曇りて風なく寒からず。臥褥に在りて書を讀む。親子三人食卓を圍み夕餉に手卷壽司を食す。北海道より取寄せし筋子美味なり。
隂。北風吹きて寒し。テレビ愛知中川家の笑ふ大須演藝塲豫習復習SPに尼神インターの漫才魂の入替え、相席スタートの大人の男、さや香の見せ算、中川家の通販番組を聞く。夕餉に牡蠣豆腐の雜炊を食す。NHKラヂオ第一ヤマザキマリラジオに松岡正剛との對談を聞く。その懸河の辯に一驚を喫す。
乍陰乍晴。寒氣ゆるやかなり。午後微雨あり。アウグスティヌス著神の國(五)讀了。余はその知性と感性に敬服するのみ。また日の下に新しきものなしといふ傳道者の書の一節を度〻思ひかへしたり。夕餉に鷄三和の手羽煮、牡蠣豆腐、風呂吹大根を食す。
天氣牢晴。一睡すること能はず。頃日の氣怠さは抗不安藥の副作用なるやも知れざれば醫師の助言を容れて昨日服用を斷ちしところ眠氣を催さず、唯睡魔の來るを待ちて夜を明かしぬ。精神明瞭ならざるまゝ昨日の漉餡を練りて羊羹をつくりしが、寒天三本のところ迂闊にも二本のみ溶かし餡は鍋底に焦げ隱し味の鹽も入れ忘れぬ。大失敗なり。明日以降復調するを待ちて再度つくることゝす。
晴。小豆一キログラムを煮て漉餡をつくる。明日はこれを練りて羊羹をつくるなり。
天氣牢晴。倦怠甚し。
快晴。困臥半日。夜雨。
蚤起。窗外大雪一面の銀世界なり。十センチくらゐ積りたり。倦怠甚し。困臥半日。
快晴。寒氣凜冽。倦怠甚しく顏を洗はむとして洗面器に湯を溜めるあひだ兩腕を洗面臺につきて上體を支ふ。上皇陛下八十九年の誕辰なり。午前二年生年内最終在線授業。疲勞すること甚し。午後假睡。晡時N子來宅。一年ぶりにて親子三人夕餉をなす。一日遲れの冬至南瓜を食し柚子風呂に浴す。
朝の中雨ふりしが須臾にして霽る。冬至。中日新聞によると北朝鮮が11月20日にロシアに軍需物資を輸送。BS-TBS落語硏究會に柳亭小痴樂の浮世床と柳家權太樓の疝氣の蟲を聞く。NHK-FM浪曲十八番に澤孝子の雪女を聽く。原作小泉八雲、曲師伊丹秀敏。初囘放送一九九七年NHK浪曲特選。午後困臥。
六時起出づ。闇夜未明けず。寒氣骨に徹す。寒暑計攝氏零度を示す。乘合自働車と地下鐵道を乘繼ぎて八事學舍に徃く。三年生年内最終授業。互に身振表情を讀みとりて西班牙語にて言ひ當て、また惱み相談に囘答せしむ。午下歸家。被を擁して伏しアウグスティヌス著神の國(五)を讀む。
隂。寒氣昨日に比すれば稍ゆるやかなり。NHK-FM邦樂のひとゝきに哥澤芝虎の哥澤節むらさき、まぶがえ、松の木、年の瀨、ふじ松加奈子の新内小唄置ごたつ、松井須磨子、膝栗毛、明けがらすを聞きつゝ雜誌記事を飜譯す。午後居間の空調取替工事。作業二時間。岩波文庫版アウグスティヌス著服部英次郎藤本雄三譯神の國(五)を讀む。
快晴。七時起出づ。寒暑計氷點下一度を示す。門前欅の葉悉く落つ。理髮舖に徃き歸途洋服屋に立寄りて德利襟のスヱータを購ひ土佐名物芋堅干を買ふ。昨夜メ~テレにて錄畫せしM-1グランプリを見る。余がネタを最後まで聞きし藝人はさや香一組のみなり。惜しくも優勝を逃す。居間に用いる空調の室外機數日前より異音を發す。轡蟲の鳴く聲に似たり。恰も氣溫の氷點下に下る嚴冬の最中に故障しては厄介なれば母上と俱に家電量販店に赴きダイキン社製の空調を購ふ。幸にして在庫あり明日取付工事をなす。雜誌記事飜譯。夕食に鍋燒饂飩を食す。
快晴。寒氣甚し。寒暑計四度を示す。NHKラヂオ第一ラヂオ深夜便話藝百選に六代目神田伯龍の出世馬喰を聞く。音源は平成二年五月三十一日衞星第二講談スペシャルなり。Eテレ日本の話藝に笑福亭松枝の三枚起請を聞く。十月六日NHK大阪ホールにて收錄。アウグスティヌス著神の國(四)を讀む。夕餉にハッシュドビーフを料理す。中京テレビ笑點にナイツの漫才を聞く。羽生結弦の四囘轉半は四捨五入すれば五囘轉に呵呵大笑す。ラヂオNIKKEI第一寄席あぷりみなと芝濱寄席に春風亭橋藏の馬のすを聞く。 夢。ファミレスのような店で夕食。隣にレザースーツを着たテツが赤いバイクに乗って来た。この店は値上げしたようだから今後はあまり来られないかもしれないとあいさつがわりに言って去る。
快晴。七時起出づ。寒暑計氷點下一度を示す。門前欅の葉悉く落つ。理髮舖に徃き歸途洋服屋に立寄りて德利襟のスヱータを購ひ土佐名物芋堅干を買ふ。昨夜メ~テレにて錄畫せしM-1グランプリを見る。余がネタを最後まで聞きし藝人はさや香一組のみなり。惜しくも優勝を逃す。居間に用いる空調の室外機數日前より異音を發す。轡蟲の鳴く聲に似たり。恰も氣溫の氷點下に下る嚴冬の最中に故障しては厄介なれば母上と俱に家電量販店に赴きダイキン社製の空調を購ふ。幸にして在庫あり明日取付工事をなす。雜誌記事飜譯。夕食に鍋燒饂飩を食す。
空どんよりと曇りて寒氣昨日に劣らず。TBCラヂオ魅知國寄席に雷門小助六の七段目を聞く。ラヂオ關西内海英華のラヂ關寄席に笑福亭鶴二の祝のしを聞く。十月十八日神戶新開地喜樂館晝席に於ける口演なり。NHK關西發ラヂオ深夜便に米紫の掛取りを聞く。音源は二〇一六年十一月十日上方落語の會なり。午後寢臺に橫りて岩波文庫版アウグスティヌス著神の國(四)を讀む。三重テレビ淺草お茶の間寄席に柳亭こみちの金魚の藝者、春風亭三朝のやかん、三遊亭笑遊の湯屋番を聞く。
曇りて寒氣甚し。六時氣溫攝氏三度なり。午前二年生對面授業。午下歸家。臥牀に在りてアウグスティヌス著神の國(三)を讀む。
半陰半晴。寒氣日に/\加はる。倦怠甚しく机に凭りがたし。臥褥に在りてアウグスティヌス著神の國(三)を讀むこと例の如し。
薄く曇りて西北の風烈しく寒氣甚し。午前三年生對面授業。燈刻MOVIX三好六番館にてデヴィッド・ロウリー監督の活動寫眞グリーン・ナイトを看る。佳作。やゝ長し。看客余の外二人のみ。カーラヂオのFM愛知よりナット・キング・コールのクリスマス・ソング流るゝを聞きて聖誕祭の近きを知りたり。
寒雨溟濛。倦怠甚しく机に凭りがたし。臥蓐に在りて岩波文庫版アウグスティヌス著服部英次郎譯神の國(三)を讀む。
天氣連日限りなく好し。カーラヂオのNHK-FM歌謠スクランブルに都はるみの惚れちゃったんだヨと北島三郎の函館の女を聽きつゝ洋服屋に徃き買物して同番組にフランク永井の霧子のタンゴと吉永小百合とトニーズの愛の世界を聽きつゝ家にかへる。アウグスティヌス著神の國(二)を讀む。
天氣牢晴。寒氣少しく寬なり。NHKラヂオ第一ラヂオ深夜便話藝百選に一龍齋春水の金子みすゞ傳を聞く。聽衆なきスタヂオにて收錄。文化放送志の輔ラヂオ落語DEデートに古今亭志ん生の淀五郞を聞く。ABCラヂオ日曜落語なみはや亭に南天のたちぎれ線香を聞く。音源は二〇一六年一月三十日梅田藝術劇塲シアター・ドラマシティに於ける第百十四囘上方落語をきく會夜の部なり。晡時長久手市文化の家風のホールの東西聽きくらべ落語theディスカバリィに赴く。先づ高座前にパイプ椅子五つ竝べて桂弥太郎司會を務め上手より桂華紋桂二葉春風亭柳枝春風亭朝枝すわりて東西落語の相違點をめぐり雜談。開口一番桂華紋牛ほめにて看客席をあたゝめる。春風亭朝枝腰をくの字に曲げて宛然老大家の風情なり。噺は夢の酒なり。本寸法。仲入りの後九代目春風亭柳枝そば淸を語る。トリは余が目當の桂二葉マクラにて白木みのる逝去の話題に觸れて佐々木裁きを語る。こましやくれる子どもの登塲する噺は二葉の獨擅塲なり。余は拍手喝采を送りつゝよくぞ噺家の道を志してくれたりと心中二葉を抱きしめたり。めくりは各演者が擔當したり。三味線豊田久美子。
快晴の空拭ふが如し。TBCラヂオ魅知國寄席に六華亭遊花の居酒屋を聞く。ラヂオ關西内海英華のラヂ關寄席に笑福亭松喬の花色木綿を聞く。十月十八日神戶新開地喜樂館晝席に於ける口演なり。雜誌記事飜譯。正午齒科醫A氏を訪ひ左上の齒の詰物を直す。けふも咖啡を瀹て慈君自製の林檎パイを食す。夕餉の後サングリアを飮みつゝQBBベビーチーズを食し成分一覽表を見るに内容量五十四グラムとの記載なり。余は六十グラムと記憶しゐたりしかば互聯網を檢索するに案の定本年五月二十日頃より六十グラムを五十四グラムに減らしたりといふ。所謂ステルス値上なり。NHKラヂオ第一上方演藝會は某首相の記者會見中繼のため放送休止となる。三重テレビ淺草お茶の間寄席に桂枝太郎の電話の向こうを聞きて感心し、風藤松原の漫才に始て呵々大笑し、古今亭菊之丞のお菊の皿を堪能す。
空澄みわたりて雲翳なし。寒氣依然たり。二年生在線授業。話題は馬德里のラパピエス、バリェカス、チャンベリ地區につきてなり。授業後母上自製の林檎パイを食す。岩波文庫版アウグスティヌス著服部英次郎譯神の國(二)を讀む。貧富に關して余常々思へらく、絕えず金錢を思ふものはたとへ素封家といへども貧しく、金錢を考へずに生きるものはたとへ一文無しといへども豐かなり。アウグスティヌスにも同じ見識あるを知り快哉を叫べり。
わたしたちは智者や義者や善人を、たとえ、かれらが金銭をまったく――あるいは少ししか――もっていなくても、富んでいるという。じっさい、かれらは、徳によって富んでいるのであって、そのために、物質的な必要に対しても、そのもっているところのもので十分なのである。これに反して、わたしたちはたえずあこがれ、欲しがっている貪欲なものを貧しいという。じっさい、かれらはどれほど多くの金銭をもっていようとも、そのあり余るほどの金でもなお満足せずに、欲しがらずにはおられないのである。
アウグスティヌス『神の国(二)』「第七巻 第十二章」、服部英次郎訳、岩波文庫、1982年、p. 93
晴また陰。寒氣稍ゆるやかなり。カーラヂオのNHK-FM夜のプレイリストに横山剣が荒井由実のCOBALT HOURを紹介するを聞きつゝ鄰市の圖書館に徃き本を返却し驛前の某銀行に立寄りて來年の曆を貰ふ。午後明日の授業に備へてPowerPoint敎材を作る。夕餉に自家製鰺の開きを食す。干物は先考の好物なりしかば遺影に供へて後余は御下がりを食す。
曇りて北風吹き寒氣甚し。乘合自働車と地下鐵道を乘繼ぎて八事學舍に徃き三年生對面授業。受講生五人のうち女子二人缺席し男子三人のみ。A限B限にて敎科書の練習問題を全て終へたればC限はペドロ・アルモドバル監督の活動寫眞トーク・トゥ・ハーの續きを看る。午下歸家。BS日テレ笑點特大號に桂宮治の棒鱈を聞く。寔に佳し。
隂。後に晴。午前讀書。午下乘合自働車と地下鐵道を乘繼ぎて瑞穗區の伊太利料理屋タルボットに徃きゼミ卒業生Fさんと會食す。歡語二時間。同じゼミ卒業生Rさんの消息を知り得て大に安堵す。家にかへれば短き冬の日は暮れむとす。
曇りて寒し。富有柿の自家製干柿を食す。風味佳し。午前記事飜譯。午後臥牀に在りてアウグスティヌス著神の國(一)を讀む。晡時主治醫を訪ひ藥を乞ふ。
隂。寒氣凜冽。岩波文庫版アウグスティヌス著神の國(一)を讀む。直譯調の文體讀み解くに難儀す。Eテレ日本の話藝に三遊亭遊三の鼠穴と柳亭市馬の首提燈を聞く。遊三はこの噺を六代目圓生に敎はり市馬は五代目小さんの高座を袖にて聞覺えたりと云ふ。ラヂオNIKKEI第一寄席あぷりみなと芝濱寄席に春風亭弁橋の富士詣りを聞く。
空澄みわたりて寒冷昨日に劣らず。TBCラヂオ魅知國寄席に六華亭遊花の居酒屋を聞く。ラヂオ關西内海英華のラヂ關寄席に笑福亭瓶吾のはなうたと桂春若の鹿政談を聞く。音源は前者が九月十八日神戶新開地喜樂館晝席、後者は八月十一日同席なり。來年公開のジェームズ・マンゴールド監督の活動寫眞インディ・ジョーンズ/運命のダイヤル豫告篇を看る。
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NHKラヂオ第一上方演藝會にたらちねの漫才イメージアップ大作戰(藤田曜作)と海原はるかかなたの海原はるかの取扱說明書(大池晶作)を聞く。京都府宮津市にて收錄。Eテレ日本の話藝に桂小すみの音曲テイクファイヴ都々逸と柳家花綠の中村仲藏を聞く。
晴れて寒氣骨に徹す。寒暑計攝氏五度を示す。調理臺に日本が西班牙に二對一にて勝ちましたと母上の書置あり。德利襟のスヱータとヂヤケツトにコートを羽織りて乘合自働車と地下鐵道を乘繼ぎ八事學舍に徃く。毛絲の帽子手袋襟卷を纏ふ男女多し。二年生對面授業。題材は中南米のタマレスやタコスなど道端にて購へる料理なり。午下來路を取りて家にかへる。晡刻この冬初めてダウンヂヤケツトを着て齒科醫A氏を訪ひ定期檢診を受く。LogoVistaにて平凡社の改訂新版世界大百科事典ダウンロード版を購入す。希望小賣價格二萬六千四百圓のところ一萬五千九百圓にて買ふを得たり。湯婆子をあたゝめて臥し岩波文庫のアウグスティヌス著服部英次郎譯神の國(一)を讀む。
舊十一月八日。曇りて寒し。倦怠如何ともとすべからず。NHK-FM浪曲十八番に国本はる乃の忠治關宿を聽く。曲師広沢美舟。午後困臥。