夢百夜

こんな夢を見た。

東京外語大。講師として出講している。だが何故かT先生の講義を聴講している。数百人がぎっしりと入った大講義室は劇場さながら闇に包まれていて、仄かな光に浮かぶ壇上の先生は白装束でお岩さんを演じている。

隣では、映画を上映している部屋がある。何を上映しているのか知らぬまま入る。百人入れば一杯になりそうな小さな部屋で、真ん中あたりの右端の席が空いていたのでそこに座る。持参したノートパソコンを膝に載せ、映画が始まるまでキーボードを叩いていると、オーケストラ部の部員数名が通路のあちこちに立って、スクリーンに向かってファンファーレを奏ではじめる。それが余りにも長くて、たちまちブーイングが巻き起こる。

映画が始まった。すると自分のパソコンの画面がスクリーンに投影された。顔が真っ赤になる。ノートパソコンを紙袋に入れ、慌てて部屋を飛び出す。迷路のような通路を進み、狭苦しい更衣室に入る。入り口の左手に三段の階段があり、登った右手奥が脱衣場だ。窓辺になぜかセーラー服のスケバン風の女の子が三、四人いて、上半身裸になってなにやら隠微な快楽に耽つている。自分は何時の間にか体操着に着替えている。服に着替え直す。こんな所にいてはいけない。脱衣場は狭苦しく、頭を屈めながら、丸めた体操着を抱えて窓辺に出ると、互いに上半身をまさぐり合っている女の子の間をかいくぐらないと表の通路には出られない。その際、ちょっと失礼、と小刀にした右手が、ひとりの女の乳房に触れた。