陰晴不定。朝風肌寒し。中村雄二郎歿。行年九十一。學生時代その著共通感覺論、劇的言語、現代情念論、魔女ランダ考など愛讀したりき。NHK-FM浪曲十八番にて松浦四郎若が仙臺の鬼夫婦を聽く。蟲聲夜ごとに多し。
陰後に晴。NHK-FM邦樂のひとゝき琵琶篇にて櫻井亜木子が壇の浦、堀旭星の淀君を聽く。BS日テレ笑點特大號にて古今亭菊之丞の替り目を聽く。
けふも曇りて暗し。兩三日前より口唇ヘルペス再發したれば皮膚科に赴き藥を請ふ。NHK-FM邦楽のひとゝき小唄篇にて柳古柳の二人が仲、お互ひに、繁く逢ふのは、賣聲、白扇小伊寿が隅田の涼風、魚河岸、櫓下、松浪千壽の上方唄文月を聽く。午後溫泉。稻塲町の水田に黃色い嘴の鷺見ゆ。小鷺ならば嘴の色は夏冬通して黑く、中鷺は冬のみ黃色くなるなり。然らば白色型の黑鷺ならむ歟。夕刻事務所の需に應じて佛蘭西語網站の資料を日本語及び西班牙語に飜譯す。
隂。秋風颯颯たり。毎日新聞によるに来年四月仙臺市靑葉區國分町と一番町買物通りの間に花座といふ常設寄席開塲する由なり。NHK-FM邦楽のひとゝき吟詠特輯にて久保草風が庭の面は、夏夜涼を追う、巽吟城が天の原、烏江亭に題す、米本耿泉の村夜、醉ふて祝融峰を下る、山岡桜山の易水送別、諸生と月を見る、府川麗心が不識庵機山を擊つの圖に題す、中秋の月、漱石作歌梶原麗修の無題を聽く。ひまわり11漫才大行進にてロケット団と春風こうたふくたの漫才を聽く。BS12ミッドナイト寄席ゴールデンにて瀧川鯉斗の轉失氣、桂三木男の時そば、笑福亭べ瓶が讀書の時間を聽く。鯉斗の發音あまりにもぞんざいなり。また拜見といふ言葉の意味を解さず。三木男べ瓶頗よし。
曇天。BS-TBS落語硏究會にて立川生志が猫の皿、柳家喬太郎の小言幸兵衞を聽く。生志はネタ下ろしなり。茶店の主人の女房を登塲せしめるなど隨所に工夫あり。喬太郎は最後に豆腐屋を登塲せしめずお花の宗旨が眞言なれば心中にはふさはしからざるさまを描きて終りたり。文化放送志の輔ラヂオ落語DEデートにて柳家喜多八のおすわどんを聽く。平成十九年七月一七日博品館劇塲獨演會の音源なり。TBCラヂオ魅知國寄席にて桂宮治のお見立てを聽く。ABCラジオ日曜落語なみはや亭にて笑福亭鉄瓶の茶漬幽靈を聽く。余がこの噺をきくは今日が初てなり。東京落語の三年目なり。つゞけて三代目柳家小さんの浮世風呂を聽く。CD全集日本吹込事始明治三十六年の音源なり。午後いつもの溫泉露天風呂に浴す。香流川の水田稻刈始まりたり。カーラヂオのアットエフエム山下達郎サンデー・ソングブック納涼夫婦放談にて竹内まりや with BOXのDrive My CarとOne After 909を聽きつゝ家にかへる。BOXの顏ぶれは杉真理松尾清憲田上正和小室和幸の四人なり。更にドラムス島村英二キーボード小泉信彦加はりて奏したり。山下達郎と竹内まりやが歌ふエヴァリー・ブラザーズのWalk Right Back樂し。Eテレ日本の話藝にて神田松鯉の水戶黃門記雁風呂由來を聽く。東京かわら版九月號の新眞打五代目桂三木助柳亭こみち二代目古今亭志ん五取材記事を讀む。NHKラヂオ第一上方演藝會にてギャロップと平和ラッパ梅乃ハッパの漫才を聽く。ラヂオ關西内海英華のラヂ關寄席にて笑福亭縁の桃太郞と笑福亭銀瓶のお忘れ物承り所を聽く。エフエム東京落語千金にて立川吉笑のウルトラスーパーハイパーインフレを聽く。
隂。朝風肌寒し。霧雨ふる。BS-TBS落語硏究會にて橘家文藏の子は鎹を聽く。三代目文藏襲名直後の高座なり。龜の母が蓮根の金平を炊いたといふ臺詞は一流料理人文藏にふさはしくいかにも旨そうに聞ゆ。NHKラヂオ第一キャンパス寄席にてジャイアントジャイアン、相席スタート、サンドウィッチマンの漫才と柳亭小痴樂の一目上りを聽く。NHK-FM邦樂百番にて今井勉の月、捨扇、谷澤千早の吼噦、今日の喜びを聽く。午下乘合自働車と地下鐵道を乘繼ぎて大須演藝塲に赴く。母心十周年紀念獨演會なり。余は漫才師の獨演會に足を運ぶはこの日が初めてなり。か列十五番の座席に坐る。客席ほゞ滿員、客層は殆が六十代以上と思しく余は最年少の部類なり。開演に先立ち元気丸といふ後輩漫才師前說をつとむ。この時點にて塲内早くも異樣なる熱氣を帶び聽衆盛んに聲をかけて二人の寫眞を撮影し最後に漫才を披露せしむ。二時開演。母心の嶋川武秀関あつし兩氏タキシードに身を包みて登塲。挨拶は恰もネタの如くに受けたり。一度退塲して衣裝を着替へ、一席目は活動寫眞極道の妻たち岩下志麻の日常を妄想するネタなり。呵々大笑す。二席目は嶋川鬘と着物に着替へてオカンに扮し、十八番の歌舞伎ネタを披露す。捧腹絕倒。三席目はネタの品評會なり。長渕剛の歌眞似、奴さんだよ、妻の小言で五十音いづれも爆笑せしむ。最後は平和なる漫才を主題として頓珍漢なる話になるネタなり。休憩を挾まぬ一時間五十分は瞬く間に過ぎたり。関あつしが考案するネタは老若男女にわかりやすく、藝達者の嶋川秀武は歌舞伎の女方立役日本舞踊を織り交ぜ一瞬たりとも看客の氣を逸らさず。終演前兩氏上半身Tシャツ一枚になりて登塲し、興奮の坩堝と化したる塲内を見渡して嶋川は本日が千秋樂にてあらまほしと言はる。本日は全國巡業の中日にて明日の大阪公演は入塲券の賣上芳しからずといふ。來年も是非名古屋にて獨演會を催されたし。
曇りて溽蒸忍ぶべからず。母上とあぐりん村に徃き蔬菜果物を買ひヤマト運輸よりS子N子に送る。歸途カーラヂオのNHK-FM邦樂ジョッキーにて山田檢校作曲ほとゝぎすを聽く。唄中能島慶子、箏中能島欣一。市役所の寒暖計攝氏三十三度を示す。机邊の書帙を理するに江別市立大麻東中學校に通ひし頃の學級通信を發見す。余が二年生の時の擔任T先生が當時ガリ版と呼ばれし謄寫刷にて每週發行せられしものなり。每號卷頭に黒田三郎谷川俊太郎井上陽水など詩人の作品を一篇揭載し、特集と銘打ちて每囘生徒一人づゝとりあげその月旦を記されたりき。然るにT先生重病のため長期入院せられ生徒全員の人物評を書くこと能はず、翌年余らが三年生に進級して後番外篇と稱して學級通信を再開せられたり。余の月旦を茲に記し置く。余の性格を看破して餘すところなし。
通信 3の6 番外篇 No.7 発行所秘密 昭和五十五年七月十九日
特集 古屋雄一郎
古屋は、筆者何度もいっているのだが、カッコイイのである。目はパッチリして愛らしいし、鼻筋はスーと中央線を保っているし、姿もスラリと□□□とてもとても日本人とは思われない。丸□□□オピアの……いやこれは体型の話であ□□□種の話ではない。海外にも出掛けて異□□□を目のあたりにして大して困りもせず見物を済ませているし、俗にいうクロスオーバーの感覚を着々と実現しているようである。行動範囲が拡がるというのはなかなかよい。容姿端麗となればもう古屋は人気を引くのに何の恐れもいらず、もてるという現象に陥る。もっとも古屋はそんな現象に全く感知しないだろうが。筆者勘ぐるに古屋はカッコイイのにそんなにもてないんじゃないかと思っている。話が逆さまになってきたが、なぜもてないんじゃないかというと野蛮なところがないからである。文明という言語とは比較できない、狭い意味での、もう少しいうと本来備えている、野蛮という言語の意味からしての野蛮さ、つまりおそろしさ、不可解さがない。この不可解さが不思議なことにもてる現象を引き起こす。たとえばY田。M井。I野。特にもてよう(=目立とう)という人は心がはっきりわかるので結局もてない。これはどうでもいいが、特にもてる必要などないが、わけのわからないところで人の心を引きつける野蛮さも時に必要なこともある。そうなると古屋、最初のカッコよさはどうなるんだろ。
晴。セキセイ鸚哥の體重を測る。アサリ君三十グラム、シヾミ君四十グラム。尺貫法に從へばアサリ君八匁、シヾミ君十匁なり。NHK-FM浪曲十八番にて真山誠太郎が番塲の忠太郞を聽きつゝ靜岡文化藝術大學英語入試問題模範解答を作成す。午後髮を理す。來月初旬滿期を迎へる自働車保險を更新せず、某インターネット通販會社に切替へて契約を結ぶ。僅十分にて契約成立す。代理店を介さず外交員の訪問も不用なれば一萬圓以上割安となれり。舊來の保險外交員は定めし苦勞多かるべし。
處暑。曇りて暗し。凉風の心地よさ言はむ方なし。セキセイ鸚哥のアサリ君左足の指に力入るやうになれり。朝餉のレタスを示して食べるかいと聲をかけるや待つてましたとばかりに鳥籠の天井を傳ひてベランダに出來れり。天井を傳ふ際は左足の指を丸めて體を支ふ。恢復しつゝあるやうにて余は大に安堵す。NHK-FM邦樂のひとゝき現代邦樂篇にて野村祐子が秋の歲時記、中眞希子の壹越を聽く。午後時々驟雨あり。BS日テレ笑點特大號にてつぶやきシローの漫談、林家木久扇の彥六傳を聽く。
隂。氣溫はさして高からざるに溽蒸甚し。NHK-FM邦樂のひとゝき長唄篇にて芳村伊十郎の紀州道成寺を聽く。午後いつもの溫泉に浴して後主治醫を訪ひ藥を乞ふ。三時ごろ雷鳴驟雨あり。夕暮に至りふたゝび電光閃き雷聲烈しく大雨懸淙の如し。BS日テレ笑點火曜なつかし版にてコージー冨田の物眞似、あした順子ひろしの漫才を聽く。平成十九年十月の再放送なり。
蚤起。曇天。アサリ君幸にしていつものやうに鳥籠の天井より吊下げし止り木にとまりて一夜を明かしたれど、右足にのみ體重をかけ左足は浮かせ氣味なり。早朝アサリ君を車に乘せて春日井なる動物病院に赴き院長A氏の診察を乞ふ。風切羽と中央尾羽生えず短き羽のぼさ/\に亂れたるさまよりウイルスの病氣かも知れずといふ。レントゲン寫眞を撮る。左脚の骨に異常は認められざれど跗蹠上端の骨やゝ橫に大きく膨らみゐるやうに見え、或は關節炎かも知れぬと。一時的な病かも知れず、或は老化かも知れず。A氏アサリ君十歲六箇月の長命に驚きたり。とりあへずビタミン劑を飮ませて姑く樣子をみることゝす。また念のため糞と羽を採取してウイルス檢査(PBFD及びBFD)を依賴す。十一時歸途に就く。カーラヂオのNHK-FM邦樂のひとゝきにて伊藤松超が箏曲須磨の嵐、中村明一の尺八大菩薩を聽く。大阪敎育大學の英語入試問題模範解答を作成す。夜三更東京より歸られし父上母上を車にて地下鐵道驛に出迎へる。BS日テレ笑點月曜なつかし版にてケーシー高峰の醫事漫談を聽く。平成十五年七月六日の再放送なり。
曇天。NHK總合桂文珍の演藝圖鑑にて文珍のねむれナイトを聽く。文化放送志の輔ラヂオ落語DEデートにて五代目桂文枝の花色木綿を聽く。昭和四十三年三月十日第三十三囘上方落語をきく會の音源なり。TBCラヂオ魅知國寄席にて六華亭遊花のもつたいない嫁御を聽く。兩三日前よりわが日誌の漢字舊假名遣ひ踊り字の書き間違ひを訂正す。秀丸エディタのgrep檢索機能を用いて誤記を列擧しては一括して置換するなり。書き損じ夥し。午後いつもの溫泉に浴す。カーラヂオのアットエフエム山下達郎サンデー・ソングブックにて竹内まりやを迎へたる納涼夫婦放談第一囘放送を聽く。アサリ君午後より突然左脚に力入らず右脚一本にて止り木につかまる。骨折せしにや神經の病なるや。痛々しく不憫なり。ラジオ關西内海英華のラジ關寄席にて笑福亭風喬の住吉駕籠、笑福亭枝鶴の米揚げ笊を聽く。Eテレ日本の話藝にて三遊亭好樂の三年目を聽く。マクラにて五十一年前林家正藏に弟子入りせし顚末を語ること十四分に及べり。エフエム東京落語千金にて春風亭ぴつかり☆の新說皿屋敷を聽く。
陰後に晴。NHK關西發ラヂオ深夜便にて桂宗助の稻荷車を聽く。四月十八日午後一時BSプレミアムにて錄畫し置きたる成瀨巳喜男が活動寫眞山の音を看る。玉井正夫の撮影見事なり。夜蟲の音をきく。三重テレビ淺草お茶の間寄席にて春風亭一之輔の夏どろ、ロケット団の漫才、林家正雀の松山鏡を聽く。
晴雨定らず。朝の中遠雷ひゞく。バルセロナにて聖戰主義者による無差別殺戮事件あり。ランブラス大通遊步の人絡繹たる中にワゴン車を運轉して突入し十三人死亡、十五人重態。イスラム國犯行聲明を公表す。アサリ君朝食の最中余のそばを片時も離れず、サラドの胡瓜レタスをもぐ/\食ひ、余が箸に乘りて先端を嘗めて飽くことなし。余がバナヽ入りカスピ海ヨーグルトを食すあひだもぢつと余の口元を見つめて首を伸ばすなり。一口食したきやうなれば匙にヨーグルトを掬ひて差出すに尻込みす。皮膚科に徃き藥を貰ひて十一時半家にかへる。NHK-FM邦樂ジョッキーにて根岸悦子が端唄夏の暑さを聽かむとするに臨時報道あり、岐阜縣大雨警報を報ず。午下空薄く晴れたればことぶきの湯に赴き露天風呂に浴す。タラゴナ縣カンブリルスにても聖戰主義者の無差別殺戮未遂事件あり。警官容疑者五人を射殺せり。夕刻雨またふる。早くも秋霖の如き空合なり。皮下脂肪多きがゆゑ獸醫の勸めに從ひ食事制限中のシヾミ君空腹に堪へかねてアサリ君より口移しにて餌を貰ひ始めぬ。餘りに氣の毒なれば食事制限は撤廢す。十歲の老齡にて老先短かければ思ふ存分食ふが幸福なるべし。
隂。NHK-FM浪曲十八番にて玉川ぶん福の浪花節ぢいさんを聽く。シアターガイドの報道によるに勅使河原三郎佛蘭西藝術文化勳章オフィシエ受章するといふ。慶賀すべし。昨夜十一時錄畫し置きたるBS11柳家喬太郎のイレブン寄席怪談特輯にて喬太郎が路地裏の傳說、一龍齋貞水のお岩誕生を聽く。
朝の中霧雨ふる。曇りて暗し。寒冷早や深秋の如し。盂蘭盆を過ぎて遽に寒くなること四十年前の北海道を思起さしむ。NHK-FM邦樂のひとゝきにて富本豊いつの富本節那須野を聽く。神戶新聞の記事によるに新開地の演藝塲起工式行はれ、名稱は喜樂館なりといふ。
降りみ降らずみの天氣なり。風冷なり。寒さに堪へかね長袖の運動着をきる。空暗く晝も黃昏の如し。NHK-FM邦樂のひとゝき長唄篇にて今藤長一郎の藤娘、潮來出島(古謠)、鳥羽繪を聽きつゝ平成十七年迄の日誌漢字表記を訂す。午後いつもの溫泉に徃く。市中の道路自働車の往復少し。
曇天。風凉し。NHKラヂオ深夜便話藝百選にて立川志ら乃がグロサリー部門、柳家喬太郎が夜の慣用句を聽く。NHK-FM邦樂のひとゝきにて谷珠美の箏曲松風、川村泰山の尺八慷月調を聽く。ひまわり11漫才大行進にてチャイムとナンセンスの漫才を聽く。平成十五年七月までの日誌漢字表記を訂す。
空どんよりと曇りて暗し。朝風肌寒きばかりなり。NHK總合桂文珍の演藝圖鑑にてU字工事の漫才、桂文雀が虎の子を聽く。初て聞く噺なり。文化放送志の輔ラヂオ落語DEデート野際陽子追悼特輯にて五代目春風亭柳朝の一眼國を聽く。第九百五十二囘東寶名人會の高座なり。TBCラヂオ魅知國寄席にて桂米福の妾馬を聽く。午後いつもの溫泉に徃き露天風呂に浴す。空は一時晴れしが須臾にしてふたゝび暗雲に覆はれぬ。家にかへりて平成十三年の日誌の誤字脫字衍字を訂す。Eテレ日本の話藝にて金原亭伯樂が井戶の茶碗を聽く。佛像より出でし小判四十五兩。師匠馬生は五十兩と云ひたりき。BS12ミッドナイト寄席ゴールデンにて神田松之丞が眞景累ヶ淵宗悅殺しと鍋島の猫騷動を聽く。エフエム東京落語千金にて春風亭昇々の跡繼ぎを聽く。
隂。NHKラヂオ第一眞打競演は全國高校野球選手權大會中繼のため休止せらる。三重テレビ淺草お茶の間寄席にて柳家はん治のぼやき酒屋、柳家小のぶの粗忽長屋、柳家さん喬の眞田小僧を聽く。BS朝日お笑ひ演藝館にてケーシー高峰の醫學漫談とタブレット純が哀愁の昭和食堂を聽く。
山の日とやらいふ祭日なり。雨ふりてはまた歇む。LogoVistaの網站にてリーダーズ英和辭典第三版ダウンロード版を購入す。代價九千百八十圓。編集代表高橋作太郎。余は東京外國語大學に学びし折高橋先生と初版編輯者松田徳一郎先生の講義を受けたりき。NHK-FMにてアンドレス・セゴビア沒後三十周年紀念特別番組を聽く。午後雨沛然たりしがいつもの溫泉に徃くに雨纔に霽れて露天風呂に浴するを得たり。夕刻より雷聲轟轟たり。
空またもや曇りて風なし。昨夜錄畫し置きたるBS11柳家喬太郎のイレブン寄席にて柳家小せんと川柳川柳のガーコンリレーを聽く。朝餉の後自動車修理工N氏を訪ひ自動車を受取る。空氣調節裝置の風がフロントガラス側のみ出でゝ室内に出でざりしは内部の部品一つ缺落しゐたりしが故なりといふ。NHK-FM浪曲十八番にて港家小ゆきが兩國橋最後の勢揃ひを聽く。夜雷聲殷殷たり。
好く晴れて風涼し。快晴の空を仰ぐは一箇月ぶりなり。長崎縣立大學の英語入試問題模範解答を作成す。自動車修理工N氏を訪ひ空氣調節裝置のバルブ修繕を依賴す。NHK-FM邦樂のひとゝきにて清元栄志太夫の十六夜淸心を聽く。午後また受驗敎材をつくる。
夜來の雨朝に至りて霽る。秋風吹きつゞきて窗外の樹木をうごかす。セキセイ鸚哥のアサリ君シヾミ君朝餉のサラドの胡瓜を食ふ。アサリ君は炒玉子も食ひぬ。共食だよと言聞かせても無心に貪るなり。縣立廣島大學の受驗敎材を作成す。NHK-FM邦樂のひとゝき長唄特輯にて東音渡邉雅宏ほかの那須野と菖蒲浴衣を聽きつゝ高知工科大學英語入試問題模範解答を執筆す。正午耳鼻咽喉科にて蓄膿症の治療を受けられし慈君を自動車にて出迎へ、ケーズデンキに赴き空氣調節機のフィルターと電話機が子機の電池を購ひてかへる。プディングを食しコーヒーを啜りて後カーラヂオのNHK-FM歌謠スクランブル船村徹特輯にてちあきなおみが矢切の渡しと紅とんぼを聽きつゝいつもの溫泉に赴き露天風呂に浴す。ふたゝび家にかへりて福岡女子大學の受驗敎材をつくる。
立秋。雨。エフエム東京落語千金にて立川談笑の不動坊火焰を聽く。NHKラヂオ深夜便話藝百選にて瀧川鯉朝のスタンド、林家彦いちが神々の唄を聽く。NHK-FM邦樂のひとゝき箏曲特輯にて澤村京子が松竹梅、木村佐美代が櫻の宿を聽きつゝ滋賀縣立大學英語入試問題の模範解答及び解說を執筆す。サンケイスポーツの記事によるに柳家小三治今月末入院して頸椎の手術を受け來月十三日多治見市の親子會にて復歸する豫定なりといふ。午後島根縣立大學の受驗敎材を作成す。颱風襲來。大雨盆を覆すが如し。文春オンラインにてオール讀物八月號揭載の白石加代子と柄本明の對談を讀む。つかこうへいの蒲田行進曲は當初柄本明が根岸季衣の相手役をつとめて稽古し、深作欣二の映畫版も柄本明と松田優作が主役となるべきものなりしといふ。昨夜錄畫し置きたるメーテレネタ祭り二〇一七夏の陣にてナイツ、U字工事、ヒロシ、サンドウィッチマンのネタを聽く。BS日テレ笑點月曜なつかし版にて笑組の漫才を聽く。夜に入りて雨いよ/\降りまさりぬ。
陰後に晴。無風。蒸暑い。NHK總合桂文珍の演藝圖鑑にてナイツの漫才と柳家權太樓が町内の若い衆を聽く。文化放送志の輔ラヂオ落語DEデートて八代目春風亭柳枝の花筏を聽く。昭和三十四年五月二十六日ニッポン放送演藝倶樂部の音源なり。TBCラジオ魅知國寄席にて立川吉幸の大安賣りを聽く。ABCラヂオ日曜落語なみはや亭にて桂ちようばの靑菜を聽く。午後いつもの溫泉に徃き露天風呂に浴す。歸途カーラヂオにて山下達郎サンデー・ソングブック納涼リクエスト大會を聽く。曲目を茲に記し置く。
Eテレ日本の話藝にて柳家さん喬のちりとてちんを聽く。名人藝なり。NHKラヂオ第一上方演藝會にてシンデレラエキスプレスの漫才を聽く。ラヂオ關西内海英華のラヂ關寄席にて笑福亭生寿のさんま芝居、桂梅團治の皿屋敷を聽く。いづれも去月十日道頓堀角座の高座なり。余がさんま芝居を聞くは二代目三遊亭圓歌の錄音のみなりしかば思はぬ拾ひ物を得たるが如き心地す。若き噺家が珍しき噺を發掘して語り繼ぐは賴もしき限りなり。エフエム東京落語千金にて立川談笑の不動坊火焰を聽く。
隂。釧路公立大學の受驗敎材を作成す。NHKラヂオ第一眞打競演にて宮田陽昇の漫才、ケーシー高峰の醫事漫談、入船亭扇辰の田能久を聽く。NHK-FM邦樂百番箏特輯にて萩岡松韻が千里の梅の曲、めぐり逢せ、菊水、かぐや姬なよたけの段を聽く。福井縣立大學の英語受驗敎材を作成す。今週の仕事を終へれば日は早くも晡なり。颱風五號近づきつゝあるゆゑにや雲は東南より西北に向ひてゆるやかに流れゆくなり。
曇天。公立はこだて未來大學の英語入試問題模範解答と解説を執筆す。余は生計の足しにせむとて一昨年より全國の國公私立大學の入學試驗問題を精讀し來りしが、知性を刺激する設問數ふるばかりなり。大學敎員の知性頗低調なる證しならずや。午前シヾミ君を伴ひ春日井の獸醫を訪ひ診察を乞ふ。糞の尿酸を檢査す。先々週は紅色を帶びたりしが今囘純白にてバクテリアなども檢出されず。藥の效驗なり。肝臟の慢性疾患により嘴のいと長く伸びたるを醫師ニッパーを用いて切る。體重は一グラム增えて四十グラムなり。胸のまはりに贅肉夥しければ減量すべしといふ。今後は藥を飮ませ續ければよし。いつかまたレントゲン撮影して肝臟と心臟を檢査すべしと。余大に安堵せり。午下家にかへる。NHK-FM邦樂ジョッキーにて常磐津千東勢太夫の年增を聽く。倉島厚歿。行年九十三。ことぶきの湯に徃き露天風呂に浴す。
空は灰色に曇りて暗し。朝風肌寒きほどなり。アサリ君とシヾミ君余が朝餉のサラドの胡瓜とレタスをもり/\食ふ。食後空気調節機のフィルターを購はむとて母上と倶に自働車にてケーズデンキに赴く。店内に在庫なければ取寄せしむ。NHK-FM浪曲十八番にて玉川奈々福の浪曲シンデレラを聽きつゝ奈良敎育大學の受驗敎材を作る。昨夜錄畫し置きたるBS日テレ笑點特大號にて柳亭小痴樂の一目上り、東京ボーイズの音曲漫才を聽く。晡時空少しく晴る。去月十四日以來初めて靑空を仰ぎ得たり。
隂。朝風涼し。NHK-FM邦樂のひとゝきにて常磐津八重太夫ほかの四天王大江山入を聽きつゝ信州大學の英語入試問題模範解答と解說を執筆す。午下髮を理す。成城石井に立寄りアールグレイの紅茶を購ひてかへる。和歌山大學の受驗敎材を作れば日は忽ち暮れむとす。夕餉の後Mさんより饋られし夕張メロンを食す。夕風涼し。アサリ君鳥籠より出でゝ卓子をとこ/\步み余が匙のメロンを少しづゝ食ふ。過日はエリザベスメロンも食したり。
舊六月十日。けふも空は灰色に曇りて晴るゝ模樣なし。NHK-FM邦樂のひとゝき長唄篇にて志村かしわ他の多摩川、浦島を聽きつゝ福井大學の英語入試問題模範解答と解說を執筆す。午下いつもの溫泉に徃き露天風呂に浴す。歸途主治醫を訪ひ藥を乞ふ。風あくまで涼しく早くも秋の近きを知らしむ。