快晴。日の光はうらゝかなれど烈風吹き狂ひて寒し。午下落語を聞きたしと思ひて有樂町より山手線に乘り上野に徃く。驛前行人織るが如し。不忍池の畔より辯天堂を望む。周圍は公衆便所野外音樂堂の改修工事なりとて殺風景なる白き萬能鋼板に圍まれたり。鈴本演藝塲に赴くに本日通常興行はありませんと書きたる看板を立てたり。迂闊にも今日が晦日なるに思ひ及ばざりき。空しく來路を取りて旅亭にかへる。假眠二時間ばかり。夜初更日比谷線にて六本木に出で、六本木通りの坂道を下り西麻布交叉點の中華料理屋麻布長江香福筵に徃く。K氏晚餐を馳走せらる。舞踊映畫演劇のことなど話題盡きず、歡語刻の移るを忘る。七十五歲にして老いずます/\盛ん、年をとるのを忘れしにあらずやと問ふに、忘れてゐるかも知れませんと破顏一笑せらる。銀座の旅亭に歸れば三更なり。
寒雨蕭〻。旅裝をとゞのへ、二年ぶりに地下鐵道に乘り名古屋驛に出づ。雜遝を虞れしが構内人出夥しからず、プラトフホームもさして混雜せず。十時半新幹線のぞみ號にて東へ下る。新幹線に乘るは四年ぶり、東京に下るは五年ぶりなり。車窓より太平洋を望むに海は鈍色に煙りし空と見分けつかず。新橫濱に着かんとする時窗外突然雪景色となる。正午品川驛下車。屋根にうつすらと雪積もり、雨音もなく降りしきるなり。山手線にて池袋に出で、日本料理屋花むさしにて恩師H先生と晝餐を倶にす。八十一歲にして日々運動を怠られずご壯健なり。中二階のラウンジに咖啡を喫し談笑。晡刻別れて驛構内の喫茶店に行きJ氏と落合ふ。編輯員M氏も合流し、池袋演藝塲近くの居酒屋に笑語、食後喫茶店に行き款語三更に至る。諸氏と別れて地下鐵道有樂町線に乘り銀座に出で旅亭に宿す。
晴後に陰。風吹きて寒し。セキセイ鸚哥のアサリ君余がサラドのレタスを嬉々として啄む。寒中見舞の端書二通屆く。イチロー選手マイアミ・マーリンズに入團す。A出版社原稿料支拂調書を送來る。本年は旣に確定申告を行ひたれば後の祭なり。慌てる乞食は貰ひが少ないといふ小學校の恩師M先生の口癖を今更ながらに思出しぬ。源泉課稅額の僅少なるは不幸中の幸といふべし。
曇りし空午後に至りて晴る。北風吹きすさみて遽に寒し。記すべきことなし。寒月皎然たり。
陰後に晴。兩三日異例の暖氣なり。午下主治醫を訪ひ藥を請ふ。頓服としてデパスとエバミールを處方せらる。慈君の誕生日なれば魚介類のパエーリャを作りて長壽を祝ふ。大蒜玉葱蕃茄を炒め、鷄腿肉海老烏賊淺蜊に白葡萄酒を加へてさつと炒めて取出し、米二合をしんなりするまで炒めて鷄肉魚介を戾し、サフランと鷄がらのスープを入れピーマン赤黃パプリカを足して煮こむこと二十分ばかり。パエーリャを作るのは二十數年ぶりなるにまず/\の出來榮えなり。老父母嬉々としてフライパン一杯の料理をぺろりと平らげて吳れたり。BS11藝賓館に柳家小滿ん一門會を見る。柳家一九が富士の白雪は聞き馴れぬ題名なれど噺の中身は半分垢なり。人物の演じ分け巧みにて輕妙洒脫、語り口も素直なり。寄席には缺くべからざる藝風といふべし。柳家さん生の龜田鵬齋はおでん屋の主人の造形描くが如し。夜二更三鄉の溫泉に浴す。片割月西の中空にあきらかなり。
隂。晝前より雨のしと/\と音もなく降るさま春の日の如し。午後理髮舖に徃く。歸途接骨醫T氏を訪ひ首を揉ましむ。家にかへれば日は晡なり。夕暮れ俄に寒氣加はる。東京かわら版二月號に立川志らくの取材記事を讀む。本年冬より十六年にわたりて二百三席の獨演會を開くといふ。演目を茲に記し置く。
二〇一五年 | |||||
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冬 | 壽限無 | 天狗裁き | 富久 | (江戶の風) | |
春 | たらちね | 盃の殿樣 | お若伊之助 | (女) | |
夏 | 幇間腹 | 鰻の幇間 | ちきり伊勢屋 | (太鼓持ち) | |
秋 | 湯屋番 | 樟腦玉 | 雙喋々 | (圓生) | |
二〇一六年 | |||||
冬 | 代書屋 | 五人廻し | 源平盛衰記 | (談志十八番) | |
春 | 目藥 | 義眼 | 轉宅 | 鐵拐 | (クレイジー落語) |
夏 | 風呂敷 | 洒落小町 | 厩火事 | 二人旅 | (お咲さん) |
秋 | 看板のピン | 時そば | 文七元結 | (志らく十八番) | |
二〇一七年 | |||||
冬 | なめる | 淀五郎 | 中村仲藏 | (芝居) | |
春 | 鰻屋 | 禁酒番屋 | 御神酒德利 | (小さん) | |
夏 | 引越しの夢 | ちりとてちん | 唐茄子屋政談 | (江戶の風) | |
秋 | 粗忽の使者 | 拔け雀 | タイタニック | (シネマ落語) | |
二〇一八年 | |||||
冬 | 權兵衞狸 | 松山鏡 | 鼠穴 | (田舍者) | |
春 | 宿屋の富 | 愛宕山 | 崇德院 | (志ん朝) | |
夏 | 眞田小僧 | 桃太郎 | 子別れ | (龜吉) | |
秋 | 替り目 | 紙入れ | 包丁 | (色) | |
二〇一九年 | |||||
冬 | 山號寺號 | 松竹梅 | 猫久 | 干物箱 | (江戶の風) |
春 | 質屋庫 | 百年目 | (御店) | ||
夏 | ろくろ首 | もう半分 | 豐志賀 | (怪談) | |
秋 | ぞろぞろ | 明烏 | 素晴らしき哉、人生! | (シネマ落語) | |
二〇二〇年 | |||||
冬 | 新聞記事 | 宗論 | 代脈 | 疝氣の蟲 | (クレイジー落語) |
春 | そば淸 | 笠碁 | お富與三郎 | (馬生) | |
夏 | 胡椒のくやみ | 大山詣り | 佃祭 | 小間物屋政談 | (弔ひ) |
秋 | よかちょろ | 付き馬 | 居殘り佐平次 | (左平次) | |
二〇二一年 | |||||
冬 | へつゝひ幽靈 | 啞の釣 | 火事息子 | (三木助) | |
春 | 二十四孝 | 天災 | 一文惜しみ | (八五郎) | |
夏 | お菊の皿 | 三年目 | 妲己のお百 | (怪談) | |
秋 | 三方一兩損 | 二階ぞめき | 紺屋高尾 | (談志十八番) | |
二〇二二年 | |||||
冬 | 初天神 | 花見小僧 | 藪入り | (金坊) | |
春 | 長屋の花見 | 花見の仇討 | 宿屋の仇討 | (花見の三人組) | |
夏 | 寢床 | 死神 | 天國から來たチャンピオン | (シネマ落語) | |
秋 | 無精床 | 目黑のさんま | 胴亂の幸助 | (變人) | |
二〇二三年 | |||||
冬 | 家見舞 | 壺算 | 黃金の大黑 | お七 | (パニック) |
春 | 酢豆腐 | 船德 | 景淸 | (文樂) | |
夏 | あくび指南 | 三枚起請 | エデンの東 | (シネマ落語) | |
秋 | 牛ほめ | 金明竹 | 道具屋 | 大工調べ | (與太郎) |
二〇二四年 | |||||
冬 | 松曳き | 短命 | らくだ | (談志十八番) | |
春 | 三人旅 | 萬金丹 | ねずみ | (旅) | |
夏 | 手紙無筆 | 靑菜 | 井戶の茶碗 | (志らく十八番) | |
秋 | 狸 | 妾馬 | ダイ・ハード | (シネマ落語) | |
二〇二五年 | |||||
冬 | 平林 | 强情灸 | 鈴振り | 親子酒 | (クレイジー落語) |
春 | 小言念佛 | 化物使い | 小言幸兵衞 | 搗屋幸兵衞 | (小言幸兵衞) |
夏 | 浮世床 | 百川 | 猫定 | (圓生) | |
秋 | かぼちゃ屋 | 鮑のし | 濱野矩隨 | (愚か者) | |
二〇二六年 | |||||
冬 | 味噌藏 | 元犬 | ビッグ | (シネマ落語) | |
春 | 子ほめ | 普段の袴 | 高砂や | 蜘蛛駕籠 | (小さん) |
夏 | 寄合酒 | 饅頭こはい | 黃金餠 | (小さん) | |
秋 | 後生鰻 | 首提燈 | 宮戶川通し | (ブラックジョーク) | |
二〇二七年 | |||||
冬 | 茶の湯 | 持參金 | 片棒 | (クレイジー落語) | |
春 | 權助魚 | 木乃伊取り | お見立て | (田舍者) | |
夏 | 反對俥 | 士族の商法 | タクシー・ドライバー | (シネマ落語) | |
秋 | 彌次郎 | 火焰太鼓 | 三軒長屋 | (志ん生) | |
二〇二八年 | |||||
冬 | 二番煎じ | 岸柳島 | たちきり | (可樂) | |
春 | 穴どろ | 出來心 | 靴をなくした天使 | (シネマ落語) | |
夏 | 居酒屋 | 錦の袈裟 | お化け長屋 | (金馬) | |
秋 | 道灌 | 掛取萬歲 | お藤松五郎 | (江戶の風) | |
二〇二九年 | |||||
冬 | 不動坊 | 鰍澤 | シャイニング | (シネマ落語) | |
春 | 堀の内 | 粗忽の釘 | 粗忽長屋 | 永代橋 | (粗忽長屋) |
夏 | ざるや | 千兩みかん | 柳田格之進 | (馬生) | |
秋 | 汲みたて | 心眼 | お直し | (圓生、文樂、志ん生) | |
二〇三〇年 | |||||
冬 | 堪忍袋 | 品川心中 | マンハッタン | (シネマ落語) | |
春 | 野ざらし | 蝦蟇の油 | 人情八百屋 | (談志十八番) | |
夏 | 雜俳 | 轉失氣 | 千早振る | やかん | (やかん) |
秋 | 長短 | 金玉醫者 | 芝濱 | (最終囘) |
天氣牢晴。BS-TBS落語硏究會に三遊亭小遊三の提燈屋、柳家喬太郎の錦木檢校を聽く。いづれ劣らず結構なる高座なり。Eテレ日本の話藝に金原亭馬生が井戶の茶碗を聽く。大寒に入りてより日脚頓に永くなりぬ。年の改まりし頃は夕方五時前にはあたり全く暗くなりゐたりしが、今は五時半を過ぎざれば昏黑とはならず。六日頃の月おぼろにかすみ暖氣春のごとし。
晴れてあたゝかなり。BS-TBS落語硏究會に柳家小滿ん穴どろ、林家正藏まめだを聽く。小滿んは珍しくところ/″\言ひよどみしが、持ち重りのする德利をつまみ上げる所作に熟練の技あり。正藏は相變らず滑舌惡く、頻に動かす手の仕草目障りなり。口直しに桂米朝のまめだを聽く。絕品なり。長岡杏子アナウンサア子寳授かり出產のため番組を退く旨挨拶したり。確定申告の書類をつくり稅務署に送る。夕餉に博多一幸舍の拉麵を食す。味佳し。戰友I君の手土產なり。
空は隈なく晴れわたりしが强風轟然として牖戶を撲つ。セキセイ鸚哥のアサリ君余がサラドのハムを旨さうに啄みて飽かず。慈君肉食系鸚哥と命名せらる。午下ことぶきの湯に浴す。家にかへりて昨日の西班牙語試驗答案を採點す。あなたの背丈はどれ位ですかといふ問ひに對してわたくしには背丈は全くありません(Yo no mido nada.)と答へし男子學生あり、人をして捧腹絕倒せしむ。作業を終はれば夜は早や二更なり。三重テレビ淺草お茶の間寄席に三遊亭歌る多の替り目、三笑亭可龍の幾代餠を聽く。
寒雨霏〻。珈琲所コメダに朝飯を喫す。九時前出勤。後期試驗なり。學生諸氏辭書と首つ引きにて問題と取組む姿いつ見ても美し。答案を提出する際有難う御座いましたと丁寧に挨拶する學生數人。さすがはスポーツ科學部の純眞なる靑年よと、これまた頗氣分よし。一時歸家。戰友I君けふも來訪。きのうにつゞいてコメダに徃き款語に時の移るを忘る。夜初更地下鐵道驛に見送り、二ヶ月後の再會を約す。
隂。晡時戰友I君來訪。今朝沼津の病院にて診察を受けしところ術後の經過順調なりと。大に安堵す。後縱靱帶骨化症といふ難病にて、指揮者岩城宏之氏も罹患せしことありしといふ。I君は永年英國吹奏樂團の指揮者をつとめたりき。岩城氏が如き人格者と同じ病に罹るは偶然とも思はれず。咖啡所コメダに憩ひ款語。初更豆腐料理屋梅の花に晚餐を倶にす。二更元町咖啡店に徃き諧語時の移るを忘る。地下鐵道驛に見送れば夜は沈々として更けんとす。
天氣晴朗。風やゝ强し。大寒。午前慈君と倶にあぐりん村に赴き三ヶ日產蜜柑また地元の蔬菜數種を購ふ。歸途市役所に立寄り知事選擧期日前の投票を濟ませる。午後いつもの溫泉に徃き露天風呂に浴す。晡時家にかへる。BS11藝賓館に柳家喜多八の明烏を聽く。
曇天。西風强く午下氷雨ふる。晡刻接骨醫T氏を訪ふ。視神經に繫がる首の筋を揉ましむ。夜戰友I君より電話あり。閑語一時間ばかり。話終へるに戰友O孃より再び電子郵件屆く。金曜日に入院する由なり。
快晴。NHK總合演藝圖鑑に五明樓玉の輔の紙入れを聽く。Eテレ日本の話藝に桂千朝の口入屋を聽く。
陰後に晴。NHKラジオ第一眞打ち競演に柳家小菊の粹曲、立川談四樓の人情八百屋を聽く。午下俄に吹き出でし烈風にベランダのゼラニウムの白き花一輪また一輪吹き飛ばされぬ。心氣欝々何事をもなす能はず。
快晴。F社原稿料を送來る。午後ことぶきの湯に浴す。豐眞將引退。禮儀正しき角力取なりき。元寺尾錣山親方曰く、弟子ながら尊敬しゐるなりと。三重テレビ淺草お茶の間寄席に昔昔亭桃太郎夜店風景、三遊亭遊雀電話の遊び、桂文治掛取りを聽く。
風雨沛然として寒し。咖啡所コメダに朝飯を喫す。後期最終授業を行ふ。本年度は一度も休講にすることなく課程を終へるを得たり。慶賀すべし。一時半歸家。疲勞甚し。心氣鬱々。
くもりて暗し。試驗問題手直し。燈刻I君より電話あり。昨年九月沼津の病院に入院して後縱靭帶骨化症の手術を受け、退院後も每月福岡より新幹線にて通院しゐる由。電話の途中にO孃より電子郵件あり。舊年は持病と骨折にて入退院を繰返し、九月に退院したものゝ無理が祟りて來週より再入院するといふ。戰友はみな滿身創痍なり。
快晴。强風庭樹を騷がす。午前ことぶきの湯に浴す。晡刻主治醫を訪ひ診察を請ふ。腦内セロトニンの生成には夕方以降蛋白質、ビタミンB、ビタミンCを攝取すればよろしといふ。昨夏伺ひし話にはビタミンCへの言及はなかりけり。早速ドラッグストアに赴き購き今夕より攝取す。市中到る處の街路普請中なり。豫算消化のためなるべし。BS11藝賓館に柳家ろべえたけのこ、柳家喬太郎母戀ひくらげを聽く。
好く晴れて西北の風强し。成人の日なり。これ則ち徵兵檢査の日なり。二千年代の新春放談を聞直す。柳家喬太郎の死神を聽く。平成二十二年三田落語會の高座なり。壽命の短さに關する齟齬を解決する工夫あり。
隂。NHK總合演藝圖鑑に三遊亭金馬の親子酒を聽く。黃粉餠を食す。らじrec にて錄音せし過去三年のサンデー・ソングブック WAV 文件を Free Audio Converter を用ひて MP3 文件に變換す。
朝の中曇りし空午後に及びて晴渡れり。NHKラジオ第一眞打ち競演に三遊亭遊雀の風呂敷を聽く。晝前慈君を伴ひスーパービバホームに徃き衣裳戶棚把手の螺子、丸椅子用カグスベール、流し臺水切りの護謨滑り止め等を購ふ。カーマホームセンターに立寄りセキセイ鸚哥の混合餌を買ふ。けやき通りに源吉兆庵開店せり。信號機また步道橋も設置されたり。この界隈は十年前商舖一軒もなかりけり。一時歸家。黃昏暗雲天を蔽ひ雨しと/\と濺ぎ來れり。
快晴。Eテレえほん寄席に古今亭菊之丞の初天神を聽く。早朝あぐりん村に赴き三ヶ日產蜜柑を購ふ。確定申告書の作成を始む。午後ことぶきの湯に浴す。ユニクロに立寄りウルトラライトダウンジャケットを買ふ。輕量驚くべし。スヱータ代りに着るなり。
好く晴れたれど北風吹き狂ひて寒氣骨に徹す。咖啡所コメダに朝飯を喫す。新年初囘の授業を行ふ。再來週に期末試驗あるを以て專ら復習に終始せり。
陰晴定らず。朔風吹きすさみて寒し。DVDにてベン・アフレック監督主演の映畫アルゴを看る。佳作。夕餉に一草粥と石狩鍋を食す。
寒雨蕭〻。寒の入。月末の定期試驗に備へて復習敎材をつくる。晡時理髮舖に徃き、歸途いつもの混堂に浴す。雨霽れて夕陽目を射る。BS11藝賓館に三遊亭歌武藏の甲府いを聽く。正月にふさはしき演目なり。
惡夢より寤むれば十時半なり。好く晴れて寒氣ゆるやかなり。晡時接骨醫T氏を訪ひ首を揉ましむ。名古屋テレビのワールドプロレスリングに昨日の東京ドーム大會要約版を見る。IWGP選手權試合オカダ・カズチカ王者棚橋弘至に敗北を喫し男泣きに泣けり。インターコンチネンタル飯伏幸太對中邑真輔は好試合なり。
晴れたる空に白雲多し。FMサンデー・ソングブック新年初囘放送を聽く。大瀧詠一氏との新春放談を聞き得ざるは寔に寂しき限りなり。BSフジ落語小僧を見る。鯉鮎亭ボタンの自作あべのハルカス小咄風の佳品なり。でらうえ家とかげカエンダイコは奇を衒ひて策に溺れぬ。Eテレ日本の話藝に三遊亭遊三寢床を聽く。雲間に浮ぶ幾望の月一幅の水墨畫のごとし。
好く晴れたり。午後NHK總合に恆例の東西寄席を見る。スタジオに藝人を集めるは東西寄席の趣旨に反す。ナイツと春風亭一之輔に藝をさせず、それ/″\新宿末廣亭と鈴本演藝塲のレポーターとしてのみ起用するは番組製作者の了簡違ひなり。桂文珍深夜タクシーと立川志らくやかん面白からず。春風亭朝也鈴ヶ森、柳亭市馬一目上り、三遊亭小遊三ん廻し、爆笑問題の漫才のみ堪能す。十三夜の月皎然たり。
朝來粉雪しづかに降り屋上にうつすら積もりぬ。雪午後に至りて歇む。晡時ヤマト運輸に赴きN子の荷物二函を送る。夕餉に西山拉麵を食す。初更S市にかへるN子を地下鐵道驛に見送る。歸途ことぶきの湯に浴す。親子連れ多く大に繁昌す。
舊十一月十一日。朝の中晴れしが直にどんよりと曇りて冥く正月元日は秋の夕暮れの如し。兒童の聲もせず車の往來も絕え門巷寂寥たること晝もまた夜の如し。正午ごろ小雪ちら/\と降りそめやがて吹雪となりぬ。父上慈君N子とお節の膳を圍む。K氏より餽られし源吉兆庵の菓子を食す。BSフジ落語小僧に三遊亭小遊三浮世床を聽く。三重テレビ初春淺草お茶の間寄席に春風亭百榮露出さん、柳家權太樓町内の若い衆、瀧川鯉昇鰻屋を聽く。N子けふも加賀指貫を一個つくる。夕餉に牛鍋を食す。