こんな夢を見た。
大学の教室で講義をしている。建物に見覚えはないが、なぜか清泉女子大学だと分かっている。学生は十名ほど。何の教材か知らないが、授業は講読である。学生はさっぱり読めないどころか態度が横柄である。突然立ち上がって室内をうろつくかと思うと、隣りの学生と世間話をするわで、しまいには自分の存在は完全に無視され、収拾がつかなくなる。女子大なのにどういうわけか男子学生も混じっている。
怒鳴りつける。「なに喚いてるの、この人」という調子で、学生の騒ぎは収まらない。そこへノコノコと学生が遅れて現われ、自分への詫びの言葉をかける前に友達と立ったままお喋りを始める。堪忍袋の緒が切れて、机と椅子をかきわけて彼女のそばに寄り、平手打ちを食らわせる―――が、振りかぶるモーションが大きかったせいで彼女に身をかわす隙を与えてしまい、振り下ろした手が顎の先に鈍い音を立てて当たっただけだった。間が抜けている。
授業は諦め、憤懣やるかたなく、地下鉄の駅へ向かう。風景にも駅舎にも見覚えはないのに、なぜか都営三田線の駅だと分かっている。時計をみる。八時四十分。「『スター・ウォーズ帝国の逆襲』に間に合うぞ」と心の中で呟き、地下鉄にいざ乗らん歩みを早めたのも束の間、「駿河台大学で授業があるじゃないか」と思い出し、踵を返して別の路線へ急ぐ。それにしても何故男子学生がいたのか皆目分からない。