こんな夢を見た。
筑紫哲也と渡辺真理と肩を並べて地下の映画館を出る。日比谷らしい。出口に行列が延びている。その横を衆目を浴びながら三人で歩く。「渡辺さんは電話をするといつも留守番電話だから、筑紫とは付き合いたくないということなんでしょうね」と笑う筑紫に「そんなことありませんよォ」と渡辺が応じる。
右の小道に入ると日比谷シャンテっぽい広場。だが、正面にはマドリードのプエルタ・デル・ソルの州庁舎のような石造りの立派な建物があり、広場中央にはその建物と色調がおなじ細長いオブジェがチェスのコマのように整然と並んでいる。左手には水が出ない噴水。左の彼方には小高い丘、中腹まで家が立ち並ぶ。「ここにくるたびにスペインを思い出すんですよ」と二人に呟く。ああそうですか、と二人。噴水の方へ向かう筑紫。ぼくは渡辺真理を彼の隣に立たせ、彼女のカメラで二人を撮る。