夢百夜

こんな夢を見た。

西班牙への渡航が決まった。空港へ車を飛ばす。車はカブリオットで、亜米利加人らしき女が運転している。なぜか分からぬが、たしかに亜米利加人である。旅行代理店の人かも知れぬ。出発間際で女は焦っている。車は恐ろしい速度で突っ走る。。自分は気が気ではない。

空港で搭乗券を係員の女に見せる。八六番と番号が振ってある。整理券らしい。なるほど行列があり、ざっと見て三百人はいる。係員の女は搭乗券を見ると憮然とした表情で、上司らしき男にしぶしぶ相談に行く。車の女も「なぜそれを早く見せなかったのか」と呆れて不平を鳴らす。女は同行が無駄足だったと思っているようである。文句を言われる筋合いではない。自分は女と別れて、ひとり荷物を乗せたカートンを押してエスカレーターで二階へ上がった。二階はなにもない。だだっ広い空間が、ただ、だらしなく、何処までも続いている。自分は女のことが気になった。だが、エスカレーターに下りはない。