夢百夜

こんな夢を見た。

上の妹以外の家族四人で車に乗っている。「乗り心地いいかい?」と後部座席のお袋が助手席の親父に訊ねる。返事はない。運転しているのは自分である。テーマパークへと向かう道か、あるいは施設内の通りなのか、いつしか車は屋根のないバギーカーのようなものになっている。とても四人が乗れる代物ではないのだが、肩寄せ合って乗り込む。

場面が変わり、はるか地平線まで水没している土地に出る。息を深く吸い込み、二人一組になって水中に潜り、中に浮かぶ島のようなところに出る。辺り一面は水また水。島には庭園らしき建造物がいくつかある。そこが西班牙のフェリペ四世時代のレティーロ公園であること、造園を手がけたのは伊太利亜から招かれた水力技師のコジモ・ロッティであることを解説してやる。もときた道を同じ手順で辿りなおして敷地を出る。日はとっぷりと暮れた。手頃な宿を探す。手もとのパンフレットに、テーマパーク内に目当ての宿があったことが分かり、とって引き返す。