夢百夜

こんな夢を見た。

見知らぬ町。だだっ広いわりには妙に閑散としているスーパーで夕食のおかずを買って帰ろうとしている。今夜は鍋だ。魚売り場で鱈を見つける。一切れ千円だという。いくらなんでも高すぎる。文句を言うと店員は「シジミはどうですか」と勧める。何故鱈の代わりがシジミなのか。だが背に腹は変えられぬ。大きな水槽でシジミを売っている。壁に柄杓のようなものがぶら下がっている。掬いたいだけ掬えばいいらしい。水槽は途方もなく深い。水面は今にも縁から溢れ出んばかりである。柄杓を持ち、水槽にゆっくりと沈める。どんなに腕を突っ込んでも底のシジミには届かない。