こんな夢を見た。
小体な古本屋。黄金世紀か中世関係の英語の研究書を見つけて買う。店の外に出ると、道端で丸谷才一が小さな台に乗り、往来の人に向かって、なにかの文学賞を獲った記念演説をひとりでぶっている。自分は呆気にとられて、店先で聴いていると、隣に大江健三郎がやって来る。丸谷の白々しい美辞麗句に、大江が呆れた顔で、こちらに共犯者の笑みを浮かべてみせる。どっちもどっちだと、自分は心密かに思う。