微笑問題

「小泉内閣組閣」の巻
2001.5.5

A:
微笑問題も久しぶりだね。
B:
本当だね。
A:
あんまり久しぶりだから、最後がいつだったか忘れちゃったよ。
B:
ところで君、誰?
A:
漫才の相方を忘れるのかよ!
B:
いろいろと忙しかったんだよ。
A:
何してたの?
B:
東京ディズニーランドに行く予定だった。
A:
予定だったって、行かなかったの?
B:
身柄を拘束されちゃってね。
A:
どうしたんだよ?
B:
いつの間にかポケットにドミニカ共和国の偽造パスポートが入ってて。
A:
それは金成日の長男の金正男だろ!
B:
身柄を拘束された金正男もマヌケだけど、身元を確認できなかった法務省はもっとマヌケだな。
A:
本人が「金総書記の息子」だって名乗っているのにね。
B:
桜吹雪が目に入らなかったのかな。
A:
それは遠山の金さんだろ!
B:
どっちも“遊び人”。
A:
たしかに金正男は日本の映画やマンガが好きなオタクで、結構遊び人らしいけど。
B:
偽造パスポートはプリンセス・テンコーのマジック。
A:
なわけねえだろ! たしかにプリンセス・テンコーは北朝鮮で何度か公演をしているけど。それにしても金正男はずいぶん恰幅がいい男だったね。
B:
父親似だね。
A:
顔なんかぽっちゃりとして。
B:
栄養満点だからね。
A:
国民は飢えに苦しんでるんじゃないの?
B:
あなたは南朝鮮が流しているデマを信用するんですか?
A:
“南朝鮮”って、おまえはいつから北朝鮮人になったんだよ?
B:
私は我らが指導者金総書記の踊り子に過ぎません。
A:
おまえは“喜び組”かよ!
B:
金ちゃんのド~ンとやってみよう♪。
A:
テポドンでド~ンとやっちゃ困るんだよ! それに金ちゃんじゃなくて欽ちゃんだろ! それはそうと、国内の話題では、マスコミが久しぶりに盛り上がる出来事がありましたね。
B:
日本中が釘付けになりました。
A:
総裁選に注目が集まったね。
B:
結果は江頭 2:50 の大勝利。
A - それは同じ総裁でも大川興業の総裁選だろ! たしかに大川総裁は敗れたけど。
B:
ほかに総裁選あった?
A:
小泉さんが首相になっただろ。
B:
永瀬正敏との結婚生活がうまく行っていないとかマスコミに叩かれても、たじろがなかったのが立派です。
A:
なんでキョンキョンの話になるんだよ?
B:
小泉だろ?
A:
ボケが下らなすぎるよ!
B:
女性大統領が誕生したフィリピンでは、日本でも女性が首相になったと喜んで派手なお祭り騒ぎで祝ってくれました。
A:
フィリピンはエストラダ元大統領が逮捕されたから、怒った国民が暴動を起こしてるんだよ!
B:
「学園天国」の振付の練習です。
A:
いつの時代の歌だよ! 総裁選では橋本が二位で負けましたね。
B:
橋本は口ばっかりで、実戦では弱いんだよ。
A:
そうなの?
B:
小川と三回闘ったけど三回ともボコボコにされた。
A:
なんの話だよ?
B:
橋本は引退を賭けて去年の三度目の戦いに臨んだものの、S.T.O.を連発で食らってノックダウン。
A:
話が見えないよ!
B - “スペース・トルネード・オガワ”だぜ? 敵がいなくなった小川は標的を長州に定めた。
A:
プロレスかよ!
B:
今日の福岡ドームでの決戦では長州組が小川組を破りました。
A:
どうでもいいんだよそんな話は!
B:
白覆面の男は橋本真也です。
A:
話題がマニアックすぎるよ! 橋本は橋本でも、橋本龍太郎の話をしてたんだよ。
B:
そんな選手、新日本プロレスにはいません。
A:
だからプロレスじゃなくて政治の話! 小泉内閣は行政改革担当大臣の石原伸晃が44歳で、全体に若手が多く起用されました。
B:
女性の閣僚も増えたな。
A:
そう。文部科学大臣に遠山敦子、法務大臣に森山真弓、国土交通大臣に扇千景、環境大臣に川口順子が選ばれた。でも注目を集めたのは何といっても田中眞紀子。なんと外務大臣に大抜擢。
B:
これで“喜び組”ができたね。
A:
だから北朝鮮ネタはやめろって!
B:
でも扇千景は“喜び組”出身だよ。
A:
宝塚だろ!
B:
宝塚出身だからって偉そうな顔してるけど、元を正せば温泉の余興だぜ。
A:
そうなの?
B:
阪急電鉄の前身の鉄道会社の小林一三社長が宝塚新温泉プールを改造してパラダイス劇場を作った。宝塚歌劇団はレジャー施設への客の誘致が目的。
A:
知らなかったよ。
B:
扇千景は温泉芸者。
A:
芸者ってことはないだろ。
B:
芸者が国土交通大臣なだけに、鉄道はぜんぶ花電車。
A:
“花電車”の意味を知っている人は相当マニアックだよ!てゆうか、教育上よくないよ。そんなことより、読売新聞の調査によると小泉内閣の支持率はなんと80%以上。東証株価指数も跳ね上がった。
B:
いわゆる御祝儀相場。
A:
よく知ってるじゃないか。
B:
待望の赤ちゃんが産まれたからな。
A:
小泉首相は離婚して今は独身だよ。
B:
5月2日にマスコミに公表したよ。
A:
それはキムタクと工藤静香だろ?
B:
野々村真夫妻。
A:
そんな小っちゃなニュース、誰も知らないよ!
B:
キムタクはマスコミ宛のファックスを「最高です」と締めくくった。
A:
たしかに気分は最高だろうね。
B:
法の華だね。
A:
なわけねえだろ! それにしてもこんなに国民の支持を得て誕生した内閣は細川政権以来だね。
B:
福祉税を導入します。
A:
いきなり細川政権の真似かよ! あの寝耳に水の発言で細川内閣は潰れたんだよ。
B:
人気者はいつだって物真似から始めるんだよ。
A:
真似していいことと悪いことがあるだろ!
B:
あの美空ひばりは笠置シヅ子の物真似で人気を集めた。
A:
歌謡界と政界をいっしょにするなよ!
B:
笠置シヅ子が腰を振って歌って踊ったのは終戦間もない頃だぜ。
A:
“だぜ”って言われても、あ、そうですか、としか答えられないだろ!
B:
それを真似たのがプレスリー。
A:
嘘つけ!
B:
吉幾三は“田舎のプレスリー”なのに?
A:
“なのに?”の意味が分からないよ!
B:
アメリカ帰りの華原朋美は毎晩実家の居酒屋に入浸って浜崎あゆみの曲を熱唱してるのに?
A:
単なる噂だろ!
B:
大入りだった花田憲子ディナーショーは観客の8割がマスコミ関係者との噂。
A:
おまえはどうして芸能ネタに走るんだよ!ところでワシントン・ポストによると小泉首相は「日本のリチャード・ギア」。言われてみれば似てるよね。
B:
『プリティ・ウーマン』を地で行ってるからな。
A:
どういう意味だよ?
B:
コールガールを立派なレディにしただろ?
A:
『プリティ・ウーマン』はジュリア・ロバーツのコールガールが富豪のリチャード・ギアに磨かれて淑女になるという話だけど。
B:
芸者を大臣にした。
A:
また扇千景かよ! 話は変わってプロ野球界ではなんといってもイチローのメジャー・デビューだね。
B:
結構活躍しているらしいな。
A:
そうなんだよ。“ハマの大魔人”佐々木が所属するシアトル・マリナーズに移籍した途端、なんと15試合連続安打のチーム記録を樹立した。打率も3割3分をキープして、リーグトップクラスの大打者になりつつある。メジャー進出6年目のボストン・レッドソックスの野茂英雄も二度目のノーヒット・ノーランを達成した。
B:
日本人も案外やるね。
A:
イチローが出塁して中軸打線が本塁に返し、最後は守護神佐々木が抑えるという勝ちパターンが出来た。先日は野茂とイチローの夢の対決も実現した。
B:
こうなると日本のプロ野球は霞むな。
A:
巨人戦の視聴率はガタ落ちらしい。
B:
松井がメジャーに進出したら日本のプロ野球は誰も見ないな。
A:
本当にそういう時代が来るかもしれないね。
B:
だったら小泉首相も日本でちまちまやってないで世界に打って出ればいい。
A:
世界でなにをするんだよ?
B:
地雷撤去。
A:
それなら坂本龍一が ZERO LANDMINE という18分の大曲を作曲してボランティア活動しているだろ?
B:
ジュンイチローの方が受けるぜ。
A:
イチローのパクリかよ!
B:
参加するアーティストの顔ぶれが凄い。
A:
ZERO LANDMINE は細野晴臣や高橋幸宏、ドリカム、UA、桜井和寿、シンディー・ローパー、デビッド・シルビアンなどなど、錚々たるメンバーだね。
B:
ジュンイチローも負けないぜ。
A:
誰だよ?
B:
横山ホットブラザーズ。
A:
それはノコギリを演奏する寄席芸人だろ!
B:
東京ボーイズ。
A:
それもアコーディオンと三味線の漫才トリオだろ!
B:
東京ビートルズ。
A:
それはビートルズ全盛時代に東京で結成されたへなちょこなコピーバンドだよ!マニアしか知らないよ。
B:
田中眞紀子。
A:
なにを歌うんだよ?
B:
眞紀子節。
A:
くだらないよ! いい加減にしろ。