夢百夜

こんな夢を見た。

中学時代の友人W君と一緒にマドリードの駅に降り立つ。目の前に公園がある。レティーロか。右は小綺麗なアパートが林立し、左は旧市街である。足は自然に左へ向かう。

突然、向こうから二、三人の男が奇声を発しながら迫ってくる。日本人観光客を狙う窃盗団とすぐに分かった。逃げようとした矢先にこっちに向かって拳銃を撃ちはじめる。足がすくんだその隙に襟首を捕まれてしまった。右左とパンチを繰り出し顔面に肘鉄を食らわせて応戦したが、一向に利かず、相手はヘラヘラと笑っている。

眼鏡で面長の男である。事の次第は忘れたがわれわれは無事だった。ヘラヘラと笑うような奴につかまるほど間抜けではない。