微笑問題
「内閣不信任決議案否決」の巻
2000.11.26
- A:
- 先週の話題といえば、日本中の期待を裏切った茶番劇だね。
- B:
- チャバンゲキ? ナンデスカ。
- A:
- なんでカタカナなんだよ? ちゃんと喋れよ。
- B:
- ワタシ、ニホンゴ、トクイダヨ。
- A:
- たどたどしいじゃねえか!
- B:
- チュウゴクジンジャナイヨ、タイワンダヨ。
- A:
- ビビアン・スーか、おまえは!
- B:
- CDダシタヨ。
- A:
- いいんだよビビアン・スーの情報なんてどうでも。
- B:
- チャバンゲキッテ、ナニ。
- A:
- ずっとそのキャラで通すつもりかよ。内閣不信任案決議が否決されただろ。
- B:
- シラナイヨ。
- A:
- 知らないの、おまえだけだよ。
- B:
- 侮辱するな!
- A:
- ビビアンのキャラから急に戻るなよ!
- B:
- カタカナ喋りは疲れるんだよ。
- A:
- だったら最初からボケるな! それにしても加藤紘一にはがっかりさせられたね。野党が内閣不信任決議案を出したら賛成します、必ず可決させますなんて大見得を切っておきながら、いざ裁決となると腰砕けになって、山崎派とともに欠席するとはね。
- B:
- あれは情けなかったな。
- A:
- 内部分裂した自民党も、離党させるなんて脅しておいて、加藤も山崎も処分なし。蓋を開けたら、結局、自民党内部の派閥抗争だったというわけだね。
- B:
- 加トちゃんだから当然だよ。
- A:
- 加トちゃんって、加藤茶の愛称じゃねえか。
- B:
- ドリフのコントと変わらないぜ。
- A:
- コントにしてはちっとも笑えなかったよ。
- B:
- 自民党に田村隆がいないからだよ。
- A:
- 田村隆はドリフターズのコントのシナリオを長年書いた作家だろ。いるわけねえじゃねえか。
- B:
- でもドリフのコントにそっくりだったぜ。
- A:
- そうかなあ。
- B:
- いたずら坊主で、いつも機会をうかがってはなにか騒動を起こしたがるのが加トちゃん。これが加藤紘一だな。
- A:
- 強引だな。
- B:
- ふだんは出番がないけど、ときどき妙なキャラクターで登場して奇声を発するすわしんじが山崎。
- A:
- 「すわしんじ」なんて、今の人、誰も知らないよ!ドリフの付き人だろ?
- B:
- あの伝説の猫車ダンス、知らないのか。
- A:
- 知ってるのはオレたちくらいのものだよ。たしかにあの人は建築現場でつかう猫車をクルクル回しながらマンボを踊る珍芸の持ち主だけど。
- B:
- このあいだ「たけしの誰でもピカソ」に出たんだぜ。
- A:
- それは知らなかった。
- B:
- コントのネタ作りに何時間もかけるいかりや長介のやり方にうんざりして独立を果たしたんだけど、いざ独り立ちしてみたらいかりや長介そっくりでネタ作りにスタッフを何時間も拘束するようになってしまった志村けんが、小泉純一郎。
- B:
- 説明が長いよ! たしかにチョーさんも志村けんも、ネタ作りには凝るらしいけど。
- A:
- あの小泉純一郎が森派のトップなんだぜ。奇妙だろ。
- B:
- たしかにあの人は森を担ぐようなタイプじゃないね。
- A:
- 権力欲、みえみえだろ?
- B:
- 言われてみるとそうかも。
- A:
- チョーさんを否定しておきながらチョーさんそっくりになった志村と同じ。
- A:
- なるほどね。
- B:
- ときどき突然ぬぼーっと現れて一同の度肝を抜かして舞台をメチャクチャにするジャンボマックスが鳩山由起夫。
- A:
- 人の背丈の何倍もあるジャンボマックスなんて、それこそ今の人は誰も知らないよ!
- B:
- 巨大な人形で、瞬きしないところなんかそっくりだぜ。
- A:
- 言われてみれば鳩山由起夫ってちょっと人形っぽいな。
- B:
- なんの芸もないのに体操のコントのときだけ輝く仲本工事が森善朗。
- A:
- たしかに森首相は元ラグビー部出身で「頭からっぽのラグビー馬鹿」とか揶揄されてるけど。
- B:
- 志村けんにコントのイロハを習ってバラエティー番組の常連になったけど、女性のスカートの中を隠し撮りして逮捕された田代まさしが、元官房長官。
- A:
- 田代まさしは謹慎中なんだからほっといてやれよ!たしかに元官房長官も愛人問題で辞任したけど。
- B:
- そんなやんちゃ坊主たちをどうにかまとめるチョーさんが野中。
- A:
- 野中はいかりや長介かよ!
- B:
- 分厚い唇のあたりなんて、結構似てるぜ。オィーッス!
- A:
- それは「8時だヨ!全員集合」のコントのオープニングのセリフだろ。もう大昔の話で誰もついていけないよ。
- B:
- 「オレたちひょうきん族」が始まるまでは、土曜の夜8時はドリフを観るのが正しい日本人だった。
- A:
- 嘘つけ! あの番組は毎年PTAの「子供に見せたくない悪質番組」のトップだったんだよ。
- B:
- ああいうしっかりと作られたコントを観ないと、笑いの感性は育たないんだよ。
- A:
- 言われてみれば、テレビのバラエティーでコントが見れるのは少ないね。フジテレビの「笑う犬の冒険」と、NHKの「コメディーお江戸でござる」、あとは吉本新喜劇くらいかな。
- B:
- 「笑う犬の冒険」はだんだん内輪ネタが多くなってきて、最近はつまらないぜ。
- A:
- 「コメディーお江戸でござる」も伊東四朗が抜けてちょっと淋しいね。
- B:
- 日本人の笑いの文化を高めるためにも、政治家にはコントを勉強してほしい。
- A:
- なんでだよ! 政治はお笑いじゃないだろ。
- B:
- クリントンが自分のパロディービデオを作っただろ。日本人もそのくらいのユーモアがなくちゃだめだってことだよ。
- A:
- そういえばあのビデオは衝撃的だったね。〈なんにもすることがなくて周りに疎んじられる大統領〉を自分自身で演じてた。
- B:
- だから政治家にはシティー・ボーイズのコント鑑賞を義務づける法律を作る。
- A:
- - どんな法律だよ! 無茶言うなよ。シティー・ボーイズって、大竹まことと、きたろうと、斉木しげるの、あのトリオ?
- B:
- 彼らのコントは質が高い。
- A:
- でもテレビじゃ演ってないよ。
- B:
- ライブのビデオが出ている。「コント!コント!コント!がお勧め。
- A:
- おまえはシティー・ボーイズの回し者か!
- B:
- でも観てはいけないコントがある。
- A:
- なんだよ。
- B:
- 爆笑問題。
- A:
- え? あの二人、コント演ってるの?
- B:
- 所属事務所のタイタン・ライブでコントを演っている。これはつまらない。爆笑問題は漫才に限る。
- A:
- 爆笑問題はオレたち微笑問題の先輩だぜ。
- B:
- つまらないものはつまらない。国民の75%が支持していないコントを容認するわけにはいかない。野党が不信任決議案を出したら、私は賛成します。
- A:
- それこそ加藤紘一の茶番劇じゃねえか!
いい加減にしろ!