朝飯を喫す。午前授業。晡刻河畔を步す。風勢增して寒冷となる。心地すぐれず。
夜來の雨午に到りて霽る。强風冷なり。氣塞ぎて何事をもなす能はず。午下坡上を步す。風濕氣を帶びて冷なり。輕鴨一羽、燕、椋鳥、鵯、土鳩、雀。晡時一睡。黃昏雲散じて空は拭ふが如く晴渡りしが烈風歇まず庭樹騷然たり。本年の初夏ほど烈風多きは罕なり。
雨もよひの空なり。兩三日前より心地すぐれず、怏〻として樂しまず。午下堤上を步す。微風冷なり。輕鴨二羽、燕、白鶺鴒、土鳩、雀。母上西川屋老舖のけんぴを購ひ來らる。余はこの日までけんぴの土佐名物なるを知らざりき。西川屋の說く來歷によるに、西川屋才兵衞が白髮素麵また麩に創意を得て製造したる干菓子にて、土佐藩主山内一豐に獻上し賞贊を得たる由。堅く燒きたるところより堅干と名づけたりといふ。精選版日本國語大辭典を閱するに犬皮の項目に記載あり、干菓子の名にして小麦粉に卵、砂糖などを練り合せて延ばし、短く切りて兩面を燒きしもの、松風の一種にして土佐國赤岡の名物とあり。午睡。晡下眠より覺む。初更いつもの溫泉に徃き露天風呂に浴す。雨灑來る。映畫撮影監督ゴードン・ウィリス歿。享年八十二。ウディ・アレンのアニー・ホール、マンハッタン、カメレオンマン今に忘れず。BS11藝賓館に柳家小滿んが猫の災難を聽く。
陰晴定らず。微風嫋〻。午下川邉を步す。輕鴨三羽、燕、白鶺鴒、土鳩、椋鳥、雀。晡刻母上自製のパウンドケーキを食す。接骨醫T氏を訪ふ。大相撲夏塲所、嘉風稀勢の里を大に飜弄し幾度も土俵際に追ひつめしが最後は足を滑らせて前に倒れぬ。看客喝采を送る。三重テレビ淺草お茶の間寄席に桂右團治の新聞記事、瀧川鯉昇の蒟蒻問答を聽く。
半晴半陰。午下川淵を步す。NHK總合演藝圖鑑に瀧川鯉昇の馬のすを聽く。Eテレ日本の話藝に桂南光の小言幸兵衞を聽く。ナゴヤといふ地名の由來を調べる。國立國會圖書館のレファレンス協同データベースに平凡社日本歷史地名大系第二十三卷愛知縣篇の該當項目轉載され、これを讀むに、氣候風土がなごやかなる地、ナゴ(霧)の多い原野、山や丘陵などの麓の集落、城砦をめぐる兵舍の意、その外浪が高く屢々海岸を越えるなど由來には諸說あり。根小屋、名越など類似のものを含めれば肥前筑前豐後駿河伊豆下總など各地に見られ、名古屋市にも綠區に根古野があり、これらは何れも海邉の集落といふ共通點あるを以て、魚子屋(魚子は漁夫の意)卽漁村とする說もある由。名古屋市は古くは那古野と書き、名護屋、浪越などの表記もあり、舊廣橋家本江家次第裏書(東洋文庫藏)なる建春門院法花堂領尾張國那古野庄領家職相傳系圖に平安時代末期の莊園名として現れるのが初見にて、南北朝時代の寫本弘法大使御入定勘決記(眞福寺藏)の奧書にも尾張國那古野莊安養寺と讀める由。近世初頭、德川家康により名古屋城下が開かれし頃より名古屋及び名護屋の表記が倂用されしが、次第に前者に定まり明治二十二年現市名となりぬ。
今朝も蚤く起き出づ。初夏の日晴渡りしが西風吹きすさみて肌寒し。階前の夏椿の蕾ふくらみて綻びむとす。午下川緣を步す。輕鴨一羽、白鶺鴒一羽、椋鳥、雉鳩、雀、鵯。この日村八分の意味を初めて知りぬ。ブリタニカ國際大百科事典小項目電子辭書版に據るに、冠婚葬建築火事病氣水害旅行出產年忌十種の中火事と葬儀を除く八種に關する交際を絕つに由來するといふ說あり。また亡八はデジタル大辭泉に依るに仁義禮智忠信孝悌の德目八つ全てを失ひし者のことなり。
蚤起。西北の風烈しく庭樹騷然たり。空氣甚だ乾燥して早朝干せし洗濯物は正午に到らずして乾きぬ。Eテレえほん寄席に柳亭市馬の大安賣りを聽く。午下川端を步す。この夏初めて半袖のシャツを着て步く。突風に帽子も吹飛ばされむばかりなり。晡時驛前の便利店にて國民健康保險料を納め、接骨醫T氏を訪ひ揉み療治を受く。日暮れて猶暴風息まず肌寒し。大相撲夏塲所豐ノ島日馬富士を押し出しにて破る。初更ことぶきの湯露天風呂に浴す。
雨模樣の空なり。咖啡所コメダに朝飯を喫す。いつもに比して混雜しボックス席は滿席なるを以てカウンター席に坐る。九時學舍到着。鶯語を聞く。動詞 tomar を用ひたる會話の練習を行ふ。和氣藹々たり。歸途雨降り初む。午後細雨霏々たり。G出版社原稿料を送來る。燈刻雨霽る。夜に入りて風遽に寒し。安倍晋三首相會見を催して集團的自衞權の行使容認を目指すと宣言せり。立憲主義の放棄に外ならず言語道斷なり。
隂。風漸く息む。セキセイ鸚哥のアサリ君早朝より水浴す。午下川岸を步す。本年初て夏の暑さを感ず。輕鴨三四羽あり、雛の姿は見えず。川鵜一羽。晡時一睡。大相撲夏塲所、小さなる髷を結ひし遠藤新橫綱鶴龍に土をつけぬ。YouTube に Akira Project の實寫版アキラ豫告篇を看る。見事なり。
陰後に晴。强風なほ息まず。正午河岸を步す。橋の下なる川淵の岩に大小の龜二匹甲羅干しするを見る。岸に輕鴨のつがひあり。雛の姿は見えず。雛は何處に行きしにや。烏の餌食になりしにや。無事を祈るばかりなり。晡時主治醫を訪ひ藥を乞ふ。本日より新病棟に通院す。受付にて富士通ゼネラル社の NAVIT といふ聯絡用携帶端末を受取る。診察室への呼出しや會計窓口への案内などを表示するなり。夜初更久振りにて長久手溫泉ござらつせに徃く。盖しことぶきの湯臨時休業の故なり。客の存外多きに一驚を喫す。露天風呂のみにても十二三人をれり。十五夜の月中空に輝き出でたり。BS11藝賓館に柳家小せんの千早振る、隅田川馬石の元犬を聽く。H・R・ギーガー歿。享年七十四。
晏起。雨もよひの空なり。烈風欅の大樹を騷がす。風濕氣を帶びて冷なり。書齋のカーペット八年使ひて汚れたれば新調せむと午前百貨店Sに赴き購ふ。大安賣の最終日とて定價の半値以下にて買ふを得たり。二時過疎雨。晡刻接骨醫T氏を訪ふ。燈刻雨降出す。
連日好く晴れて風强し。本日は母の日なれば慈君の好物を購はむとて龜屋芳廣に赴き不老柿を購ふ。晡時河畔を步す。輕鴨一羽、川鵜一羽。何處に行きしにや輕鴨の親子は姿なし。曉明錄畫せしNHK總合演藝圖鑑にナイツの漫才、橘家文左衞門の目藥を聽く。Eテレ日本の話藝に柳家權太樓がはてなの茶碗を聽く。大相撲夏塲所初日。新橫綱鶴竜白星發進。遠藤漸く髷を結ひたり。
空は晴れしが北風强し。庭轟然たり。DVDにペドロ・アルモドバル監督の活動寫眞私が、生きる肌を看る。
陰晴不定。西北の風吹き荒れて寒し。午前川に沿ひてインターバル速步。けふも輕鴨の親子を見る。麵麭屑を與へる禿頭の翁あり。晡刻接骨醫T氏を訪ひ揉み療治を請ふ。先月の消費增稅に伴ひ診察料今月より五十圓値上して六百圓となる。初更いつもの溫泉に徃き露天風呂に浴す。夜風思の外冷なり。片割月中空に浮び出づ。
陰晴定らず。咖啡所コメダに朝飯を喫す。大井橋近邉自働車の澀滯甚し。第二期バイパス普請の最中なり。來年三月工事終了の豫定なりといふ。九時過豐田學舍に着く。敎科書第四課の聽取り練習を行ふ。構内のヒトツバタゴ、通稱ナンジャモンジャの木滿開なり。一時半家にかへる。ヒトツバタゴを電子辭書に調べる。デジタル大辭泉に依るに、分布範圍は木曾川付近及び對馬にて、その名はタゴ(秦皮の方言)の仲間と思はれしことに由來し、明治神宮外苑の大木は名稱の不明なる珍木なるを以てナンジャモンジャの木と呼ばれたりき。ブリタニカ國際大百科事典に拠れば亞細亞東部と北亞米利加のみに知らるゝ珍木にて、日本產の種は中部地方と對馬、朝鮮半島、支那、臺灣に自生する由なり。晡時堤上を步す。老夫婦岸邊に佇立み何やら對岸の川淵あたりを凝視しをれり。あゆみを緩めて窺ひ見るに輕鴨の親子なり。雛は七八羽、母親とおぼしき鴨のまはりに蝟集して片時も離れず。東風强し。雲の東南より西北に流れ行くを見る。北方に低氣壓あるなるべし。
晏起。初夏の日うらゝかに晴渡りて薰風颯〻たり。市中到る處新綠賞すべし。午前理髮舖に徃く。晡刻川緣を干す。田植を終へし水田いと美し。輕鴨三羽、川鵜二羽、椋鳥、鵯。上弦の月あきらかなり。
陰後に薄く晴る。日の晡ならむとする頃川邊を步す。輕鴨四羽、燕、白鶺鴒、椋鳥、土鳩、雀を見る。初更ことぶきの湯に徃き露天風呂に浴す。八日頃の月おぼろなり。BS11藝賓館に古今亭寿輔の地獄巡りを聽く。
朝來雨蕭〻。曆を見るにこの日立夏なれど風甚冷なり。午前五時半ごろ東京都千代田區にて震度五弱の地震あり。震源地なる伊豆大島には甥Rサイクリング部の仲間と滯在中なり。幸にして何處も被害なし。粽、柏餠、銀座ウエストのリーフパイを食す。午下S市の自宅に歸るN子を地下鐵驛に見送る。歸途ヤマト運輸集配所よりN子宛に荷物一函を發送す。市役所の寒暖計十七度を示す。夕餉に楤の芽の天麩羅を食す。夜に入るも雨やまず。空模樣梅雨のごとし。三重テレビ淺草お茶の間寄席に桂文治の無精床、桂伸治が宿屋の仇討を聽く。この日こどもの日。
蚤起連日の如し。天氣好晴、日の光はうらゝかなるに西風思の外冷たし。四鄰寂として音なし。昨日より高山市にて震度三の地震相次ぐ。怪しむべし。NHK總合演藝圖鑑にWコロンの漫才、ペヽ櫻井のギター漫談、入船亭扇遊の人形買ひを聽く。晡時河畔を步す。西南の風强く肌寒し。輕鴨のつがひを見る。いつもと同じ鳥なるべし。N子の iPhone と余の桌上型電腦を用ゐてスカイプの通話性能を試す。LTE にては音聲聞えず、Wi-Fi を媒介にすれば辛うじて繫がりたり。Eテレ日本の話藝に三遊亭圓輔の野ざらしを聽く。サゲまで語りたり。夕餉に豚ヒレカツを食す。諧語二時間に及ぶ。食後淸見オレンジとアップルマンゴーを食す。BSフジ落語小僧に大空亭晴之介のやかん、桜家尋エモンの靑菜、瀧川鯉昇の蕎麦處ベートーベンを聽く。この日みどりの日。
半陰半晴。西風烈し。夜中に突風吹きしにや、ベランダに置きたる靑木の鉢橫倒しになりたり。朝餉の後N子慈君を伴ひあぐりん村に赴き筍蕗その他蔬菜を買ふ。歸途ミニストップに立寄りソフトクリームを食す。路傍の寒暑計二十五度を示す。午下家にかへる。N子過日訪れし阿拉斯加州フェアバンクスにて撮影したる極光の寫眞五百六十枚を iPad にて示さる。文字通り滿點の星空なり。畫像の鮮明なるに一驚を喫す。慈君手製の甘夏ピール入りパウンドケーキを振舞はる。晡刻坡上を步す。西風いよ/\烈しく折々突風吹きて樹木の枝も撓むばかりなり。夕餉に筍蕗の煮物、茅乃舍だしを用ゐたる味噌汁を食す。風味佳し。この日憲法紀念日。
快晴の空拭ふが如し。午下堤上を步す。輕鴨二羽。杜鵑花滿開なり。花水木の花半落つ。黑鳳蝶の舞ふを見る。兒童らは皆半袖姿なり。晡時接骨院に赴きしが扉に本日臨時休診の貼紙あり、空しく踵を返す。薄暮いつもの溫泉に徃く。絲の如き三日月を見る。夜初更地下鐵道驛にN子を出迎ふ。三重テレビ淺草お茶の間寄席に桂新治のおもてなし、宮田陽・昇の漫才、三遊亭笑遊の湯屋番を聽く。
舊四月三日。乍晴乍陰。風濕氣を帶びてなまあたゝかし。咖啡所コメダに朝餉を喫す。黃金週間の中日なるを以て自働車の徃復繁からず。九時前豐田學舍に着く。本年度の履修者名簿やうやく完成す。名詞の性及び -ar動詞、-er動詞、-ir動詞の活用を講ず。歸途驟雨に遭ふ。一時半歸家。晡時川緣を步す。輕鴨二羽。西風强し。ボブ・ホスキンスの訃報あり。享年七十一。活動寫眞モナリザの名演、ロジャー・ラビット Who Framed Roger Rabbit に於ける快演今に忘れず。