陰後に晴。寒氣ゆるやかなり。去二十一日レノボに注文せしThinkPadトラックポイント鍵盤(0B47208)屆く。ChangeKeyを用ゐてPrtScをRAltに、RAltをPauseに、かたかな/ひらがなをScrLkに、LWinをLAltに、LAltをPrtScにそれ/″\入替へる。午前坡上を步むこと日課の如し。輕鴨十一羽。邦樂のひとゝきにて前田舟山の尺八秋風吟、中島裕康の琴手事、大賀悠司が尺八鶴の巢籠を聽く。三氏は昨年のNHK邦樂實技審査合格者なり。午後エコハウスに赴き使ひ古しのThinkPad鍵盤を廢棄して後ことぶきの湯に徃く。家にかへりて一服し、ヤマト運輸に赴きS子に自家製ジヤムなど食料品を送る。カーラヂオのNHK-FM音樂遊覽飛行にてルチアーノ・パヴァロッティが歌ふ情熱とフニクリ・フニクラ、ラッセル・ワトソンが歌ふ朝の歌とヴォラーレを聽く。BS日テレ笑點火曜なつかし版にてキャン×キャンの漫才を聽く。
空晴れわたりて一點の雲なし。快晴。NHKラヂオ第一すつぴん!に二代目高橋竹山の鰺ヶ澤甚句生演奏を聽く。川邊を步す。河原鶸、輕鴨四羽、椋鳥、土鳩、雀。NHK-FM邦樂のひとゝき吟詠特輯に土澤美岳子供らと(良寬作)、春風(白居易作)、前田卓霊世の中に(在原業平作)、新正口號(武田信玄作)、塩澤宗鳳南樓の望(盧僎作)、桂林莊雜詠諸生に示すその四(廣瀨淡窓作)、猪木原虹泉時に憩ふ(良寬作)、同前に和し奉る(崔惠童作)、植田飭菖寒梅(新島襄作)、社友小集(福澤諭吉作)、原田光玲子曲江(杜甫作)を聽く。確定申告還付金を得る。BS日テレ笑點月曜なつかし版にコージー冨田と原口あきまさの物眞似を看る。
薄晴。アサリ君この朝始めて余がサラドの蕃茄と蟹蒲鉾を食ひたり。食の冒險家といふべし。BS-TBS落語硏究會にて三遊亭兼好の花筏、柳家權太樓の二番煎じを聽く。花筏は興行主が親方に話す際に○○と親方はおつしやいますがと云ふべきところ○○と親方は申しますがと敬語を言ひ間違へたり。直後に兼好の目に戶惑ひの色見えしところより察するに兼好自身言ひ間違ひに氣づきたるべし。NHK總合林家正藏の演藝圖鑑にタイムマシーン3號の芝居稽古コント、入船亭扇辰の田能久を聽く。ABCラヂオ日曜落語なみはや亭にて桂吉弥の新作落語によろによろを聽く。今月八日朝日生命ホールにて催されし新世紀落語の會の高座なり。RSKラヂオサンデー落語にて桂米二の替り目を聽く。平成二十四年八月四日サンケイホールブリーゼ米朝一門夏祭の高座なり。正午堤上を步す。繡眼兒三羽、尉鶲のつがひ、輕鴨十三羽、白鶺鴒、椋鳥。午後いつもの溫泉に浴す。Eテレ日本の話藝にて神田松鯉の名刀捨丸を聽く。間合よく人をして耳をそばだゝせしむ。NHKラヂオ第一上方演藝會にてタージンの漫談、大木こだまひゞきの漫才を聽く。TBSラジオらんまんラジオ寄席にて桂小南治入門と三代目小南襲名の顚末、二代目小南のいかけやを聽く。
快晴。寒氣凜冽。アサリ君シヾミ君本日めでたく十歲の誕辰を迎へたり。セキセイ鸚哥の平均壽命は七歲なるに兩君健やかなり。一昨年兩君相前後して病を患ひ獸醫にかゝり、醫師に勸められて餌にペレットを加へし後は病氣を知らず。混合餌とペレットの外オーツ麦、プラスグリンフード(葉綠素)、ボレー粉、小松菜をよく食ふなり。アサリ君は皮付混合餌を好まず皮を剝きし餌を好み、オーツ麦が大好物なり。シヾミ君は選り好みせず。野菜は兩君共に小松菜の外ブロッコリー胡瓜レタスを好みて食し、燒麵麭とハムも嬉嬉として啄む。NHKラヂオ第一キャンパス寄席本年度最終囘にてだーりんずのコント、どぶろつくの妄想歌謠、サンドウィッチマンの漫才、三遊亭とむの都々逸親子、ナオユキの漫談、ぴろきのギタレヽ漫談を聽く。NHK-FM邦樂百番箏曲特輯にて萩岡松韻の八重垣、四季の艷、曲水、夢を聽く。夢はシェイクスピアが戲曲眞夏の夜の夢に着想を得て大石泰作詞、萩岡松韻作曲、盧慶順が作調せしものなり。午下川緣を步す。北風吹きて寒し。放水路に小鷺一羽。輕鴨十羽。BS-TBS落語硏究會にて柳家小三治の時そばを聽く。例によりて長きマクラの話題は數日前新潟にて食したる納豆の美味と納豆賣りの事につきてなり。噺の中にて永坂に觸れるは近年の噺家に見られぬ細部なり。TBSラヂオ話話話藝に春風亭一之輔が堀の内を聽く。ジョンとポール、ジョージにリンゴの名飛出してサゲも型破りなり。
空は好く晴れしが西北の風吹きすさみて春寒料峭たり。NHK-FMセッション二〇一七にピアノ奏者ハクエイ・キム率ゐるトライソニークの演奏を聽く。色彩豐かなる音色なり。洋琴シンセサイザー電子クラヴィコードハクエイ・キム、電氣ベースとリボンコントローラー杉本智和、太鼓大槻“KALTA”英宣。最後の曲のJackieとはジャッキー・チェンの事なる由。
午前川端を步す。輕鴨七羽、背黑鶺鴒、白鶺鴒、椋鳥、土鳩、雉鳩。慈君草蘆の裏なる花屋にて桃を購はる。花甁に生けて食卓に飾るにセキセイ鸚哥のアサリ君シヾミ君驚きて籠の中より外に出でず。花甁を壁際の棚に移すや安心して出で來れり。午後ことぶきの湯に浴す。東京かわら版三月號に落語協會新眞打の取材記事を讀む。木久扇の弟子林家ひろ木は前座時代修行に堪へられず三度脫走し、忍者への轉身を眞劍に考へしことありといふ。特技津輕三味線。朝也改め春風亭三朝は師匠一朝が音羽屋の俳名を選びたり。ネタ帳を所有せず錄音を聞きて噺を覺える由なり。金時の弟子時松改め三遊亭ときんは大師匠金馬に茶の湯、ねぎまの殿樣、四人癖を敎はり、目下景淸の稽古中なり。鈴々舍馬るこの高座名は師匠馬風の妻が母をたづねて三千里のマルコ少年に因みて名づけたる由。
雨。生暖かし。ラヂオ關西ラヂ關寄席にて笑福亭呂鶴の近日息子を聽く。余は平生小學館の精選版日本國語大辭典第二版を繙くこと頻なり。第二版は初版に較べて誤記誤植著しく減りしが猶書き間違ひ散見せらる。例へば嵯峨之屋御室の說明に東京出身とあり。この詩人が生まれしは文久三年なり。江戶が東京と改稱せられたるは慶應四年なれば東京出身にはあらず江戶出身なり。廣辭苑大辭林には下總の人とあり、こちらは正確なり。ヒッチコックの項目を閱するに代表作として北北西に進路をとれを擧ぐ。正しき表記は北北西に進路を取れなり。また「こみ【込】」の四つ目の語釋の補注に「④の語源は江戸時代の込高〈こみだか〉(=地行の変更に伴って、実収の少ないものに補給する)、込米〈こみまい〉(=納租の時、不足を補うため、余分に詰める俵米)の「込」の意を受けたものであろう」と讀めり。地行は知行の誤りなり。NHK-FM浪曲十八番にて澤勇人の新門と梅ヶ谷を聽く。曲師佐藤貴美江。午後雨の霽るゝを俟ちて川端を步す。昨來の雨に香流川の水嵩增して黃土色に濁りぬ。輕鴨五羽。
薄晴。寒し。朝燒け描くが如し。氣溫攝氏零度。低き雲の東南より西北に流るゝを見る。余の始めてこの日誌を互聯網に公開せしは平成十三年二月二十二日なれば早くも十六年の歲月を經たり。ラヂオ關西おはようラヂ關演藝にドキドキ純情ガールズと酒井くにおとおるの漫才を聽く。NHK-FM邦樂のひとゝき琵琶特輯にて田中旭泉の平敦盛と關川鶴祐の竹生島詣を聽く。午後川の畔を步む。尉鶲の牡一羽、山雀一羽、輕鴨十五羽。余は冬鳥の中尉鶲を最も愛する者なればうれしさ限りなし。近年見かけしはいつ頃なりしにや。日錄を讀返すに平成二十一年三月六日書齋窗外の屋根に牡一羽、平成二十六年十一月九日同じく書齋窗外の屋根に牝一羽見たり。鈴木清順歿。行年九十三。BS日テレ笑點特大號に桧山うめ吉の新内小唄を聽く。
空は晴れしが朔風吹き荒れて寒きこと宛ら嚴冬の如し。桌上型電腦にて用ゆるレノボ社ThinkPad鍵盤のAの鍵反應鈍くなりぬ。强く押さゞれば文字入力されず。定めし塵埃たまりたる故なるべしと思ひ久振りに塵を掃はむとて鍵を引拔くに、やゝ亂暴に扱ひしにや内側プラスチック製の軸壞れぬ。鍵を元に戾して打鍵するに文字は入力し得るなれど矢張り强く押さゞれば反應せず。折よくレノボ社來月二日まで鍵盤特價販賣中なれば卽座にThinkPadトラックポイントUSB鍵盤(0B47208)を注文す。定價九千七百二十圓のところ四千三百七十四圓にて購ふを得たり。午前寒風を冐して川岸を步す。輕鴨十八羽、繡眼兒二羽。NHK-FM邦樂のひとゝきに長唄二人椀久を聽く。唄杵屋勝四郎巳津也巳之助、三味線杵屋榮八郎勝十朗勝國悠。園丁來りて庭樹の刈込をなす。午後ことぶきの湯に浴す。歸途主治醫を訪ひ藥を乞ふ。一週間ほど前より氣分落ちつきて精神安定したるは前囘受診の際レメロン增量して藥效現れし故なり。有難し。烈風終日歇まず。
雨もよひの空なり。午前河畔を步す。梅花星の如し。輕鴨十三羽、繡眼兒、山雀、雉鳩、椋鳥。NHK-FM邦樂のひとゝきにて唄三絃福田榮香箏大嶋敦子尺八北畠頌輔による新靑柳、尺八善養寺恵介の流し鈴慕を聽く。午下百圓均一乘合自働車に乘り理髮舖に徃く。散髮を終へて店を出るに雨ぽつ/\降出しぬ。再び乘合自働車に乘りて家にかへる。BS11柳家喬太郎のイレブン寄席を看る。桃月庵白酒の喧嘩長屋に呵呵大笑す。筋なき噺を仕舞まで聞かせるは偏に話術の巧みなるが故なり。この番組は何處の小屋にて收錄するものなるにやと平生不思議に思ひゐたりしが白酒マクラにてBS11社屋の樂屋話を語るを聞き、放送局の建物なるを知り得たり。林家たい平禁酒番屋を語る。伊達直人にランドセル、飮んで覺える漢字ドリルを古典落語に取り入れ、その無茶を自己批判しつゝ噺を進めて笑はせたり。紙切りの林家二樂別人の如く瘦せたり。重篤なる病を患ひゐるものと思ひしに病にはあらず食事を制限して減量したる由にて大に安堵せり。
空隈なく晴れわたりて風もなし。NHK總合林家正藏の演藝圖鑑に春風亭百榮の桃太郞後日譚を聽く。創意に滿ち語りも巧みなれば旣にして古典の風格あり。文化放送志の輔ラヂオ落語DEデートに三代目三遊亭金馬の小言念佛を聽く。BimBamBoomのドラム奏者山口美代子木魚のリズムに反應す。落語はリズムと調子なりと志の輔持論を語る。音源は文化放送のものにして收錄年月日不明の由なれど前田のクラッカーに言及するところより察するに昭和三十七八年頃なるべし。ABCラヂオ日曜落語なみはや亭に桂華紋の阿彌陀池を聽く。昨年一月三十日梅田藝術劇塲シアター・ドラマシティにて催されし第百十四囘上方落語をきく會の高座なり。RSKラヂオサンデー落語に桂文之助の茶屋迎ひを聽く。昨年八月十五日サンケイホールブリーゼ米朝一門會の錄音なり。午前香流川の畔を步むこと日課の如し。北風吹出でゝ寒し。梅林に鶫二羽見ゆ。護岸コンクリートの小さなる凹みに輕鴨一羽づゝ、合せて十四羽身動きもせず憩へるは寒風を凌ぐためならむ歟。Eテレ日本の話藝に桂文枝のロンググッドバイ――言葉は虹の彼方に――を聽く。創作の質全く衰へず。NHKラヂオ第一上方演藝會にミヤ蝶美蝶子と海原はるかかなたの漫才を聽く。TBSラヂオらんまんラヂオ寄席にて三代目三遊亭金馬の居酒屋と雛鍔を聽く。名調子。いづれも昭和三十六年の錄音なり。アットエフエム山下達郎夜のサンデー・ソングブック珍盤奇盤R-18特輯を聽く。曲目を茲に記し置く。
曇天。無風。NHKラヂオ第一眞打競演にコント山口君と竹田君の金より大事な世間體、堺すゝむのなんでかフラメンコ德島篇、柳家喬太郎のうどん屋を聽く。NHK-FM邦樂百番にて清元美寿太夫の清元高尾懺悔と靑海波を聽く。淨瑠璃清元清栄太夫清美太夫、三味線清元美治郎榮吉、上調子延美雪。午下坡上を步す。輕鴨九羽。TBSラジオ話話話藝にて三遊亭粋歌の新作落語すぶやを聽く。新作なれど古典的發想による創作にて思はず噺に引きこまれたり。三重テレビ淺草お茶の間寄席に桂竹丸が噺家の家紋、春雨や雷藏の小言題目、三遊亭遊雀の桃太郞、三遊亭圓輔が辰巳の辻占を聽く。竹丸の噺は弟子にまつはる樂屋話なり。雷藏枯淡の味はひ寄席ならではなり。圓輔足腰弱りしが故低き椅子に腰かけ膝隱しと見臺を用ゆ。BS朝日お笑ひ演藝館にナイツの漫才、東京ボーイズの音曲漫才、ヒロシの漫談、堺すゝむの佛蘭西小咄となんでかフラメンコ、大木こだまひゞきの漫才、どぶろつくの妄想歌謠、タブレット純の微かなる幸せ歌謠を聽く。
春雨空濛。新潮社の季刊誌考へる人春號を最後に休刊す。船村徹歿。行年八十四。午後いつもの溫泉に浴す。BSフジお臺塲コサキン亭にダンディ坂野の漫談、ポカスカジャンの音曲漫才、どぶろつくの妄想歌謠、サンドウィッチマンの漫才を聽く。
快晴。寒からず。ラヂオ關西ラヂ關寄席に笑福亭喬介のつるを聽く。マクラ無闇に長し。NHK-FM邦樂のひとゝきにて東家一太郎の浪曲大高源吾腹切魚の別れを聽く。曲師東家美。午下堤上を步す。輕鴨二羽、山雀一羽、黃鶺鴒一羽。椋鳥鵯數多。川原の枝先に腹黃色く羽に白き筋ある小鳥見ゆ。雀ぐらゐの大きさなり。繡眼兒にあらず四十雀にあらず。野鵐なる歟。電腦のKingsoft Office 2016をWPS Office Liteに無償更新す。
晴。春寒料峭。寒暑計氷點下一度を示す。ラヂオ關西おはやうラヂ關演藝にボルトボルズとミヤ蝶美蝶子の漫才を聽く。司會内海英華長唄三味線小唄三味線の違ひ、長唄小唄端唄の特徵をかいつまみて講釋す。BS12ミッドナイト寄席第十囘放送を聽く。北海道別海町出身の柳家やなぎマクラにて故鄕の酪農業に觸れ母牛が仔牛を產みて直に仔と引き離さるゝ話をして後新作落語子知るを語る。小咄風の噺なり。マクラ徒に長し。落語にて一本立ちせむと欲するならば先づ噺に磨きをかけるべし。金原亭馬久近日息子を語る。低く響く聲耳に心地よし。間合ひ稍長きを憾む。柳亭こみち悋氣の獨樂を語る。口調佳く人物の演じ分け巧みにして聽く者の氣を一瞬たりとも逸らさず。本年めでたく眞打昇進の運びなり。NHK-FM邦樂のひとゝきに新内剛士の道中膝栗毛赤坂竝木より卵塔塲を聽く。午下川緣を步す。春風駘蕩。輕鴨十羽。S子バレンタインデーなりとてチョコレートを饋らる。甥R君紐育を見物して歸國す。D君伊太利亞に赴きたり。
半陰半晴。NHK-FM邦樂のひとゝきにて日吉小間藏芳村金四郎日吉小八郎の長唄角兵衞を聽く。三味線稀音家祐介杵屋弥四郎杵屋彌宏次。正午川邊を步す。輕鴨十三羽、山雀一羽、背黑鶺鴒二羽。雀土鳩鵯は數ふるに遑あらず。草蘆最寄の便利店サークルK本日午前零時看板をファミリーマートにかけ替へて新裝開店せり。郵便局にて用事を辮ずるに職員の男よろしければどうぞとてチョコレートを手渡す。歸途ことぶきの湯に立寄る。受付孃またチョコレートを手渡せり。BS日テレ笑點火曜なつかし版に松村邦洋の聲帶模寫、ケーシー高峰の醫學漫談を聽く。
春日麗朗。過日アマゾンに注文したるTranscend MP330K屆く。三千三百圓の品にしては音質佳し。六年前より使ひ來るiriverのLyumo M32 Memoryとは雲泥の差あり。志ん生圓生の落語三百篇とリアル・グループの演奏會を入れる。文化放送大竹まことゴールデンラジオに佐藤みゆきさん出演するを聞く。低く落著きある聲耳に快し。知的障礙者を演じゝ活動寫眞眞白の戀は僅一日に十以上の塲面を演じたることもありしかば緊張する遑さへなかりしといふ。性格に缺陷多きが故に俳優業をなし得るとは至言と云ふべし。佐藤さんは障礙者を取卷く人々えてしてあなたのために○○したのに或は折角○○してあげたのに抔とのにを連發することに疑問を覺えたり。のには良くない、僞善なりと大竹まこと同意せらる。余も身近にゐる人より同じ言葉をたび/\投げかけられたれば他人事とは思へず。川端を步す。輕鴨十三羽。川風强けれど寒氣嚴しからず。白梅の花一二輪開き初む。BS11柳家喬太郎のイレブン寄席に林家木久藏の後生鰻、宮田陽昇の漫才、林家木久扇の彥六傳を聽く。
快晴。寒氣骨に徹す。文化放送志の輔ラヂオ落語DEデートにて三遊亭圓生のしの字嫌ひを聽く。昭和四十年三月十四日NHKラヂオにて放送されし錄音なり。客演の俳優佐藤みゆきさん圓生が隱居と權助を演じ分ける技倆に同じ人とは思へずと感嘆す。志の輔田舍言葉につきて解說し、落語に於る田舍言葉は特定の地域の方言にあらず先人が落語國の落語訛りを考案したりと說明す。この番組には五百人を越ゆる女性招がれ人選は番組關係者が行ふを常となすに、佐藤みゆきさんは主演活動寫眞眞白の戀を立川志の輔が看て演技に感銘を覺え、志の輔自ら出演の交涉をなせりといふ。NHK總合林家正藏の演藝圖鑑に初音家左橋の親子酒を聽く。ABCラジオ日曜落語なみはや亭にて桂ざこばの蜆賣りを聽く。RSKラヂオサンデー落語に桂千朝の佐々木裁きを聽く。正午川岸を步す。輕鴨八羽。冷氣肌に心地よし。Eテレ日本の話藝にて林家木久扇の道具屋を聽く。持時間三十分の中桂三木助入門の經緯と彥六傳に十三分を費しぬ。NHKラヂオ第一上方演藝會にシンデレラエキスプレスの漫才テーブルマナー敎へます、横山たかしひろしお坊ちやまのこゝだけの話を聽く。腰を患ふたかしが坐る純金の車椅子は安倍總理の贈り物にて八十五億八千萬圓、純金の衣裝三十八億圓。空手の腕前三百段。高野山に別墅あり。TBSラヂオらんまんラヂオ寄席に入船亭扇橋が加賀の千代と紋三郞稻荷を聽く。抑揚の快さ言はむ方なし。
朝來微雪。屋上にすこし積りたり。NHKラヂオ第一眞打競演にすず風にやん子金魚の漫才私たちの日歸りバスツアー、ぴろきのギタレヽ漫談、古今亭志ん輔の野ざらしを聽く。遠野市の看客大に笑ふ。NHK-FM邦樂百番琵琶篇に山下晴楓の天目山、半田淳子の祇園精舍と巴を聽く。晡時雪の霽るゝを俟ち河岸を步す。輕鴨十四五羽、白腹二羽。TBSラヂオ話話話藝に春風亭昇々が新作落語部長の娘を聽く。三重テレビ淺草お茶の間寄席に桂伸治の彌次郞、春風亭傳枝の初天神、三遊亭小遊三が粗忽の釘を聽く。
乍陰乍晴。春寒料峭。NHK總合落語THE MOVIE最終囘に柳亭市馬が粗忽の使者、古今亭菊志んの妾馬を聽く。午前河畔を步す。輕鴨十三羽。午後いつもの溫泉に徃く。カーラヂオのNHK-FM歌謠スクランブル七十年代フォーク・ニューミュージック集にゴダイゴモンキー・マジック、SHOGUN男達のメロディー、YMOテクノポリス、久保田早紀異邦人を聽く。歌演奏ともに迫力あり。その理由をつら/\考へるに往時は音樂家一堂に會して一齊に樂器を奏し、もし誰か一人演奏を間違はゞ全員初めより演奏し直さゞるを得ず。故に音樂家は常に緊張感を帶びて一發錄音に全神經を注ぎたりき。これにつきて思ひ返さるゝはかつてラヂオにて聞きたる大貫妙子の述懷なり。大貫妙子曰くポップスは八十年代前半を以て終りたり。以後スタジオにおける錄音作業に興味を失ひたり。七十年代は一發錄音が當り前たりしかば演奏に緊張感ありしに、八十年代に入りて後は音樂家が個別に演奏せし音源を適宜組合せて完成させるやうになり演奏の緊張感失はれぬ。黃昏黑雲天を蔽ふ。幾望の月おぼろなり。
モンキー・マジック/ゴダイゴ
男達のメロディー/SHOGUN
異邦人/久保田早紀
朝來微雪雨を交ふ。ラヂオ關西ラヂ關寄席に桂梅團治の花筏を聽く。NHK-FM浪曲十八番にて國本はる乃が眞柄のお秀を聽く。細雨夜に入るも歇まず。終日家に在り。
晴後に陰。春日麗朗、寒氣ゆるやかなり。ラヂオ關西おはやうラヂ關演藝にナオユキの漫談、三吾美ユルの親子漫才を聽く。ナオユキの醉客摸寫達者なり。BS12ミッドナイト寄席第九囘放送を看る。春風亭正太郎權助魚を語る。丁寧なる語り口にて人物を巧みに演じ分けたり。柳亭小痴樂一目上りを語る。ポン/\と勢ひよく語る口調粗忽者の八五郎に似つかはし。桂三木男の雛鍔端正なる語りなり。NHK-FM邦樂のひとゝきに豊竹希太夫の義太夫繪本太功記尼ヶ崎の段前半を聽く。中京大學の學生による授業改善調査囘答集を讀む。改善の餘地ありと指摘する學生僅一名のみにて、黑板に文字を書く際書き間違ふことありしを指摘せらる。授業内容を完璧と評して吳れたる者あり。勞苦報はれし思ひをなさしむ。午後坡上を步す。輕鴨十二羽。十二日頃の月おぼろなり。
空は好く晴れしが北風吹きすさみて寒中の寒さなり。堤上を步す。山雀飛來りて岸邊の枝にとまる。輕鴨七八羽。NHK-FM邦樂のひとゝきに今藤美知郁子が長唄曙獅子と松の翁を聽く。午後いつもの溫泉に浴して後主治醫を問ひ藥を請ふ。精神やゝ不安定なるを以てレメロン一錠追加處方されたり。歸途眼鏡屋に立寄りアイフォレックスの蔓を交換せしむ。家にかへれば日は晡なり。日本文學全集第三十卷日本語のために所收の中井久夫が私の日本語雜記を讀む。BS日テレ笑點火曜なつかし版に大空遊平かほりの漫才を聽く。
蚤起。隂。春寒料峭。セキセイ鸚哥のアサリ君シヾミ君余が朝餉のイングリッシュマフィンを旨さうに食ふ。正午川緣を步す。輕鴨八羽。西北の風强し。NHK-FM邦樂のひとゝき箏曲尺八篇に新金剛石、夕顏、靑葉を聽く。日本文學全集第三十卷日本語のために所收の增谷文雄による道元諸惡莫作現代口語譯を讀む。マタイによる福音書第二十六章のベッテルハイム譯、文語譯、口語譯、新共同譯、フェデリコ・バルバロ譯、山浦玄嗣の氣仙語譯を讀む。氣仙語版は口語譯の龜鑑といふべきものなり。BS日テレ笑點月曜なつかし版にポカスカジャンの音曲漫才、夢路いとし喜味こいしの漫才を聽く。
蚤起。寒雨溟濛たり。NHK總合林家正藏の演藝圖鑑に宮田陽昇の漫才と桂竹丸の祕傳書を聽く。文化放送志の輔ラヂオ落語DEデートに六代目三升家小勝が水道のゴム屋を聽く。ABCラジオ日曜落語なみはや亭に桂千朝の骨釣りを聽く。RSKラヂオサンデー落語に桂雀三郎の哀愁列車を聽く。Eテレ日本の話藝に三遊亭歌之介の子別れを聽く。貧乏を知る者ならではの語りなり。アットエフエムサンデー・ソングブックを聞く。昨日山下達郎六十四年の誕辰なりき。一曲目はビートルズのWhen I'm Sixty-Fourなり。NHKラヂオ第一上方演藝會にスーパーマラドーナとWヤングの漫才を聽く。中京テレビ笑點にサンドウィッチマンの建築士コントを看る。看客の大半が中高年なるを慮りて語りの速度いつもより數段遲くしてゆつくり丁寧に話を進めたり。たゝみかけるが如き話術を封印してなほ着實に笑ひを誘ふ。伊達と富澤の技倆見事なり。TBSラヂオらんまんラジオ寄席にコント山口君と竹田君の別れる理由、堺すすむのギター漫談、柳家權太樓の火焰太鼓を聽く。雨夜に入るも歇まず。
立春。天氣連日限りなく好し。無風。寒氣やゝゆるやかなり。河出書房新社日本文學全集第三十卷日本語のために所收の丸谷才一文章論的憲法論、永川玲二意味とひびきを讀む。NHKラヂオ第一眞打競演に青空球児好児の漫才、三遊亭小圓歌の三味線漫談、古今亭菊之丞の茶の湯を聽く。NHK-FM邦樂百番に長唄安達原と末廣がりを聽く。正午川端を步す。小樽可否茶館の咖啡を瀹て金澤市中田屋のきんつばと龜屋芳廣の不老柿を食す。TBSラヂオ話話話藝に古今亭駒次の新作落語さよならヤンキーを聽く。弦月の光澄みわたり宵の明星熒〻たり。BS朝日お笑ひ演藝館にぴろきの漫談を聽く。
節分。晴。西北の風吹きすさみて寒氣凛冽なり。NHK總合落語THE MOVIEに瀧川鯉昇のちりとてちん、柳家三三の田能久を聽く。サンケイスポーツの記事によるに桂春之輔四代目桂春團治を襲名するといふ。正月十五日三代目の遺言により指名されたりとぞ。重壓察するに餘りあり。ジャストシステムよりATOK2017プレミアムAAA優待版屆く。岩波國語辭典、大修館四字熟語辭典、明鏡ことわざ成句使ひ方辭典を獲たり。正午河岸を步す。輕鴨十五羽。岸邉より麵麭を千切りて投げ與へる女あり。午後ことぶきの湯に浴す。河出書房新社日本文學全集第三十卷日本語のために所收の松岡正剛馬渕和夫『五十音圖の話』についてを讀む。二六二頁に國文學者山田孝雄といふふりがなあり。正しくは山田孝雄なり。
快晴。甚寒し。ラヂオ關西ラヂ關寄席に笑福亭飛梅の平林、笑福亭由瓶が蝦蟇の油を聽く。河畔を步す。西北の風强し。保育園兒十名ばかり白き一本の綱につかまり步むを見る。保育士の女二人それ/″\綱の端を持ち、綱には赤き環十個ばかり取りつけられ、兒童は環を握りて步めり。何の故なるにや。全員をして同じ速度にて步めしむためならむ歟。誰か躓きて轉びし際は全員道連れとなるべし。NHK-FM浪曲十八番に鳳舞衣子の王將夫婦駒を聽く。午下百圓乘合自働車に乘り理髮舖に徃く。客幸にして尠し。來路をとりて家にかへる。昨秋よりミライメイカーズにて募りし堀越千秋畫集刊行企畫の募金目標金額一千萬圓に達す。河出書房新社日本文學全集第三十卷所收の伊藤比呂美による般若心經現代語譯を讀む。偉業といふべし。BS日テレ笑點特大號にダイアンの漫才、春風亭昇々のお面接、玉川カルテットの歌謠浪曲を聽く。
舊正月五日。晴後に陰。ラヂオ關西おはやうラヂ關演藝に代走みつくにの漫談とシンデレラエキスプレスの漫才を聽く。NHK-FM邦樂のひとゝきに淸元卯の花と申酉を聽く。淨瑠璃清元清美太夫清元一太夫清元成美太夫、三味線清元美三郎清元美十郎、上調子清元美一郎。中津川市川上屋の柿の美きんとんと金沢市中田屋のきんつばを食す。きんつばの美味なること思はず頬ゆるみたり。午後インターバル速步を再開す。四箇月ぶりなり。昨年は四月より六月まで每日步きしが倦怠感を覺えて頓挫し、十月に重き腰を上げて步み始めしに倦怠感なほ去らずわづか二日にして頓挫を來しぬ。幸に本年は精神復調の兆あれば日課を再開したるなり。香流川の畔を步む。輕鴨十三羽。椋鳥、鵯、白鶺鴒、雉鳩、土鳩。木蓮の白き蕾未だ堅し。四季櫻の白き花點々。山茶花半ば落つ。梅の蕾やゝふくらみたり。藤村俊二歿。行年八十二。DVDにてカリキュラマシーンを鑑賞して追悼す。河出書房新社日本文學全集第三十卷日本語のために所收の鶴見俊輔言葉のお守り的使用法についてを讀む。
名稱 | 代表する傾向 | 主唱階級 | 年代 | 時流 |
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1 國敎 | 日本古來の思想(神佛儒)の宣傳 | 明治前の敎育を受けた讀書人 | 明治中期 | 外來思想の普及 |
2 國風 | 日本古來の風俗維持、不眞面目の一掃 | 上に準ずる | 大正九年以降 | 成金の出現、風俗の歐化と墮落 |
3 國體(明徵)(擁護) | 外來思想排擊、資本主義官僚政府支持 | 老將官、貴族、老敎育家 | 昭和八、九年以降 | 美濃部事件、足利尊氏事件 |
4 皇道 | 强權にいたる國家社會主義的社會改造案の實現 | 少壯將校、農民指導者、靑年 | 昭和五年以降 | 滿州事變、五・一五、二・二六 |
5 翼贊・臣道・國民精神 | 上からのファシズム。一元的政治體制、官僚的統制經濟 | 上級軍人、新官僚便乘政治家 | 昭和十五年以降 | 北支事變、新黨運動 |
6 尊王 | 最高潮に達した戰爭努力。玉碎への準備 | 國家主義的敎育下に育った靑少年大衆 | 昭和十九年以降 | B29に對する敵愾心、特攻後續隊募集 |
(原文は當用漢字、現代假名づかひ)
言葉のお守り的使用法とは意味を解さぬまゝ言葉を用ゐる習慣のことなり。權力者によつて正當と認めらるゝ價値體系を代表する言葉を自らの社會的政治的立塲を守らんがために用ゐるなり。お守り言葉が盛なる時代とは卽ち社會における言葉の讀取り能力の低き時代なり。