ごあいさつ 2011年

「皇太子ご夫妻ら」

きのうのアサヒコムの見出しに目を疑った。皇族の方々に対して「ら」はないじゃないか。念のため辞書で「ら(等)」を調べてみると――

おもに人に関する体言(代名詞を含む)について、複数を表す。また、多く自分・対等以下の人に対して用い、謙譲・親愛・見下しの気持ちを含んで、それと同類のものをばくぜんと指して言う。(学研国語大辞典)

人を表す語に付く場合はしばしば謙譲または蔑視の気持ちを含む。目上の相手については使わない。(明鏡国語辞典)

人を表す名詞・代名詞、また指示代名詞に付いて、複数であることを表す。目上の人を表す語には付かない。(大辞林)

見出しは最小限の文字数で書くのがしきたりとはいえ、「ら」はひどい。一文字増やして「皇太子ご夫妻ほか」とすればよいではないか。

2011年12月28日


まかない飯

いま「まかない飯」が静かなブームです。
きょうは当サイトおすすめの「まかない飯」をご紹介します。手軽で簡単、とってもおいしいですよ!

☆★仔羊の香草ハーブ仕立て 赤ワインソース★☆

●材料 4人分
仔羊肉(骨付き背肉)……8~12本
ニンジン…………½個
タマネギ…………½個
ニンニク…………適量
バター……………10g
オリーブオイル……30g
蜂蜜……………50cc
白ワインビネガー…20cc

●エスカルゴバター
パン粉…………40g
バター…………100g
パセリ…………½束
タイム…………¼パック
セルフィーユ…½パック

●赤ワインソース
赤ワイン…………70g
コニャック………40g
ジンジャー………ひとつまみ
コリアンダー……ひとつまみ
シナモン…………ひとつまみ
エシャロット……⅔個
マッシュルーム…1パック
フォンドボー……100g
バター…………40g
塩………………適量
胡椒……………適量

作り方はこちらのサイトを参考にして下さいね!

2011年12月27日


良い年になり……ますか?

今年はクリスマスイブとクリスマスが土日で大喜びした人が多いと思いますが、そのせいで大晦日と元日も土日ですよ。こんなに不運な年末年始があるでしょうか。「良い年になりますように」と祈りたくても、出鼻をくじかれた感じ。来年だけ特例で「元日振り替え休日」を導入していただきたい。

2011年12月26日


サンタとルドルフ

サンタとルドルフ「ルドルフ、ご苦労だったね」
「はい、がんばりました」

2011年12月25日


カストロさん

オサマ・ビン・ラディンがアメリカの特殊部隊に暗殺され、カダフィ大佐が白昼リンチで殺害され、この年の瀬に金正日が急病で頓死。そんななか、カストロさんは元気です。暗殺を企てられた回数は638回で世界一。ギネスブックが認定しました。毒入りの葉巻、爆薬を仕込んだ野球のボールもなんのその、毒入りミルクセーキも飲まずに済みました。ずば抜けた危機回避能力です。

2011年12月19日


「ボタンを押して下さい」

日ごろよく利用するエレベータにこんな注意書きがある。

「行きたい階のボタンを押して下さい」

これほど用をなさない注意書きがあるでしょうか。

2011年12月13日


GREEN ACTIVE

中沢新一さんが中心となってスタートした運動の名称が GREEN ACTIVE に決まりました。モットーは自立・共生・友愛。今まで日本になかった新しい価値を創造する、やわらかい運動体。現在オフィシャルサイト構築の真っ最中だそうです。政党名は「緑の日本」になる予定ですが、結党までは少々時間がかかる模様。

2011年12月9日


緑の党(のようなもの)

東日本大震災発生から間もない4月5日に「緑の党のようなものをつくる必要がある」と宣言した中沢新一さん。今夜7時、DOMMUNE (ドミューン)で「緑の党のようなもの」の概要を発表なさるそうです。出演は中沢新一、宮台真司、いとうせいこうの三氏。

2011年12月7日


とりかえるしかない

今月7日(水)に「とりかえっ語」が十周年を迎えます。こんなに続いたのも皆さまのおかげ。こうなったら命ある限りとりかえましょう。

2011年12月1日


小咄

男がバーでいい女を見つけた。

「ねえ、一杯つきあいなよ」
「まあ! なんでベッドに行こうなんて誘うんですか」
「そんなこと言ってやしねえじゃないか」

押問答の末に女は旋毛を曲げてその場を去った。バーテンが男を叱る。しばらくして女が戻ってきて男に謝った。

「先ほどは失礼しました。実は心理学を専攻していまして、ああ言ったら男の人がどう反応するかを見る実験だったんです。本当に申し訳ございませんでした」
「なに? 一晩200ドルだと?」

(立川談志ジョーク集より)

2011年11月27日


立川談志追悼番組

今夜9時30分、Eテレ「日本の話芸」で立川談志の「居残り左平次」が放送されます。ザテレビジョンによると1979年8月3日に放送されたもの。あす26日(土)の午前11時からはBSプレミアムでハイビジョン特集「立川談志 71歳の反逆児」を放送。こちらは2007年2月20日に放送されたものの再放送。「居残り左平次」は26日(土)午前4時半に総合テレビで再放送、28日(月)午後3時にもEテレで再々放送されます。

2011年11月25日


語尾を取って丸十年

勤労感謝の日のきょう、「語尾取り」がめでたく十周年を迎えました。祝日と重なったのもあながち偶然ではありますまい。これからも語尾を取りましょう。語尾を取らずに何を取る!

2011年11月23日


ビクトル・エリセ祭

来週BSプレミアムでビクトル・エリセ監督の傑作が二本立てつづけに放映されます。11月23日(水)午後1:00~2:39『ミツバチのささやき』、翌24日(木)午後1:00~2:36『エル・スール』。一度もご覧になったことがない方、この機会にぜひ。

2011年11月16日


『ラ・セレスティーナ ~三人のパブロ~』東京凱旋公演

先月26日にもご案内しましたが、来月初旬、小島章司フラメンコ舞踊団が『ラ・セレスティーナ ~三人のパブロ~』を上演します。日程は12月2日(金)、3日(土)、4日(日)、会場はル テアトル銀座です。

2009年秋に東京で初演、今年2月27日にスペインのフェスティバル・デ・ヘレスに招聘され、外国の舞踊団として初めてビジャマルタ劇場で公演を行い大成功を収めた作品。今回は凱旋公演です。キャストが一部変更になりましたので、一度ご覧になったお客様も新たな発見があると思います。詳細につきましては小島章司フラメンコ舞踊団のオフィシャルサイトをご覧下さい。

2011年11月9日


Google さん、ありがとう

東日本大震災の消息情報、Google Person Finder が10月30日に終了。とても助かりました。地震発生当日の夜にサービスを開始した機動力に感謝。現在は大洪水に見舞われたタイで公開中。しかし世界中のハードディスクの四割がタイで製造されているとは知らなかったよ。秋葉原ではすでに値上がりしているそうです。

2011年11月1日


人間拡声器

ウォール・ストリートを占拠する運動 "Occupy Wall Street" がどのように始まり、地に根を下ろす運動になったかをナオミ・クラインさんが街頭で演説。聴き入る大勢の群衆。ただし拡声器の使用は禁じられています。拡声器が使えない……ならば、人間が拡声器になればいいじゃないか! クラインさんのメッセージを伝える群衆の姿をご覧下さい。

2011年10月27日


東日本大震災復興支援チャリティー・ガラ『レクイエム』

11月30日(水)午後7時より東京のル テアトル銀座にて小島章司フラメンコ舞踊団がチャリティー公演『レクイエム』を上演します。詳細は公式サイトをご覧下さい。題字は高野山金剛峯寺の飛鷹全隆氏による揮毫です。

また12月2日(金)・3日(土)・4日(日)は同劇場にて『ラ・セレスティーナ ~三人のパブロ~』東京凱旋公演を行います。こちらも詳細につきましては公式ページをご覧下さい。

2011年10月26日


粗忽印鑑本舗

いつもお引き立てをいただき、厚くお礼申し上げます。新作のご紹介です。

面倒面倒面倒

眉唾眉唾眉唾

夜伽夜伽夜伽

2011年10月24日


ありそうでなかった

「本人」印で一線を越えてしまった粗忽印鑑本舗。日ごろのご愛顧に感謝して、ありそうでなかったラインナップを加えました。

実印実印実印

無視無視無視

猫舌猫舌猫舌

2011年10月23日


ご愛顧御礼

ご好評を頂いております粗忽印鑑に新しいラインナップが加わりました。

本人本人本人

論外論外論外

微妙微妙微妙

口に出して言いたいけど言えない、そんなときに力一杯押して下さい。

2011年10月22日


新製品

おとといリリースしたばかりの粗忽の印鑑ですが、「使い方がわからない」というでんでんさんの御意見を拝聴し、新しいラインナップをご用意しました。

無理無理無理

ご家庭で、オフィスで、ご自由にお使い下さい。

2011年10月21日


印鑑

粗忽を証明する印鑑ができました。ラインナップは小・中・大の三種類です。

粗忽(小)粗忽(中)粗忽

さまざまなシーンで勝手にお使い下さい。

2011年10月19日


デザイン

ミルクを注ぐだけで猫が、オオカミが、鳥が……。

フランスのデザイナー、ジェラルデン・デ・ベコさんの作品。アイデアがすばらしいよ。よく思いつくなあ。ぱちぱち(拍手)。

2011年10月18日


11周年と "Think different."

サイトを開設して、きょうで丸11年になります。こんなに長く続くとは夢にも思いませんでした。これも皆さまのおかげです。これからもよろしく。

朝一番で一仕事終えて帰宅したらスティーブ・ジョブズ氏の訃報に接しました。彼の思想は名キャッチコピー "Think different." の二語に凝縮されています。考え方を変えてみる。東日本大震災以後、わたくしもこのコピーを肝に銘じずにいられません。

2011年10月6日


らじれば

ラジオ大好き人間にとって radiko.jp は大いに重宝。陋居はAMの電波が入りにくいのでなおさら大助かり。いずれエリアのしばりをなくして日本全国、いや世界中でどの放送局も聴けるようになるのを楽しみにしておりますが、NHKも先月からサイマルラジオらじる★らじるをスタート、こちらは全国どこでもラジオ第一とラジオ第二、FMが聴けます。

radiko を録音できるソフトはいくつかありますが、「らじる★らじる」もいっしょに録音できるソフトがあると便利だなあと思って探してみると、あるんですね、ちゃんと。フリーソフトのらじれば。radiko と「らじる★らじる」の両方をワンクリックで録音できます。ファイルはWAV形式で保存され、ファイル名は日時(タイムスタンプ)なのでいつ録音したものか一目瞭然。ラジオとは関係ありませんが、同じサイトで配布されているペン字フォントも愛用しています。

2011年10月1日


なでしこ恐るべし

先週末〈なでしこリーグ〉のINAC神戸レオネッサ対ジェフレディース戦をテレビで観戦して驚いた。

「見たことも聞いたこともない名字ばかり」

ジェフレディースのミッドフィルダーに筏井いかだいりさという選手がいる。珍しい名字だと思う。「全国の苗字」というサイトで調べたら世帯数が134しかない。一世帯平均二人として人口はわずか三百人足らずだ。同じミッドフィルダーの花桐はなぎりなおみ選手はさらに少なくて46世帯。ディフェンダーの繁浪しげなみ由希選手はわずか37世帯だ。

もっとすごいのがINAC神戸レオネッサだ。

ゴールキーバーの海堀かいほりあゆみ選手は196世帯。武仲たけなか麗依選手は157世帯。「タケナカ」はわりとポピュラーだが「武仲」と書くのが珍しい。ディフェンダーの近賀きんがゆかり選手はなんと19世帯。ミッドフィルダーのはじまどか選手は106世帯で、髙良たから亮子選手に至ってはたった4世帯である。

なでしこジャパンの主力メンバーを抱える銀河系軍団は稀少名字の銀河系軍団でもある。こうも多いと、珍しい名字の人を選りすぐって集めたとしか思えないほどだ。そして先週、東大の教授が電子1個だけを取り出して別の場所に送ることに世界で初めて成功し、量子コンピューター実現への一歩を踏み出したというニュースを朝日新聞の記事で読んだのだが、その教授の氏名が樽茶たるちゃ清悟である。世帯数わずか10。なでしこリーグにスカウトされそうな名字だが、残念なことに男性である。しかし性転換手術を受ければ大丈夫だ。何が大丈夫なのかよくわからないが。

2011年9月25日


真の英雄

3月20日放送のTOKYO-FM「サンデー・ソングブック」で「この瞬間に死を賭して原発事故と闘っておられる皆様に心から感謝し成功を心よりお祈りしております。真の英雄は彼等たちです」とおっしゃった山下達郎さん。今年のスペイン・アストゥリアス皇太子賞平和部門(El Premio Príncipe de Asturias a la Concordia)に福島原発の作業員が選ばれましたよ。

2011年9月8日


90才

ヒット曲「17才」の南沙織が北沙織としてカムバック! 数十年ぶりの新曲をお聞き下さい。

90才

作詞 粗忽天皇
作曲 筒美京平
唄 北沙織

誰もいない部屋
ふたりの愛を 確かめたくて
あなたの位牌を 放り投げてみたの
止まる 脈拍の少なさ
息もできないくらい
早く早く お迎えに来て
ご臨終だもの 私はまだ 生きている

暗い空の下
ふたりの愛を 抱きしめたくて
光の中へ 飛び込んでみたの
ふたり 仏になるのよ
戒名はないけれど
泣かないで おねがいだから
お陀仏だもの 私はまだ 生きている

落ちる 入れ歯のまぶしさ
タフデント 要らない
空も海も ぼやけて見える
寿命なんだもの 私はまだ 生きている
私はまだ 生きている

2011年9月2日


よわよわカメラウーマン日記

なんてチャーミングな写真でしょう。どうやって撮るのかしら。サイトのネーミングもナイス。更新が滞っているのが気になりますが、応援してるぜ、よわよわカメラウーマン。

2011年9月1日


ハリケーンと平和の女神

北アメリカ東部を直撃した巨大ハリケーンをアイリーン(Irene)と命名したのは単なる偶然でしょうが、アイリーンはギリシャ神話に出てくる平和の女神エイレーネーを英語にしたもので、スペイン語読みではイレーネ、そして国際関係論の一分野である「平和学」を英語でアイラノロジー(irenology)、スペイン語でイレネオロヒーア(ireneolgía)と呼び習わし、平和の女神の名を冠するハリケーンが米国中枢地帯で猛威をふるうさまを見るにつけ、頼みもしないのに平和維持を名目に地球上のあらゆる地域で破壊活動を行ってきたあの国にいかにもふさわしい天罰ではないか、まさに因果応報と、不敬な感想を抱きつつ、約百年ぶりに大きな地震がニューヨークやワシントンを襲ったばかりで、米国人のなかには〈2012年世界滅亡説〉の予兆だと信じる人も少なからずいるにちがいなく、二年前にさっさと映画化してしまったローランド・エメリッヒは機を見るに敏なやつだと妙に感心しながら、国際関係論を学んだ学生時代を思い出す夏の終わりであります。

2011年8月29日


アンコール放送

先日再放送されたEテレ「こころの時代」の「私にとっての「3・11」 フクシマを歩いて 作家・徐京植」がアンコール放送されます。日時は下記の通り。

本放送(Eテレ) 9月25日(日)午前5時~6時
再放送(Eテレ) 10月1日(土)午後1時~2時

2011年8月26日


「だってそれがあなただから」

まさかのレディー・ガガと仏陀。どこのお寺なのか。

2011年8月25日


旧約聖書 出コンビニ記

ローソンの店長モーセは主に叫んで言った。
「わたしはお客様をどうすればよいのでしょう。彼らは、2011年8月の新商品、トマトソースの洋風おでんに不平を鳴らし、今にも、わたしを石で打ち殺そうとしています」。
主はモーセに言われた、「あなたは客の前に進み行き、『これは決してロールキャベツではない』と言いなさい。わたしは客の前に立つであろう。あなたはレジを打ちなさい」。モーセは店員たちの目の前で、そのように行った。
モーセ店長は店員を神に会わせるために、店舗から導き出したので、彼らは山の麓に立った。
ローソン山は全山煙った。主が火のなかにあって、その上に下られたからである。その煙は、かまどの煙のように立ち上り、全山はげしく震えた。
ラッパの音が、いよいよ高くなったとき、モーセは語り、神は、雷をもって、彼に答えられた。
主はローソン山の頂に下られた。
神はこのすべての言葉を語って言われた。
「わたしはあなたの神、主であって、あなたを同業他社の店、ファミリーマートから導き出した者である。
あなたはまず、手を消毒するのを忘れてはならない。
あなたは注文を受けたら、具をトレイに入れるのを忘れてはならない。
あなたは、レジ画面下方の[おでん]をタッチしなくてはならない。
あなたは、レジ画面から具を登録するのを忘れてはならない。
あなたは、ふたを閉め、からし、みそ、トマトソースを付けるか、客に確認するのを忘れてはならない。
あなたは、みだりにからしやみそやトマトソースを付けてはならない。主は、みだりに付けるものを、罰しないではおかないであろう。
あなたは、具を専用の袋に入れなくてはならない。
あなたは、商品を渡すとき、『お気を付けてお持ち下さいませ』と言わねばならない。
あなたは、『やっぱセブンイレブンの方がうまくね?』と言う客には、黙ってセブンイレブンのおでんを差し出し、レジの金を奪い取る者には自分の財布をも拒んではならない」。
店員たちは皆、雷と、稲妻と、ラッパの音と、ローソン山の煙っているのとを見た。店員たちは恐れおののき、セブンイレブンに向かった。

2011年8月23日


B面の一曲目

一時代を築いたCDショップ「WAVE」が今月9日全店閉鎖し破産申請の手続きを始めた。CDは買わず、好きな曲だけをダウンロードして聴くスタイルが定着し、パッケージ商品を買う時代は終わった。

ある時代が終わると、人はその時代のことを簡単に忘れる。CDの時代はとても短かった。世界初のCD発売は1983年10月。わずか二十数年で役目を終えた。その前はレコード、ビニール盤だった。アナログレコードの音質はとてもよくて、CDの音質がレコードに追いついたのは1990年頃だった。でもレコードには短所もあった。曲が進むにつれて音質が落ちるのだ。

レコードに耳を澄ませた人なら、オーディオに多少の興味がある人なら誰でも気づくことだが、針がレコードの中心に向かって進むに従って音質は劣化する。針が摩耗するからではない。たしかに摩耗はするけれど、レコード盤の外周と内周の長さが異なるのが原因だ。

わかりやすいのはLPだ。ターンテーブルにLPを載せ、A面の一曲目に針を落とす。すばらしい音がする。そして二曲目、三曲目と進むにつれ、音の輪郭はだんだんぼやけてゆく。A面最後の曲はかなりくぐもった音になる。外周の距離は長く、内周は短いから、外周のほうが内周よりも録音できるスペースが多い。カセットテープにたとえれば、Aのテープは100cm、Bのテープは200cmあるとして、それぞれに同じ音を10秒分録音し、再生してみる。BのテープのほうがAより断然音質がよい。テープレコーダー全盛時には、マランツ製のデッキなどには再生速度を変える機能があった。いちばん安いノーマルテープでも、速度を倍にすると、クロームテープ並に音質が向上したものだ。

だからレコードをつくる人は、B面の一曲目に命をかけた。A面の一曲目を大切にするのは言うまでもない。アルバムの顔だ。しかもいちばん音質がよい外周だ。インパクトのある曲を頭にもってくるのは当然である。そして音がだんだん悪くなり、A面の最後の曲を聴き終わり、レコード盤をひっくり返して、B面の一曲目に針を落とす。音質が息を吹き返す。

かつて、B面の一曲目にどの曲をもってくるかに頭を悩ませた人たちがいた。B面の一曲目を楽しみにした音楽ファンがいた。とはいえ、これも「一枚のアルバムでひとつのメッセージを伝える」という、ある限られた時代の話だ。

2011年8月22日


違和感

たまにテレビをつけるとTOKIOのメンバー五人が宅配便の荷物をせっせと運ぶコマーシャルを目にする。パッと見た瞬間、佐川急便だな、と思うのだが、よく見るとクロネコヤマトだ。

TOKIOは「ザ!鉄腕!DASH!!」を例に引くまでもなく、ジャニーズのタレントのなかでも力仕事を一手に引受け、筋力と持久力を前面に押し出すイメージ戦略を行って成功した。ガテン系だ。もはや死語だが。そしてガテン系といえばどうしても佐川急便を想起してしまう。

瀬戸内海沿岸がロケ地と思われる、海辺の坂道を静かに配達する男性をロングショットでとらえたかつてのクロネコヤマトのコマーシャルは、人物を遠景に配置したショットに企業の思想がはっきり窺えた。あるいは離島かどこかの遠隔地を配達するショットも遠景だった。今回はバストショットとクローズアップを多用する。そしてカット割りが多い。画面がせわしない。五人がせわしなく動けば動くほど、画面に〈佐川急便の匂い〉がたちこめる。野口五郎をキャスティングしたときのような貧乏くささだ。

それが〈新宅急便〉の狙いであるなら、一視聴者が容喙する問題ではないけれど、制作者が知恵を絞った形跡がまったく見られないのが悲しい。発注元のヤマト運輸とプランナーである広告代理店は周到なマーケティングを行ったはずだが、「とにかくジャニーズのタレントで行きましょう」という、鶴の一声ですべてが始まったとしか思えないのが悲しい。「肉体労働ならTOKIOでしょう」。ジャニーズのタレントを使うからアップを多用せざるを得ない。安易である。わたくしは15秒間の違和感に、貧乏くささに耐えられず、すぐチャンネルを変えてしまう。

2011年8月20日


一見さん

当サイトにお越しの方は一割が常連さん、残りはいわゆる〈一見さん〉で、いろんな言葉を検索してここにたどり着きます。

今月は「内海好江」を検索してやってくる人が急増。桂子師匠入院のニュースがあったからだと思いますが、Google では4位(ウィキペディアと画像検索を除けば1位)、Yahoo! も3位(ウィキペディアを除けば1位)。しかし、なかにはよくわからないフレーズを検索する方がいらっしゃいます。たとえば――

「re: いや、実際難しいって!!時間短いし!←言い訳w 今日明日くらいがペルセウス座流星群の極大日」

どこから突っ込んでよいのか。頭に「re:」とあるので、おそらく返信メールのタイトルをそのまま検索したのでしょう。

「痛風に魚肉ソウセージは良いか」

ソーセージではなく〈ソウセージ〉と書くあたり、ご年配の方ではないかと思います。

「ハリポタおまえからひかりがきえるのをみたい」

なぜひらがな?

「ぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞぞ雄」

もうわけがわかりません。

2011年8月19日


「こころの時代」再放送

14日(日)にEテレで放送された「こころの時代 シリーズ 私にとっての「3・11」 フクシマを歩いて 作家・徐京植」が20日(土)午後1時にEテレで再放送されます。ただし高校野球の決勝戦とぶつかってしまうため、場合によっては延期になるかもしれません。

  1. 試合が午後1時までに終了した場合
    →予定通り再放送
  2. 試合が午後1時を超えて分単位で延びた場合
    →時間を遅らせて再放送
  3. 試合が午後1時を超えて長時間延びた場合
    →再放送は休止し別の月日に再編成

詳細は本日付のモノディアロゴスをご覧下さい。

2011年8月17日


ポニョ、アカペラ~!

高校の三年間、ひたすらアカペラコーラスを歌い狂って過ごしたわたくしは、このアカペラ版『崖の上のポニョ』主題歌を聴くと血が騒いで困ります。

2011年8月15日


東邦ガス

地元のガス会社のサイトなんですが、なんと申しましょうか、はじけまくってます。

2011年8月12日


全角

日本のニュースサイトで不思議なのは、記事中のURLが全角で書いてあるケースによくお目にかかることだ。とりわけ大手新聞社と通信社に散見される。

たとえば今朝の朝日新聞。二つあるホームページのアドレスがどちらも全角だ。これをコピー&ペーストしても用をなさない。アクセスするには、記事とにらめっこしながらアドレスバーに半角で一文字ずつ書きこまねばならない。ものすごく不便だ。

読売新聞時事ドットコムも全角が結構ある。共同通信もだ。

毎日新聞はご覧のようにたいてい半角だ。しかしこの記事のように、なぜかスラッシュだけが半角(//)ではなく全角(//)のケースがある。

なぜこんな表記なのか。理由はおそらく単純で、「紙面の表記に従ったから」にちがいない。紙媒体の新聞では全角文字を使うし、実際そのほうが読みやすい。しかしウェブサイトはちがう。無駄にスペースをとるばかりか、肝腎のアドレスにアクセスしづらい。

解決方法は、これまた単純で、「リンクを貼る」。これに尽きる。全角で書いてもいいからリンクを貼ってほしい。リンク先に簡単にジャンプできるのがウェブの利点なのだから。ところが日本の大手新聞社と通信社は、なぜか自社サイト以外のページへのリンクを頑なに拒む。欧米はもとより世界各国のニュースサイトで、このようなスタイルにはまずお目にかからない。不可解だ。これも日本お得意のガラパゴスなのだろうか。

2011年8月11日


フジテレビ

韓流一辺倒の番組構成に対して先週土曜日にお台場で抗議デモがあったり、系列の東海テレビが岩手県産のお米プレゼント当選者のテロップに「怪しいお米セシウムさん」と書いたのを23秒間も映したり、なにかと騒がしいフジテレビですが、以下はこれとは全く別の話。

十五年以上前、まだ放送局が河田町にあった時代です。社内のスペイン語教室の講師として週に一度フジテレビ本社に通いました。午後六時半から八時まで。生徒さんは制作部や営業部などの老若男女十人ばかり。有名な女性アナウンサーもおり、和気藹々とした楽しい授業でした。

ある日授業を終えて帰り支度を始めると、報道部の見知らぬ男性がやってきて、ある事件についてスペインに電話取材してほしいと、藪から棒な注文を受けました。急な話なので営業部の生徒さんが気を利かして付き添って下さり、説明を聞きながら地下一階の部屋に案内されました。部屋はがらんどうで、中央に大きな四角いテーブルがひとつ、その上に白い電話機が一台。男性の説明によると――

ドイツ人と台湾人によるマルチ商法の化粧品詐欺が横行している。日本人の顧客は胡散臭い美顔クリームの粉末を10万円で買わされ、それに牛乳を加えて発酵させたものを乾燥させると美顔剤になる。できた塊は17万円で同じ業者に売り返す。金はちゃんと口座に振り込まれ、7万円の儲けになり、顧客は安心する。するとそこに、「来月には売価が15万円に値下がりするから今月のうちに買ったほうがいい」と連絡があり、顧客は争って粉を購入、業者はトンズラして詐欺であることがバレた。この怪しいドイツ人は頻繁にスペインに渡っているらしい。スペインでも似た詐欺事件があるかどうか、このドイツ人に心当たりがあるかどうかを、現地の消費者団体等に電話して尋ねてほしい。

犯罪の取材なんて関わりたくないなあと思ったものの、別段用事もないし、スペイン語の講師として出向いているわけだし、とくに断る理由もないので、電話をかけるだけでよければと、応諾しました。するとスタッフがどやどやと入ってきて、あっという間に照明機材とビデオカメラが設置されました。びっくりして事情を尋ねると、電話取材の光景を撮影して○月×日の某番組(恐らく「NEWS JAPAN」)で流したいとのこと。

犯罪の取材に関わるだけでも心理的な抵抗があるのに、テレビで流すとは、あまりにも唐突な話で呆気にとられるばかり。しかし付き添って下さった営業部の生徒さんの手前もあり、スタッフにぐるりと取り囲まれて無下に断るわけにもゆかず。しかたなく、「背後から」という条件で撮影を許可しました。

渡された電話番号のリストに目を通します。スペイン消費者庁、消費者保護センター等々。背後でカメラが回ります。まわりのスタッフは音を立てぬよう直立不動で無言。緊張したなんてもんじゃありません。リストに従って順に電話をかけ、たらい回しにされたり居留守を使われたり……。何やかやあって取材を終えました。

わたくしが条件付きで撮影を許可したときのスタッフ一同の表情は今も忘れません。「こいつ、なんで撮影されるのがいやなんだ?」と言わんばかりでした。その無神経さにわたくしは呆れ返りました。付き添いの生徒さんは「すみませんでした」と、帰り道においしいお寿司をご馳走して下さいました。

2011年8月10日


ゲームはお好き?

オンラインゲームの Bookworm。六年ほど前からハマっておりまして、自己最高記録は1,612,860点。五時間かかりました。

2011年8月6日


NHK教育「こころの時代」

きのうのモノディアロゴスで告知されましたが、南相馬市在住の恩師、佐々木孝先生のインタビューがNHK教育テレビで放送されます。

放送日
8月14日(日)午前5時~6時
Ch
教育テレビ
番組名
こころの時代 シリーズ  私にとっての「3・11」 フクシマを歩いて 作家・徐京植

徐京植ソ・キョンシクさんが原発事故汚染地域を訪ねるルポルタージュ。初対面のお二人が佐々木先生のご自宅で語らう様子が放送されます。是非ご覧下さい。早起きが苦手な方は録画してでも是非。再放送は高校野球の時期のため今のところ未定です。

2011年8月2日


原爆30個分

去る7月27日、東京大学教授でアイソトープ総合センター長の児玉龍彦さんが衆議院厚生労働委員会で参考人説明を行いました。福島第一原発から放出された放射性物質の総量は熱量換算で広島型原爆29.6個分。半径20kmや30kmなどの同心円による避難地域区分は何の意味もないそうです。子供の健康を守るため一刻も早く事態に対応せよと満身の怒りをこめて訴える約16分間の説明、‪YouTube で是非ご覧下さい。こちらのサイトでは全文を文字起こしして公開中。

[8月4日追記] YouTube が削除された場合は、衆議院インターネット審議中継でご覧になれます。検索項目のうち「開会日」で2011年7月27日を、「会議名」で厚生労働委員会を選び、「説明・質疑者等」で児玉龍彦を選ぶと視聴できます。

2011年8月1日 14時57分

SPEEDI 予測発表の要請

ドイツ気象局による放射性物質拡散シミュレーション、残念ながら予告どおり7月29日に終了しました。日本語翻訳を手がけた山本堪さんが SPEEDIによる予測結果の即時発表の要請を呼びかけています。首相官邸と文部科学省への問合せフォームのリンクがあります。ツイッターによるメッセージ送信もワンクリックで可能。両者のほか厚生労働省とNHK科学文化部にもツイートできます。

2011年8月1日 00時16分


クイーン女王

前年度に最も活躍したレースクイーンを選ぶ「レースクイーン・オブ・ザ・イヤー」という賞があるそうで、朝日新聞が記事にするくらいですからその筋では有名なのでしょうけど、記事のタイトルを見て驚きました。

「レースクイーン女王に丸山えり」

まさかのクイーン女王

このビッグニュースをエリザベス二世女王陛下のお耳に入れたいと思うのですが、クイーン女王を英語でどう言えばよいのかわからず途方に暮れております。Queen Queen でしょうか。なんだかロックバンドのクイーンを連呼するようです。かといって Queen of the Queens では原文の過激さが伝わりません。

お笑い芸人のコンクールに「キングオブコント」というのがありますが、もし連戦連勝のグループがいたら、彼らはキング王と呼ばれるのでしょうか。しかもややこしいことに、去年の優勝者はキングオブコメディという名前の二人組なのです。もし彼らがネタにディズニーの『ライオンキング』を選んだ場合、

「女王陛下! キングオブコントのキング王は『ライオンキング』のキングオブコメディです!」

――と、もう何がなんだかわからない事態になってしまい、果たしてエリザベス二世女王陛下がメッセージを正しく理解して下さるかどうか、じつに心細い思いをしております。

2011年7月28日


お寝坊さんの日

フィンランドはきょうお寝坊さんの日だそうです。どんな日かというと、「家で一番遅くまで寝ていた人を水に投げ込むなどして起こす日」。永遠の眠りにつきそうです。

2011年7月27日


ドイツ気象局への嘆願

今月10日にご紹介したドイツ気象局の放射性粒子拡散シミュレーションが三日後の29日に終了するそうです。ただし「要望があれば継続します」とのこと。こちらの拡散予測継続の要望ページから嘆願メールを送ることができます。ドイツ語と英語の例文があるのでコピーして送ればOK。わたくしもさっそく送りました。本来なら日本の気象庁が行うべき仕事。高温注意情報もいいけど、拡散予測もやって下さい、気象庁さん。

2011年7月26日


スペシャルカバー

二三年前だったと思うが、集英社文庫が太宰治『人間失格』の表紙を人気コミック作家に描かせたらバカ売れしたというニュースをどこかで読んだ。漱石『夢十夜・草枕』や宮沢賢治『銀河鉄道の夜』も売れているらしい。

そしてきょう、集英社文庫の柳田国男『遠野物語』を買ったら、表紙がコミックだった。どんなデザインかは出版社のナツイチ2011│作品紹介│スペシャルをご覧頂きたい。〈スペシャルカバー〉というのだそうだ。

柳田国男が見たらさぞかしびっくりするだろうが、漫画やアニメのキャラクターが跳梁跋扈する現代日本人の民俗的奇習を思えば、案外これは正攻法なのかも知れないとも思えるし、表紙絵を替えただけで本が売れるのだから妙案というほかない。しかし恥ずかしいんだよ、これを手に持って歩くのは。

2011年7月25日


75文字

あなたを漢字75文字で表しますというサイトを発見。本名で試してみると――

「闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇凄孤立」

図星だと思います……(涙をこらえながら)。

2011年7月22日


なでしこJAPAN

阪神淡路大震災と地下鉄サリン事件で世の中が真っ暗だった1995年に唯一明るいニュースをもたらしてくれたのが野茂英雄の大リーグデビューでした。そして今年はなでしこJAPAN。チームは優勝&フェアプレー賞、キャプテンは得点王&MVP。澤さん、あんたはエライ!(by 小松政夫)

2011年7月18日


元Xメンバー死亡

X JAPAN の前身グループ X の元メンバーが航空機内で暴れてサイパンで逮捕され、拘置所で首を吊って死亡したというニュースなんですが、「元Xメンバー」は英語で言うと ex-member of X(エクス・メンバー・オブ・エックス)でしょうか。The Japan Times はどう報じてるだろうと記事を検索すれど見当らず。まあどうでもいいことですが。

2011年7月17日


Windows XP で IE6 をお使いの皆さまへ

当サイトにお越しの方で OS が Windows XP、ブラウザが IE6 の方は、お手数ですがブラウザを Internet Explorer 8 にバージョンアップして下さいませ。最新版は IE9 ですが、残念ながら XP には非対応。「使いたい人は Windows 7 にアップグレードしてねー」というマイクロソフトの陰謀です。

当サイトの主要ページではスタイルシート(CSS)を用いたプルダウンメニューを多用しており、IE6 では正しく表示されません。スタイルシートの解釈がメチャクチャなのです。

IE6 は Internet Explorer 史上最悪の「困ったちゃん」でございまして、ウェブデザイナーは誰もが泣かされます。Google は昨年3月1日に IE6 のサポートを打ち切りました。三日後の3月4日には米国コロラド州デンバーでウェブデザイン企業主催による IE6 の葬儀がしめやかに執り行われました。

IE シリーズの世界シェアは落ちに落ちて43%。逆に急成長を遂げたのが Google Chrome で20%台。Firefox も20%台後半で、両者をあわせると約半数。この際ブラウザを乗り換えるのも手です。最初はとっつきにくいかもしれませんが、慣れればものすごーく便利ですよ。

2011年7月12日


気象庁さん

ドイツ気象庁が福島原発の放射性物質の拡散シミュレーションを公開中。アクセスすると、その時点から三日後までの分布予想図が見られます。わたくしがこのサイトに出会ったのは5月30日。以来、日本国内のサイトで同じようなデータを公表するサイトがないか探したけれどどこにも見当りません。日本の気象庁が率先してやるべきことなのに、どうして演らないのでしょう。

2011年7月10日


満席御礼

静岡県芸術センター(SPAC)公演『シモン・ボリバル、夢の断片』、無事終わりました。おかげさまで土日とも満席でした。本日は開演時刻が12時半ということもあり前売券の売れゆきは芳しくなかったのですが、昨日の公演が好評だったそうで当日券を求めるお客さまが多く、ほっと胸をなで下ろしました。お越し下さった皆さま、ありがとうございました!

2011年7月3日


宇宙庁

きのうの朝日新聞によると政府の宇宙開発戦略部が「宇宙庁」とかいう組織を作るそうです。きっと偉い人たちが知恵を絞ったのでしょうね。

「うちゅうちょうは、どうでちゅか?」
「いいとおもいまちゅ」
「では、うちゅうちょうを、ちゅくりまちょう」
「ちょうちまちょう!」

2011年7月1日


最終日

粗忽主義貧民共和国BBS、最終日です。
十一年間のご愛顧(?)まことにありがとうございました。
第二共和制もよろしく。

2011年6月30日


第二共和制

明後日7月1日に正式に開国する「新・粗忽主義貧民共和国」。国名が長ったらしいので「粗忽第二共和制」に改名しました。じゅんやさんのアイデアを拝借しました。じゅんやさんありがとう!

2011年6月29日


日曜は残席あり

静岡県芸術センター(SPAC)公演『シモン・ボリバル、夢の断片』、いよいよ今週末が本番です。

7月2日(土)は完売御礼! 3日(日)は残席あります。「ふじのくに⇄せかい演劇祭2011」クロージング作品です。舞台の上に客席を並べ、お客さんがステージを取り囲むスタイル。ボリバルは中南米独立の英雄。彼の名に因んだのがボリビア。日本人俳優四人とコロンビア人オマール・ポラスが日本語とスペイン語で演技します。上演台本翻訳と字幕を担当しました。

字幕はきのう完成。自分で言うのもアレですが、かなりいい字幕です。俳優さんたちはさすがプロ、原発事故による公演中止の危機を乗り越え、短期間でものすごい集中力を発揮。一時間くらいの短い芝居ですが情報量は半端じゃない。密度の高い芝居です。ぜひ足をお運び下さい。わたくしは日曜に参ります。

2011年6月27日


輝け!「世界救いすぎ」グランプリ

お待たせしました。今年も「ちょっとお前、世界救いすぎじゃね?」大賞の日がやってきました。ではさっそく5位からまいりましょう。

5位 ブルース・ウィリス
『フィフス・エレメント』『アルマゲドン』で世界を救ってくれました。日本でのキャッチフレーズは〈ハルマゲドン/主人公は/丸禿げどん〉でしたね。
4位 マイク・マイヤーズ
意外な人がランク入り。『オースティン・パワーズ』シリーズで三回も地球を救ってくれちゃってます。〈バカも休み休みイェ~イ!〉でおなじみですね。
3位 キアヌ・リーヴス
『マトリックス』三部作で人類を救ってくれました。なんたって役名が「救世主」ですから。そりゃもう救います。とことん救う。ついこの間も『地球が静止する日』で人類を救ってくれたんですけど、なんで人類が助かったのかさっぱりわかりませんでした。観たんですけどねテレビで。キアヌ君登場シーン少なすぎです。演技もほとんどしてません。
2位アーノルド・シュワルツェネッガー
『ターミネーター』一作目では人類を滅ぼしに来たのに、続編以後はなぜか人類を救っちゃいます。善玉の味は蜜の味、『プレデター』でも人類を救い、『トータル・リコール』では火星も救っちゃいます。でもって『エンド・オブ・デイズ』と『シックス・デイズ』では古巣の地球を救ってくれました。お疲れさまです。
1位 ウィル・スミス
『インデペンデンス・デイ』でエイリアンをグーで殴り失神させた彼。その後も『メン・イン・ブラック』『メン・イン・ブラック2』『アイ,ロボット』『アイ・アム・レジェンド』『ハンコック』と、もう世界を救いまくり状態。他にすることないんでしょうか? 履歴書の趣味欄に「地球を救うこと」って絶対書いてます。〈♪なんでこんなに救いたいのか~/孫という名の宝物~♪〉と大泉逸郎が歌ったのも今となっては懐かしいですね。

2011年6月26日


週刊現代

ただいま発売中の『週刊現代』7月2日号に南相馬市在住の佐々木孝先生の主張が四ページにわたって掲載されています。タイトルは「私は放射能から逃げない」。避難させられて死んだ市民たち、被害者面した加害者、誰も責任をとらない異常事態、人間の自由と尊厳を認めない行政への怒りなど、現地からの生々しいレポートです。仲睦まじい奥様との写真もあります。認知症を患っている奥様と先生は誰もがうらやむおしどり夫婦。夫婦というより親友、同志とお呼びしたくなるほどです。先ほど近所の本屋で買い求めたところ棚に二冊ありました。お手にとって是非ご覧下さい。

2011年6月23日


粗忽主義貧民共和国、移転のお知らせ

2000年10月13日から十一年間 OTD BBS というレンタル掲示板を使って粗忽主義貧民共和国を運営してまいりましたが、残念ながら OTD が今月末をもってサービス終了。そこで FC2 という別のレンタル掲示板に国土を移転いたしました。左のメニューに「新・粗忽主義貧民共和国」を加えました。今月末までは新旧両方とも使えます。

十一年間のログはすべて倉庫に保存してあります。左のメニューからたどる場合は「倉庫」のフロッピーディスクをクリック。

2011年6月20日


シモン・ボリバル、夢の断片

静岡芸術劇場で開催中の「ふじのくに⇄せかい演劇祭2011」。7月2日(土)・3日(日)にコロンビアの劇団テアトロ・マランドロが『シモン・ボリバル、夢の断片』を華やかにパワフルに上演!――の予定だったのですが、原発事故に恐れをなした劇団員が来日をとりやめ、急遽、日本人俳優を使って作品を再構成して上演することになりました。

主演・演出のオマール・ポラス氏は「たとえロウソク一本でも芝居はできる」と、ひとり意気軒昂としてあす来日、わたくしが台本と字幕の翻訳を担当します。ステージに椅子を並べて舞台を取り囲むそうです。シモン・ボリバルは中南米独立の英雄。お時間と興味のある方はぜひ劇場にお越し下さい。

2011年6月14日


拝啓天皇陛下様

梅雨の晴れ間に燕が飛んでおります。陛下におかれましてはお健やかにお過ごしのこととお慶び申し上げます。このたびの震災では被災地に足を運ばれ、避難所暮らしの国民を励まして下さり、誠にありがたいことでございます。

先週大阪府が新しい条例をつくりました。府下の小学校や中学校、公立の高校などの行事で国旗を掲揚し国歌を斉唱する際、教職員に起立斉唱を義務づけるものです。「我が国と郷土を愛する意識の高揚」をはぐくみ、「服務規律の厳格化を図る」のが目的です。罰則規定はございませんが、義務は義務ですから、教職員は否応なしに全員この条例に従うことでしょう。

国を愛する気持ちは何より大切です。日の丸が掲げられ、君が代の伴奏が始まれば、何も考えずにサッと起立し斉唱する。命令には絶対に従う。これぞ真の愛国者の姿です。

日の丸を見ても君が代が始まっても起立しない不届き者は村八分です。罰則規定がないのが残念ではありますが、きっとただでは済まされますまい。陛下もさぞお喜びのことと存じます。

この朗報をいち早く陛下のお耳に入れたく、畏れ多くも筆をとりました。被災地慰問でさぞお疲れのことと存じます。どうかお体を大切に、とこしえにお健やかでありますようお祈り申し上げます。

2011年6月7日


山頂のない山発見

【カトマンズ=ゆう記者】 ヒマラヤ山脈の北側に「山頂のない山」が存在することを、ネパールの調査隊が今月1日、明らかにした。調査隊によると、その山は登っても登っても頂上が見つからないという。事実だとすれば「山」の概念を根底から覆す発見となり、各国の専門家が注意深く見守っている。

〈東京大学の高峯仙岳教授(登山学)の話〉 本当だとすれば画期的な発見。ただし調査隊が「いただき」をどこかに隠し、勝手にいただいてしまった疑いもある。本当に「いただき」がないのか、別の調査隊に検証していただきたい。本当に「いただき」がないのであれば、是非その山に案内していただきたい。

2011年6月2日


にぎっ

ラッコは眠ってる最中に波にさらわれないように、おなかに海草を巻きつけるのだそうです。では海草のない水族館のラッコはどうするか? こちらの写真をご覧あれ。

2011年6月1日


つけたり消したり

蛍光灯や白熱灯はこまめにつけたり消したりするとかえって電力を食う――そう信じて疑いませんでした。日本科学未来館によると実際はちがうらしい。これからはこまめに消します。

ついでに東京電力管内にお住まいの皆さん。産経新聞によると、15%の節電を達成した世帯は経済産業省から発光ダイオードや映画鑑賞券などの景品がもらえるそうですよ。なんで映画鑑賞券かというと「外出して家庭内の電気消費量をおさえるため」ですって。

2011年5月31日


サインをお願いします

アメリカの愛国者法案の一部条項が、放っておくと今月26日に失効。延長を可決するにはオバマ大統領の署名が必要。ところがオバマさんはG8出席のためフランスのドーヴィルに滞在中。ワシントンから隔たること3725マイル。時差6時間。

同日午前5時45分、現地ホテルで眠っていたオバマさんはたたき起こされて、かどうかは知りませんが、とにかく起こされて、「大統領、あと数分で条項が失効します。署名をお願いします」と頼まれ、「オートペン」と呼ばれる遠隔署名装置を使いホテルの寝室から法案に署名したそうです。

どんな機械なのか。イギリスのデイリー・メール紙の記事を下にスクロールすると写真があります。仕組みがよくわからないのですが、たぶん、この演台みたいな装置に備えつけられたペンを握ってさらさら走らせるのでしょうね。するとワシントンのどこかに出力装置があり、オバマさんの手の動きを忠実に再現し、リアルタイムで署名ができるらしい。遠隔装置を使って署名した大統領はオバマさんが史上初で、この装置を使うことにオバマさんは同意した上で実行したそうです。当たり前ですね。

便利な機械があるもんだなあと感心しましたが、よく考えると、遠隔地からリアルタイムで署名が可能になったのは手の動きを電子データに変換して送信できるからで、電子データは当然のことながら簡単に保存できる。パソコン一台、いや、フラッシュメモリー一個あればじゅうぶんでしょう。そして保存したデータはいつでも再現可能。つまり仮にオバマさんがこの世に存在しなくても、やろうと思えばいつでもオバマ大統領の署名を書類に書き込める。それもコピーではなく「オリジナルの署名」を――。

では、わたくしが達した結論を申し上げます。

「そこのあなた! もし想定外の事態が起きてあなたがアメリカ合衆国大統領に選ばれて、法案に署名しなければならないのに宇宙ステーションに滞在中だったとしても安心してね! オートペンがあるから! ただし想定外の事態が起きて機械が勝手に署名しちゃうかも知れません。そこのところは自己責任でお願いします!」

2011年5月30日


天正大地震

きのうマスコミで一斉に報じられた天正大地震。秀吉が関白となった直後の西暦1586年1月18日(天正13年11月29日)、近畿地方で大地震が発生、若狭湾を大津波が襲いました。当時日本で布教活動を行ったポルトガル人宣教師ルイス・フロイスが津波の被害を書き記しています。フロイス著(松田毅一・川崎桃太訳)『完訳フロイス日本史』(全12巻、中公文庫、2000年)。

地震の記述があるのは第六十章。中公文庫版では第3巻の196ページから199ページまで。関西電力は文献の内容を把握していたものの、内陸部の地震であるため津波はなかったと地元民に説明してきたそうですが、本当にフロイスの記述を読んだのでしょうか。該当部分をお目にかけましょう。まず地震について。

本年(一五)八六年に、堺と都からその周辺一帯にかけて、きわめて異常で恐るべき地震が起った。それはかつて人々が見聞したことがなく、往事の史書にも読まれたことのないほどすさまじいものであった。というのは、日本の諸国でしばしば大地震が生じることはさして珍しいことではないが、本年の地震は桁はずれて大きく、人々の異常な恐怖と驚愕を与えた。それは(日本の)十一月一日のことで、(彼らの暦の)一月の何日かに当るが、(突如)大地が震動し始め、しかもふつうの揺れ方ではなく、ちょうど船が両側に揺れるように震動し、四日四晩休みなく継続した。

まるで今回の大地震です。

人々は肝をつぶし呆然自失の態に陥り、下敷きとなって死ぬのを恐れ、何ぴとも家の中に入ろうとしなかった。[中略]その後四十日間、地震は中断した形で、日々が過ぎたが、その間一日として震動を伴わぬ日とてはなく、身の毛のよだつような恐ろしい轟音が地底から発していた。

そして津波。

若狭の国には海に沿って、やはり長浜と称する別の大きい町があった。そこには多数の人々が出入りし、盛んに商売が行われていた。人々の大いなる恐怖と驚愕のうちにその地が数日間揺れ動いた後、海が荒れ立ち、高い山にも似た大波が、遠くから恐るべき唸りを発しながら猛烈な勢いで押し寄せてその町に襲いかかり、ほとんど痕跡を留めないまでに破壊してしまった。高潮が引き返す時には、大量の家屋と男女の人々を連れ去り、その地は塩水の泡だらけとなって、いっさいのものが海に呑みこまれてしまった。

これを読んで「津波はなかった」と言い張る根拠が、わたくしにはまったく理解できません。

2011年5月27日


パーソナルコンピューターの使い勝手

家族が長年使い古したパソコンを買い換えることになった。あした届く。今までのが Windows XP 32 bit で、新しいのは Windows 7 64 bit。

32 bit と 64 bit は互換性という厄介な問題がある。ソフトによっては新しいパソコンでは動かない。しかし幸いなことに、ふだん使用中のソフトはどれも 64 bit に対応済みで、プリンターのドライバーも 64 bit 版をダウンロードすればよいとわかり、ひとまず安堵。しかし難関が待ち構えていた。

「Outlook Express のデータ移行」

ちょっと調べてみたが、ものすごく面倒くさい。

わたくし自身は長年秀丸メールを愛用しており、データの管理や移行は楽ちんだ。データが入ったフォルダーは一つだけ(C:\data\TuruKameData)。メール本文、アドレス帳、アカウント情報、署名テンプレートなど全部ここに入っている。このフォルダーをコピーすればおしまい。一分もかかりません。これ以上簡単な方法はない。お猿さんでもわかります。

しかし家族が使い慣れたソフトは OE(Outlook Express)だ。データが格納される場所がどこなのか、わかりにくいったらありゃしない。しかも使用する当人は「八十歳に近い老人」で「新しい機器類に対して即座に強いアレルギー反応を示す人物」である。どのくらいパソコンに疎いかというと、教育テレビ「中高年のためのらくらくパソコン塾」で生徒役の柴田理恵さんと阿藤快さんに講師の先生が懇切丁寧に教える、まるで赤ちゃんにハイハイのしかたを教えるように手ほどきをする、その説明が「まるでちんぷんかんぷん」というレベルだと思っていただきたい。

そこで当人の代わりにわたくしが環境を整える必要がある。ほとんど使ったことがない OE の環境をなるべく忠実に再現する手順を調べてみた。いきなり驚いた。

「Windows 7 にはメールソフトがあらかじめ入っていません」

は? いや、わたくしも今この文章を書いているデスクトップパソコンは Windows 7 なのだが、知りませんでした。メーカーによっては Windows Live メールというソフトが入っている機種もあるらしいが、基本的に、ないのだという。なぜ? マイクロソフトの説明によると、「メールソフトのバージョンアップは日進月歩なので OS から切り離した」そうだ。本当だろうか。独占禁止法の問題が絡んでいるのではとも思うが、じゃあメールはどうすればいいのか。

「各自で Windows Live メールをダウンロードするか、または Hotmail などのウェブメールをご利用ください」

なんて面倒くさいんだ。

使用する当人に Hotmail を一から説明するのは無理だし、今までのデータを Hotmail に移すのは不可能ではないものの、手間暇を考えるとめまいを覚える。だから Hotmail の選択肢は消え、Windows Live メールをダウンロードしてインストールせざるを得ない。わかりました。孫正義さんではないけど、やりましょう!

しかし、まず古いデータを移動させる用意をしなくてはならない。データはどこにあるのか。

「メールデータは○○フォルダーにあります。アドレス帳のデータは××フォルダーにあります。アカウント情報は『エクスポート』して『保存』してください」

保存先がばらばらである。しかもすごく深いところにある。都営地下鉄大江戸線か京葉線の東京駅くらい深い。さらにメールデータとアドレス帳はそれぞれ該当するフォルダーのファイルをコピーすればよいが、アカウント情報は「エクスポート」という作業を行ってデータをわざわざ書き出さなくてはならない。なぜこれほど面倒でわかりにくい構造というかデザインにしたのでしょうマイクロソフトさんは。意味がわかりません。

もっと簡単に一発で環境を移行する方法がないものか、調べてみた。

「Windows 転送ツールを使えば、ユーザーアカウント、ドキュメント、音楽、画像、電子メール、お気に入りのサイト、ビデオ、その他をコピーできます」

メールだけでいいんですけど……。で、その「Windows 転送ツール」っていうのは、新しいパソコンに入ってるのでしょうか。

「各自ダウンロードしてください」

がっかりです……。我慢してダウンロードするとして、手順は?

「まず古いパソコンに Windows Live メールをインストールしてください。古いデータが自動的に Windows Live メールに取り込まれます。ただし、バックアップデータの転送作業は新しいパソコンに Windows Live メールをインストールしてから行ってください。また転送作業を行う前に Windows Live メールは起動しないでください。この二点を誤るとコピーに失敗します

もういいです……最初のやりかたで、手作業でやることにします……。

マイクロソフトで働く開発者の皆さんは、これらの作業をパソコン初心者が難なくこなせるとお考えなのでしょうか。これが果たしてパーソナルな(=個人が使える)コンピューターの、あるべきかたちなのでしょうか。

2011年5月26日


IMF前専務理事

記事が目に入るたび、ストロスカーン被告の名字がスカトロスカーンに見えて困ります。

2011年5月24日


原発コント

2006年4月に池上本門寺特設テントで行われたシティボーイズ・ライブ『マンドラゴラの降る沼』の原発コントを YouTube で発見。この五年間DVDで何度観たか知れません。こちらが前半、こちらが後半。出演はシティボーイズ(大竹まこと・きたろう・斉木しげる)、中村有志、いとうせいこう、銀粉蝶。

2011年5月18日


お伽草紙

太宰治のユーモアが大好きで、とりわけ「お伽草紙」は絶品、読むたびに、豪華ではないけれど神経のゆきとどいた心づくしの手料理をご馳走になったような気分にひたれます。

空襲警報が鳴るなか、防空壕で幼い子供に話して聞かせる「瘤取り」「浦島さん」「カチカチ山」……。今般の大震災でも、幼い子供と避難所に身を寄せて心細い思いをしていらっしゃる人が大勢いるはず。こんなときこそ子供になにかおもしろい話をしてやりたいと思う親がいるでしょう。となれば太宰治の「お伽草紙」を現代によみがえらせたいと思う人がいても不思議ではない――と思ったら、やはりいました。

発売中の月間文芸誌『新潮』六月号の巻頭に高橋源一郎さんの「お伽草紙」が掲載されました。21世紀の太宰治は子供にどんな物語を話して聞かせるのでしょうか。読んでびっくり。さらに美術家森村泰昌さんと高橋源一郎さんの特別対談「震災と言葉」も読み応え充分。最初のページに掲げられた森村泰昌さんの写真「《なにものかへのレクイエム(ASANUMA 1 1960.10.12-2006.4.2)》」は必見です。

2011年5月12日


アメリカという国

ウサマ・ビンラディンの殺害を発表したオバマ大統領のスピーチ

我々の国の治安を守るという大義はまだ完了していません。しかし今夜我々は再認識しました、アメリカはやると決めたことは何でも成し遂げられるということを。国民の繁栄の追求であれ、すべての市民の平等を求める闘いであれ、それが私たちの歴史なのです。我々の価値観を国外でも擁護する責任を負うこと、世界をより安全な場所にするために犠牲を払うこと。

このスピーチを先取りするかのように、先週27日発売の『アクション・コミックス』最新号でスーパーマンが国連で演説し、活躍の場がアメリカ国内に限られてきたことに対する不満を述べ、アメリカの市民権を放棄する心積もりがあることを公表。公表ったってマンガの世界の話ですけど、現実と虚構のあまりの同調ぶりにめまいを感じます。

(5月4日追記: 本日の朝日新聞によるとスーパーマンはまだ国連で演説してはおらず、「米国籍離脱を国連で宣言することをホワイトハウスの高官に告げた」のだそうです)

2011年5月2日


もしドラッカーが赤塚不二夫の『天才バカボン』を読んだら

ママもパパもバカボンもハジメちゃんもレレレのおじさんも本官さんもニャロメもケムンパスもウナギイヌもべしもしあわせなのだ。赤塚先生は別れた奥さんと次の奥さんがとっても仲良しなのだ。タモリを世に送ったのだ。おまけに紫綬褒章までもらってしまったのだ。これでいいのだ!

2011年4月24日


ポポポポ~ンの真実

「あいさつするとともだちふえるね」でおなじみのAC広告。あいさつすると本当にともだちがふえるのか、実際に検証した人がいます。涙なしには読めない驚愕の真実をご覧下さい。

2011年4月20日


裏技

四字熟語にハッスル(© 植木等)なさる皆様へ。「あぁー! さっきの熟語にしとけばよかった!」と歯ぎしりしたことはありませんか? これにしようか、それともリロード(再読込み)して新しいのを選ぼうか、どっちにしようか迷ったときは、リロードせず、新たなタブを開いてそこに新たな四字熟語を表示させればよいのです。タブをさらに三つ四つと開けば選択肢がグンと広がります。お試しあれ。

2011年4月17日


ふるさと

テレビを見る習慣がほとんどないのですが、夕方4時50分に始まるNHK総合「ゆうどきネットワーク」だけはほぼ毎日見ており、今週は「特集 音楽で伝えたい」というコーナーにさまざまな音楽家や歌手が日替わりでゲスト出演し、被災者への祈りを込めてスタジオで生演奏を披露中です。

きのうのゲストはピアニストの国分弘子さんでした。スタジオに用意されたピアノで演奏した曲は「ふるさと」。国分さんのピアノをきちんと聴くのは初めてでした。高野辰之作詞、岡野貞一作曲の「ふるさと」の世界が、歌以上に、まっすぐ心に響き、不覚にも暗涙を催しました。

去る10日(日)にプラシド・ドミンゴがNHKホールでリサイタルを開きました。アンコールで歌った六曲のうちの一曲が「ふるさと」でした。会場中が大合唱に包まれたそうです。

2011年4月14日


お相撲さん、出番ですよ

編集者の橋本麻里さんがツイッターですばらしい提言をなさっておられます。

日本相撲協会は被災地巡業で地鎮、ちゃんこ炊き出し支援、あと国技館でチャリティ場所もやって収益は義援金。歌舞音曲を自粛させられてる伝統芸能業界も随行して取組前に「翁」舞いまくる

グッドアイデア!

2011年4月12日


呆然

放射性物質がとめどなく土壌と海水を汚染しつづける最中に原発推進と五輪誘致を声高に叫ぶおじいさんが昨夜午後八時の投票終了と同時に四度目の都知事当選を決め、強い既視感を感じたのは、愚民の圧倒的支持を受けてイラク侵攻を敢行し再選を果たした北米合衆国大統領と瓜二つだからだと思い至り、この二人は大言壮語と知性の低さとにおいて双生児であり、つまり「戦時下」においては声の大きさとマスコミへの露出度と思考の単純さこそが武器であって、このおじいさんがことあるごとに「美しかった」と述懐する太平洋戦争の時代もおそらく事態は同じだったのだろうと、過去一ヶ月のテレビと新聞の大本営発表ぶりを見て確信し、狂気の時代に正気を保つことの難しさを思い知らされ意気阻喪しかけつつ、それでも正気を保たねばならぬと自らに言い聞かせながら暦を見るとすでに四月も中旬を迎え、新学期の授業の準備を全然していないじゃないかと気がつき呆然とする粗忽天皇であります。

2011年4月11日


節電ソフト

3月17日に「新・意味なし掲示板」でご紹介したオプティム社のPC節電ソフト Optimal Green、無償配布ということでさっそくデスクトップに導入、半月使ってみました。その結果を発表いたします。導入前と導入後の電気使用量は……(ドラムロール)……

「まったく同じ」

拍子抜け。なんでだべ? と原因を考えてみたところ、

  1. 普段から Windows 7 を省電力モードにしてある
  2. 五分以上使わないときは必ずスリープにする
  3. 三十分以上使わないときは電源を落とす

以上三点を日頃から実践していたのでした。というわけで節電ソフトは力を発揮する余地がなく、「呼び出してごめんねー。明日から来なくていいから、じゃあね」と、派遣切りアンインストールしました。おしまい。

2011年4月7日


文字のカーニバル

『表象の奈落――フィクションと思考の動体視力』という本がある。著者は蓮實重彦。出版社は青土社。出版年は2006年。東京大学総長という宮仕えを終えた日本有数の批評家である著者が、およそ三十年前からさまざまな媒体に書いてきた批評を集めたアンソロジーだ。言語や文学や絵画など扱う題材は多岐にわたるが、どの文章もフィクションというものがもつ不思議さというか恐ろしさを主題とする。単行本の新刊書はたいてい表紙の下から三分の一くらいのところに宣伝文句を載せた帯が巻かれる。『表象の奈落』にも帯があり、キャッチフレーズがある。

「不可能性を超えて、事件を炸裂させる〈力〉」

何だかわからないが、すごいんだな、と思わせる。この本のいいところは、一ページ目から順番に読む必要はない点にある。あちこちに書いた文章の寄せ集めなので、好きなところから読めばいい。そこで最後のほうにある「エンマ・ボヴァリーとリチャード・ニクソン」を選んだ。蓮實重彦といえばフローベール、フローベールといえば『ボヴァリー夫人』だ。さぞかし含蓄のある批評が展開されるだろう。なにしろ「事件を炸裂させる〈力〉」だ。どれどれと最初のページを読み、ページをめくって驚いた。こんな文に出くわしたのだ。

いうまでもなく、フィクションにおける断定が「装われた」断定だという場合、それは第二の意味として理解されねばらばいというのがサールの立論である。(270頁)

いきなり誤植である。一瞬見間違いかと思ったが、「されねばばらばい」と書いてある。正しくは「されねばならない」だ。まあこの種の誤植は別に珍しくもないよなと、先を読んだ。ページを二回めくる。するとこんな文が待ち構えていた。

ここでわれわれがいいうる数少ない確かな事実は、その名前を含む著作が、レーガン政権下に書かれた違いないという点につきているのかもしれない。(274頁)

「書かれたに違いない」の「に」がない。蓮實重彦ってこんなにあわてん坊さんだったかしらと首を傾げ、同じページのすぐ先を読み、呆然とした。

周知の名前の引用を通して、人がフィクションについて貴重な何かを理解することになるかといえば、後に詳しく見てみるように、それはいたって疑わしいといわざるをえない。(274頁)

腰が砕けそうになった。読み始めてから三回しかページをめくっていないのに誤植が三回。蓮實重彦の文章は三十年近く愛読してきたが、こんな事態は初めてだ。さいわいその後は誤植がなく、やれやれと胸をなで下ろす。しかし残り二ページとなったところでまたしても虚を衝かれる。

『ボヴァリー夫人』の物語では、その父親の骨折の治療に訪れたベルトーの農園でシャルがエンマと出会い、〔…〕 (288頁)

エンマの夫は「シャルル」という名だ。それが「シャル」。世界的なフローベール研究者である蓮實氏とは思えぬ誤記である。

妙な胸騒ぎを感じつつ、その次の批評「『「赤」の誘惑』をめぐって」を読む。するとこんなフレーズにお目にかかる。

二つの異なるテクストに見られるこの反復は、〔…〕 (304頁)

正しくは「テクスト間(かん)」だ。さらにページをめくると最初の行がいきなりこうだ。

 た、それと同じ赤と緑の関係が〔…〕 (306頁)

なぜか「ま」と「た」のあいだに空白がある。カーニバルだ。これは書き言葉のカーニバルと呼ぶべき事態だ。お祭りである。わたしはすっかり嬉しくなって、この本は誤植のオンパレードだと確信し、はやる気持を抑えつつ「フーコーと《十九世紀》」を読む。最初のページをめくる。パレードが始まった。

『狂気の歴史』の作者にとって、「古典主義時代」 «l'age classique» という概念は、それに依拠せざるをえない概念だったいえる。(72頁)

もちろん「だったといえる」が正しいが、そんなことはどうでもよろしい。祭りだ。ページを二回めくる。パレードが続く。

まず第一に、次のようなことが確認できるはずだ。この躊は、フーコー自身が分析や記述において自ら認めている無知、〔…〕 (77頁)

正しくは「躊躇」であると指摘したところで何の意味もない。カーニバルなのだ。だからさらに三回ページをめくればお祭り騒ぎが続いていることを確認できる。

それは性的倒錯が炸裂してあからさまにると同時に分裂・解体もした社会である〔…〕 (82頁)

「を」は「な」の誤りです。でもそんなことはどうでもいい。「『魂』の唯物論的な擁護にむけて」を読もう。

つまり「シーニュ」とは、「意味すること」を意味するフランス語の動詞「シニフィエ」 signifier に対応する名詞にほかならず、その動詞の過去分にあたる「シニフィエ」 signifié と、現在分にあたる「シニフィアン」 signifiant とが〔…〕選ばれているのである。〔…〕同じ動詞の過去分と現在分という対立が前提とされていることによる。(132-133頁)

過去分詞、現在分詞の話だ。ブンシを「分子」としたのは変換ミスなのでしょう。でもカーニバルだからしょうがない。ここで改行され、次の段落はこう始まる。

ところで素直にいって、この命名法はあまりにも形式的に完すぎる。

完璧の「璧」は丸いもの、球のことであり、断じて壁ではない。しかしカーニバルだからこれでいいのだ。その証拠に、次の段落には驚くべき表記が顔を見せる。

事実、ソシュール自身、そうした危険には充分に自覚的であったはず,であり、〔…〕 (133頁)

「ず」と「で」のあいだになぜかコンマがはっきり印刷してあるのだ。本書133頁のカーニバルぶりはただごとではない。誤植の狂い咲きである。文字が勝手に大暴れし、その情熱はほかの批評にも伝染するらしく、「小説の構造」を読み始めるとここでもカーニバルが続く。

反=近代とは、完なかたちで近代に帰属しうる思考にほかならぬからである。(256頁)

ありがとうと言いたいくらい、律儀な誤植だ。

規則とはほどい存在に思えるからだ。(261頁)

「ほど遠い」と言いたいのです。そして次のページ。

この不純にして俗化した言葉で書かれた物語を Roman と呼ぶ習慣がほ十二世紀に定着する。(262頁)

フォントによっては識別しづらいかもしれないが、「ぼ」 bo ではなく「ぽ」 po と書いてある。

なぜこんな事態が起きてしまったのか考えてみた。上に列挙した例をまとめるとこうなる。

な/ば
書かれた違いない/書かれたに違いない
いったって/いたって
シャル/シャルル
問/間
ま た/また
だったいえる/だったといえる
躊躍/躊躇
をる/なる
分子/分詞
壁/璧
速い/遠い
ぽ/ぼ

「分子」は明らかにワープロ変換のミスだ。それ以外は字面の似た文字が混同され、ひらがなが欠けたり増殖したりし、あるいは不必要な空白やコンマが挿入される。

理由はおそらく、過去に掲載された雑誌や新聞や本のページをスキャンして画像ファイルにした上で、OCRと呼ばれる光学式文字読取り装置で文字起こししたからだと思う。図像的に似た文字をソフトが打ち出すのだ。OCRはわたしも日常的によく使うので、この手のミスはわたしにもお馴染みである。不必要なコンマが紛れ込んだのは印刷上のシミを文字と解釈したからだろう。

しかし何より重要なのは誤植の多さではない。蓮實氏がこの本で一貫して主張するのは、文学であれ絵画であれ映画であれ、およそフィクションというものを人はまじめに扱わないということ、人は世間一般の通り相場を盲信し、テクストの細部に目をこらさないということ、瞳は不自由であるということなのだ。そのように主張する蓮實氏の本が誤植まみれで出版されたということは、蓮實氏も編集者も本書の完成原稿を仔細にわたっては読まず、おそらくは一度も目を通さなかったということを意味する。人は誰でも「読んだつもり」になっているのだ。

2011年4月4日


「戦時下」の記者の思い

今回の震災に関して、作家の田口ランディさんが友人知人から受け取ったメールをガジェット通信で公開中です。そのなかのおひとりが東京新聞の佐藤直子記者。今月22日に掲載された佐々木孝先生の取材記事を執筆された方です。三週間被災地を取材して「戦時下」の記者としての思いを強くした、「戦時下」に自分はどうしたらいいのか、心の迷いを正直に告白しておられます。

2011年4月1日


「ちょっとしたメインディッシュ」

きのう初めて前田製菓のクラッカーを食べた。「てなもんや三度笠」で有名な、あのクラッカーだ。現物を見るのは初めて。透明のパッケージに会社のウェブサイトの URL が印刷してあり、さっそくアクセスして「商品一覧」から「おすすめBEST3」を選び〈前田のクラッカー〉をクリックした。商品の紹介文がある。読んで驚いた。

昔ながらの製法にこだわり、どこか懐かしい味がする名品。原料の小麦本来の味や香りを生かす工夫がされたあっさり塩味のクラッカーです。

チーズやサラダなどをのせれば、ちょっとしたメインディッシュに。また、そのままでサイドメニューとして並べてみてはいかがですか。

「ちょっとしたメインディッシュ」である。最初、「ちょっとしたオードブル」の読み間違いかと思った。しかしメインディッシュだ。もちろんおいしいクラッカーである。いくら食べても飽きない味だ。あっという間に一袋平らげてしまったほどである。これを材料にしたメインディッシュがあっても不思議ではない。ただ、洋食の献立で主となる料理に「ちょっとした」という形容詞が付く可能性を考えたことがなかったので、虚を突かれ、軽いめまいを感じたのだ。ちょっとした金とか、ちょっとした会社とか、逆説的な言い方はあるが、「ちょっとしたメインディッシュ」は逆説に聞こえない。「ちょっぴりオシャレな宮殿」や「なけなしの国家予算」と聞いて頭がクラクラするような感じだ。

不肖粗忽天皇としては、いつか「ちょっとしたメインディッシュ」を食べてみたい。

2011年3月29日


花咲かじじい作戦

A:
東日本を襲った大地震が発生して二週間。ようやく被災地に物資や燃料が届き、復旧作業が始まったね。
B:
しかしすごい揺れだったな。
A:
津波なんか、あらゆる防波堤が用をなさなかったんだから、もう想像を絶するよね。僕たちはおかげさまで無事だけど。
B:
俺も本棚から物が落ちたくらいで。
A:
運がよかったね。
B:
本をとろうとしたら本棚の上に置いてあった重さ10キロの鉄アレイが落ちてきて。
A:
危ないなあ。
B:
頭を直撃して、一瞬何が起きたのかわからなくて。気がついたら床にうつ伏せに倒れてて。
A:
おい、大丈夫かよ!
B:
眼を開けたら一面血の海で。
A:
救急車を呼べよ!
B:
頭がパックリ割れたけど、このくらいでへこたれちゃいけないと思って、自分で二十針縫って。
A:
お前はブラック・ジャックか!  しかし、復興が始まって、僕たちは札幌に行って来たんだよね。最初は余震が心配だったし、何となく気持ちが落ちつかないからキャンセルしようかと思ったけど、ある人からアドバイスを受けた。「今こそ行くべき! 日本が元気を取り戻すために札幌に行ってお金を使って下さい!」って。
B:
経済を活性化させるのが、何よりの励ましってことだな。
A:
そういうことだね。大通りやすすきのの繁華街は節電で街全体が暗かった。
B:
だから俺は「花咲かじじい作戦」を決行したよ。
A:
何だよ、それ。
B:
枯れ木に花を咲かせるんだよ。お金をパーッと使って。
A:
ああ、なるほど。いいアイデアだね。このあいだの「ウエシマ作戦」じゃないけど。
B:
俺はやったぜ!
A:
よし!
B:
パーッと小銭を!
A:
小銭かよ!

2011年3月25日


「私はこの町に残る」

今朝の東京新聞・中日新聞に佐々木孝先生の主張が大きく取り上げられました。東京新聞のサイトで記事の全文が写真入りで読めます。

「報道機関の人にブログを紹介して欲しい」と先生に頼まれたのが日曜日。さっそくNHKと民放の知り合い三人にメールを送信。新聞記者の知り合いはたったひとりで、東京新聞のKさん。大学の四年先輩。Kさんにメールを送ったところ即座に返信があり、なんと東京新聞・中日新聞の原発担当全権デスク! 話はトントン拍子に進み、その日のうちに電話取材を行い、今朝の記事になりました。ネットの力。すごいよ。

2011年3月22日


皆さんありがとう

南相馬市の「屋内退避」について報道機関の知り合い数人にモノディアロゴスを紹介したところ、さっそく東京新聞の記者が佐々木孝先生に電話取材をして下さいました。また朝日新聞の福島総局も写真入りの記事を掲載して下さるそうです。ツイッターのNHK報道局科学文化部(@nhk_kabun)によりますと、本日14時37分、南相馬市の中心部で東京の会社から提供された野菜や果物が無料配給されたそうです。佐々木先生のお宅にも食料が届けられました。

先生のお話によりますと、市内西側は家も無事で電気も水道も無事、放射線も全く心配する必要のない数値。にもかかわらず住民のほとんどが快適な家を捨てて新潟に逃げ、そこの避難所が満員になると今度は八戸に向かったそうです。「周りの人が避難するから私もしなければ」という危惧が連鎖反応してしまった結果、町は無人。残ったわずかな人は「屋内待機」を命じられているため外出できず、孤立無援の一週間。避難する必要のない人たちが避難所に殺到して結果的に避難先で迷惑をかけてしまう。冷静さを失うことの恐ろしさを実感します。

明日以降、朝日新聞、東京新聞、中日新聞で佐々木先生の取材記事が載ると思います。原発から半径20キロ~30キロ圏内で起きたドタバタ劇――先生は皮肉をこめて〈喜劇〉と呼んでおられますが――をぜひ読んで下さい。

2011年3月20日 22時17分


「屋内退避」の地獄

福島第一原発の半径20km~30km圏内は「屋内退避」を命じられています。しかしほとんどの住民は自主避難。町は無人。物音ひとつしない。援助したくても誰も外から近づけない。昨夜ラジオ福島に出演した毎日新聞元科学環境部長の斗ケ沢秀俊さんの説明によると、「屋内退避が想定するのは数日間。一週間以上も続くケースは想定していない。家にいる人は不安で不安でしかたがない。気の毒でならない」。

どれほど不安か、どれほど腹立たしいか。南相馬市原町区のご自宅にとどまる佐々木孝先生がモノディアロゴスで詳しく報告なさっています。認知症の奥様、九十八歳のお母様、そして幼い孫娘さんと「籠城」中です。多くの人にこのブログを読んで頂きたい。そしてこのブログを広めて頂きたい。どうかよろしくお願いします。

2011年3月20日


微笑問題

A:
それにしても大変なことになってしまったね。
B:
びっくりしたな。
A:
先週11日は日本中がテレビに釘付けになった。
B:
沢尻エリカ、なんと離婚は5月以降。
A:
何のニュースだよ!
B:
目を疑ったね。「えぇーッ! いつまで待たせるんだよ!」って。
A:
どうでもいい話だろ! 福島の原子力発電所が大変なことになっているね。今も自衛隊が放水作業中だ。
B:
俺なんか、第一原発一号機から白い煙が上がるのを見た瞬間、「これは大変な事態だ!」って直感したもんな。
A:
直前にドーンという爆発音がしたらしいね。
B:
大急ぎで我が家の原子炉を停止させました。
A:
ちょっと待て! 何でおまえの家に原子炉があるんだよ!
B:
「日本の原子力発電所は安全です」って、電力会社の人が言うから。そんなに安全なら、うちもお願いしようかって、家を建てかえたときに作ってもらいました。
A:
危険すぎるだろ! 住宅地のど真ん中に原子炉って。
B:
でもセールスマンがスーツ着たゴリラで、ウホウホ言いながら胸叩く癒し系のキャラでさ。
A:
エネゴリくんだよ、それ! 家庭用燃料電池のコマーシャルだろ!
B:
ああ、この人ならまかせて安心だなって。
A:
バカか!
B:
でももう大丈夫。家族総出でウランをバケツリレーしてるから。
A:
高速増殖炉「もんじゅ」かよ! 福島原発は予断を許さない状態だけど、何といっても心配なのは被災地の人たちだね。地震発生から一週間経った今も援助物資や医療品が届けられない地域が多い。
B:
道路がズタズタだからな。それに陸路で送るにしろ空路にしろ、燃料が欠かせない。
A:
首都圏の一般市民が食品やガソリンを買い占めているという報道には心が痛むね。
B:
「買い占めはやましょう。こんな時こそ助け合いましょう」って、カダフィ大佐の奥さんが滞在先のウィーンから緊急声明を発表したね。
A:
しねえよ! 大佐夫人は反政府デモ直後に護衛二十人引き連れてウィーンの高級デパートで買物三昧だったんだよ!
B:
しかしテレビのニュースを見てると、被災地はあまりにも悲惨で胸が苦しくなるな。
A:
そんな中、ネットでは「ウエシマ作戦」が急速に広まっているね。ダチョウ倶楽部の上島竜兵さんが「どうぞどうぞ」と嫌なことを押しつけられるギャグだけど、これを譲り合いの精神の象徴にしようというアイデアだ。
B:
身の危険を覚悟で「俺がやる!」「いや俺がやる!」って、肥後克広さんと寺門ジモンさんが手を挙げて、その勢いに乗って「いや俺がやる!」って上島さんが手を挙げるとすかさず二人が「どうぞどうぞ」と譲るんだよな。
A:
この未曾有の惨事の中、芸人のギャグが見直されるなんて、全く予想もしなかったよね。芸人といえばサンドウィッチマンの伊達みきおさんも注目された。
B:
宮城県のロケ先で被災した様子をブログで紹介したんだよな。
A:
それを知ったイギリスの新聞インディペンデント紙が、なんと日曜の一面トップに「がんばれ、日本。がんばれ、東北。」と日本語のメッセージを日の丸と一緒に掲げた。
B:
伊達みきおさんも嬉しかっただろうな。
A:
すごいよね。
B:
翌日のブログには、「イギリスの皆さんありがとう! 僕たちのコンビ名はイギリスのサンドイッチ伯爵からとりました!」って書いてたな。
A:
書いてねえよ!
B:
「復興は始まったばかりです! これからも一所懸命サンドイッチを作ります!」
A:
うるさいよ!

2011年3月19日


白いアイツが帰ってきた

NHK総合テレビ定時のニュースにアイツが帰ってきた。登坂淳一アナウンサー。わたくしが気づいたのはおととい十六日の夕方。どんなときも沈着冷静、抜群の安定感。ネット上のファンのあいだでは「麿」の愛称で知られる。去年の春札幌放送局に転属して以来、全国放送は一年ぶり。

この「ごあいさつ」で登坂アナに触れたのは二〇〇七年の一月末頃だったと思う。なぜかその日の「ごあいさつ」をうっかり削除してしまい文面が手許にないのだが、日を追うごとに白髪が増え頬がこけてゆく姿を見て体調を案じたのだった。そして二月に入った途端、「登坂 NHK 白髪」「NHK アナウンサー 白髪」といったキーワードを検索して当サイトに訪問する人が急増。二〇〇九年五月まで続いた。

去年の九月、所用で訪れた札幌で久しぶりにニュースを見た。白髪が増えていた。あれから半年。白髪はさらに増えた。真っ白だ。まるで万年雪だ。白髪仲間として嬉しい。

2011年3月18日


ラジオがいいよ

センセーショナルな映像とヒステリックな声であふれがちなテレビに疲れた人に、NHKラジオ第一をお勧めします。アナウンサーも解説者も終始落ち着いた声。情報はテレビより早く、被災地の生の声も聞けます。心がなごむ音楽も流れます。我が家はAM電波が入りづらいので KeyHoleTV で聴いています。全国各地のテレビとラジオを視聴できます。

きのうの夕方は「つながるラジオ」で「アンパンマン」の主題歌を放送。直後にリスナーから「涙が出た」「子供たちの笑顔を思い出した」と感謝のメッセージが続々とスタジオに寄せられました。きょうも流すそうです。タンクローリーの運転手が「関東のガソリンが無くなることはありません。被災地の消防車やトラックは燃料不足。ガソリンを買占めて被災地の人たちに迷惑をかけるのはやめて下さい」と、切々と訴えていました。

災後三日目の日曜日午後、手を繋いでいた娘と離ればなれになってしまった母親が涙ながらにインタビューに応えて状況を語りました。別の女性は被災のショックで母乳が出なくなり、スーパーに夜通し並んでようやくミルクを手に入れた経緯を、ふるえる声で報告。スタジオの男性アナウンサー、絶句。三秒、四秒、五秒……。四秒以上無音が続くと放送事故扱いになります。でもアナウンサーは言葉を失いました。数秒後、嗚咽をこらえ、絞り出すような声でこう言いました。

「どうして……どうしてこんなことが起きなければならないのか……。すみません、取り乱しました。原稿を読みます」

特徴のある低い声。ベテランの横山アナに似た声でした。柿沼郭アナだったかもしれません。被災者の精神安定のために鼻から深く息を吸い口から吐く呼吸法を加茂登志子さん(東京女子医科大学教授)が指南していました。

2011年3月17日


電力会社の皆さん、ありがとう

蒸気爆発が起きたのは原子炉が停止した後。冷却に時間がかかっているけれどそれも時間の問題。チェルノブイリやスリーマイル島とはちがう。

東電の人たちは命がけで作業中。彼らもまた被災者。時事通信によると島根県の電力会社に勤める59歳の男性が半年後に停年を迎えるのに居ても立っても居られず、自ら志願して福島に向かいました。わたくしがこうして平穏無事にネットに書き込めるのも彼らのおかげ。Facebook とメールでスペインに状況を報告中。あちらではスキャンダラスな報道一色。

落ち着きましょう。マスコミは怒鳴らないでほしい。いたずらに不安をあおらないでほしい。専門分野はエキスパートにまかせて、わかることだけ、重要なことだけを、正確に伝えてください。落ち着きましょう。

2011年3月16日


ありがとう、枝野さん

不眠不休の官房長官。あなたのおかげでどれだけ多くの人が勇気づけられていることか。余計なお世話と思いますが、仮眠して下さいね。

2011年3月14日


佐々木孝先生ご一家無事

音信不通だった南相馬市原町区の佐々木孝(テイボー)先生ご家族全員無事で自宅にいらっしゃることがモノディアロゴスGoogle Person Finder でわかりました。いまは原発避難中かも知れませんが、ホッとしました。

2011年3月13日 21時04分


今こそ気持ちを大らかに

「説明があいまいだ」とか「情報が不正確だ」とか、人をなじるのはやめましょう。未曾有の事態だからこそ気持ちを大らかにもちましょう。各部署の専門家はみんな必死。不眠不休でがんばっています。官房長官が枝野でよかった。低く落ち着いた声で言葉が明瞭、それだけで安心できます。昭和39年生まれ。わたくしの一歳上。

英語、スペイン語、フランス語くらいしか読めないけれど、世界中の人たちが日本の沈着冷静ぶりに感服し勇気を与えられています。(追記: 中国メディアも日本の人々の冷静さに感心)

平穏無事な私たちがつつがなく暮らしている、それが被災者にとっては何よりの慰めになるはず。「被災者の願いは〈日常生活〉に戻ること。被害を免れた人たちはいたずらに騒がず生活してほしい。被災者を受け入れる環境を維持してほしい」。阪神淡路大震災を経験した人のことばです。窓の外では女の子がテニスをしています。

2011年3月13日


南相馬市原町区にお住まいの

佐々木孝(テイボー)先生、奥様の美子さん、バッパさん、どうかご無事でありますように。

2011年3月12日


ハーマイオニーと学ぶ「クラウド時代の中小企業システム管理術」

えー、本日はお集まり下さりありがとうございます。今日の講師はハーマイオニー・グレンジャーさんです。今回は特別に日本語吹替え版のハーマイオニーさんに来て頂きました。さっそく講演を始めたいと思います。ではハーマイオニーさん、よろしくお願いします。

「大勢人がいるわね。まるで……まるでみんな中小企業のシステム管理者みたい」

あ、えー、はい。ここにお集まりの方々は、皆さん、システム管理者です。

「ちょうどいいわ。今日は中小企業のシステム管理術について話をしようと思っていたの」

えー、はい。そのお話を伺いたいと思いまして、皆さんにお集まり頂いた次第でございます。

「システム管理のことなら私にまかせて。ホグワーツ魔法学校で習ったわ」

では、21世紀のシステム管理術について、お話をお願いします。

「いい? よく聞いて。まず秘密の鍵を見つけるのよ。その鍵がないと先には進めないの」

秘密の鍵、ですか……。

「ロンには内緒よ」

ロン?

「どんなセキュリティー・トラブルやシステム障害が起きるか誰にも予測できない。企業の情報システム管理者にとってクラウドはもう避けては通れないわ。でもクラウドには実体がない。目には見えないの。だから秘密の鍵が必要なのよ」

では、その秘密の鍵はどうやって……。

「ちょっと待って。私のセリフだけ文字が赤いわ。どうして赤いの?」

あ、いえ、とくに理由はありませんが……。

「私が女の子だから? だとしたら発想がとても古いわ。女の子イコール赤なんて、今時ありえない」

別に深い意味はなく……。

「別の方向から考えるべきよ。ちょっと待って。今度は青になったわ。赤の反対にしたってわけね。正反対の色じゃダメよ。クラウド時代は生き馬の目を抜く世界よ。こんな調子ではいつまでたっても魔法の鍵は見つけられない。でも鍵は目の前にあるの」

どこですか?

「ロンには内緒よ。ロンはああ見えて、とても抜け目がないの。それに身長が伸びすぎよ。最終作の撮影で久しぶりに会ったとき、一瞬CGかと思ったくらい」

えー、ではクラウド時代のシステム管理はどのようにすれば……

「もうこんな時間! 大変だわ! 衛星放送の『ダメージ』を録画しなくてはならないの。ブルーレイで録るのよ。衛星放送といえば、あの『最強ー!』っていう番宣、とても耳障りだと思うわ」

あ、あの、お話のほうは……?

「ロンには内緒よ」

ハーマイオニーさん? ハーマイオニーさん……!

2011年3月10日


入試投稿事件に思う

11年前、2000年2月29日の話。この日は四百年に一度の閏年だった。

ある大学で入学試験の試験監督をした。受験生は48人。ふだんの授業と同じくらいの人数だ。教室はこの人数にちょうどいい大きさだった。試験監督者は私を含めて二人。ペアを組んだもうひとりの先生は退職間近のベテラン教授で、入試委員会の委員長だった。私は二年前に着任したばかりの新米講師だった。

受験生はみな緊張の面持ちだ。当然である。彼らと同じくらい、あるいはそれ以上に緊張するのが我々教員である。試験がスムーズに行われるよう細心の注意を払わねばならない。なかでもいちばんストレスを抱えるのが入試委員長である。秋から春にかけて激務が続く。試験当日、ストレスはピークに達する。

午前の試験はつつがなく終わった。控え室で昼食の弁当を食べ、午後の試験が始まった。英語だった。まず筆記試験。休憩を挟んでヒアリング。天井のスピーカーから一問目の音声が流れ始める。受験生はひとことも聞き漏らすまいと耳を澄ませる。そのときだった。入試委員長が船を漕ぎ出した。

彼は教壇の椅子に腰掛けていた。私は教室前方の右端に立ち、斜め前から教室の全体を見守っていた。彼は朝からとても眠そうだった。ひどく疲れていたのだろう、眼を開くことさえやっとで、かくん、かくんと首が何度も前に折れる。冷や冷やしながら様子を窺っていると、大きな鼻息を立て始めた。グァァという音がしてピタリとやみ、またゴォォと音が出る。間欠泉のように、鼻の奥から断続的に音が漏れる。

気が気ではなかった。

天井のスピーカーからは問題を読み上げる英語の音声が流れている。音声は私の耳にはっきり聞き取れる。教壇の目の前にいる学生の耳にも間違いなく聞こえている。しかし鼻息が耳障りなのも確かだった。

そばに駆け寄って注意したい。しかし動けなかった。一歩も動けなかった。

受験生は固唾を飲んで音声に聞き入っている。教室の空気はピンと張り詰めている。私が教壇に向かって歩けば最前列の受験生の鼻先を通ることになり目障りである。足音を立てるわけにもいかない。もし何かの拍子に転びでもしたら、ヒアリングが成立しない。

「どうかこれ以上大きな鼻息は立てないでくれ」

ただそれだけを祈った。歩み寄りたくても動けない。動けなかった理由はもうひとつあるのだが、それはあとで述べる。

幸い鼻息はすぐにおさまった。ヒアリングが終わり、その日の日程が終了した。一緒に控え室に向かいながら私は入試委員長に声をかけた。

「だいぶお疲れのようですね」
「え?」
「ちょっと眠ってらしたでしょ」
「ほんと?」

3月3日。夕方。所用を済ませて自宅に戻ると大学の職員から電話がかかった。某全国紙の夕刊に受験生の親からの投書が載ったという。ちょうど購読していた新聞だったので受話器を手に持ったまま夕刊を見た。「試験監督官がいびきをかいた」「もうひとりの若い監督官は、先輩に気を遣ってか、起こそうともしなかった」と書いてあった。青ざめた。

あすの朝大学で緊急対策会議を開きます、ただし入試委員長は出席できません、前日に某大学病院に緊急入院し眼の手術を受け連絡がとれません、会議は少なくとも二三時間はかかると思います――。そう職員に告げられた。

翌日の朝、大学に行った。学長をはじめ、学部長、学生部長、入試問題作成担当者、事務員などが集まった。事情聴取だ。私は当日の状況を説明した。「いびき」ではなく「荒い寝息」だったこと、断続的に二三十秒続いたがヒアリングには支障がなかったこと、そばに行って注意したくても動けない状況だったこと――。

不利益を被った可能性がある受験生が何人いるか、座席表を見ながら確認する作業が始まった。数時間かかった。一問目が始まると同時に「荒い鼻息」が始まったので、一問目を除外して採点をし直し、総合成績と差が出るかどうか調べた。夕方結果が出た。一問目を除外しても総合判定には影響が出ないことがわかった。大学側の対応としては、試験監督官の体調が悪く不愉快な息づかいをした事実を対外的に認め、合否判定は通常の評価で行い、合格者はふだんより少し多めにすることで落着した。

翌月から私は半年休職し、入院した。鬱病治療のためだった。七年前から鬱病だったのに病識がなく、心療内科を受診したのは事件のちょうど一年前だった。教室で一歩も動けなかった最大の理由は私が重度の鬱病で、教室に立っているのが精一杯だったからだった。

秋に復職し、入試委員長が私の研究室に来た。入試の不祥事を詫びるためだった。彼はあの日失明寸前だったことを、そのとき初めて告げられた。

入試は受験生も教職員も神経をすりへらす。ある年、女性の受験生が回答用紙を間違えたことがあった。学生には問題用紙と回答用紙のほかに下書き用の紙を配る。混同しないよう下書き用は薄いピンク色の紙だ。その学生はピンク色の下書き用に答案を書き、提出する回答用紙のほうは白紙だった。答案の回収を始めた私はびっくりして思わず、「これ、下書き用だよ」と学生に言った。学生の顔からみるみるうちに血の気が失せた。私は咄嗟の判断で、学生の肩に手をあて、「心配しなくていいよ。勘違いしただけだからね。受理するから大丈夫。もうこのことは忘れて、午後の試験のことに頭を切り換えて、ね」。その学生が無事入学できたかどうか、私は知らない。2003年3月、私は大学を辞職した。

2011年3月4日


いつでもノーカット完全版!

[20時18分記] 今朝9時に予定されていた放送は局側のトラブルで配信できなかったとのこと。放送事故でした。たった今制作者が事情を教えてくれました。明朝9時、再放送するそうです。今度こそ頼むよ、canalflamencotv のスタッフ!

[18時30分記] お待たせしました! canalflamencotv のビデオライブラリーに『ラ・セレスティーナ』が加わりました。トップページの中央右、赤字に白い文字で Videoteca とあります。そのリストのトップ、「COMPAÑÍA SHOJI KOJIMA」をクリックすると再生。これでいつでもご覧になれます。

[10時02分記] 本日午前9時(スペイン時間午前1時)から canalflamencotv でノーカット完全版が放送されるはずなのですが……待てど暮らせどテスト用の静止画しか表示されず。どうなっているのやら。

2011年3月3日


動画公開

お待たせしました。『ラ・セレスティーナ』ヘレス公演の動画が vimeo で公開されました。フェスティバル・デ・ヘレスが撮影・編集した4分41秒のダイジェスト版です。

[追記] 本日2日午後10時(スペイン時間2日午後2時)、スペインのフラメンコ専門インターネットテレビ局 canalflamencotvノーカット完全版を配信します。明日3日午前9時(同午前1時)にも再放送されます。

2011年3月2日


絶賛

スペインの新聞各紙に『ラ・セレスティーナ』の舞台評が載りました。ヘレス日報エル・ムンド紙、どちらも絶賛。前者は「脱帽するほかない」と手放しの褒めよう。

[12時01分追記] 大きな舞台写真も公開されました。カディスの新聞 La Voz Digital とフラメンコ専門サイト deflamenco.com です。

2011年3月1日


『ラ・セレスティーナ』ヘレス公演終了

27日午後9時、ビジャマルタ劇場で開演した『ラ・セレスティーナ』。無事終了しました。現地からの報告によりますと「大成功(gran éxito)」とのことです。

昨日紹介したEFE通信の動画がYouTubeでも公開。さらに主催者フェスティバル・デ・ヘレスが記者会見の動画を公開。大きな画面で高画質。インタビューに応えているのは三人。一人目は振付・構成のハビエル・ラトーレ。二人目は深夜別会場で踊った若手ダンサーのヘスス・フェルナンデス(『ラ・セレスティーナ』の出演者ではありません)。三人目は音楽監督でギタリストのチクエロ。

2011年2月28日


稽古のビデオ

『ラ・セレスティーナ』ヘレス公演、いよいよ本日開演です。

昨日午後1時、市内で記者会見を行いました。会場はシェリー酒の本場ということで、サン・ヒネス醸造所。写真はちょっとピンぼけですが、左から振付・演出のハビエル・ラトーレ、主演の小島章司さん、一人とんで右端が音楽監督でギタリストのチクエロ。チクエロの左隣は深夜別会場で踊るダンサー、ヘスス・フェルナンデス。

EFE通信の記事では稽古中の動画を配信。写真をクリックすると再生されます。スペイン語で応じたインタビューで「私にとってフラメンコは神」(El flamenco para mí es Dios)」とおっしゃっています。

2011年2月27日


ビジャマルタ劇場

明日の本番を控えヘレスで稽古中の小島章司さんがEFE通信の取材に応じ、さっそく新聞で記事が配信されました。カナリア諸島サンタ・クルス・デ・テネリフェの日刊紙エル・ディアは写真を拡大できます。背景は会場のビジャマルタ劇場。

2011年2月26日


驚いたでござるの巻

本番まで残り二日となった『ラ・セレスティーナ』ヘレス公演。スペインの新聞各紙が記事を発信し始めました。目を通してみると……不肖粗忽天皇が舞踊団公式サイトに書いたスペイン語の文言があちらこちらに引用されているではあーりませんか! ADN紙とカディス県のラ・ボス・デヒタル紙ヘレス日報はほとんどサイトの丸写し。嬉し恥ずかし。

考えてみれば、小島章司フラメンコ舞踊団の詳細についてスペイン語で読めるウェブサイトは我らが公式サイト以外に存在せず、スペイン版グーグルで "Shoji Kojima" と入力すれば真っ先にヒットするので、世界で唯一の参照項目なのでした。それにしても、「びっくりしたなあ、もう」(© 三波伸介)。

2011年2月25日


『ラ・セレスティーナ』ヘレス招聘公演

シェリー酒の本場でありフラメンコ揺籃の地の一つであるスペイン南部アンダルシア地方のヘレス・デ・ラ・フロンテーラ市。ここで毎年この時期に開催されるのがフラメンコの祭典「フェスティバル・デ・ヘレス」。第15回目が今日いよいよ開幕。そして来たる27日(日)は小島章司フラメンコ舞踊団が初出演します。演目は『ラ・セレスティーナ』。詳細は舞踊団の公式サイトをご覧下さい。スペイン語が読める方はフェスティバルの公式サイトでも詳しい紹介が読めます(実はこのページのスペイン語、僭越ながらすべてわたくしが執筆しました)。

日本のマスコミでは徳島新聞が今月20日付の記事で紹介。かく申すわたくしもスタッフの末席に名を連ねているのですが、種々の事情で現地に行けず。全戦で戦えない代わりに日本から掩護射撃の真っ最中。出演者・スタッフ一行はあしたヘレスに向けて出発します。どうか怪我や事故がありませんように。

2011年2月23日


ヨハネによる福音書

初めに言葉があった。

「おい神。さっさと始めんかい」

神は驚いた。言葉は神と共にあった。邪魔だった。ふりほどこうとしたが無駄だった。言葉のほうが強かった。この言葉は初め神と共にあった。

「さっさと創らんかい」

神は大急ぎで世界を創った。働きづめだった。時給850円だった。すべてのものは、これによって出来た。出来たもののうち、一つとしてこれによらないものはなかった。

「おい神。これを見んかい」

この言葉に命があった。そしてこの命は人の光であった。光は闇の中に輝いている。そして闇はこれに勝たなかった。百戦して百敗だった。世界ランキング最下位だった。

「誰や、そこにおる奴」

ここにひとりの人があって、神から遣わされていた。その名をヨハネと言った。この人はあかしのために来た。光について証をし、彼によってすべての人が信じるためである。

「さよか。ま、頑張りや」

ヨハネは光ではなく、ただ、光について証をするために来のである。

「さっき聞いたわ。ええからさっさと証をせんかい」

すべての人を照らすまことの光があって、世に来た。

「わかっとるちゅうねん! 何遍も言うな!」

ヨハネは世にいた。そして、世は彼によって出来たのであるが、世は彼を知らずにいた。

「なんや、不幸自慢か。言うとくけどな、誤解されてるのは自分だけとちゃうで。わしなんかずーっと誤解され通しや」

ヨハネは自分のところに来たのに、自分の民は彼を受け入れなかった。

「聞いてへんやろ、人の話! つらい目に会うてるのは自分だけちゃいまっせ」

しかし、彼を受け入れた者、すなわち、その名を信じた人々には、彼は神の子となる力を与えたのである。それらの人は、血筋によらず、肉欲によらず、また、人の欲にもよらず、ただ神によって生まれたのである。

「ちょっと待て。神によって生まれたのは、まあその通りやけど、あれはわしが、さっさと創らんかいて、命令したから創りよっただけや。まあ細かい話始めたらキリないけどな」

こうして言葉は肉体となり、私たちのうちに宿った。おかげで私たちは内なる声に耳をふさげなくなった。ある意味、誰もが電波ゆんゆんになったのである。

2011年2月13日


5秒でわかる性格テスト

スピーディーでしかも世界一正確だと評される性格判定テスト。わたくしは5番でした。当たってる気がするから不思議。

2011年2月7日


壁紙

ご覧の壁紙、何の模様に見えますか。

常連の○ーコさんは「水滴の波紋みたい」「決して〈旅館の障子紙に使われてる和紙〉には見えないわ」と、去年10月に新・意味なし掲示板で告白して下さいました。

正解は……「コーヒーテーブル」です。少なくともこれをデザインした人は、テーブルに残ったコーヒーの跡をイメージして描いたそうです。

2011年2月1日


共産党なんだってば!

いきなりですけど、今までの社会の歴史はね、ぜーんぶ階級闘争の歴史、ガチンコバトルの歴史なの。マジで。

だって考えてもみてよ。自由人 VS 奴隷、貴族 VS 平民、ギルドの親方 VS 職人。つまり「上から押さえつける人」と「下で押さえつけられる人」がいつも火花を散らしてきたわけじゃん。陰でこっそりだったり、白昼堂々だったり、いろんなケースはあるけど、とにかくずーっとバトルしてきたわけ。でさ、その結果どうなったかっていうと、「バトル会場大改造レボリューション」か「両者ギブアップ」。どんなバトルも結果は二つに一つ、例外は一度もなかったの。

思うんだけどさ、やっぱり歴史って進歩するわけじゃん。で、まだあんまり進歩してない社会を見ると、たいてい身分がはっきり分かれてて、地位も分かれてるでしょ。例えば古代ローマだと、トップに都市貴族がふんぞり返ってて、あとは騎兵、平民、奴隷。中世のヨーロッパだと封建君主がデーンと構えて、その下は家臣、ギルド組合員、職人、最下位は農奴だよね。しかも、騎兵なら騎兵、職人なら職人のあいだにもまた細かいランク分けがあって、もうどんだけランキング好きなんだよ人間は!

封建社会がガラガラ崩れて近代のブルジョア社会が生まれたんだけど、だったらついでに階級対立もチャラにすればいいのに、チャラにしなかったんだよブルジョア社会は。ブルジョアは「新しい社会を作りました!」って威張ってるけど、何を作ったのかよく見てみると、古い階級のかわりに新しい階級、古い圧政のかわりに新しい圧政、古いバトルルールのかわりに新しいバトルルールを作っただけ。「バトル」そのものには手をつけてない。

だからって「それって詐欺じゃん!」って怒るのは早とちり。今の時代、つまりブルジョア階級の時代は、「バトルはできるだけシンプルにしようぜ!」っていうのが特徴なの。仲間同士で喧嘩してる場合じゃねえよ、こうなったらブルジョア VS プロレタリアの直接対決、頂上決戦で行こうぜ!っていうのが「今」なの。

で、ここからが本題なんだけど、なんか疲れちゃった。続きはまた今度ね。バイバイ。

(カールちゃんの『共産党なんだってば!』第一章より)

2011年1月29日


おしえておじいさん

ハイジ
♪口笛はなぜ遠くまで聞えるの~あの雲はなぜ私を待ってるの♪
おんじ
ハイジ、ハイジ!
ハイジ
あ、おじいさん! ねえ教えて!
おんじ
ハイジ……歌うのはやめなさい。
ハイジ
え? どうして?
おんじ
それ以上歌うと罰金をとられるかも知れん。
ハイジ
罰金?
おんじ
そうじゃ。
ハイジ
どうして罰金をとられるの? だって、おかしいわ。ほら、小鳥さんもあんなに楽しそうに歌ってる。でも、誰も罰金なんかとらないわ。
おんじ
ハイジ……おそろしい組織がおまえをつけ狙っているのじゃ。
ハイジ
私を? 誰なの?
おんじ
日本著作権協会、通称JASRACじゃ。
ハイジ
ハイジャック?
おんじ
ジャスラックじゃ。
ハイジ
でも、どうして?
おんじ
歌詞の無断掲載は著作権法違反になるのだ。アニメ『アルプスの少女ハイジ』のオープニング主題歌「おしえて」は岸田衿子さんというお方が作詞した。岸田さんは自分の作品である歌詞を勝手に流用されないように、著作権の保護を日本著作権協会に任せた。ジャスラックは岸田さんに代わって著作権を保護しているのだ。
ハイジ
でも……でも、おかしいわ! だって私はこの歌のすばらしさを大勢の人に広めたいの! 私が歌えばきっと大勢の人が気に入ってくれるわ! そして、みんながビデオやDVDを買ったりカラオケで歌ったりするわ! そうすれば岸田さんには印税がどんどん振り込まれるわ! おじいさん! 私、悪いことなんかしてないわ! 岸田さんのために宣伝しているのと同じよ!
おんじ
ハイジ……お前の言い分はもっともだ。だがのう、世の中には道理が通らないこともあるのじゃ。
ハイジ
そんな……。
おんじ
さっきお前が歌っているのを聞いたが、漢字とひらがなが入り交じっておったな。岸田さんが作詞した「おしえて」の歌詞は、うたまっぷを見ればわかるが、全てひらがなで書かれておるのだ。もしかすると、お前は歌詞を無断で改変したとして訴えられるかも知れん。
ハイジ
おじいさん! ハイジャックはまちがってるわ!
おんじ
ジャスラックじゃ。
ハイジ
ジャスラックって一体、何者なの?
おんじ
さっきも言ったろうに。おそろしい組織じゃ。
ハイジ
正体を教えて!
おんじ
……
ハイジ
おしえて、おじいさん!
おんじ
……

2011年1月18日


これでいいのだ

タイガーマスク運動に便乗して誰かがバカボンのパパになり、寄附に一筆「これでいいのだ」とあったら俺は泣く、とつぶやく宮沢章夫に一票。

2011年1月14日


一日は24時間以上ある

去年のクリスマスに、あるサイトで衝撃的な事実を知った。

サンタクロースが24時間で世界中にプレゼントを配るってのは無理があるよなあと、誰もが子供のころ疑問に思っただろう。わたしも不思議だった。ところが、クリスマス・イブは24時間ではなく50時間あるのだ。

世界でもっとも早く12月24日を迎えるのはキリバスのライン諸島で、日本時間12月23日午後7時。そして世界で最後にクリスマス・イブが終わるのはアメリカ領ベーカー島とハウランド島で、日本時間12月25日午後9時。「12月24日」は50時間ある。

50時間あれば世界中にプレゼントを配れるかも知れない。そう思う間もなく別の疑問が生まれた。キリバスのライン諸島に人は住んでいるのか。そもそもどこにあるんだキリバスってのは。

調べました。オーストラリアの北東、太平洋上だ。人口約10万人。当然子供も大勢いる。サンタクロースからのプレゼントを待ち焦がれているだろう。ではアメリカ領ベーカー島とハウランド島はどうか。

「無人島」

北太平洋の島だが、人がいない。人間がひとりもいないところにプレゼントを配る必要はない。サンタクロースの手間が省ける。では人が住んでいるところで最後に25日を迎えるのはどこか。アメリカ領サモア、ニウエ、そしてミッドウェー島だ。標準時はベーカー島とハウランド島より一時間早い。従ってサンタクロースの配達先はキリバスのライン諸島からスタートしてアメリカ領サモア、ニウエ、ミッドウェー島でゴール、制限時間は49時間だ。ものすごく中途半端な時間だ。しかも仏教的にはきわめて縁起が悪い。サンタクロースの苦悩を思いつつ、わたしは思った。

「原稿の締め切り日は50時間ある」

2011年1月2日


謹賀新年

二十世紀最後の年にサイトを開設し、二十一世紀の最初の十年が過ぎ、テン年代とやらに突入。まさかこんなに続くとは。高田文夫なら「これもひとえに私のおかげです」とギャグを飛ばすところ。「皆さんのおかげです」と書けば秋元康&とんねるずの二番煎じ。案外、宇宙で黙々と仕事をし流れ星となって消えたはやぶさのおかげではないか。人はいつどこで誰の恩恵に浴しているかわかりません。今年もご愛顧をよろしくお願い申し上げます。

2011年1月1日