陰。氣分すぐれず。公演チラシの文案を推敲す。飜譯少々。PHSにて小島氏と商議中居間に電話かゝりて母上の應ずるに電話の主はN大學のK氏なり。明日ふたゝびかけますとの事なり。何の用件ならむや。
快晴。困臥半日。高野文子るきさんを讀む。讀賣新聞調査による阿倍内閣支持率七割三厘、朝日新聞六割三分。
快晴。中京大學後期始業日なれど休講にして終日困臥。
快晴。九時主治醫の診察を請ふ。不調を訴へるにドグマチール50mg追加處方さる。大學に電話かけ明日の休講を傳ふ。O孃の返書を得たり。
くもりて夜雨ふる。終日困臥。高野文子おともだち、ラッキー孃ちやんのあたらしい仕事を讀む。阿倍内閣發足。市川昭介歿。
晴れたる空夕刻に至りくもる。東北の風生暖かし。終日困臥。高野文子棒がいっぽんを讀む。奧村さんのお茄子何度讀みてもおもしろし。丹波哲郎歿。享年八十四。
今日も晝夜蓐中に臥す。病遂に恢復しがたきが如き心地して憂愁禁じがたし。
終日困臥爲すことなし。この日秋分なり。
終日困臥。
秋暑昨の如し。終日困臥す。〆さばヒカルの訃に接せり。自殺說あり。享年三十七。
秋暑甚し。十時十分新幹線のぞみ號にて東上、品川下車、山手線に乘換へ惠比壽より地下鐵道にて廣尾に出づ。日射し强く樹影盛夏の如し。CICADAにて小島氏村田氏と晝餐をなし秋公演のことにつきて商議す。三時店前に別る。新幹線車内の速報板阿倍晉三自民黨總裁選出とタイのクーデターを報ず。五時名古屋着。日暮理髮舖に立寄り家に向ふに前方よりぐしやりと金屬の潰れる音響きけり。乘用車二臺出會頭に衝突事故を起しぬ。至近に交番あり、大丈夫ですかあと叫びながら若き巡査驅つけたり。怪我人はなき樣子なりき。愛知縣は今年も交通事故死者數全國一なり。愛知ほど運轉の粗暴なる縣を他に知らず。大阪より酷し。鴨田川に蝙蝠數多飛交ふを見る。
朝驟雨。日脚際立ちて短くなりぬ。曇りし日には夕方五時半を過ぐれば書窓忽暗淡たり。明日に備へ久振りにエバミールを飮み寢に就く。
陰。强風終日吹き歇まず。月曜なれど通學兒童の聲なく瓦斯工事の騷音も聞えず、何故ならむやと壁の曆をみて初て敬老の日なるを知る。眠を貪ること昨の如し。
陰晴定らず。五週間振りにテニス敎室に參加す。前囘B集團に加はりしが運動量甚しく苦痛のみ覺えたればふたゝび A集團に戾りぬ。前期に引續きて來れるは榊原夫妻、スリランカ人ソローン氏、武藤氏の四名なり。久振りゆゑ勘戾らず惡戰苦鬪するばかりなり。午後雨來らむとして來らざるを幸に洗濯し午睡。睡魔に襲はるゝこと晝夜殆ど時を擇ばず。マリナーズのイチロー六年聯續二百本安打達成。驚嘆の外なし。
秋の空薄く曇りて見るもの夢の如し。終日惰眠を貪る。蓐中につげ義春を讀む。
風雨曉明に歇む。陰。週末來何の故とも知らず身體の疲勞覺えこと甚しく、朝夕のわかちなく唯うつら/\と眠氣を催し殆支ふること能はざるなり。今年の一二月頃までは心つかれて執筆に從事する事能はざる折には、網站の更新などしてわづかに身のさびしさを忘れゐたりしが、今はその果敢きたのしみさへ失はるゝに至りぬ。悲しいかな、我が文墨の生涯もこの秋を名殘にして終を告るにいたりしならむ歟。唯怪しむべきは健康の頽廢旣にかくの如くなるに食慾のみ猶平生に異らざることなり。大阪市北區に天滿天神繁盛亭開業す。上方落語の定席は昭和初期以來なり。
秋霖霏々。物書かんと試みたれど睡氣を催すばかりにて書く事能はず。聯日筆を把らんとすれども得ず。蟲語喞々たり。
雨。朝夕の寒さ身に沁むばかりなり。病院に行き診察を請ふ。歸途三郷やまとの湯に立寄り露天風呂に浴す。マッチョをぢさん來りて在り。風貌物腰聲音いづれも立松和平に瓜二つなり。夕餉の後栗羊羹を食す。
陰。朝寒し。半ズボンを脫ぎジャージを穿く。晝過ぎ漸く脫稾。疲勞を覺え橫臥、忽ち華胥に遊ぶ。眠より寤むれば六時なり。いつしか雨になりぬ。夜に入りて雨中蟲の聲いよ/\多し。秋篠宮家の長男命名の儀にて悠仁と命名さる。
香流通りにふたゝび瓦斯工事始まる。何のかのと言ひながら昨秋より斷續的に同じ路面を掘返しては埋むなり。何故にかくもだら/\と工事を續けるにや。思ふに末端の土木業者に仕事を割振り工事發注を增やす心ならむ。騷音厭ふべし。一時車を運轉しメディカルクリニックに徃きカウンセリングを受く。前囘は失念し受けざりき。旅の顚末、歸國後の不調のことなど話す。二時半家にかへり草稾の筆とるも感興全く來らず。胃痛、下痢を催し呻吟病牀に伏す。おじやる丸原作者犬丸りん自宅マンションより飛下り自殺。仕事ができないなど遺書ありといふ。四十八才。他人事ならず。
陰晴定まらず。蒸暑し。筆進まず。
今日も蒸暑し。筆を秉るも感興索然たり。阿部謹也歿。享年七十一。
風しめりて溽蒸忍ぶべからず。原稾四枚を書き得たり。余が秀丸エディターを使ひ始めてより十年の月日は經ちぬ。秀丸を使はざる日なし。この日誌も秀丸 ver.6.0 β40 を用ゐて書くなり。夕食の後ケリの啼くを聞く。
微雨降りてはまた歇む。鬱蒸甚しく空暗きこと昨の如し。氣分よからず終日困臥。夕刻ベアトリーチェの返書を得たり。
午より雨降りつゞきて肌寒く暗き日なり。欅に少しく色づきたる葉あり。小學生の集團登校例の如し。三時衞星第二放送にてジェニファー・コネリー自らを語るを見る。久振りにラヂオビバリー晝ズを聽くに高田文夫いつしか復歸しゐたり。秋篠宮夫妻に男兒誕生。皇室典範改正論議中斷さるゝべし。余は雅子妃の胸中を憂ふ。
曇。秋風涼爽なり。草稾執筆に一日を消す。長久手溫泉ござらつせにて沐浴。永らく食卓に會話なし。奧田瑛二長い廊下モントリオール活動寫眞祭一等。
晴れたる空には雲多く浮びて折々曇る。Tさんの誕辰なれば電話をかけ之を賀す。聲を聞くは半年振りならむ歟。近況を問ふに五月末首を刄物で刺し自殺を圖るも未遂に終り、六月七月の二ヶ月間熊本の閉鎖病棟に醫療保護入院し、今は熊本を離れ大分に在りといふ。Tさんは眞面目正直にして誰もが羨む美貌の持主なれど、自己を嫌惡すること甚しく、獨り懊惱を抱へ鬱々として日を樂しまず、暗き井戶の底に沈殿する傾向あり。余と似通ひたるところ多かれば他人とは思はれず。談笑一時間半ばかり、自分自身を好きになれゝば良いね、自己を肯定するのが二人の宿題だねと言交はして電話を切りたり。原稾執筆終日。帝國劇塲にて森光子放浪記通算壹千八百公演達成。蟲聲雨の如し。
晴れて秋暑熾なり。テニス敎室の日なれど小島氏と會唔の約あれば徃かず。十時二十五分の新幹線のぞみ號にて東上、南麻布CICADAに小島氏と晝餐をなし今後のことにつきて商議す。獻立は海老のスパイシーソテー、骨付き仔羊のロースト・アンチョビ・ローズマリー風味、ティラミス、ピスタチオクレームブリュレ、珈琲なり。六時過歸宅。夕陽明媚。
風ありしかば思ひしよりは暑からず。新聞各紙を讀むに去十七日河合隼雄腦梗塞の緊急手術を受けたりしが人事不省に陷り今日に至り、肺炎を倂發したりといふ。余はグラナダに在りし時のことなれば今日まで知らず。晝飯の後信州小布施町竹風堂の栗かの子を食す。エバミールを飮み寢に就くこと昨の如し。
舊七月九日。朝雨ふる。雨後の空澄渡りて秋涼襲ふが如し。揭示板に田舍漢の餘計な書込み多く續き不愉快限りなし。迷惑を蒙るは余一人にあらず。永らく網站を運營すれば必ず不愉快なことに遭ふ。門を掩うて出でざるに若かざるなれど詮方なし。他人の揭示板に氣安く常駐し愚にもつかぬ駄辯を弄するもの世に尠からず。事理を解せざる田舍漢と酒狂人ほど厄介なるものはなし。久振りにエバミール1mgを二錠飮み寢に就く。