夢百夜

こんな夢を見た。

何処かの古い屋敷か、地方の公民館らしき建物の二階。十五畳か二十畳くらいありそうな座敷。折畳みの脚がついた細長い卓と座布団が並んでいる。大勢人がいる。親戚のように見えるが、どうやら違うらしい。自分は隅の卓で、野田秀樹と話している。目の前にある公演チラシの束に一枚いちまい目を通しながら、チケットの売れ行きが芳しくなくてという野田に、ニフティーでの告知を勧めてみるが、野田は上の空である。ときどき言葉をかけてやるが、うん、とか、そうだね、と曖昧にうなずくばかりで埒が開かない。

自分は封書を受け取っている。小学校時代の同級生の女の子だ。あの頃の僕への接し方が陰険だったことの詫びを、数枚の便箋に几帳面な字でびっしり書いてある。

いったい何の集まりなのか。クラス会のような気もする。「クラス会のようだ」と思った矢先に、やはり同級生のS君がこっちを見て笑っている。九州大を出て結婚してカナダに行った男だ。やはりクラス会なのか。では野田秀樹はここで何をしているのか。