夢百夜

こんな夢を見た。

上の妹を除いた家族四人で中東のどこかの国に移り住んでいる。父が転勤したらしい。近所の店を覗く。缶詰や煎餅のほか、隅の方に古本がある。覗いてみると「キネマ旬報」の創刊号以下全てのバックナンバーが雑然と並べられている。数冊購入。講読している朝日新聞の国際版や地元の新聞はすべて日本語で、テレビ欄には三橋美智也だのペギー葉山だのの音楽番組がある。どこでもやってるんだな、と感心する。「そんな名前知らない」と下の妹が言う。

夜中。眠れず台所でコーヒーを沸かす。妹も起きてくる。時間が飛ぶ。四人が座卓を囲んでゲームに興ずる。宇野千代の話題。「談志が言ってたよ、稼いでたよって」と自分が言う。雑誌のバックナンバーを店に置き忘れたことに気づく。明日取りに行こう。