夢百夜

こんな夢を見た。

誕生日である。実家にいる。たまたま手許にあった楽譜を開き、エレクトーンを弾く。近所にとやかく言われたくないので音量は最少する。ならばヘッドフォンにすればよさそうなものだ。エレクトーンは居間の壁に面している。右側には別の部屋へ通じるドアがあり、弾いているの右手の壁にはソファーがある。ソファーには妹が二人座っている。別の部屋からお袋が、素材は知れぬが一方は緑、他方は赤に全体が塗られて蝋燭が何本も立てられたケーキをもち、ハッピバースデー、と歌いながら現われる。二人がケーキを食べはじめると、どこからか甥のRがやってきて妹の横にピタリと直立し、羨ましそうに涎を垂らす。食わせてなるものか。