こんな夢を見た。
見覚えのある人たちに囲繞されている。場所に心当たりはあるが、何処かは判然としない。「前にもこんな情況になったな」と思い、周りを見るが、記憶は断片的でまとまりがつかない。数人の友人である。いつ頃知り合ったのか、そもそも知り合いなのかどうかも定かではない。だが「友人だ」という謂れのない確信がある。はたして辺りには気心の知れている者同士たち固有の馴合いの雰囲気が漂っている。そんな奴らと大学の生協らしき食堂に入る。傍らに糸井重里がいる。誰もが口を緘してひとことも喋らない。自分はどうやら友人たちに責め立てられているらしい。糸井は気づかぬふりをしている。糸井は微笑みを絶やさぬ男のはずだが、なぜかのっぺらぼうで、顔がない。ないが、糸井に間違いはない。顔のない糸井。自分は何を食べたかも分からなかった。