晴。風あり暑氣少しく忍び易し。戲曲第三作添刪日課の如し。午後理髮舖に徃き、赤紫蘇を購はむとて農協に赴きしが品切なり。いつもの溫泉に立寄り露天風呂にて半身浴をなす。夜凉を俟ちて九日ぶりに河畔をインターバル速步にてあゆむ。先週來熱中症に罹るを虞れて姑く中斷しゐたりしなり。車の徃來少なく、聞ゆるはたゞ川のせゝらぎと鴨蛙蟬の聲のみ。この日東京電力事實上國有化せらる。
晴れたる空に白雲多し。風なく酷暑堪ふべからず。Yahoo!ニュースに倫敦五輪男子蹴球日本對摩洛哥戰の結果をよむ。日本一對零にて勝利したるを知る。摩洛哥組は斷食ラマダーンの最中なり。西班牙はホンジュラスに零對一にて負け一次リーグ敗退す。戲曲第三作の推敲餘事なし。
薄く晴れて今日も無風なり。戲曲第三作の推敲を始む。午後雷鳴あり。
拂曉尿意に睡を破らる。時計をみるに四時なり。八時起床。氣溫早くも攝氏二十九度に達す。風絕えて炎熱ます/\甚しければ十二時半居間と書齋を除濕す。戲曲飜譯例の如し。晡下休憩して榻に臥し、今曉三時BS-TBSにて錄畫し置きたる落語硏究會に入船亭扇遊が夏の醫者を聽く。初更戲曲飜譯を終へる。文字數原稾用帋に換算して二百二十五枚なり。夕餉に三河安城の冷麦、福井產西瓜を食す。西瓜を食ふは今夏始てなり。炎暑深夜に至るも退かず。この夜綠の黨設立總會開かる。正式名稱綠の黨 Greens Japan なり。中沢新一氏率ゐる政治運動體グリーンアクティブと協力關係を結びたり。
晴。蟬時雨日に/\增す。酷熱退かず、靜坐するも脂汗出るほどなり。昨夜の倫敦五輪男子蹴球日本對西班牙戰、日本一對零にて勝利す。昨夜二更生中繼放送を少しく見しが、西班牙は攻守ともに拙劣見るに堪へざりき。戲曲飜譯日課の如し。二時半ことぶきの湯露天風呂にて半身浴をなす。歸途農協に立寄り三河安城の冷や麦を購ふ。土用の丑の日なりとて店頭にて鰻の炭火燒を賣るを見る。一尾二千三百圓の高價に一驚を喫す。客はみな步を停めて値札を見やるのみにてそのまゝ立去るなり。本年は鰻の稚魚頗る不漁にて臺灣の輸出量例年に比して四分の一にとゞまるなりといふ。亞米利加は鰻稚魚の保護を檢討する由。日本人による亂獲が原因なるは火を見るよりも明らかなり。早晚高級食材となるべし。五時頃門前に救急車と消防車來る。ベランダより窺ひ見るに通行の人步みをとゞめて眺めゐたり。患者の姿は見ること能はざりき。熱中症ならん歟。夕餉に柳川鍋風鰻丼、山芋オクラ、蜆汁を食す。夜初更戲曲第十三塲の飜譯を終へる。
晴れて炎熱燬くが如し。六時ごろ睡より寤め厠に赴かむとするに戶口に一枚の紙片あり、何事にやと見やるに、慈君の書きたる文字にて、二對一にて勝つたぞと讀めり。倫敦五輪開幕、女子蹴球日本對加奈陀戰、日本の勝利したるを知る。八時コメダ咖啡店に朝飯を喫す。九時過豐田學舍着。守衞室橫の喫煙所に立看板あり、九月一日より閉鎖せらるゝ由なり。以後喫煙所は四號館前、圖書館裏、九號館東の三箇所のみとなるなり。前期試驗の日なり。筆記試驗を行ふ講義は多からざると見え、講師控室の敎員僅に二三人のみ。試驗會塲たる八號館二階の敎室に入るや、冷氣の甚しきに一驚を喫す。初めは涼味を覺えて心地よかりしが、敎卓に坐りて程なくして肌身ひや/\して氣味惡くなりぬ。壁の空調操作盤を見るに設定溫度二十五度なり。二三度高くせむとボタンを押せしが、集中管理の文字點滅して溫度を變へること能はず。已むを得ず兩腕をさすりて寒さを堪ふ。一限二限ともに恙なく試驗を終へたり。午下家にかへる。戲曲第十一塲を飜譯す。前半の譯文たど/\しきことこの上なし。夜初更に至るに氣溫なほ三十度を下らず。
空薄く曇りて溽暑甚し。早朝より蟬時雨をきく。慈君を車にて美容院に送る。慈君は讀終へられたる雜誌を屡この美容院に寄贈するなり。晝前齒科醫A氏を訪ひ齒の消毒をなす。午後戲曲飜譯餘事なし。晡下居間及び書齋を除濕。夜初更第十塲とりあへず譯了。第九塲は苦心慘澹たり。このまゝにては到底世の讀書人に供するべからず。推敲の餘地大にあり。
セキセイ鸚哥の啼く聲に睡を破らる。空久しぶりに薄く晴る。無風。朝飯を食ひ皿を洗ひ終へてBS1の米國大リーグ中繼を見やるに、突如スーツ姿のイチロー記者會見に臨み、二十三日附にて舍路マリナーズを退團し紐育ヤンキースへの移籍を發表す。今年三十八歲、現役にて活躍し得るはあと二三年なるべし。戲曲第七塲を飜譯す。二時いつもの溫泉に徃き露天風呂に浴す。三時主治醫を訪ひ藥を乞ふ。待合室にてセサル・アイラ著わたしの物語をよむ。四時前家にかへる。戲曲第八塲譯了。書齋ベランダにて煙草を飮む。抑鬱亭の屋内は禁煙なればなり。余はいつも細き竹の十七八本を編みし緣臺に坐りて煙草を喫するに、每年この時節には虻來りて竹の先を器用に削りて穴を穿ち、中に卵を生みつけ子育てするなり。けふも親の虻小さなる靑蟲を捕まへて飛來りては竹の巢穴に運び入れること幾囘なるを知らず。昆蟲さへ自力にて巢を建設し子を養ひ子はいつか巢立つなり。飜つて余は七年前より老父母の家に居候し未だ巢立たず。余は昆蟲に劣るなり。
けふも空は灰色の雲に蔽はれ久しく日光を拜まず。戲曲第六塲譯了。正午過カーマホームセンターに赴きセキセイ鸚哥の混合餌を購ふ。小學生の男兒しやがみて何やら蟲籠の中をぢつと見つめゐたり。兜蟲なり。成蟲五百九拾八圓。鄰の籠は百九十八圓の値札を下げたり。意外にも廉價なり。夕刻第七塲の飜譯を始む。夜九時川緣をインターバル速步にて步む。Y君新譯小說セサル・アイラ著わたしの物語を惠贈せらる。
今日も雨もよひの空晴れやらず。梅雨あけてより卻て天候不順なり。けふもまた風の冷なること大暑の日とも思はれぬばかりなり。兩三日前より窗邊に雌の白鶺鴒しば/\來る。尾を上下に打ち震はせながらとこ/\步き、チヽヽ、チヽヽと啼きて飛去るなり。余は小禽をこよなく愛するなり。戲曲最終作第四塲譯了、第五塲の飜譯を始む。おもしろきことこの上なし。一息に全篇飜譯したき思ひに驅らるゝなり。然れどなるべく根を詰めぬやうにと、主治醫の勸めなり。大相撲名古屋塲所千龝樂、白鵬對日馬富士戰を見る。橫綱大關全勝同士の對決は史上初めてなり。日馬富士の目に一點の迷ひもなく、心中穩やかなること水のごとく見ゆ。飜つて白鵬は目泳ぎてどこか不安げなり。立合ひ果して日馬富士一方的に攻め、瞬くうちに白鵬を土俵の外に追ひやりぬ。
曇天。風の冷なること肌寒きほどなり。直に雨降り來れり。戲曲最終作第三塲の飜譯を終へる。第四塲を飜譯すること半分ばかり。大相撲名古屋塲所、大關日馬富士橫綱白鵬ともに全勝を守る。明日は全勝同士の決戰なり。夕餉に自家製烏賊飯を食す。夜八時ごろ北の方角より頻に花火打揚る響聞ゆ。空はどんよりと灰色に曇りて花火は見えず。わが町また鄰町にはあらず。K市なるにや。雨歇みたれば九時前川緣をインターバル速步にてあゆむ。風雨氣を含みて冷なれど忽汗かきたり。
今朝も蚤く眠よりさめたり。どんよりと曇りし空より小雨ぽつ/\降り來れり。風俄に寒し。朝餉の後母上の需によりあぐりん村に赴きアロエベラ抹茶粉末を購ふ。敎務課に徃き用事を辯じて歸途ござらっせ溫泉に立寄り二階露天風呂に浴す。外に出づるに雨篠つくが如し。學校がへりの中學生傘を攜へざるもの多く全身濡れ鼠となりぬ。正午家にかへる。戲曲飜譯日課の如し。余が懸弧の日なり。母上西洋菓子を饋らる。初更第一部第一塲譯了。筆大に進む。雨ふりてはまた歇む。坂東玉三郎氏人間國寳に推舉せらる。
晴。酷暑退かず。 咖啡處コメダに朝餉をなし豐田學舍に徃く。前期最終講義なり。一限二限ともに試驗に備へて復習に費やす。二限は受講生六十人をり敎室人いきれにて暑苦しく、余は三時間立ちづくめなれば輕き目眩をおぼゆるほどなり。かつて馬德里コンプルテンセ大學に遊學せし時氣溫四十三度を經驗せし時のことを思出し學生に語れり。昭和六十一年八月のことなりき。一時過家にかへる。酷熱堪へがたく空調を除濕運轉す。TSUTAYAに徃きブルーレイ返卻。歸途あまりの暑さにドラッグストアに立寄りコカ・コーラゼロ(八十八圓)を購ふ。今夏コカ・コーラを飮むはこの日がはじめてなり。一口目は美味かりしが二口目以降は美味からず。夏の飮物は水また自家製紫蘇ジュースに若くはなし。氣溫攝氏三十六度に達す。夕餉の後戲曲第一部第一塲の飜譯を始む。この日土用に入る。
蚤起。八時氣溫早くも攝氏二十八度に昇る。午下現代戲曲二篇目とりあへず最後まで譯出す。齒科醫A氏を訪ひ右下奧齒二本を拔く。止血のためガーゼを含み抗生劑をもらふ。役塲福祉センター去月の健康診斷結果を送來る。良好なり。三時半酷熱堪ふべからず、居間書齋を除濕す。夕刻現代戲曲第三作の序幕を飜譯す。夜初更BS日テレ德光和夫のトクセンお寶映像に古今亭志ん朝の火焰太鼓を聽く。昭和五十五年花王名人劇塲にて收錄せし高座なり。九時を過ても氣溫下がらず二十七度なり。速步は諦めて空しく家に留る。
陰後に晴。風絕ゆ。梅雨あけて炎暑の日くる。扇風機を囘し、小林製藥の熱さまひんやり首もとベルトを首に卷きて、現代戲曲二作目最終塲の飜譯を始む。筆大に進む。三時ことぶきの湯露天風呂に汗を流す。晡下居間と書齋を除濕す。今夏日のまだ高きうちに空調を使ひしは今日がはじめてなり。氣溫攝氏三十四度にのぼり苦熱堪へがきを以てなり。設定溫度は二十九度なり。夜初更川緣をインターバル速步にてあゆむ。
日曇りて雲多し。けふも東南の風やまず。海の日の祝日にて巷は三連休最終日なり。セキセイ鸚哥のアサリ君每朝ご機嫌麗しく、余が鼻の頭また眼鏡の鎧を突きて飽きることなし。余が丸めし塵紙を鼻先に差出せば嬉々として食ひちぎり口中にて飽かず丸めるなり。箸の上にとまることも好むなり。戲曲第二幕第二塲譯了。午後七時半インターバル速步。風やゝ濕氣を帶びしが昨に比すれば過ごしやすし。この日代々木公園にてさようなら原發10萬人集會開催せらる。主催者の發表によれば十七萬人集ひたる由。朝日新聞にて高畫質の動畫公開中なり。この日桂三枝六代桂文枝襲名。
曇天。無風。溽暑。午後より東南の風吹き出でゝ雲の西北に流るゝさま、何やら大風の豫兆のごとし。今曉三時BSプレミアムにて錄畫し置きたるアクターズ・スタジオ・インタビューにヒラリー・スワンク自らを語るを見る。客席最前列に實母と兄同席したり。スワンクは貧しきトレーラーハウスに育ち、女優の道を進まんと母親と俱にロサンゼルスに移居せしが、赤貧洗ふが如く、食事はデニーズの一ドル九十九セント大盛り定食を一日一囘食せしのみといふ。傑作ミリオンダラー・ベイビーにて演じたる主人公マギー・フィッツジェラルドと全く同じ生立ちなり。二時FM愛知サンデー・ソングブックにレイ・ブラッドベリ追悼特輯第二囘放送を聽く。昏黑河畔をインターバル速步。涼風吹き通ひて心地よし。驛の方角より太鼓の音また歌聲聞え、この日盂蘭盆なるを知らしむ。
陰天。溽蒸昨の如し。戲曲第二幕飜譯。夕暮中庭に岩燕の亂れ飛ぶを見る。晚涼を待ち川岸に赴きインターバル速步。始めて蟬聲をきく。ドラッグストアS閉店時刻を一時間繰下げ夜十一時となす。超級市塲の中には朝七時に開店するところもありといふ。勞働環境從業員にとりては過酷なるべし。リチャード・ザナック歿。享年七十七。
灰色に空曇りて暮方より雨ふる。溽蒸蒸風呂のごとし。納戶より扇風機を取出し書齋に置く。戲曲第二幕の飜譯を始む。午後いつもの溫泉に徃き露天風呂に浴す。晚間DVDにてピクサー社のカーズ2を看る。脚本監督はジョン・ラセターなれど凡作なり。
風雨。咖啡處コメダに朝餉を喫す。九時十分豐田學舍着。一限二限ともに前期試驗前の復習をなす。八號館の厠改築され和式便器いつか溫水洗淨便座となる。TSUTAYAに立寄るに MEG なる大判の無料情報誌あり、表紙に江守徹の大きなる寫眞揭載されたるを見て何となく近寄りて眺めるに、下のはうにオペラ演出家岩田達宗の名前あり。岩田氏は余が大學に學びし時の先輩にて、演劇の實踐に關して樣々なることを敎はりき。九月十七日愛知縣藝術劇塲にてドニゼッティが歌劇ランメルモールのルチアを演出する由なり。氏は學生時代鈴木忠志率ゐる劇團SCOTに在籍し、また蜷川幸雄の芝居にも出演したり。清水邦夫作、蜷川演出によるタンゴ・冬の終はりにも出演せられしと記憶するなり。二時前家にかへる。現代劇第二作の第一幕をとりあへず譯出す。今宵も微熱あり。
暗雲天を蔽ひ風は南より吹くと思へば東西に變り、嵐の近きを知らしむ。午前慈君に勸められて齒科醫A氏を訪ふ。齒科に通ふは三十四五年なるべし。待合室の液晶ディスプレイに活動寫眞となりのトヽロ再生されゐたり。音聲は無音にて日本語字幕を表示す。院内に低く流るゝ環境音樂を妨げぬためなり。宮﨑駿の動畫は繪の動きを見るのみにて自づと物語の展開を察し得るなり。これ活動寫眞の本質なり。治療室に入り、先づ頭部レントゲン寫眞を撮る。顎の骨しつかりしてゐますと云はる。右下の齒二本、右上も二本缺け落ちたり。けふは一先齒石を除去し、次囘缺落せし齒にブリッジを渡して噛合せを調整することゝす。治療五十分に及びしが、A氏も女性の助手も懇切丁寧、余は齒科を蛇蠍のごとく嫌ひしが、この日認識を改めたり。午下家にかへる。戲曲第一幕第四塲を飜譯す。三時半雨ふる前にとて川岸をインターバル速步にてあゆむ。歸途果して雨に値ふ。この日また微熱あり。この夏初めてアイスクリームを食す。
けふも好く晴れたり。日光赫々樹影くつきりと濃く、いかにも夏らしき日なり。現代戲曲第一幕第三塲を飜譯す。この芝居には登塲人物の一人が西班牙人歌手の流行歌を口ずさむ塲面あり。余二十五年前この芝居の飜譯を打診されし時馬德里に遊學中なりき。レコード屋に赴き歌手のカセットテープを購ひ、くだんの歌を聽きながら飜譯したりき。二十五年後の今日、尾張の陋屋に居ながらにして YouTube にて聽くことを得る。時代の變遷するさま、さながら大河の岸に立ちて流れゆく水を見るが如き心地するなり。二時いつもの溫泉に徃き露天風呂に汗を流し、三時病院に赴き藥を乞ふ。黃昏河畔をインターバル速步にて步む。中洲に輕鴨十數羽憩ひゐたり。白鶺鴒、岩燕、鵯を見る。初更BS11柳家喬太郎のようこそ藝賓館に春風亭一之輔のめがね泥、六代目春風亭柳朝の武助馬を聽く。
晴天。學會年會費を郵便局に納め、ブックオフに活動寫眞DVD十二枚を賣卻、四千五百圓を得る。歸途理髮舖に立寄り十二時半家にかへる。現代戲曲第一幕第二塲譯了。晡時榻に臥し、トイ・ストーリー3後半を觀る。かつて活動小屋にて鑒賞せし時よりもに一層感銘を覺ゆ。日沒の頃インターバル速步。頭上に燕の子、巢立ちしばかりと見え、ぎこちなく輪を描きて欅の枝先にとまるを見る。夜初更 Skype にてI君と語らうこと一時間に及ぶ。
半陰半晴。T氏來宅。實家の山桃を饋らる。書齋寢室の塵を掃ふ。夕餉の後母上を伴ひ家電量販店Eに赴き、過日修繕を賴みし父上のエプソン社製印刷機を受取る。パチンコ屋インターパレス跡地にエイデン新店舖の骨格組上げられたり。日の沒する頃インターバル速步。集合住宅屋上のアンテナに嘴太鴉の遠近相應じて啼くを聽く。水田に蛙の聲聞ゆ。夜風心地よし。夜初更テレビ朝日系日曜洋畫劇塲にトイ・ストーリー3を看ること一時半ばかりにして眠りに落ちたり。
灰色の空よりまたもや雨降り來たるかと思はれしが午後に到りて暗雲散じ靑空廣がりぬ。けふも風冷なり。半袖襯衣半ズボンにて書齋に靜座しをれば肌寒さを覺ゆるほどなり。朝餉にサラドを食しゐたるに、セキセイ鸚哥のアサリ君珍しく卓上をとこ/\步みて余が皿の緣に來りてハムを啄むや、ギャッと聲を上げて驚き籠に戾りしに、ふたゝび來りてハムの端を喰ひたり。肉を食らふ鸚哥とはこれいかに。鳥類の祖先は恐龍なる由なれば先祖返りせしにや。呵々。戲曲第一幕第二塲の飜譯を始む。燈刻インターバル速步。夕陽燦然たり。
旦暮風の冷なること小暑の頃とも思はれず。曇りて午後より雨となる。午前八時五十五分Eテレにて錄畫せしてれび繪本えほん寄席に桂文我の眼鏡屋泥棒を聽く。この噺落語事典に要約を讀みしことあれど咄家の口演を聽くは初めてなり。戲曲飜譯。第一幕第一塲をとりあへず譯了しぬ。三時いつもの溫泉に徃き露天風呂に浴す。ブルーレイにて音樂映畫ドリームガールズを看る。ジェニファー・ハドソンの歌は余の心に響かず。夜雨篠つくが如し。
雨もよひの空なり。咖啡處コメダに朝餉の小倉トーストを食す。九時豐田學舍到着。前期試驗間近に迫りたれば一限二限とも新しき學課には進まず、まづ蹴球歐州選手權に優勝せし西班牙代表メンバー一覽表を配布し、西班牙人の姓名の仕組を解說す。次に料理屋品書の見本を配布し、余は給仕人、學生は客となり、料理の注文の仕方を練習す。午下小雨降り來れり。歸途郵便局に立寄り記念切手を購ひ、TSUTAYAに赴き音樂CD二枚、ブルーレイディスク二枚を借る。二時歸宅。リュックの中身を改めるにプログレッシブ西班牙語辭典見あたらず。敎卓の上に置き忘れたり。非常勤講師控室に電話かけM氏に問合せるに、果して敎卓にあり。老耄憐むべし。燈ともし頃川緣をインターバル速步にてあゆむ。微雨に値ふ。
晴後に陰。風爽なり。現代戲曲飜譯。筆やうやく大に進む。晡時歐州合同原子核硏究所 CERN ヒッグス粒子とおぼしき新粒子を發見せりと發表す。なほ眞僞のほどはさらなる檢證を要する由。若し眞のヒッグス粒子ならば新たなる謎生まれるべし。何となればヒッグス粒子なるものが誕生する理由未だ不明なればなり。思ふに宇宙の内部に謎はなし、唯一の謎は宇宙が存在することそれ自體なり。每夕インターバル速步怠りなし。町内に守禮舘なる劍道空手の道塲あるを發見す。近くには珠算敎室もあり。微雨に遭ふ。
蚤起。雨ふる前にインターバル速步を行ふ。八時過家にかへるや果して大雨沛然として濺ぎ來りぬ。ソフトバンクの太陽光發電所京都と群馬にて運轉開始す。戲曲飜譯。午後M氏來訪。父上の從弟なり。晡時ことぶきの湯に徃き露天風呂に浴す。川島病院向ひの咖啡處コメダいつか廢屋となり、駐車塲入口に立札あり。六月三十日を以て閉店しましたと讀めり。歸宅してふたゝび飜譯に筆を秉る。初更BS11柳家喬太郎のようこそ藝賓館に新作落語二本を聽く。三遊亭天どんの私をそば屋に連れてっては及第點。春風亭百榮が弟子の赤飯に覺えず呵呵大笑せり。新作に爆笑せしは初てなり。雨いつか霽れたり。微熱下がらず。
晴れて暑けれど風爽なり。昨日キエフにて行はれし蹴球歐州選手權決勝戰の結果を互聯網にて知る。四對零にて西班牙伊太利を壓倒し、二大會連霸、一昨年の世界盃を含めて主要大會三連續優勝の快擧を達成す。暮方インターバル速步。晚霞描くが如し。西班牙優勝を紀念して決勝戰出塲選手一覽を茲に記し置く。
GK | カシーリャス | Iker Casillas Fernández | イケル・カシーリャス・フェルナンデス |
DF | アルベロア | Álvaro Arbeloa Coca | アルバロ・アルベロア・コカ |
セルヒオ・ラモス | Sergio Ramos García | セルヒオ・ラモス・ガルシーア | |
ピケー | Gerard Piqué Bernabéu | ジェラール・ピケー・ベルナベウ | |
J・アルバ | Jordi Alba Ramos | ジョルディ・アルバ・ラモス | |
MF | シャビ・アロンソ | Xabier Alonso Olano | シャビエル・アロンソ・オラーノ |
ブスケッツ | Sergio Busquets Burgos | セルヒオ・ブスケッツ・ブルゴス | |
シルバ | David Jiménez Silva | ダビ・ヒメネス・シルバ | |
シャビ | Xavier Hernández Creus | シャビエル・エルナンデス・クレウス | |
イニエスタ | Andrés Iniesta Luján | アンドレス・イニエスタ・ルハン | |
セスク | Francesc Fábregas Soler | フランセスク・ファブレガス・ソレール | |
FW | ペドロ | Pedro Rodríguez Ledesma | ペドロ・ロドリゲス・レデスマ |
マタ | Juan Manuel Mata García | フアン・マヌエル・マタ・ガルシーア | |
フェルナンド・トーレス | Fernando José Torres Sanz | フェルナンド・ホセ・トーレス・サンス | |
監督 | デル・ボスケ | Vicente del Bosque Gonzélez | ビセンテ・デル・ボスケ・ゴンサレス |
舊五月十二日。雨。風冷なり。セキセイ鸚哥のシジミ君オーツ麦の偏食突然終りて混合餌を滿遍なく食べ、元氣に飛囘るやうになれり。二時FM愛知サンデー・ソングブックにレイ・ブラッドベリ追悼特輯を聽く。雨中中庭に燕數多飛交ふを見る。午後九時福井縣大飯原發再稼働せらる。全國各地にて抗議の示威運動あり。去三月以來每週金曜日の夜に首相官邸前にて抗議集會開かる。日本人はやうやく覺醒せり。一度覺醒せし者をふたゝび眠らせることは難かるべし。