薄く晴れて風絕ゆ。NHK-FM邦樂のひとゝき琵琶篇にて黒田月水の井伊大老、水藤桜子の大高源吾を聽く。午前S子に自家製ジヤム蜜柑など食料品を送る。午後髮を理す。東京かわら版二月號に昨年林家正樂が注文を受けし紙切の題材順位揭載せらる。
順位 | 題材 | 囘數 |
---|---|---|
一 | 稀勢の里 | 七十一 |
二 | パンダ | 六十 |
三 | 藤娘 | 五十二 |
四 | 土俵入り | 四十一 |
五 | 寶船 | 三十九 |
六 | トランプ | 三十六 |
七 | 正樂 | 三十五 |
八 | 龍 | 三十二 |
九 | 鷄 | 二十六 |
十 | 雛祭 | 二十四 |
十一 | シャンシャン | 二十三 |
十二 | スカイツリー、鯉幟 | 二十二 |
十三 | 花見 | 二十一 |
十四 | 高校野球、猫 | 十九 |
十五 | 結婚式 | 十八 |
十六 | ミッキーマウス、屋形船、紫陽花 節分、七福神、神輿 |
十七 |
BS日テレ笑點特大號にて立川志の八がはじめてのお弔ひを聽く。この夜皆既月蝕す。
半陰半晴。NHK-FM邦樂のひとゝき小唄篇にて蓼胡満佳の水さし、雪をかぶつて、いざさらば、きまぐれ、今年やなんだか、春竹利昭のめぐる日、當代珍し、可愛い我が子、來いといふたとて、春日とよ栄芝梅は北野、一座から、雪はしん/\、鳥影に、道は二筋を聽く。午下いつもの溫泉に浴す。文化放送サンキュータツオと澀谷らくごにて春風亭百榮の壽司屋水滸傳と立川寸志の替り目を聽く。
空どんよりと曇りて暗し。寒氣稍ゆるやかなり。NHK-FM邦樂のひとゝき端唄篇にて端唄藤京の七福神、御所のお庭、わがもの、六段くづし、山本真由美の吉野山、初出みよとて、京の四季、三浦布美子が晝の酒、今朝の寒さ(さのさ入り)、淡雪を聽く。ニッポン放送高田文夫のラジオビバリー昼ズを聞く。阿川佐和子客演してテレビドラマ出演の經緯を語る。役所広司を苗字にて呼ぶ塲合は普通名詞の役所とは異なり冒頭の「や」を高く發音せられたしとは本人の要望なりといふ。阿川佐和子新婚生活の感想を求められて語るにをぢさんと暮して氣づくことは「ぱなし族」卽ち電氣つけつぱなし、便座の蓋開けぱなし、扉開けつぱなしなど何でもやりつぱなしなりと。これ愚父と同じなり。愚父は電燈つけつぱなし、便座の蓋開けつぱなし、水道の蛇口開きつぱなし、焜爐の火つけつぱなしなり。BS12ミッドナイトよせ太郎にて柳亭市弥の紙入れ、柳家さん光の新聞記事、春風亭正太郎の明烏、春風亭一藏の夏どろを聽く。昏暮雲散じて十三日頃の月あきらかなり。
曇りて風しづかなり。NHK總合林家正藏の演藝圖鑑にてケーシー高峰の醫事漫談、春風亭百榮のバイオレンス・スコを聽く。百榮は演技力達者にて喬太郎と雙璧をなすなり。文化放送志の輔ラヂオ落語DEデートにて二代目三遊亭圓歌の河豚鍋を聽く。音源は文化放送なれど收錄年月日不詳なり。TBCラヂオ魅知國寄席にて先日鬼籍に入りし柳家小蝠の死神を聽く。ラヂオNIKKEI第一寄席あぷり阿佐ヶ谷あにめ座寄席にて春風亭吉好の七段目を聽く。ABCラヂオ日曜落語なみはや亭にて露の眞の松竹梅、桂小留のん廻しを聽く。アットエフエム山下達郎サンデー・ソングブックを聽く。
雪花はら/\とふり來れり。Eテレ日本の話藝にて三遊亭小遊三のらくだを聴く。サゲまで語りたり。晡時NHKラヂオ第一大相撲初塲所千秋樂中繼を聞く。殊勳賞栃ノ心、敢鬪賞阿炎竜電、技能賞栃ノ心。異議なし。ラヂオ關西内海英華のラヂ關寄席にて笑福亭喬若の道具屋、笑福亭鶴二の包丁間男を聽く。夕餉に慈君自製燒豚入り味噌拉麵を食す。TBSらんまんラヂオ寄席にて十代目桂文治の子ほめ(平成元年)、源平盛衰記(昭和六十三年)を聽く。呵々大笑。三十數年前余が初めて上野鈴本演藝塲に文治の滑稽噺を聞きて大笑ひせし日のことを思起したり。TOKYO FM落語千金にて立川談笑のかつぎやを聽く。
快晴。西北の風吹きすさみて寒氣甚し。NHKラヂオ第一キャンパス寄席にて柳家さん光の新聞記事を聽く。The Jazz Grooveにてエラ・フィッツジェラルドとルイ・アームストロングの二重唱巴里の四月、レッド・ガーランドのYou'll Never Know、ウィントン・マルサリスのIn the Afterglowなどを聽く。朝日新聞の記事によるにソニー・ミュージックエンタテインメント社アナログレコードの生產を再開する由。第一彈はビリー・ジョエルのニューヨーク五十二番街と大滝詠一作品集夢で逢えたらなり。慈君七十六歲の誕辰なれば菓子屋龜屋芳廣に赴き好物の不老柿を買ひて饋る。黃昏久振りにて廚房に立ちハヤシライスとサラドを料理して慈君に馳走し誕辰を祝ふ。調理中携帶ラヂオに大相撲初塲所十四日目の中繼を聞く。栃ノ心松鳳山を寄り切りて優勝を果す。慶賀すべし。食後慈君と苺を食しつゝテレビの相撲中繼を看る。STVラヂオSTVホール名人會傑作選にて柳家小さんのうどん屋を聽く。平成三年十一月二十八日の口演なり。三重テレビ淺草お茶の間寄席にて柳家小里んの碁泥、瀧川鯉昇の千早ふる、三遊亭笑遊が堀の内を聽く。小里んの語り口は師匠五代目小さんに髣髴たり。
蚤起。今朝もうつすらと雪つもりぬ。祁寒昨日に劣らず。朝の中粉雪ちらほら降りしが姑くにして歇み空は澄みわたれり。NHK-FMセッション二〇一八にてDavid Negrete Quartetの演奏を聽く。アルト・サックス奏者デイヴィッド・ネグレテ、ピアノ熊谷ヤスマサ、ベース小牧良平、ドラムス吉良創太。
午後いつもの溫泉に浴す。强風歇まず。野中広務歿。行年九十二。シヾミ君容態惡化。呼吸苦しげなり。見るに忍びなし。
蚤起。晴天。酷寒。氣溫氷點下三度。學年末試驗の日なり。アサリ君シヾミ君を起こしシヾミ君に藥を飮ませる。夜中の容態は安定しゐるやうに見受けられ呼吸せはしからず。自動車は雪に覆はれしに乾きたる雪ふんはりと綿のごとく積るばかりにて窓硝子は幸にして凍らず。コメダにて朝飯を喫す。入口扉に雪のため本日二十時閉店致しますといふ貼紙あり。昨夜の告知なり。店員慌てゝ貼紙を剝がす。雨雪ふる日は自動車の往復滯りがちなるに今朝は何故にや交通量少なく、香桶、御富士、長久手IC、田籾町、大井橋西の交叉點いづれも自動車數ふるばかりなり。NHK-FMクラシックカフェにベルナルト・ハイティンク指揮ウラディーミル・アシュケナージ洋琴フィルハーモニア管弦樂團が奏するラフマニノフ作曲パガニーニの主題による狂詩曲作品四十三を聽く。三十分を經ずして豐田學舍に着きたり。八四五敎室にて一二限の試驗を行ふ。時間に餘裕ある學生には答案用紙裏面に余宛の手紙を書かしむ。「先生の氣配りなどは人間の手本として見習いたいです」と書きてくれし者あり。また「大學の授業で一番目に樂しかったです」といふもあり。誰か之を讀みて感激せざらむや。十二時半歸家。NHK-FM浪曲十八番にて京山幸枝若の祐天吉松から喧嘩坊主を聽く。NHK總合超入門落語THE MOVIEにて入船亭扇辰が夢の酒、柳家三三の道具屋を聽く。
晴れたる空に白雲多し。西北の風吹き狂ひて寒氣骨に徹す。氣溫攝氏一度。早朝自動車技師N氏を訪ひエンジンオイルとエレメントを交換せしむ。NHK-FM邦樂のひとゝき淸元篇にて清元延志佐ほかの權八上、雁金を聽く。音聲再生軟件foobar2000にSoundTouch DSPを安裝す。音聲の高さを保ちつゝ再生速度を融通無碍に變へることを得る。寔に調法なり。舊臘K氏の饋られし近江八幡たねやの栗月下と自製栗羊羹を食す。NHKラヂオに大相撲初塲所中繼を聞く。解說舞の海秀平全勝の鶴竜を評するに初日よりの内容完璧なればこそ十一日目に氣が緩みやせぬか氣がゝりなりと。果して結びの一番鶴竜引いてしまい玉鷲に押出されて黑星を喫す。燈刻吹雪。
雨は朝早く霽れたり。陰晴定らず。NHK-FM邦樂のひとゝきにて杵屋吉之亟ほかの長唄娘七種、松の綠を聽く。午後ことぶきの湯に徃き湯溫三十四度のシルク風呂に不感溫度浴をなす。歸途主治醫を訪ひ藥を乞ふ。三時半歸家。烈風庭樹を騷がす。文化放送サンキュータツオと澀谷らくごにて瀧川鯉八の創作落語やまない雨、隅田川馬石の二番煎じを聽く。
雨もよひの空暗けれど寒氣嚴しからず。朝飯の後慈君と倶にあぐりん村に赴く。マーマレード用の甘夏を求めむとせしに品切なり。代りに八朔を購ふ。市役所通のチャンピオンといふパチンコ屋廢業す。NHK-FM邦樂のひとゝきにて箏演奏家亀山香能田中奈央一の東獅子、尺八演奏家古屋輝夫の產安、雲井獅子を聽く。午後より雨ふる。BS12ミッドナイトよせ太郎にて春風亭正太郎の反對俥、柳亭市弥の金明竹、柳家ほたるのたらちね、雷門音助の轉宅を聽く。
輕陰。NHK總合林家正藏の演藝圖鑑にて三遊亭わん丈の一目上りを聽く。文化放送志の輔ラヂオ落語DEデートにて八代目春風亭柳枝の高砂やを聽く。昭和三十四年四月三十日ニッポン放送お好み演藝會の口演なり。BS-TBS落語硏究會にて古今亭志ん輔の厩火事、柳家喬太郎の雉子政談を聽く。喬太郎の噺は小泉八雲の怪談を落語に仕立てしものなり。喬太郎は創作落語に竝々ならぬ才能を發揮するのみならず、宋漢、擬寶珠、佛馬など當世の噺家が好まぬネタを手がけ、或は茶代など古き噺を蘇らせて視野の廣きを知らしむ。TBCラヂオ魅知國寄席にて桂米福の締め込みを聽く。ラヂオNIKKEI第一寄席あぷり阿佐ヶ谷あにめ座寄席にて昔昔亭A太郎の素豆腐を聽く。ABCラヂオ日曜落語なみはや亭にて桂あおばの祕傳書、桂治門の眞田小僧を聽く。昨年十二月二十六日ABCホール第四囘なみ1グランプリの口演なり。アットエフエム山下達郎サンデー・ソングブックにて今年の干支に因む犬特輯を聽く。
Eテレ日本の話藝にて當代笑福亭松喬の三十石を聽く。NHKラヂオ第一上方演藝會にてシンクタンクとWヤングの漫才を聽く。產經新聞に西部邁多摩川入水自殺の記事あり。享年七十八。TBSらんまんラヂオ寄席にて四代目三遊亭圓遊の湯屋番と味噌藏を聽く。TOKYO FM落語千金にて立川談笑の創作落語ねずみの積立金を聽く。
天氣牢晴。風强し。大寒なるに寒氣嚴しからず。NHK關西發ラヂオ深夜便にて桂南光の佐野山を聽く。NHKラヂオ第一眞打競演にて北口幹二彦の物眞似、林家正雀の紙屑屋を聽く。BS-TBS落語硏究會にて柳家權太樓の睨み返し、柳家喬太郎の茶代を聽く。權太樓マクラにて帳面買ひの思ひ出を語るに母親は料理をせざる人なりしかば小田原屋といふ店に屡々惣菜を求めたりといふ。喬太郎のマクラを聞くに海外渡航の經驗なく、大韓民國行の客船に乘る仕事の際濟州島に三時間上陸せしことあるのみなりとぞ。NHK-FM邦樂百番枇杷篇にて平山万佐子の川中島懷古、壇ノ浦、田中錦煌の接待を聽く。T氏來訪、釣果の鰺を惠まる。STVラヂオにて五代目柳家小さんの三人旅を聽く。昭和六十二年七月十三日第百六十五囘STVホール名人會の口演なり。三重テレビ淺草お茶の間寄席にて古今亭文菊が熊の皮、江戶家まねき猫の物眞似、桂歌春の强情灸を聽く。
晴れて連日あたゝかなり。カーラヂオのNHK-FM名曲の小箱に飯盛泰次郎指揮東京フィルハーモニー交響樂團が奏するラヴェル作曲亡き王女のためのパヴァーヌを聽きつゝ春日井の動物病院に赴きセキセイ鸚哥シヾミ君の内服藥を貰ふ。NHK-FMセッション二〇一八に村田浩 & the Bop Bandの演奏を聽きてかへる。ニッポン放送高田文夫のラジオビバリー昼ズを聞く。高田氏昨日物故せし古今亭志ん駒の名言「される身になつてヨイショは丁寧に」を紹介す。午後ことぶきの湯に徃き、風のあたゝかさに今年始て露天風呂に浴す。この溫泉は大相撲初塲所を迎へて豪風勝手に應援團を稱することいつもの如く、昨日豪風白星をあげしを以てスタンプ二個進呈せらる。
隂。兩三日寒氣ゆるやかにて春の近きを感ぜしむ。コメダにて朝飯を喫すこと例の如し。カーラヂオのNHK-FMクラシックカフェにエマーソン弦樂四重奏團が演奏するチャイコフスキー作曲弦樂四重奏曲第一番ニ長調作品十一を聽きつゝ豐田學舍に赴く。今年度最終授業なり。試驗に備へて復習をなせし後學生全員と西班牙語にて會話を練習す。午下家にかへりNHK-FM浪曲十八番にて春野恵子の番町皿屋敷お菊と播磨を聽く。昨夜錄畫し置きたるBS11柳家喬太郎のイレブン寄席にて柳家喬之助の宮戶川、柳亭左龍の鈴ヶ森、柳家さん喬の時そばを聽く。NHK總合超入門落語THE MOVIEにて三遊亭兼好のうどん屋と柳亭市馬の百川を聽く。
雨。NHK-FM邦樂のひとゝき現代邦樂篇にて十七絃宮越圭子が四つの前奏曲(長澤勝俊作曲)と二十五弦山本亜美のリバーブレーション(森亜紀作曲)を聽く。燈刻地下鐵道駅に慈君を出迎ふ。叔父Tの告別式は音樂葬にて參列者は高橋竹山の津輕三味線バッハの無伴奏チェロ組曲に聽入りたりといふ。
晴れてあたゝかなり。叔父Tの通夜告別式に赴く慈君を地下鐵道驛に見送る。NHK-FM邦樂のひとゝきにて日吉小都女ほかの長唄阿國歌舞伎を聽く。BS12ミッドナイトよせ太郎にて笑福亭竹三が木津の勘助、立川志獅丸の百川、柳家かゑるの都々逸親子、三遊亭好吉のしの字嫌ひを聽く。午後いつもの溫泉に徃き湯溫三十四度五分のシルク風呂に不感溫度浴をなす。家にかへるや頭痛を催す。BS日テレ笑點火曜なつかし版にて林家とんでん平の手話落語初天神(平成二十年五月十八日)と宮川大助花子の漫才(同年五月二十五日)を聽く。
天氣好晴。NHKラヂオ深夜便話藝百選にて立川真司の鐵道物眞似、ひびきわたるの煙管漫談を聽く。叔父Tの訃報に接す。享年七十一。餘りにも若し。NHK-FM邦樂のひとゝきにて箏演奏家筑紫純子が春の曲、尺八奏者渡辺鈴士が水の玉を聽く。ニッポン放送高田文夫のラジオビバリー昼ズを聞く。新春恆例みうらじゅん出演して本年の流行豫想をなせり。第三位「冷マ」(冷藏庫マグネット)、第二位「豪華」(一萬一圓のボックスティッシュなど)、第一位「おば還曆」(おバカの還曆)なり。
寒氣甚しけれど空は連日晴れわたりて拭ふが如し。NHK總合林家正藏の演藝圖鑑にてオール阪神巨人の漫才、古今亭文菊の湯屋番を聽く。文化放送志の輔ラヂオ落語DEデートにて二代目三遊亭百生の八五郞坊主を聽く。TBCラヂオ魅知國寄席にて三遊亭圓馬の河豚鍋を聽く。ラヂオNIKKEI第一寄席あぷり阿佐ヶ谷あにめ座寄席にて桂新三が竹の水仙を聽く。ABCラヂオ日曜落語なみはや亭にて桂小鯛のやかん、桂咲之輔の手水廻しを聽く。舊臘二十六日大阪ABCホール第四囘なみ1グランプリの口演なり。アットエフエム山下達郎サンデー・ソングブックを聽く。
Eテレ日本の話藝にて柳家權太樓の質屋庫を聽く。NHKラヂオ第一上方演藝會にて学天即の漫才、ヒューマン中村の漫談、まるむし商店の漫才を聽く。ラヂオ關西内海英華のラヂ關寄席にて森乃石松の商賣根問、桂小春團治の猿後家を聽く。TBSらんまんラヂオ寄席にて古今亭志ん五が猫の皿、古今亭文菊のあくび指南を聽く。BS12ミッドナイト寄席ゴールデンにて笑福亭竹三のもぎどり(東の旅)、三遊亭樂天の平林、古今亭始の宮戶川を聽く。TOKYO FM落語千金にて立川談笑の創作落語インバウンドを聽く。
快晴の空雲翳なし。NHKラヂオ第一眞打競演にてすず風にやん子金魚の漫才、ケーシー高峰の醫事漫談、立川談笑の時そばを聽く。NHK-FM邦樂百番にて新内釜淵雙級巴釜煎りの段を聽く。浄瑠璃鶴賀若狭掾、三味線新内仲三郎、上調子鶴賀伊勢一郎。廣辭苑第七版に關する共同通信の記事を讀む。書籍版の紙は從來のものより薄きにもかゝはらず表面に酸化チタンをまぶし裏移りせぬ仕組なりとぞ。スポーツ報知に柳家小蝠の訃報あり。享年四十二。死因肺炎の由。ミッドナイトよせ太郎にて春風亭昇々の待ちわびて、三遊亭とむのジャスティン・ビーバー、三遊亭樂天の死神、古今亭始の鈴ヶ森を聽く。STVラヂオにて五代目柳家小さんの高砂やを聽く。昭和五十二年十二月二十一日第五十囘STVホール名人會の口演なり。三重テレビ淺草お茶の間寄席にてホンキートンクの漫才、隅田川馬石の子ほめ、おしどりの音曲漫才、川柳川柳のくたばれ山男を聽く。BS朝日お笑ひ演藝館にてU字工事、タイムマシーン3号の漫才、ヒロシ、ケーシー高峰の漫談、ナイツの漫才、堺すすむの漫談、鶴光の紀州を聽く。
寒氣昨日に劣らず。快晴の空拭ふが如し。事務所の需に應じて執筆忽日は午なり。NHK-FM邦樂ジョッキーにて藤本二三吉の端唄梅は咲いたかを聽く。いつもの溫泉に徃く。一昨日錄畫し置きたるBS11柳家喬太郎のイレブン寄席新春恆例柳家さん喬一門會にてさん助が三助の遊び、小傳次の平林、喬志郎の初夢、喬太郎の綿醫者を聽く。三助とは洗湯にて客の背中を流す男なり。さん助の談によれば現役唯一の三助日暮里に働きゐたりしが高齡のため平成二十五年十二月に引退したりといふ。昨夜錄畫し置きたるNHK總合超入門落語THE MOVIEにて桂文珍のけんげしや茶屋を聽く。黃昏暗雲俄に空を蔽ひて粉雪ふる。
寒氣甚しけれど空よく晴れ渡りたり。コメダにて朝飯を喫す。NHK-FMクラシックカフェにレナード・バーンスタイン指揮コロンビア交響樂團が奏するガーシュイン作曲ラプソディー・イン・ブルーと洋琴家マイケル・ティルソン・トマスが奏するガーシュイン作曲三つの前奏曲を聽きつゝ豐田學舍に赴く。新年初囘の講義を行ふ。再來週の試驗に備へて再歸代名詞と現在進行形の復習をなす。歸途エコハウスに立寄り使ひ古したるPHSを廢棄す。NHK-FM浪曲十八番にて国本晴美と国本はる乃の掛合浪曲忠治關宿を聽く。曲師沢村豊子伊丹明。オリコンの記事によるに元Wコロンの木曽さんちゅう塩田忠道と共にケンメリといふ二人組の漫才師となり本日より淺草東洋館に出演するといふ。每日新聞によるに桂福團治の手話落語早や四十年を經たりといふ。昏刻乘合自働車と地下鐵道を乘繼ぎて榮に出で愛知縣藝術劇塲小ホールに赴く。柳家三三と柳亭左龍の會なり。大入滿員。D列十五番の座席に坐る。舞臺下手より兩氏現れ高座の上手側に三三下手側に左龍肩を竝べて坐り、寄席の正月初席ニ之席興行の樂屋話を語る。雜談は早々に切上げ左龍座布團を裏返して整へ、餘りし座布團は三三が小脇に抱へてついでにめくりもめくりて退塲し、さん喬門下の二つ目柳家小太郎登塲して開口一番啞の釣を語りたり。七兵衞の舌がもつれて言語ならざる言語をまくし立てる條まことに樂しく聽衆大に笑ひたり。入替はりに三三登塲しマクラにて語るに噺家が高座に上りてマクラを語るは單なる時間潰しにあらず、客席の樣子を見て演目を決めるためなり、兒童が大勢ゐる時は兒童が活躍する噺を選び、婦人が多き時は色つぽい噺を選ぶなり、そこで本日は……泥棒の噺をしますと云ひて笑はせ一席目に締込みを語る。左龍一席目はマクラにて舊臘二十六日より正月四日まで客船飛鳥IIに乘りてグアムとサイパンを訪れし逸話を紹介して後旅噺おしくら(三人旅)を語りたり。仲入後左龍二席目は時そばを語る。冬の深夜の寒さ、卓袱の溫かさ、詐欺師の辯舌、お調子者のへま描くが如し。前座噺をおろそかにせず端正に語る左龍の底力を見せつけたり。トリの三三は動物の小咄二つ三つ披露して元犬を語る。一昨年六月十五日中電ホールにて聽きし三三吉弥二人會の時と同じくサゲに工夫あり。九時終演。家にかへれば正に十時なり。
天氣牢晴。昨夜はシヾミ君の容態氣がゝりなるあまり四更に至りても眠ること能はず。睡眠劑エバミール1mgを二錠服しても眠れず、三錠服して纔に眠るを得たり。早朝アサリシヾミ兩君を起さむとて覆ひをかけたる鳥籠に近寄るにピーといふシヾミ君の元氣なる聲籠の中より聞ゆ。覆ひを除くに呼吸は落ちつき元氣に動き囘り、餌を取替へてやるや待つてましたとばかりにがつ/\食ひ始めたり。余これを見て大に安堵せり。NHK-FM邦樂のひとゝきにて常磐津光勢太夫ほかの乘合船惠方萬歲を聽く。午後髮を理す。
夜來の雨は朝歇みしに陰雲去らず書窓黯澹たり。頭痛岑々然たり。NHK-FM邦樂のひとゝき新春長唄篇にて杵屋長四郎ほかの舌出三番叟、黑御簾音樂メドレーを聽く。午後いつもの溫泉に浴す。歸途主治醫を訪ひ藥を請ふ。雨ふたゝび來りて突風起り折々吹降りとなる。シヾミ君體調不良。呼吸せはしくいかにも苦しげなり。文化放送サンキュータツオと澀谷らくご相撲特輯にて立川寸志の佐野山と立川左談次の阿武松を聽く。寸志は編輯者の職を辭して四十四歲の時談四樓の弟子となり現在五十歲なりといふ。口跡小氣味よし。左談次マクラにて前座當時の思ひ出を語るに三遊亭圓生が好みし湯の溫度は六十七八度にて前座は溫度計を用ゐて湯溫を入念に保ちたりとぞ。
雨。成人の日なり。夢見るシャンソン人形の愛らしき歌唱にて一世を風靡せしフランス・ギャル享年七十を以て歿す。星野仙一といひフランス・ギャルといひ七十歲は餘りにも若し。
NHK-FM邦樂のひとゝきにて箏演奏家吉田興三郎のさらし風手事、五十鈴川、尺八演奏家小山菁山の朝風を聽く。晡時瀨港線なるY!mobileに赴きPHSを携帶電話に變更す。余がPHSを使ひ始めしは平成十二年四月のことなれば早や十八年を經たり。PHSは早晚廢止せらるゝを以て澀々機種變更をなせるなり。スマートフォンとやらには興味なく必要も感ぜざればSimplyといふ所謂ガラパゴス携帶を購入したり。機種變更手數料無料、機種本體無料、電話代また無料なり。一時間ほどにて手續完了す。日暮雨勢増したり。
晴れて風强し。NHK總合林家正藏の演藝圖鑑にて桂吉弥の狸賽を聽く。マクラにて自らの出囃子につきて語りたり。眞室川音頭といふ山形の民謠なる由。吉弥は大阪府茨木市出身にて山形とは緣もゆかりもなけれど出囃子が緣となりて二年前より眞室川のふるさと大使を務めるなりといふ。余が好む當世噺家の出囃子を茲に記し置く。
噺家 | 出囃子 |
---|---|
橘家文左衞門 | 三下りかつこ |
橘家圓太郎 | 圓太郎囃子 |
金原亭馬生 | 七福神 |
桂あやめ | 菖蒲浴衣 |
桂吉弥 | 真室川音頭 |
桂小春團治 | 小春團治囃子、栗餠 |
桂竹丸 | おはら節 |
桂文枝 | 本調子中の舞 |
桂文治 | 武藏名物 |
桂文珍 | 圓馬囃子 |
桂米助 | テイク・ミー・アウト・トゥ・ザ・ボールゲーム (私を野球に連れてつて) |
古今亭菊志ん | 神田祭 |
古今亭菊之丞 | 元祿花見踊(追囘し) |
古今亭寿輔 | シャボン玉 |
古今亭文菊 | 關三奴 |
五街道雲助 | 箱根八里 |
三遊亭歌之介 | われは海の子 |
三遊亭歌武藏 | 勸進帳 |
三遊亭金馬 | 本調子かつこ |
三遊亭兼好 | さんげさんげ |
三遊亭好樂 | ずぼらん |
三遊亭小遊三 | ボタンとリボン |
三遊亭白鳥 | 白鳥の湖 |
三遊亭遊雀 | 粟餠 |
三遊亭圓丈 | 官女 |
春風亭一朝 | 菖蒲浴衣 |
春風亭一之輔 | さつまさ |
春風亭小柳枝 | 梅は咲いたか |
春風亭昇太 | デイビー・クロケット |
春風亭朝也 | 郭八景 |
春風亭百榮 | 月の卷 |
笑福亭鶴光 | 春はうれしや |
笑福亭鶴瓶 | トンコ節 |
昔昔亭桃太郎 | 舊桃太郎 |
川柳川柳 | 三味線ブギ |
瀧川鯉昇 | 鯉 |
桃月庵白酒 | 江戶 |
入船亭扇辰 | からかさ |
入船亭扇遊 | 道成寺の合の手 |
柳家さん喬 | 鞍馬獅子 |
柳家はん治 | 雛鶴三番叟 |
柳家わさび | 四君子 |
柳家一琴 | 雨の五郞 |
柳家花綠 | お兼ざらし |
柳家喬太郎 | まかしよ |
柳家三三 | 京鹿子娘道成寺 |
柳家小せん | せり |
柳家小三治 | 二上りかつこ |
柳家小里ん | 春雨 |
柳家小滿ん | 醉猩々 |
柳家權太樓 | 金毘羅舟々 |
柳亭こみち | 供奴 |
柳亭市馬 | 吾妻八景 |
柳亭小燕枝 | 三社祭 |
立川志の輔 | 梅は咲いたか |
立川志らく | 花嫁人形 |
立川生志 | あじやら |
立川談春 | 鞍馬 |
立川談笑 | 佃、野球拳 |
鈴々舍馬風 | 本調子のつと |
文化放送志の輔ラヂオ落語DEデートにて二代目三遊亭圓歌の羽團扇を聽く。昭和三十八年正月元日文化放送お笑ひ千兩箱の口演なり。TBCラヂオ魅知國寄席にて六華亭遊花が猫の茶碗を聽く。ラヂオNIKKEI第一寄席あぷり阿佐ヶ谷あにめ座寄席にて三遊亭圓馬の蒟蒻問答を聽く。セキセイ鸚哥シヾミ君の嘴いと長く伸びたるを切る。腎臟病を患ふ鸚哥は嘴伸びるとは醫師の談なり。今年もアサリ君シヾミ君宛に動物病院より年賀の葉書屆きたり。磯邊卷と安倍川餠を食す。アットFM山下達郎サンデー・ソングブック聽取者希望曲特輯にてスモーキー・ロビンソンの「Daylight & Darkness」を久振りにて聽く。名唱なり。この日の曲目を記す。余が愛するドゥー・ワップ二曲放送せられたり。
ラヂオ關西内海英華のラヂ關寄席にて笑福亭喬介が家見舞、桂壱之輔が竹の水仙を聽く。いづれも昨年十一月二十七日道頓堀角座の口演なり。七草粥を食す。TBSらんまんラヂオ寄席にて三拍子の漫才、堺すすむのギター漫談、五街道雲助の代書屋を聽く。BS12ミッドナイト寄席ゴールデンにて三遊亭好吉の釜どろ、立川志獅丸のざるや、柳家かゑるの東北の宿を聽く。
曇天。NHKラヂオ第一眞打競演にて東京丸京平の漫才、ぴろきのウクレヽ漫談、三遊亭歌之介の替り目を聽く。汁粉を食す。STVラヂオにて五代目柳家小さんの御慶を聽く。昭和五十一年十二月二十三日第三十八囘STVホール名人會の口演なり。
曇天。NHKラヂオ深夜便にて春風亭ぴっかり☆の創作落語こうもり、立川こはるの寄合酒を聽く。午後溫泉。
快晴。風なし。NHKラヂオ深夜便にて三遊亭好吉の雜俳と柳亭小痴樂の花色木綿を聽く。小痴樂は當節の二つ目噺家に珍しく古典落語一筋にて餘計なるくすぐりは一切用ゐず、噺本來のおかしみを傳へむとして賴もしき限りなり。スポニチアネックスにてタモリと藤井聡太の對談を讀む。NHK-FM浪曲十八番にて国本晴美と国本はる乃の掛合浪曲眞柄のお秀を聽く。曲師沢村豊子伊丹明。AFP通信によるに本年のカンヌ國際映畫祭審査委員長はケイト・ブランシェットなりといふ。舊臘大晦日に聞きそびれしニッポン放送柳家花綠の笑つてサヨナラ二〇一七にて創作時事落語選ばれし者、もりかけ屋、謎のビットコイン、パラダイス・シアターをラジコのタイムフリーにて聽く。
空は好く晴れしが西北の風吹荒れて寒し。NHKラヂオ深夜便講談篇にて神田松之丞の寬永宮本武藏傳と神田蘭の創作講談信長と吉乃を聽く。BS-TBS新春落語硏究會にて柳亭市馬のお神酒德利と古今亭志ん陽が疝氣の蟲を聽く。NHK-FM邦樂のひとゝき義太夫篇にて竹本綾之助が戀女房染分手綱重の井子別れの段を聽く。三味線鶴澤津賀花。BS-TBS新春落語硏究會にて柳亭市馬のお神酒德利と古今亭志ん陽が疝氣の蟲を聽く。市馬の語りまことに佳し。テレビ愛知新春大須名人落語會にて柳家權太樓の代書屋を聽く。NHK總合東西笑ひの殿堂にて桂文珍が昭和のお父さん、立花家橘之助の三味線漫談、柳亭市馬の七福神、三遊亭歌太郎の庭蟹、タイムマシーン3号の漫才、桂米團治は正月丁稚を急遽取りやめて茶漬間男、ナイツの漫才、春風亭昇太が看板のピン、U字工事、三吾美ユル、酒井くにおとおる、中川家、爆笑問題、オール阪神巨人の漫才を聽く。
晴後に陰。BS-TBS新春落語硏究會にて春風亭一之輔が粗忽の釘、柳家小滿んの羽團扇を聽く。テレビ愛知新春大須名人落語會にて柳家權太樓のちりとてちんを聽く。NHK-FM新春吟詠にて前山紫峰のときはなる、田畑水姬の同前に和し奉る、伊藤契麗の時に憩ふ、塩澤宗鳳が江南の春、梶原麗修が應制天の橋立、宇井修光の春日偶成を聽く。午後溫泉。テレビ愛知開局三十五周年紀念笑ふ大須演藝塲にて中川家と宮川大助花子の漫才を聽く。TBSらんまんラヂオ寄席新春特別番組にて五代目柳家小さんのうどん屋を聽く。昭和四十三年の口演なり。ラヂオNIKKEI第一寄席あぷり阿佐ヶ谷あにめ座寄席にて林家きく麿の守護靈、春風亭一之輔のらくだを聽く。
陰曆十一月十五日。天氣牢晴。BS-TBS新春落語硏究會にて三笑亭夢丸の附子を聽く。東海テレビ第五十一囘爆笑ヒットパレードに柳原可奈子のコント、宮川大助花子とナイツの漫才を聽く。NHK-FM邦樂のひとゝきにて谷珠美01雨が箏曲夜の月、坂田梁山の尺八石淸水を聽く。文化放送志の輔ラヂオ落語DEデート新春特別番組にて三代目三遊亭金馬の初夢、四代目江戶家猫八の動物物眞似、古今亭志ん生の火焰太鼓を聽く。志ん生の噺は昭和三十三年正月元日ニッポン放送初笑ひ志ん生獨演會の口演なり。サゲは正月にふさはしく「ドンドンと儲かる、太鼓だから」なり。午後ヤマト運輸に赴きN子宅宛に食料品一箱を送る。抑鬱亭にかへるに一階玄關郵便箱前の床に小さなる四十雀一羽蹲りてあり。體に觸れるに旣に息絕えて動かず。尾羽の色は鮮やかにして體溫も冷たからざるところより察するに昨晚或は今朝事切れたるなるべし。何處よりか迷ひ來りて脫出すること能はず、全面硝子張の壁に激突して命を落したる歟。まだ三歲ぐらゐの若鳥に見ゆ。放置するに忍びなく慈君と倶に植込の目立たぬところに埋葬す。三重テレビ新春淺草お茶の間寄席のナイツの漫才、ぴろきの漫談、三遊亭小遊三が粗忽の釘はいづれも昨年放送されし番組の再放送なり。TBSらんまんラヂオ寄席特別番組にて五代目柳家小さんの聲帶模寫と御慶(昭和四十二年)を聽く。聲眞似は昭和三十七年素人寄席新春特番の隱し藝大會にて披露したる神田松鯉と一龍齋貞山なり。初更新幹線にて自宅にかへるN子を地下鐵道駅に送る。十五夜の月鏡の如し。