夢百夜

こんな夢を見た。

女と冒険旅行に出かけている。冒険だから、龍を仕留めるとか、鬼を退治するとか、未知の湖を発見するとか、後世の人に天晴れと賞賛されるようなことをすればよいものだが、鬼も出なければ龍もいない。とんだ冒険である。これでは冒険という言葉が可哀相ではないか。

女も女である。自分の気が女からちょっとそれると、ぷっと膨れて腕をとり、こともあろうにその腕を股間へ導く。下着のうえから温かい陰部を撫でさすると女は目をとろんとさせる。大きな目で、髪は長い。風貌は決して自分の好みではない。むしろその存在が腹立たしいくらいである。なんの因果でこんな女と冒険しているのか。理不尽にもほどがある。だがもっとも理不尽なのは、冒険の発案者が自分だということである。