夢百夜

こんな夢を見た。

誰かが誰かと、くんずほぐれつ格闘し、一人がもう一人の目をえぐりとる。自分は横目で見ながらバス停でバスを待っている。手持ち無沙汰で、煙草が欲しくなった。だが、人通りの多い繁華街にしては自動販売機がひとつもないのが不思議である。横丁にやっと見つけた「たばこ」の赤い看板のもとに行くと、窓が舗道から妙に高いところにある点を除けばなんの変哲もない煙草屋である。青年が座っている。三島由紀夫に似た顔だ。マルボロ、と五百円玉をさし出すと、そそくさと金を受け取り釣りを渡しておいて、棚を物色し、ないとぶっきらぼうに言う。じゃあ残りの金を返してくれとせがむと、なぜか知らぬ存ぜぬである。状況を論理的に説明してやるのだが、呑込ませるのに苦労する。疲れる。

バスが来た。長距離バスで、切符に「三列通路側」とある。前の席に、みのもんたが座っている。。後部には中学生か高校生らしい少年たちがワイワイガヤガヤ騒いでいて、時折自分のの名前を口に出す。その口吻は批判的で自分は脂汗が出てくる。。「乗客のひとこと集」のような回覧板が回ってくる。自分もそこになにやら一文を書く。後部座席の連中は自分の過去を揶揄する言葉を連ねている。バスの行き先は思い出せない。